eセールスマネージャー CRM/SFA導入事例 NTTラーニングシステムズ 様

NTTラーニングシステムズ 様

情報の見える化・定量化が進んでいます

NTTラーニングシステムズ(以下、NTTLS社)では、「顧客との接触記録」をeセールスマネージャーに残すことで、情報量アップ、情報の可視化・共有化を実現している。コンサルティング部課長 鈴木邦宏氏とコンサルティング部課長 永屋義行氏に詳しく聞いた。

情報共有による、顧客満足度の向上と組織力強化を目指して

1987年の設立以来、教育研修ソリューション事業、Webソリューション事業、映像事業の3事業を柱に展開してきたNTTラーニングシステムズ(以下、NTTLS社)。売上高250億円(2006年)のうち、約8割がNTTグループ内からの受注ですが、これは外部業者との競争を経ての成果であり、受注環境は年々厳しさを増していくだろうと予想されました。
そこで、CS(顧客満足度)の向上と収益拡大、グループ外への売上比率を高めることをミッションに、営業担当者のスキルアップと標準化を模索。2006年、全社にさきがけて、大阪・名古屋・福岡の拠点を統括する西日本事業部にCRM/SFA(営業支援システム)の「eセールスマネージャー」を導入しました。現在は、この「eセールスマネージャー」を利用した社内ノウハウの蓄積と組織力強化のための情報活用が着々と進められています。
「eセールスマネージャー」の導入によってどのような良い変化がもたらされたのでしょうか。

営業プロセスの“見える化”で顧客情報の質と量が大幅にアップ

導入時の課題

  • 顧客との接触情報を一元管理し、社内ノウハウとして蓄積
  • 日々のコミュニケーションを活用したマネジメントシステムの構築
  • スケジュール管理に使用しているグループウェアとの共存
  • スパイラルアップ型の改良に適した営業支援システムの導入

形骸化したシステムを利用者の意見で見直す

当時、NTTLS社ではCSが低下しているという現状をアンケートなどで把握し、状況改善の方法を模索していました。この時にCS低下原因の一つとして挙げられたのが、営業案件の情報共有が不足しているため担当者によって対応に差が出てしまうということでした。
「スケジュール管理用のグループウエアに簡易な日報システムを加えて使っていたのですが、投入プロセスの煩雑さから使用率が落ちていました。記入方法もバラつきがありましたので、検索機能を活かせない状況だったのです」。
NTTLS社西日本事業部コンサルティング部課長の鈴木邦宏氏は、SFA/CRMシステムの導入が検討された背景をこう語ります。
そこで、新システム導入に際する社内調査を行ない、運営方針への関与に積極的だった約3割の社員の中から15名のリーダーを任命。「チェック・フィードバック機能」「投入しやすさ」「データ活用」など、利用者の意見を加味し、「eセールスマネージャー」の導入を決めたのです。

eセールスマネージャーによる解決策

導入により浮上した問題点をカスタマイズで解消

導入当初は、西日本事業部の営業記録には「eセールスマネージャー」を使い、掲示板などの社内システムは既存システムを使うという“すみ分け”にとまどう声も出ましたが、2年の運用を経てすっかり定着。成功事例の共有化や過去の折衝内容の検索性が向上し、担当者の主観で入力していた「受注確度」などが定量データに切り替わりました。社内ノウハウの蓄積が進んだことは、出向による異動が多い同社独特の事情に応えうるもので、ひいては組織営業力の強化にもつながると期待されています。
さらに2008年春からは、導入時に設計した入力項目や営業フェーズを見直し、再運用を始めました。
「CRM/SFAシステムの導入で“見える化”が進んだからこそ、既存の営業の仕組みの問題点が浮き彫りになりました。カスタマイズが容易な『eセールスマネージャー』スパイラルアップでシステムを改良していけば、その問題も解消できると考えています」(同社同部課長・永屋義行氏)

NTTLS社に提供したVALUE POINT

  • 既存グループウェアの弱点を補強する顧客情報システム
  • 簡易な入力方式で投入の形骸化を防ぐと共に検索性を高める
  • 異動の多い営業マン個々のノウハウやスキルを全社で共有
  • システム設計の柔軟性が導入後のカスタマイズ要望に対応
  • 「受注確度」の定量化により商機を的確に把握

導入効果を聞く

「eセールスマネージャー」導入の経緯は?

永屋:既存の日報システムは、社員の6割以上が、「有効活用できていない」と指摘するほど、入力率や検索性が低い状態でした。お客さまからも「担当者間で情報共有ができていない」などのご指摘をいただいており、成功事例の可視化・共有化を進め、CSの向上につなげていくことが急務と考えたのです。既存のグループウェアでは実現できない、「顧客との接触記録」を補うシステムとして、「eセールスマネージャー」を選びました。

導入時に苦労したことは?

鈴木:「eセールスマネージャー」と、既存のグループウェアとの併用について、「二度手間になる」と不満の声も出ました。しかし、約8割の社員が日報システムの問題点を認識していましたし、新システムに対して積極的な姿勢を示していた社員たちが、導入する側と使う側との意見をすり合わせるリーダー役を担ってくれたことで、コミュニケーションが促進され、導入がスムーズに進んだように思います。

「eセールスマネージャー」がもたらした一番大きな効果は?

永屋:事業計画に対する進捗度など案件入力が進み、情報量が増えたことです。情報の共有化・可視化によって、言葉足らずで情報が正確に伝わらない、本人不在時に情報を照会できないといった問題点も解消されました。また、一部の定性データが定量データに切り替わり、客観的な情報として使えるようになりました。たとえば、担当者の主観で入力していた「受注確度」は、いくつかの行動項目を立てて、出来たら加点する方式に変わっています。

今後の活用への展望とそのための課題は?

鈴木:導入してみて初めて、長い文章で綴るよりも、「なんのためにお客様のところへ行き」「どんな声を聞き」「今後どう動くのか」といったポイントを押さえることのほうが大切だとわかりました。そこで、2008年春に“投入3分”をコンセプトにシステムを改変し、「あったらいいな」程度の項目を削る一方、“TO DOリスト”としても活用できるよう、「次回訪問の期限と内容」などの項目をプラスしました。今後も、情報をいかに活用するかを想定した改変を行ない、戦略会議や毎朝のミーティングに使用するなど、フィードバックの仕組みも構築していきたいと思います。

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