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ひまわりネットワークが語る『セールステックを軸にした営業DX戦略』
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ひまわりネットワークが語る『セールステックを軸にした営業DX戦略』

営業活動のブラックボックス化により「誰が何をしているかわからない」「残業を把握できない」「仕事のフォローができない」などの課題を抱えていたひまわりネットワーク。ひまわりネットワークがソフトブレーンと協力体制を築くことで得られた成果とは?セールステック(CRM/SFA)を軸にした営業DX戦略を徹底解剖する。

今回の登壇者について

杉山 武士 氏

ひまわりネットワーク株式会社 法人営業部
部長

大浜 智 氏

ひまわりネットワーク株式会社 法人営業部 ソリューション営業グループ
係長

長縄 達哉 氏

ひまわりネットワーク株式会社 法人営業部 ソリューション営業グループ
係長

【課題①】営業活動のブラックボックス化

ひまわりネットワークが語る『セールステックを軸にした営業DX戦略』_【課題①】営業活動のブラックボックス化

ひまわりネットワークでは、営業活動のブラックボックス化という深刻な課題を抱えていた。まず、日々の営業報告が定着しないことに加え業務が属人化しており、仕事量が把握できず相互フォローができないこと。プロセスごとの管理帳票が増加し、入力漏れなどによるミスや、残業時間が増加していること。スケジュールを共有していないことや案件の進捗を報告する場が少ないことにより、誰が何をしているかわからず、個人の残業時間や内容を把握できていないこと。

課題は3つあった。
(1)営業プロセスと活動進捗の明瞭化
(2)電子化、一元化による管理工数の低減
(3)可視化による労務管理の徹底

当時の考えについて、長縄氏はこう語る。「営業基盤が出来上がっていない状態でシステムを構築しても、うまく機能しない恐れがあります。私たちは2年にわたる改善計画を立て、始めに営業プロセスの見える化を実施し、そして営業基盤が確立された後にシステムへの落とし込みを実行することにしました。」(長縄氏)

【課題②】業務タスクやKPIがない状態

(1)営業プロセスと活動進捗の明瞭化

業務タスクやKPIが定まっていない状態での進捗確認は困難だ。そこで業務タスクを各営業窓口別に作成し業務の均一化を図った。次に活動の指標となる個人KPIを設定し進捗を可視化。「各自の意見を出し合いフローを統一しWBSを作成。さらにWBSを基に重要項目を指標とした個人KPIを設定し運用をスタート。進捗を可視化することで、本人のKPI達成に向けた意欲向上に加え、案件の進捗をお互いにフォローし合うようになりました。」(長縄氏)

このような取り組みの結果、グループ内では相互フォロー体制が整った。さらに組織の営業力向上にもう一歩踏み込むスキルアップタイム(営業勉強会)を導入。
「営業手法や商品知識などの情報共有が実現し、指導機会の創出にも繋がりました。」(長縄氏)

(2)電子化、一元化による管理工数の低減

ひまわりネットワークが語る『セールステックを軸にした営業DX戦略』_電子化、一元化による管理工数の低減

法人営業部の発足以降、営業活動ごとの管理帳票が増加したことで、入力漏れなどのミスから残業時間の増加にも繋がっていた。
「複数の管理帳票をeセールスマネージャーに一元化することで、管理工数削減、営業活動を可視化しました。」(大浜氏)

(3)可視化による労務管理の徹底

ひまわりネットワークが語る『セールステックを軸にした営業DX戦略』_可視化による労務管理の徹底

法人営業部では、営業結果を優先し活動工数やスケジュールが可視化されていなかった。
「eセールスマネージャーの導入によって、月間の活動実績を可視化。営業担当とマネジメント側での情報共有が実現しました。」(大浜氏)

eセールスマネージャーは、ソフトブレーンが開発した純国産のCRM/SFAだ。さまざまなITツールとの連携が可能であり、ワンストップで営業活動を支援する仕組みとなっている。

【導入時の課題】現場の賛同をいかにして得たのか?

「現状維持を望む現場の抵抗感が大きい中、例外を認めない徹底した姿勢で挑みました。そのうえで、営業担当とマネジメント側の双方での確認と説明を繰り返すことで、抵抗感を拭うまで地道に啓蒙を続けました。」(長縄氏)

「営業経験の長い社員は、可視化への拒否反応があります。しかし意識改革が実現しなければシステムが活きてきません。そこでシステムに登録していないものは評価しないなどの徹底した姿勢を貫きました。しかし、ただ入力するだけでは営業担当のモチベーションは上がりません。承認やアドバイスなどのマネジメント側からのアクションが重要です。」(杉山氏)

【導入後の成果】残業削減など働き方改革にも寄与

 (1)情報管理一元化による工数削減、残業時間の削減、有給取得率の向上

ひまわりネットワークが語る『セールステックを軸にした営業DX戦略』_情報管理一元化による工数削減、残業時間の削減、有給取得率の向上

情報管理の一元化で、シングルインプット・マルチアウトプットの環境を実現。各種管理表入力のための事務工数は60.5時間削減。業務効率化、計画的な業務スケジュールの推進により、月間平均残業時間は減少。有給取得率も向上した。
営業プロセスの再構築、eセールスマネージャーの導入に加え、労務改善の取り組みも継続。結果、売上増加・労働時間の低減を継続実現し法人営業部の売上生産性は向上した。

(2)実践者から見た成功の秘訣

ひまわりネットワークが語る『セールステックを軸にした営業DX戦略』_実践者から見た成功の秘訣

成功の秘訣は4つだ。
(1)営業プロセスの分解後、eセールスマネージャーを導入
(2)イレギュラーを一切認めないことを徹底
(3)進捗状況の可視化
(4)管理運用面の工夫

システム導入までの計画が重要だと長縄氏は語る。
「営業の型がない状態でシステム導入しても最大限活用できません。まずは営業の体系化に向け、部内でプロセスを組み、運用から管理までの必要な管理指標やアウトプットはトライ&エラーを繰り返して見定めました。これらが定着した段階で、新たな効率化、データの一元化を見据えてeセールスマネージャーを導入。標準化された営業体系をシステムに導入できたことでスムーズな運用を実現しました。」(長縄氏)

案件が増えた際、マネジメント側がフォローするには進捗状況の可視化が不可欠だ。
「管理運用面の工夫では『なぜ実践するのか』『どう進めるのか』を管理主体のみならず若手社員にも共有し、全スタッフで取り組み浸透を図りました。KPIを個人やチームの評価指標にすることでプロセスも評価としました。」(長縄氏)

【今後の展望】法人営業部での成果を関連部署に共有し、さらなるDX推進を図る

ひまわりネットワークが語る『セールステックを軸にした営業DX戦略』_【今後の展望】法人営業部での成果を関連部署に共有し、さらなるDX推進を図る

今後の展望は大きく3つあると杉山氏は説明する。
(1)柔軟な営業活動
(2)スキルの拡大
(3)関連部門との連携

「アプローチ手法の変化も加え、質の高い働き方や管理による柔軟な営業活動、商談機会を最大限に活かすため他グループ商材の商品知識向上などのスキル拡大、さらに法人営業部での成果を関連部署に共有し、さらなるDX推進を図っていきたいと思います。」(杉山氏)

ソフトブレーンと協力体制を築くことで得られた成果

型作りと仕組み作りを実践し、生産性向上を実現

ひまわりネットワークが語る『セールステックを軸にした営業DX戦略』_型作りと仕組み作りを実践し、生産性向上を実現

(1)型作り(WBS、活動KPI)と仕組み作りの両輪を設計
(2)業務への組み込み、ムリ・ムダ・ムラの徹底排除による生産性向上を実現
(3)手段を目的化しないための各種取り組みの展開

セールステックを軸にした営業DX戦略に不可欠な『定着』

eセールスマネージャーの導入後、『誰がどのようなシーンで活用しているか』といった定期的なレポート報告によって、定着に大きく貢献していると杉山氏は語る。

導入後も手厚いコンサルティングによって、セールステック(CRM/SFA)という手段を目的化させず、さらなる営業DX戦略を目指すことは重要だ。ひまわりネットワークにおける営業DX戦略はソフトブレーンと協力体制を築くことで得られたとも言える。
ひまわりネットワークの営業DX戦略は、営業DXに課題を抱える企業はもちろん、社員の働き方改革や意識改革などの課題を抱えるあらゆる企業に共通するだろう。

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