資生堂薬品株式会社様 SFA導入事例

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資生堂薬品株式会社は、2007年4月にeセールスマネージャーの導入を開始し、2007年9月より本格稼働を開始。約60名の営業担当者をひとつにつなぎ、見える化による現場力の向上とコミュニケーションの活性化、情報流の清流化を実現した。同社の代表取締役社長 高原英二氏、営業企画G 浦聡子氏、営業企画G 岩本充恵氏に話を聞いた。
【目次】


「ザ・コラーゲン WEBサイト」 http://www.shiseido.co.jp/collagen/
資生堂薬品様の概要
− 事業概要と資生堂グループにおける位置づけについてお聞かせください。

高原:資生堂は、創業時には医薬品の会社として、そして現在では化粧品の会社として130年以上の歴史があります。その資生堂のヘルスケア事業を展開するのが資生堂薬品であり“健康”という側面から“美しさ”の実現を目指しています。
現在は、一般医薬品、医薬部外品をはじめ、コラーゲンやコエンザイムQ10などの“アンチエイジング”健康美容食品のほか、高機能な日やけ止めクリーム、乾燥対策用の化粧品などの商品を取り扱っています。
全国の薬局、薬店(ドラッグストア)、GMS(総合スーパー)、コンビニエンスストアなどを販売チャネルとして、営業販売、得意先への商談、売り場作り、製品の店頭販売、市場拡大などを事業として展開しています。
− 導入以前における、営業の業務週報の作業の流れをご説明ください。
浦:eセールスマネージャーを導入する前は、営業担当者に日々の活動を紙ベースの週報で提出してもらっていました。提出された週報は、手作業で集計し、これにより情報共有を行っていました。
岩本:営業担当者から送信される週報は、浦が営業からの意見として1枚のシートにまとめ、全員に配布していました。マーケティング担当者や販売促進の担当者は、このシートを参考資料として利用しています。
課題の把握、導入の背景
− 課題について具体的にお聞かせください。
高原:現在、資生堂薬品には、約100名の社員がおり、そのうち約60名が営業担当者です。基本的に営業担当者は直行・直帰なので会社に戻ってこないこともあります。そのために業務のノウハウが個人のスキルに埋没してしまうという課題がありました。
週報に関しても、毎日書く人もいれば、1週間ぶんをまとめて書く人もいる、また考え方の深みや幅の違いもあり、ビジネスの現状を瞬時に、同じレベルで可視化することが困難でした。

最大の課題は、一貫性がないこと、スピード感がないことです。「週報の提出」が仕事になってしまい、週報をまとめたものを分析し、社内でどのように消化して、どのように改善していくかまで考える余裕がありませんでした。
浦:営業担当者にとっては週報のために帰社するのは負担ですし、せっかく会社に戻って週報を提出しても、上司からのフィードバックが無ければ、提出率が下がってしまうという課題もありました。
岩本:私は浦が担当していた、週報をシートにまとめる作業が非常に負荷のかかるものに見えたので、浦の苦労を軽減したいと思っていました。
− 課題を意識されはじめたのはいつごろからでしょうか。
高原:前任者の頃からです。私が社長に就任したのは2007年4月ですが、以前から2人を見ていたので、何に困っているかは感じていました。聞こえてきたのは、もっと会社をよくしたいとか、家族的なコミュニケーションを実現したいという指向でした。
− どのような解決策が必要だったのでしょうか。
高原:「社員が働きやすい職場環境」の実現です。そのためには仕事の仕組みや会社の風土を改革していくことが必要で、「約60名の営業担当者をひとつにつなぐ仕組み」を作ることが不可欠でした。情報の共有化や活動を「見える化」すること、全員が同じ次元で情報を共有できること、会社からの情報も均一かつ迅速にすべての営業担当者に提供できることを目指したのです。
さらに、北陸2名、東北4名、九州5名など、地方では1人の営業担当者が非常に長距離を移動しなければなりません。遠隔地と言うこともあり、状況を把握することもなかなか困難です。本社から離れている営業担当者は、精神的に孤独なのでそれをケアできなければなりません。
遠隔地にいる営業担当者もいつでも誰かとつながることを可能にするには、誰もが持っている携帯電話が最適だとおもいました。また、情報の一元化も可能です。携帯電話を活用できるツールを必要としていたのです。
課題の解決に向けて
− eセールスマネージャーを知ったきっかけを教えてください。
岩本:ある日、eセールスマネージャーの資料が机の上に置いてありました。資料を見て、もしかしたら週報の改善に使えると思いました。ちなみにこれは、私たちの苦労を見ていた高原が置いたものでした。
− eセールスマネージャーには期待できましたか?
浦:はい。eセールスマネージャーのパンフレットを見たとき、これなら営業担当者がわざわざ会社に戻って週報を入力するという無駄が解消できるのではないかと考えました。
パンフレットを見てまず期待したのは、eセールスマネージャーの最大の特長でもある携帯電話による入力機能でした。これを利用すれば、紙ベースの週報ではなく、店頭でリアルタイムに入力することができます。そして営業中に気づいたことや顧客に指摘されたことなどをすぐに伝えることできます。これまで共有しにくかった日々の活動内容を共有できるようになるのではないかと期待ました。
− 浦様と岩本様に紹介する前に、高原様がeセールスマネージャーを知ったきっかけをお聞かせください。
高原:2005年の秋、私は本社の経営企画部に所属していましたが、そのころ宋文洲氏の著書「やっぱり変だよ日本の営業」を読んでいて、この人に会ってみたいと思っていました。興味を持って調べてソフトブレーンの創業者であるということや、eセールスマネージャーのことを知ったのです。
− ご検討時に重視した点をご説明ださい。
高原:今回のシステム構築で求めていた機能は「携帯電話で使える」という1点でした。理由はその当時、すべての営業担当者にイントラネットが利用できるPCが行き届いていなかったからです。また距離的な問題もあるので、営業が事務所まで戻ることも現実的ではありません。そこで、PCではない入力方法を考えていたのです。
そこでまず、3社からの提案を検討しました。評価したポイントはコストと信頼性、サポート体制です。信頼性では、これまで導入実績がどれほどあるのか、どれぐらい応用性があるのかを評価しました。導入したのに誰も使ってないという状況になることが最悪だと考えていたので、サポート力も重視しました。これらの評価ポイントをクリアしていたeセールスマネージャーを採用することにしました。
実は、eセールスマネージャーの資料を2人の机に置いたときには、私の心中ではすでにeセールスマネージャーの採用を決定していました。しかしツールの導入は、「押し付け」では成功しません。現場の担当者が使えると思ってはじめて成功につながります。
トップダウンで会社をまとめていく方法もありますが、今はそんな時代ではありません。現場の全員が力を発揮できる評価の仕組みを実現し、営業担当者のモチベーションを向上させることが重要です。
現場から会社が変わっていく風土にしなければ小さな会社は生き残れません。約60名の営業担当者をひとつにつなぎ、現場の見える化による現場力の向上とコミュニケーションの活性化、情報流の清流化を実現することをeセールスマネージャーで目指しました。
eセールスマネージャーの導入において
− 導入が決定した際、営業現場の反応はいかがでしたか。
高原:営業担当者が「また仕事を増やされるのではないか」と神経質になってしまいました。このためシステムを浸透させる段階で2人には苦労させてしまいました。2人に任せ過ぎたために、この仕組みを入れるとどんなメリットがあるのかを営業担当者に具体的に説明していなかったことが原因で、これは経営側の反省点です。
− 導入時のステップをお話ください。

岩本:日々の業務として社内で販促物の編集などを行っていたので、ウェブのコンテンツを編集する考え方でシステムの導入を行いました。
まずは会社の中の売り上げや予算、販促品、商品など、さまざまなコンテンツを横並びにして「目次」を作成しました。実現できるものとできないもの、というシステム上の問題が必ず出てくるので、目次の中から実装していく順番を決定しました。
一方、懸念されたのは営業担当者の全員が携帯電話でメールのやり取りができるのかということでした。自分にとっては当たり前のことでも、他人には当たり前のことではないことはよくあります。そこで、「携帯電話で日報を送る仕組みを作ろうと思いますが、携帯電話でメールをしたことはありますか?」と聞きました。その結果、全員が「(やったこと)あります」という回答だったので始めることに迷いがなくなりました。
浦:その後は、ソフトブレーンのコンサルタントにサポートしてもらいながらシステムを構築していきました。最大のポイントは、会社にとって必要な目次作りと、導入のステップ作りでした。
次に、営業担当者に日報でどのようなことを報告したいのか、どのような情報を共有したいのかなどをヒアリングしました。とにかく、一部の人間で決めるのではなく、みんなの意見を聞いてシステムを作っていくという方法で進めたのです。
高原:パッケージの導入ではありますが、現場の利用者が自分たちのものにしていかなければ意味はありません。システムを導入する意義を確認するため、しばしばミーティングには参加しましたが、とにかく自分たちでいいものを作ってほしいという思いから、システム構築のすべてを2人に任せていました。
岩本:資生堂の理念のひとつに「お客さま指向」があります。eセールスマネージャーの導入を推進している私たちにとっては、eセールスマネージャーの利用者である営業担当者がお客さまにあたります。私たちにとっての顧客である営業担当者に不要なものを作っても利用してもらえません。システムの構築では、この「お客さま指向」を強く意識しました。
− 営業担当者に利用してもらう段階での工夫をお聞かせください。
岩本:当初、eセールスマネージャーの用語には「ビジネスシート」や「カスタマーシート」など、カタカナが多く、何を示しているのかまったく理解できませんでした。そこで、誰にでも分かるレベルでの表現が必要でした。
私たちは日本人なのだから日本語でコミュニケーションしたいと思い、マニュアルの英語表記をすべて日本語に変え、日本語の説明を追加しました。特に「○○してみよう!」など、利用者がやる気になるような表現を使うように心がけました。
利用開始の前に、最初にやりたいことをすべて洗い出したのですが、いっぺんに機能を公開しても利用しきれず負担になってしまいます。そこで、最初は必要最小限の機能を公開し、その後少しずつ機能を増やしていきました。
浦:研修では営業担当者を2つのグループに分け、ソフトブレーンのコンサルタントにも協力してもらいながらマニュアルをもとに行いました。気をつけたのは、eセールスマネージャーを利用することが日々の業務の負担にならないようにということです。週報をeセールスマネージャーによる日報に切り替えることで、業務の負荷を軽減してもらうことが最大の目的だったからです。
実際に日報を受け付けてから最初の1カ月間は、毎日、高原が営業担当者60名分の日報に返信してくれました。これにより、eセールスマネージャーの利用が定着しました。その後は、本部長に1カ月半ほど返信をお願いし、次に各リーダーが返信をする体制にと、徐々に移行させました。
管理職者や経営層からの返信がないと提出率が減少するという以前の経験を生かして組織として機能するためにはどうすれば良いかを考えた結果、こうした取り組みを行いました。
eセールスマネージャーの導入後について
− 利用の定着に向けた取り組みについてお話ください。
浦:eセールスマネージャーを継続的に利用してもらうためにはギブ&テイクではなく、ギブ&ギブの関係でありたいと思っています。そこで使い続けてもらうために我々として何を提供できるかを考えて、まずは朝一番に営業担当者ごとに日々の売上実績を配信することにしました。
売上実績(日報)は、これまで会社のイントラネットで提供していましたが、イントラネットで提供するということは会社に戻ってこなければなりません。eセールスマネージャーで見ることができれば、会社に戻らなくても数字を確認できます。
こうした取り組みにより、たとえば電話で本日売り上げの数字を各々から確認されることがなくなりました。逆に売上の配信が遅れた場合に「今日は、まだ数字が送られてきていないんだけど」という問い合わせが営業担当者から届くようになるほど浸透しました。
岩本:また、eセールスマネージャーを積極的に活用してくれている営業担当の女性は、月に1度程度しかオフィスに来られないのですが、「自分がやっていることをeセールスマネージャーで報告することで存在をアピールできる」と話してくれています。これは当初の目的である“つながり”を実現できたという意味でうれしい言葉でした。いまでは経営層と現場を直接つなぐツールになったと思っています。
高原:eセールスマネージャーに入力された報告は、私の携帯に転送される仕組みになっていますので、私も携帯電話で返信しています。入力する側も、自分の報告を見ている人がいると感じると、より分かりやすい報告をしようと意識が高まっていくようです。
− 導入時の目標は達成できましたか。
高原:当初、期待していた営業の見える化を実現するという面やコミュニケーションの不便さを解決するといった面では、相当のレベルで及第点だと思っています。
また、いろいろな意見を効率的に収集することも可能になりました。ある営業担当者の意見から実際に製品を開発し、販売を開始したこともあります。こうした柔軟な対応ができるのも小さな会社の醍醐味であり、eセールスマネージャーはそのための強力なツールとなっています。
今後の計画とソフトブレーンへの信頼や要望・期待
− ソフトブレーンの評価と期待についてお聞かせください。
浦:ソフトブレーンのコンサルタントには、常に我々の立場に立った提案をいただいています。我々がこんな仕組みを作りたいと話すと、「それではこうすれば実現できます」とか「私であればこうします」という具体的な提案をいただけることには非常に感謝しています。
− 今後の計画をご説明ください。
高原:現在は、eセールスマネージャーを利用して基本的な情報を全員に提供しています。しかし今後は、あるテーマに基づいて専門の営業担当者を集めてプロジェクトを作成しようと思っています。そのプロジェクトのメンバーだけにeセールスマネージャーで情報を提供して企画を考えてもらい、そこからピックアップした意見をほかの営業担当者にも水平展開するという取り組みを実施する計画です。

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