ノーコードとは？ローコードとの違いと活用メリットについて解説
「システム開発には専門的な知識が必要」という常識を覆すのがノーコードです。近年、誰でも簡単に業務アプリを作れる手法として注目されており、多くの企業が導入を進めています。とはいえ、「ノーコードって何？ローコードとはどう違うの？」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ノーコードの基本的な仕組みからローコードとの違い、導入のメリット・デメリットまで詳しく解説します。
ノーコードとは
ノーコードとは、プログラミングを行わずにWebサイトや業務アプリなどを作成できる開発手法です。専門の言語を使わず、あらかじめ用意されたパーツをドラッグ＆ドロップするなど、視覚的な操作だけでシステムを組み立てられるのが特徴です。
エンジニアでなくても直感的に扱えるため、非IT職のスタッフでも業務に合わせたツールを自ら構築できます。
ローコードとの違い
ノーコードと混同されやすいローコードは、最小限のコーディングで開発できる手法です。完全にコードを書かないノーコードと比べて、ローコードは一部の記述が必要な分、細かなカスタマイズや外部システムと連携しやすい点が強みです。
例えば、営業用アプリを作る際に、ノーコードでは基本的な入力・出力機能は簡単に構築できますが、独自の計算処理やAPI連携が必要な場合はローコードのほうが柔軟に対応できます。ノーコードはスピード重視、ローコードは拡張性重視という違いがあり、業務の複雑さや将来的な機能追加を見越して選ぶことが必要です。
ノーコードとは活用が広がっている理由
ノーコードは近年、多くの企業で導入が進んでおり、単なる開発手法にとどまらずビジネス変革の鍵として注目されています。その背景には、時代や働き方の変化に直結する3つの理由が存在します。
DXへの関心高まりとIT人材不足
多くの日本企業でDX推進（デジタル化による業務変革）が経営課題となる中、それを担うIT人材の不足が深刻化しています。経済産業省の調査によれば、国内のIT人材需要がこのまま伸び続けた場合、2030年には最大約79万人のIT人材が不足すると報告されています。
このように、デジタル化への意欲は高いが人材が足りないギャップを埋める手段として注目されているのが、ノーコードツールです。専門知識がない社員でも業務アプリを作成できるノーコードは、人材不足で手が回らない企業にとってDX推進の切り札となり得るでしょう。
クラウドサービスが一般化されている
ノーコードの利用が広がっている背景には、クラウドサービスの普及があります。昔は社内にサーバーを設置して運用するのが一般的でしたが、今はクラウド型が主流になっています。ノーコードツールも同様に、特別な準備をしなくてもWeb上ですぐに業務アプリを作れるため、ITに詳しくない人でも導入しやすくなりました。さらに、初期費用を抑えられる点も多くの企業に評価されています。
ビジネスの変化に素早く対応するため
顧客ニーズや市場環境が目まぐるしく変化する中、IT開発にもスピードが求められています。ノーコードなら、現場担当者が自らアプリを作れるため、急な要件変更や業務フローの見直しにも柔軟に対応可能です。
たとえば、紙の申請業務を数日でアプリ化し、即運用へ移行することもできます。アジャイル開発との相性も良く、ノーコードを活用すれば、社内の判断や改善をスムーズに形にできる環境が整います。
ノーコードを活用するメリット
ノーコードが注目されるのは、単に作りやすいというだけではありません。実際に導入することで、業務の効率化やコスト削減、開発スピードの向上など、さまざまなメリットが得られます。ここでは、代表的な3つのメリットを紹介します。
プログラミング知識が必要ない
ノーコードのメリットは、開発に高度な専門知識が不要である点です。ノーコードツールを使えば、ITの人材不足を抱えている企業でも、現場の社員自身がシステムを構築ができます。
従来はエクセルで管理していた顧客リストを、現場スタッフが自らノーコードツール上でデータベース化することも可能です。専門エンジニアに頼らずに業務アプリを作れるため、「ITの知識がないからシステム化を諦めていた」ようなケースでもDXが実現しやすくなるでしょう。
開発コストの削減
ノーコードを使えば、これまで外部の開発会社やSIerに委託していたシステム開発・保守を自社内で完結できるため、コスト削減が可能です。
また開発に要する時間短縮によって人件費も減らせるほか、高額なパッケージソフトを購入せず必要最低限の機能を自作でき、ライセンス費用などのコスト削減にもつながります。中小企業やスタートアップのように、IT予算に余裕がない場合でも、低コストで効率的に業務システムを導入できます。
開発期間の短縮
通常は、要件の整理・設計・コーディングといった工程を複数の担当者が分担し、数カ月かかることも珍しくありません。一方、ノーコードなら、現場の担当者がそのまま自分で操作して業務アプリを作成できるため、やりとりの手間が省けます。
たとえば、部署内の申請フローを整理するアプリなら、最短数日で運用開始できるケースもあります。修正や追加も反映できるので、現場のフィードバックを反映しながら改善できる点も強みです。こうしたスピード感は、変化の激しい今のビジネス環境に非常に適しています。
ノーコードを活用するデメリット
ノーコードにさまざまなメリットがありますが、すべての開発課題を解決できるわけではありません。実際に、自由度の低さやプラットフォーム依存といった制約も存在します。ここでは、ノーコードを導入する際に押さえておきたい代表的なデメリットを2つ紹介します。
UI/UXなどカスタマイズ性に限界がある
ノーコードは用意されたテンプレートを組み合わせて構築するため、デザインや機能の自由度に制限があります。たとえば、独自のブランドカラーに合わせたUIや複雑な処理を盛り込みたい場合、細かい調整が難しいケースも考えられます。
そのため、ローコードやフルスクラッチに比べると拡張性は低く、複雑な業務に対応するのは難しいでしょう。また、特殊な外部ツールとの連携が必要な場面でも、制約が出るケースがあります。導入前には、ツールが自社の業務要件に合うかどうかを事前に検討することが重要です。
データ処理の容量はプラットフォームに依存する
ノーコードは多くの場合、クラウド上の共通基盤を使うため、処理能力や保存容量は提供元の制約を受けます。大量のデータを扱うとシステムが重くなったり、同時アクセスが多いと応答が遅れたりするケースも少なくありません。
たとえば1日に数千件の入力や出力が発生するような業務では、思うように動かない場合があります。また、利用プランによっては保存件数や操作上限が設けられており、企業によって後から不便になる場合もあるでしょう。そのため、ツールの性能や契約内容を比較して選ぶことが大切です。
ノーコードで業務管理をアプリ化するなら「esm appli」
社内業務の効率化を図りたいなら、ノーコードでアプリを作成できる「esm appli」がおすすめです。プログラミングの知識がなくても、ドラッグ＆ドロップの直感操作で、自社業務に合ったアプリを誰でも簡単に構築できます。
たとえば、Excelで管理していた顧客リストや申請書類を、esm appli上で一元管理することで、リアルタイム共有や脱属人化が可能になります。さらに、作成したアプリはPCだけではなく、スマートフォンやタブレットにも対応しているため、外出先からの入力や確認もスムーズです。IT人材が限られる現場部門でも、業務改善のスピードを高められる実用的なツールです。
詳しい内容はこちらをご覧ください。
まとめ
ノーコードは、専門知識がなくても業務アプリを手軽に作れる開発手法として注目されています。IT人材が不足する中でも、現場で使いやすいツールをスピーディーに構築できるため、DX推進や業務の効率化に役立ちます。ただし、すべての業務に万能とは限らないため、目的や規模に合ったツール選びが重要です。まずは自社の身近な業務にノーコードを取り入れて、効果や使い勝手を試してみてください。
