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eセールスマネージャー 営業ラボ・ブログ 【管理職必見】マネジメントとは? 目的や役割、スキルを簡単解説!【仕事の秘訣】
マネジメントとは? 意味や管理職における仕事の秘訣を簡単に解説!
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【管理職必見】マネジメントとは? 目的や役割、スキルを簡単解説!【仕事の秘訣】

マネジメントは、ビジネスシーンで頻繁に使われる言葉ですが、意味を正しく理解している人は少ないのではないでしょうか。

特に管理職においては、マネジメントを活用して組織全体の成果を向上させるために、意味や目的を正しく理解する必要があります。

本記事では、マネジメントの正しい意味の説明や具体的な業務や種類、必要なスキルを解説していきます。部下との関係に悩んだり、「経営層や多部署との連携がうまくいかない…」と悩んでいる方は、この記事を解決の糸口としてください。

マネジメントとは何か?意味やリーダーシップとの違いは?

マネジメントは、「管理すること」「経営すること」を意味する言葉で、アメリカの経営学者ピーター・ドラッカーが提唱しました。マネジメントの父といわれているドラッカーは、マネジメントを以下のように定義しています。

組織をして成果を上げさせるための道具、機能、機関がマネジメントである

『明日を支配するもの 21世紀のマネジメント革命』
P.F.ドラッカー(1999)ダイヤモンド社

マネジメントは、自社の「ヒト」・「モノ」・「カネ」・「情報」といった経営資源を正確に把握した上で最大限に活用し、自社のミッションや部署の目標を達成することです。

言い換えるなら、「成果を出すためのすべて」がマネジメントといえます。

マネジメントの目的や役割

ドラッカーは著書『マネジメント』の中で、マネジメントの役割は以下の3つであると説明しています。

  1. 自らの組織に特有の目的と使命を果たす
  2. 仕事を生産的なものにし、働く人たちを活かす
  3. 社会の問題解決に貢献する

現在のビジネスシーンに求められるマネジメントの役割は、以下の3つと言えます。

  1. 目標を設定する
  2. 目標に沿って組織を構築・運営する
  3. 成果を評価し、フィードバックを与える

目標・案件・プロセスを管理し、目標達成へ導くことがマネージャーの役割です。組織の規模に応じて責任範囲を明確にし、マネージャーを適切に配置していくことが必要になります。

マネジメントとは何か?意味やリーダーシップとの違いは?

リーダーシップとマネジメントの違い

「リーダーシップ」と「マネジメント」は混同されがちですが、意味は少し異なります。「リーダーシップ」は、チームメンバーをまとめて成功へ導く行動力を指します。

一方、「マネジメント」は、設定した目標を達成するための手段を考え、組織が効率よく動けるように管理する能力を指します。

マネジメントの具体的な仕事内容

マネジメントの仕事内容は、大きく5つに分類されます。それぞれを詳しく見ていきましょう。

目標設定 

まずはじめに、「目標」と「ゴール」を設定します。マネージャーはチーム一人ひとりの能力や意欲を把握し、各自が最大限の力を発揮できる目標を考える必要があります。

目標設定には、組織の目標・マネージャー自身の目標・部下の目標があります。会社の方針を理解し、それぞれ適切な目標を設定しましょう。

進捗管理  

目標設定後は、進捗を把握する必要があります。遅延が発生した場合、状況に合わせて管理方法やリソース配分を変更し、巻き返しを図っていきます。進捗管理のコツは、以下の記事をご覧ください。

参考:進捗管理とは?プロジェクトや業務を成功に導く進捗管理のコツ|営業ラボ

チームビルディング

チームビルディングは、日本語で「チームを作る」という意味です。部下一人ひとりの特性を見きわめ、チームの力を最大限に発揮できる体制や環境を作っていく取り組みです。

マネージャーはメンバーそれぞれの強みを見つけ、伸ばしていく力が求められます。

人材育成 

部下やメンバーのレベルや価値観を理解し、アドバイスをしながら人材を育てていく重要な仕事です。

人は、丁寧に管理される方が能力を発揮できる人、業務を任せた方が能力が発揮できる人などさまざまです。個人の特性に合った育成は、高いパフォーマンスの発揮に繋がります。

ファシリテーション

ファシリテーションは、会議や話し合いを円滑に進めるための手法です。会議中に発言された意見を整理し、参加メンバーへ発言を促しながら議論を活性化させていきます。

中立を保ち、場の雰囲気が良くなるように心がける姿勢が必要です。

マネジメントの種類

ここでは、具体的なマネジメントの種類を解説していきます。

マネジメントの種類

役職の階層別マネジメントの種類

役職の階層別マネジメントは、以下の3つに分類されます。

トップマネジメントとは? 

トップマネジメントは、会長、社長、副社長、専務など、経営に直結する経営層に求められるマネジメントです。

組織全体の方針や経営計画を決定し、最終的な責任を担います。

ミドルマネジメントとは? 

ミドルマネジメントは、部長や課長など中間管理職に求められるマネジメントです。

経営層と現場の間に立ち、双方を円滑につなぐパイプ役を担います。

ロワーマネジメントとは?

ロワーマネジメントは、現場監督やリーダーなど、現場を直接動かすポジションに求められるマネジメントです。ローアーマネジメントと言われる場合もあります。

ミドルマネジメントからの指示を実行し、経営層のビジョンを施策に落とし込んで実行していきます。

組織を強化するマネジメントの種類

組織を強化するマネジメントは、以下の4つに分類されます。

プロジェクトマネジメント

期限が決まっているプロジェクトをどのように進めれば成功するか、体制や運用方法を管理する手法です。「何を・いつまで・どのように行うか」を明確にして、プロセスを構築します。プロジェクトの進捗把握や改善も、業務に含まれています。

チームマネジメント(KPIマネ、プロセスマネ)

組織を動かす計画を立ててメンバーが動きやすくなるように仕組みを作り、チーム全員が最大の力を発揮できるように導く手法です。

具体的な方法として、KPIマネジメントプロセスマネジメントがあります。

リスクマネジメント

問題が発生しても事業を継続していけるよう、リスクや損失をあらかじめ予想し、損失を最小限に防ぐ手法です。リスクへの対応は「回避・低減・移転・受容」の4つがあります。

代表的なものでは、台風や地震など災害のリスク、社長の死亡や従業員の怪我のリスク、製造物の過失などが挙げられます。近年では、従業員のコンプライアンス違反やSNSによる炎上や風評被害も含まれます。

ナレッジマネジメント(社内の知財をどう管理し活かすか)

ナレッジは、知識やスキル、ノウハウを指します。個人の持つ知識を組織全体で共有し、組織の生産性を向上させるマネジメント手法です。

知識には、長年の勘など論理的に説明しにくい「暗黙知」と、文章などで説明ができる「形式知」があります。「暗黙知」を「形式知」へ転換して共有するのが、ナレッジマネジメントの基本です。

人材を管理するマネジメントの種類

人材を管理するマネジメントは、以下の2つに分類されます。

モチベーションマネジメント

従業員のモチベーションを高めるためのマネジメント手法です。モチベーションには「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」の2種類があります。

成長や自己実現など、従業員自身から湧き出るモチベーションを「内発的動機づけ」、家族や生活のために働く、評価されたい、などの外部要因からなるモチベーションを「外発的動機づけ」と言います。

モチベーションマネジメントは、「内発的動機づけ」を維持し、「内発的動機づけ」を生み出すきっかけとして「外発的動機づけ」を活用していく形が理想です。

タレントマネジメント

従業員一人ひとりのスキルや経験を、人材育成や配置に活用して企業の成長スピードを高める、近年注目されているマネジメント手法です。タレントマネジメントは、公平な人事評価や適材適所の人材配置を実現します。

心身の健康に関するマネジメント

心身の健康に関するマネジメントは、以下の2つに分類されます。

メンタルヘルスマネジメント

従業員が心の不調に陥らないよう働き方や職場環境を改善し、心の健康を重視するマネジメント手法です。心の健康維持・増進は、生産性の向上や離職率の低下に効果があります。働き方改革や健康経営の一環として取り組みを強化する企業も増えています。

ストレスマネジメント

ストレスと上手く付き合い、適切に対処していくマネジメント手法です。ストレスマネジメントは、「セルフモニタリング」と「ストレスコーピング」の2段階に分かれています。

「セルフモニタリング」は自分のストレスを客観的に分析し、気持ちを落ち着かせる方法です。「ストレスコーピング」は、自ら行動してストレスへの反応を減らす方法です。具体的には、仕事量や内容を調整する、気分転換をしてストレス解消などが挙げられます。

マネジメントに必要な6つのスキル

マネジメントには目標達成や人材育成など多くの責務があります。ここでは、これらを果たすためには必要な6つのスキルを解説していきます。

データ・数値の管理

ITやデータ分析、数値管理のスキルはこれからのマネージャーに必須と言えます。

的外れな戦略にならないよう、数値をもとに正しくデータを分析し、実行していかなければいけません。ITスキルがあれば、素早く改善ポイントを発見できます。

現在、多くの企業でDXが加速していますが、弊社が行なった調査では「営業現場でデータ活用ができている」と答えた企業はわずか15%にとどまりました。さらに、およそ8割の企業が「データを分析・活用できる人材がいない」と答えています。

今後、マネージャーは、今まで以上にITやデータ分析のスキルが求められます。

営業現場のデータ活用の参考は、以下の資料をご活用ください。

参考:急速な環境変化に対応するための営業戦略とデータ活用|SALES MAGAZINE Vol.011

ダイバーシティへの理解

世代、性別、国籍、勤務体系など、世の中には自分が経験していないさまざまな生き方が存在します。

その多様性の波は日本企業にも、「働き方改革」や「外国人労働者の受け入れ」といった形で押し寄せています。

マネージャーには、これらを受け入れるマインド、融和するための柔軟性やスキルを身に着けていくことが必須になります。

リスク管理

SNSの普及により、企業の不祥事の拡散や炎上が頻繁に起こるようになりました。

マネージャーだけではなく、企業全体としてリスク管理の対策をする必要がありますが、現場スタッフへコンプライアンスの意識付けを啓蒙・教育していくことは、マネージャー業務として重要です。

コミュニケーション

業務の意図や考えを正しく共有し、チームに一体感を出していくために必要なのがコミュニケーション能力です。メンバーと深い信頼関係を構築すれば、円滑に業務が進みます。

チームには異なる価値観の人々が集まります。多様な価値観や考えを受け入れ、関係を構築していきましょう。 

意思決定 

ビジネスの現場では、日々想定外の出来事が起こります。

目標設定、適切な人材の配置、業務の指示や改善策の決定、不測の事態への対応など、意思決定の場面は数えきれません。

対応の遅れは目標の遅延を招きかねません。スピーディーな意思決定を心がけましょう。

本質を見抜く力

複雑な状況を見通し、本質を見抜く力はマネージャーの必須スキルです。

自社の経営方針や各部署の運営を最適化するトップマネジメントの領域では、求められることが多いスキルです。

マネジメントのよくある課題と解決策

多忙なマネジャーは、多くの悩みを抱えることもあるでしょうここでは、マネージャーに多い5つの悩みと解決方法を解説していきます。

チームの進捗をコントロールできない

部下のコントロールはマネージャーの永遠の課題です。

適切な目標設定と評価を行い、モチベーションの維持・向上に努めるのが基本ですが、すでに取り組んでいるにもかかわらず上手くいかない場合、「トヨタの見える化」や「5W1H+F」を試してみるとよいでしょう。

「何を求められているのか」「何を達成すれば評価されるのか」を明確にする方法です。詳しくは以下の記事にまとめています。

参考:PDCAで大事になる +F や トヨタ式5W1H 営業が業務改善までたどり着くまでに|営業ラボ

組織全体の効率が悪い

効率化には、ITツールの導入が必須です。

営業部のマネージャーの場合、業務フローは以下のようになります。

  1. 来年の売上目標をトップダウンで下ろされる
  2. 現時点で来年度の売上げを読み、不足分がいくらか考える
  3. 不足分への対策の考案と実行計画の策定

 ミドルマネージャーが行なう思考と検証の流れ

 企業目標から個人目標を設定していく流れ

マネージャーの経験と勘だけでは、すべての業務はクリアできません。SFACRMがあれば、これらの自動化や効率アップが可能です。導入を検討したい方は、製品を徹底比較している以下の記事もご確認ください。

部下の生産性が上がらない

部下の生産性の向上は目標達成に欠かせません。部下の生産性やパフォーマンスが上がるポイントを4つお伝えします。

目的とゴールを共有する

部下のやる気がないと感じる場合、仕事の目的やゴールを明確に伝えられているか振り返りましょう。「この仕事にどんな意味があるのか?」「なぜここを変更をするのか」といった仕事の意図や理由を伝えるようにしただけで、部下のやる気が増し、改善された例があります。仕事に意味を見出すことができれば、やらされている感覚から脱出できます。

仕事の動機づけをする

仕事の動機づけ=モチベーションと言い換えることができます。

まずは、部下のモチベーションがどこにあるのかを把握し、モチベーションが向上する目標を一緒に設定しましょう。

仕事のモチベーションが「報酬」で残業が苦にならない人と、モチベーションが「家族と過ごす時間」で、少しでも早く帰宅したいという人では、残業の捉え方が大きく異なります。

モチベーションが向上される目標を設定をする

仕事のモチベーションが「報酬」の部下の場合、最速で成果につながる方法を一緒に考えてあげましょう。

モチベーションが「家族と過ごす時間」で少しでも早く帰宅したい部下の場合、効率的にできるところはないかを一緒に考えてあげてください。部下それぞれの状況に寄り添った目標設定が効果的です。

フィードバックをする

任せっぱなしや放置は、やる気の低下を招きます。行動や成果に対するフィードバックは定期的に本人に伝えましょう。「しっかり見てもらえている」「成果を出せば、評価される」のように、モチベーションが向上します。

経営層や他部署との連携がうまくいかない

経営層や他部署との連携がうまくいかない場合、定期的なコミュニケーションを図る機会を設けましょう。

毎月合同の定例ミーティングや進捗の共有を行うなど、お互いの仕事を見えやすくすることがポイントです。

自社独自のマネジメントの秘訣がないか、先輩マネージャーに相談してみるのも良いでしょう。先輩マネージャーは、この組織で成功し評価されたから今そのポジションにいます。上層部への人脈づくりにもなるので、ぜひお試しください。

マネージャー自身がオーバーワークになる

責任感の強いマネージャーはオーバーワークになりやすい傾向があります。オーバーワークの状態が長く続けば、心身への負担が大きくなります。

無理をせず休息をとり、自分自身の働き方も見直していきましょう。マネージャーに余裕がなくなると、チームはうまく回りません。

部下を育てながら次世代のマネージャー候補を選抜し、少しずつアシスタント業務を任せていくなど、部下へ担当させる業務の幅を広げていきましょう。

マネジメント能力を高める3つの方法

マネジメント能力を高めるには日々の実践と取り組みが重要です。ここでは、日常でできる簡単なコツを3つ紹介します。 

傾聴力を身につける 

傾聴力は、相手の発言や価値観をジャッジせず、ありのままを受け入れるコミュニケーションスキルです。無理に会話を盛り上げようとせず、相手の話を聞く姿勢を心がけてみてください。

「相手の話を聞く・問題を把握する・目標を設定する」の3つを意識すると良いでしょう。

ロジカルシンキングを身につける 

ロジカルシンキングは、結論を論理的に考える思考法です。

日常でも「なぜ、こういう結果になったのか?」を常に意識して考えるようにしてみてください。ビジネスシーンでは、フレームワークを活用して、論理的に思考や情報をまとめる訓練をすると良いでしょう。

意思決定を早める訓練をする

ビジネスシーンで意思決定のスピードを早めるには、日頃から情報をオープンにし、チャット等で気軽に相談できる雰囲気を作っておくのがオススメです。いざというとき、スピード感を持って相談や決断ができます。

日常生活では、カフェで注文するメニューを即時決定する習慣をつけるなど、小さな決断をスピーディーに行う訓練も有効です。

これからの時代に求められるマネージャーを目指して

マネジメントの種類や必要なスキル、マネジメント能力を高める方法を解説してきました。マネージャーに必要なスキルは、多岐にわたることを理解していただけたと思います。

正しいマネジメント方法を理解し、目標達成や人材育成に生かしていてください。ITスキルや多様な人材の受け入れといった、いま求められるマネージャースキルを取り入れ、変化の激しいこの時代でも成果を出している組織を目指しましょう。

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