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顧客接点(タッチポイント)とは何?種類や強化すべき理由・背景を徹底解説

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多くの企業が顧客接点の重要性を重視し、強化に取り組んでいます。一方で、顧客接点がどうして大切なのか、どのように強化すべきかで悩む担当者の方もいるのではないでしょうか。

本記事では、顧客接点の概要や種類、重視される背景、強化する手法などについて詳しく解説します。参考にして自社の顧客接点を強化し、売上向上や顧客エンゲージメントの向上につなげましょう。

顧客接点とは

顧客接点(タッチポイント)とは、企業と顧客が接する機会や場所のことです。実店舗や営業訪問、イベント・セミナーなどのオフラインだけでなく、近年はWebサイトやアプリ、SNSなどのオンライン領域にも広がり、顧客接点はますます多様化しています。

顧客接点は、企業にとって単に購入・契約につながる場であるだけでなく、自社製品の認知拡大や顧客満足度の向上、ブランド価値の強化などに大きく貢献する重要な場です。顧客接点で得られる顧客情報や行動データを分析することで、顧客ニーズを把握したり、ビジネス環境の変化に対応した施策を実施したりすることが可能になります。さらに、新たな価値提案や事業創出につながるヒントが得られるケースも少なくありません。

そのため、現在では多くの企業が顧客接点の強化に取り組んでいます。顧客接点の質を高めることで顧客エンゲージメントやロイヤルティの向上が期待でき、結果的に継続利用や売上拡大に結びつくためです。

顧客接点の主な種類

顧客接点はオフライン・オンライン・O2O・OMOに大きく分類できます。顧客接点を強化するためには、それぞれの特徴を正確に知ることが必要です。

ここでは、顧客設定の主な種類について、それぞれ詳しく解説します。

1. オフライン

オフラインの顧客接点とは、顧客がデジタルを介さずに企業や製品・サービスの情報に触れる場を指します。たとえば、以下のようなものです。

  • 実店舗
  • イベント・セミナー・展示会
  • チラシやカタログ、新聞などの紙媒体
  • 屋外広告・看板

実店舗やセミナーなどの対面で行う顧客接点は、企業が顧客のリアルな反応を確かめられる重要な場です。紙媒体や看板などは保存性があるため、後日の問い合わせにつながる場合があります。

ただし、オフラインの場合、多くの顧客にリーチしづらい点がネックです。

2. オンライン

オンラインの顧客接点とは、顧客がデジタルを介して企業や製品・サービスの情報に触れる場面のことです。たとえば、以下のようなものがあります。

  • 企業の公式Webサイト
  • メルマガ
  • 各種SNS
  • オンライン広告
  • レビューサイト
  • オンラインイベント

また、メールでの問い合わせやチャットなども一種のオンラインの顧客接点です。

オンラインの顧客接点からは、Webサイトの訪問者数やSNSのリポストやシェア数、広告の表示回数やメールの開封率など、多彩な種類のデータが取得できます。

ただし、顧客は実物に触れないため、購入意欲がわきにくい傾向にあります。

3. O2O

O2OはOnline to Offlineの略で、WebサイトやSNSなどのオンラインと実店舗やイベント会場などのオフラインを連携させ、顧客に購買行動を促す手法を指します。たとえば、運営するWebサイトやアプリで実店舗だけで使えるお得な割引クーポンを配布し、来店を促すといった方法です。

スマートフォンで発行されたクーポンを見た顧客が、SNSで情報を広めてくれることも少なくありません。効果的に実店舗の集客が期待できるため、多くの企業が活用しています。

参考:O2Oとは?施策の具体例から成功事例まで徹底解説!

4. OMO

OMOはOnline Merges with Offlineの略で、O2Oから一歩進み、オンラインとオフラインを区別せず、一体化してよりよい顧客体験を提供する手法です。

たとえば、以下のような取り組みがあります。

  • 飲食店で、顧客がモバイル端末から注文・決済を行う
  • 実店舗でアプリを開くと在庫数が表示される
  • Webサイトやアプリで貯めたポイントを実店舗で使う

顧客にとっては購入までのストレスが減ったり、カードを持ち歩かなくてもポイントが使えたりといった利点があり、満足度の向上が期待できます。

顧客接点の強化が重要視される背景

多くの企業が顧客接点の強化を重視する背景には、以下のような事情があります。

  • 顧客の購買行動が多様化・複雑化している
  • 競合が増え、商品そのものでは差別化を図りづらくなった
  • デジタル化が進み、顧客データを活用しやすくなった

かつては「広告を見て知り、店舗で検討して購入」というように、顧客が商品を認知してから購買するまでの流れは比較的シンプルでした。

現在ではインターネットやモバイル端末の普及によって購買行動の内容が多様化・複雑化しています。「SNSや企業サイト、口コミサイトで何度も比較し、店舗に行って実物に触れ、ネットで購入」など、オンラインとオフラインを行き来しながら購入を決定するケースも珍しくありません。そのため、どの接点でもよい顧客体験を提供する必要があります。

また、市場が成熟しつつある現在では、商品そのもので差別化を図ることが厳しい状況です。そのため、企業は丁寧な接客や会員向けの特別サービスなど、顧客接点での体験で差別化を図る必要が生じています。

さらに、オンラインでの顧客接点が増えて重要な顧客データを取得しやすくなり、強化しやすくなったことも関係しているでしょう。

顧客接点を強化する際のポイント

顧客接点を強化する際に欠かせないのが、できる限りファーストパーティデータを取得し、活かすことです。

企業が収集するデータは、以下の3つに分類できます。

ファーストパーティデータ ・オフライン、オンライン問わず、自社で直接取得したデータ
・会員情報(氏名・住所・メールアドレスなど)、自社サイト内の購買履歴、アプリ上の行動ログ、お問い合わせ窓口への相談内容など
・信頼性・精度ともに高いことが特徴
セカンドパーティデータ ・信頼関係のある企業同士で共有するデータ
・位置情報データ、購買データ、テレビ視聴データ、アンケートパネルデータなど
サードパーティーデータ ・行政が公表する統計データやリサーチ会社・データ販売会社などから得たデータ
・ユーザーの興味、行動履歴、属性情報など

以前は、マーケット分析にサードパーティーデータを使うことが一般的でした。しかし、近年はユーザーの個人情報への意識が高まり、Cookie規制が強化されたことで、サードパーティーデータを利用することが難しくなっています。

そこで重要になるのが、ファーストパーティデータです。自社で収集したデータのため精度・信頼性ともに高く、自由に活用できます。データ販売会社などを利用する必要があるサードパーティーデータに比べ、コストを抑えられるのもメリットです。

収集したファーストパーティデータは、以下のようなシーンで活用できます。

  • ターゲット層に響くマーケティング施策の立案
  • 顧客の意見・不満をもとにしたブランド価値や製品・サービスの品質改善・向上
  • 自社に興味を抱いている見込み客の獲得
  • 顧客が求めるものを理解し、新しいサービスを創出

ただし、ただファーストパーティデータを集めればいいというものではありません。まずはデータを収集する目的を明確化することが大切です。目的をはっきりさせることで、どのような情報を収集するべきかも見えてきます。また、集まった情報を有効活用するためには、データ分析の経験や知識のある人材を確保することが必要です。

顧客接点を強化する際の手法

顧客接点を強化するためには、適切な手法をとることが大切です。とはいえ、どのような方法で、何をすれば顧客接点が強化できるのか、よく分からない方もいるでしょう。

そこで、ここでは顧客接点を強化するための手法を解説します。

1. 顧客理解を深める

顧客接点を強化するには、顧客理解を深めることが欠かせません。ファーストパーティデータを分析した結果をもとに顧客理解を深め、最適な施策を実施することで顧客接点が強化できます。

データを分析する際は、CRM(顧客管理システム)が有効です。CRMを使うと、以下のようなデータがまとめて管理でき、分析が容易になります。

  • 属性情報:年齢・性別・居住地・職業・購入履歴・会員ランク
  • Web上の行動:閲覧したページ・滞在時間・離脱ポイント
  • そのほか:メール開封やイベント参加の有無・問い合わせ履歴

上記情報を組み合わせて分析することで、たとえば「20代女性がよく訪問する商品ページはどれか」「会員ランクが高い人が購入する商品の傾向は何か」などが分かります。興味関心や属性が近いグループに分けてそれぞれに適したアプローチを行うことで、顧客接点の強化が可能です。

参考:CRMとは?導入の目的・メリットから選び方、活用事例をわかりやすく解説

2. 顧客接点を広げる

顧客接点を広げることも、強化につながります。顧客接点を広げるとは、実店舗・Webサイト・アプリ・SNS・問い合わせ窓口といった複数ある接点を個別に管理するのではなく、つながった状態にすることです。これらがつながることで、顧客はどの接点からでも同じように快適に問い合わせや買い物ができるようになります。この仕組みをオムニチャネルと言います。

顧客は「アプリで商品を知り→店舗で実物を確かめ→Webサイトから購入」など、商品の認知から購入までにさまざまな接点を利用するケースも増えています。企業が接点ごとに個別管理すると、たとえば「実店舗で得たポイントがWebサイトの買い物では使えない」といったことが起こり、顧客にとっても不便です。オムニチャネルを導入することで、顧客がどの接点からでもストレスなく利用・購入できるようになります。

貴重なファーストパーティデータ収集のチャンスを増やすことも可能です。

参考:オムニチャネルとは?メリットや戦略・各企業の成功事例を解説

3. 顧客接点を深める

One to Oneマーケティングを活用して、顧客接点をより深める手法もあります。One to Oneマーケティングとは、顧客一人ひとりの属性や嗜好、関心を持つ事柄に合わせ、最適なタイミングで必要な情報を提供するマーケティングのことです。

たとえば、以下のような個別対応の施策です。

  1. 顧客Aには以前購入した商品と関連性の高い別の商品を提案する
  2. 顧客Bには前回カゴ落ちした商品の割引情報をお知らせする
  3. 顧客Cには繰り返し購入しているブランドの最新作のセール情報を送付する

ファーストパーティデータをCRMツールなどで分析し、顧客がほしいものや本人が気づいていなかったニーズを見つけて提案・発信することが理想です。顧客は「ちょうどほしかった情報だ」「自分の好みに合った商品を紹介された」と感じるでしょう。結果的に、顧客ロイヤルティが高まることが期待できます。

参考:One to Oneマーケティングとは?手法や事例、役立つツールを紹介

顧客接点強化に取り組むならesm(eセールスマネージャー)

顧客接点を強化するなら、収集したファーストパーティデータをどのように分析し、施策に反映するかが非常に重要になります。そこで役立つのがCRMツールです。

CRMツールのesm(eセールスマネージャー)は、顧客の属性情報や購買情報、問い合わせ履歴といった接点情報が一元的に管理できます。最適なタイミングで最適な施策を実施できるようになるでしょう。

今なら30日間の無料トライアルを試せます。顧客接点の強化をお考えの方は、ぜひご相談ください。

参考:esm(eセールスマネージャー)へのお問い合わせ・資料ダウンロードはこちらから

まとめ

顧客接点とは、文字通り企業と顧客が接するポイントです。実店舗などのオフラインに加え、近年はWebサイトやアプリ、SNSなどオンラインの顧客接点が増加し、顧客の購買行動が多様化しています。

そのため、顧客接点から得られるさまざまなデータは企業にとって非常に重要です。適切に分析してマーケティングやセールスの施策に活かせば、顧客満足度や売上の向上につながります。

データを適切に分析するためには、CRMツールが有効です。esm(eセールスマネージャー)では、多様な顧客データを一元的に管理でき、効果的に活用できます。顧客接点の効率化を考えている企業の方は、ぜひお問い合わせください。

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執筆・編集
営業ラボ 編集部

営業ラボを運営するソフトブレーンは、1999年に国内初のCRM/SFAを発売以降、マーケティング・セールス・アフターサービス等すべての顧客接点業務を変革へと導くソリューションをITとサービスの両面で提供しています。これまでに培ってきたビジネスに役立つナレッジやノウハウを記事にしています。

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