製造業向けのCRMおすすめ7選!機能や種類、選び方を徹底解説
製造業向けCRMは、人手不足や顧客ニーズの多様化といった日本の製造業が抱えるさまざまな課題の解決に役立つツールです。とはいえ、「自社に合うCRMの選び方がわからない」「導入して本当に効果があるのか」と悩む担当者も多いのではないでしょうか。
本記事では、製造業がCRMを導入するメリットや選び方のポイントなどについて解説します。製造業におすすめのCRM7選も紹介するので、参考にして自社に最適なシステムを見つけてみてください。
製造業の課題とCRMの必要性
現在の製造業は、国内市場の縮小や人手不足、原材料価格の高騰、顧客ニーズの多様化・複雑化といったさまざまな課題を抱えています。こうした状況下で製造業が生き残るためには、既存顧客との関係性を深めて長期的な取引につなげ、安定した売上を確保することが欠かせません。
高品質な製品を作って販売するだけでは不十分で、顧客の課題を把握し、製品の納入後も継続して支援することが求められます。ところが、製造業の営業現場では、担当者が個人で顧客情報や商談の進捗を管理するケースが少なくありません。
顧客情報や営業ノウハウの属人化が進むと、担当者の不在時に顧客から問い合わせがあっても、適切に対応することが難しくなります。また、担当者の異動や退職によって、重要な情報やノウハウが失われる可能性もあるでしょう。
CRMを導入すれば、顧客の基本情報をはじめ、商談内容や問い合わせ履歴、購入した製品などの一元管理が可能です。また営業だけでなく、製造や保守などのほかの部門とも情報を共有でき、顧客の要望を踏まえた対応をしやすくなります。
継続して収益を上げるために、CRMの必要性が高まっているといえるでしょう。
製造業におけるCRMの導入メリット
製造業におけるCRM導入の主なメリットは、以下の4つです。
- 顧客情報を一元管理できる
- 営業・製造・保守部門の連携を強化できる
- 業務効率を向上できる
- 顧客ニーズを把握し、効率的な営業活動ができる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
顧客情報を一元管理できる
CRM導入の大きなメリットの一つが、顧客に関するさまざまな情報を一元管理できるようになる点です。一般的に、製造業の営業活動は長期的な関係構築が前提となることが多く、担当者しか詳しい事情を知らない状況になりやすい傾向があります。
そこでCRMがあれば、顧客の基本情報に加え、商談履歴や問い合わせ内容、契約条件といった重要な情報を一カ所に集約することが可能です。
閲覧権限がある人なら誰でも状況を把握できるようになるため、担当者不在時に顧客からの問い合わせがあっても、ほかの従業員がスムーズに対応できるでしょう。CRMにより、属人化した状態から脱却しやすくなります。
営業・製造・保守部門の連携を強化できる
複数の部門間の連携が強化できる点も、外せないメリットです。一般的に、製造業では営業部門・製造部門・品質管理部門・保守部門など、複数の部門が連携して顧客に対応します。
CRMがあれば、営業部門が顧客の要望や仕様変更の依頼などを登録したら製造部門がすぐに内容を確認できるなど、情報共有が容易になります。また、製造部門が納期や生産状況を登録し、営業担当者がその情報をもとに顧客に回答するといった連携も可能です。
組織全体で一貫性のある顧客対応が実現でき、顧客満足度や信頼感を高めることにもつながるでしょう。
業務効率を向上できる
業務効率を大幅に向上できる点も、CRM導入の大きなメリットです。製品や契約プランによりますが、たとえば以下のような業務でCRMが役立ちます。
- ターゲットに合わせたメールの作成・自動配信
- 見積書や契約書の自動生成
- 情報の迅速な分析や集計
- 顧客情報を一元管理し、チーム間や部門間での確認・報告の手間を大幅に削減
業務が効率化すれば、従業員一人あたりの生産性も上がります。限られた時間や人材を有効に活用できるようになるでしょう。
顧客ニーズを把握し、効率的な営業活動ができる
効率的な営業活動ができるようになる点も、製造業がCRMを導入するメリットです。
CRMに蓄積された顧客情報を分析すれば、顧客それぞれのニーズを把握できます。たとえば、顧客ごとの購買履歴や商談内容、問い合わせやクレームの内容を分析すれば、顧客が抱える課題や、関心を持っている製品が把握できるでしょう。
営業担当者は、的確なタイミングで顧客が興味を持っている製品を提案できるようになるため、無駄な営業活動を減らせるのもメリットです。
製造業向けCRMの選び方
CRMによって、得意とする業務や特徴が異なります。自社に合ったシステムを選ぶためには、少なくとも以下の点を意識して比較検討するとよいでしょう。
- 必要な機能が搭載されているか
- 基幹システムや生産管理システムとの連携はスムーズか
- 現場の担当者が使いやすい仕様か
価格や知名度だけで選ばないことが大切です。
必要な機能が搭載されているか
CRM導入にあたっては、当然ながら必要な機能が実装されているかが非常に重要です。
一般的なCRMには、顧客管理や商談管理、予実管理、分析・レポート作成などの機能が備わっています。しかし、製造業の商流には受注生産型や代理店販売型などさまざまなパターンがあるため、企業によって必要とする機能は異なります。
そのため、まずはCRMを導入する目的や自社が抱える課題を明確にし、必要な機能を洗い出しましょう。その後、必要な機能が備わっているかの視点から製品を比較検討します。
なお、CRMには主に以下の2つのタイプがあります。
- 汎用型:業界や業種を問わず利用できる
- 業界特化型:特定の業界向けの機能を搭載している
汎用型は幅広い業務に対応でき、ある程度カスタマイズすることも可能ですが、自社の業務フローによっては合わない場合があるため確認が必要です。業界特化型は製造業特有の業務フローにも合わせやすいものの、費用が高くなる場合があります。
自社にとって必要な機能が過不足なく備わっているかどうかをよく確認しましょう。
既存システムとの連携はスムーズか
製造業では、すでに生産管理システムや在庫管理システム、ERPといった複数のシステムを導入していることが多いでしょう。CRM導入にあたっては、これらの既存システムとシームレスに連携できるかどうかも重要なポイントです。
もし、CRMと既存システムを連携できなければ、同じ顧客名や受注情報などを複数のシステムに入力する手間が発生します。現場の負担が増えるだけでなく、入力ミスや重複データが発生するリスクも上がるでしょう。
反対に、CRMで管理している顧客情報や受注・案件情報を生産管理システムなどに連携できれば、担当者による転記作業を減らせます。また、将来的にはほかのシステムやツールを導入する可能性もあるでしょう。
現在利用しているシステムだけでなく、さまざまな外部ツールと連携しやすい製品を選んでおくと、将来的なシステムの変更や追加にも対応しやすくなります。そのため、CRMを契約する前に、既存システムとの連携が可能か、どのような方法で連携するのかを確認しておきましょう。
現場の担当者が使いやすい仕様か
CRMは、現場で働く従業員が継続的にデータを入力してこそ効果を発揮します。ところが、「項目が多すぎる」「操作が煩雑で面倒」といった理由から、CRMを導入しても入力が進まないケースは少なくありません。
十分なデータを蓄積するためにも、現場の従業員が使いやすいCRMを選ぶことが大切です。たとえば、以下のような仕様であれば、使いやすいと感じる人が多いでしょう。
- 画面のどこにどのような情報があるかがわかりやすく、直感的な操作ができる
- スマホやタブレットなどの端末から情報を登録・確認できる
- 入力項目を自社業務にあわせて柔軟にカスタマイズできる
- 一度日報を登録すれば顧客情報や商談情報に内容が反映されるなど、入力負担が少ない
CRMによっては、無料トライアルや無料デモを利用できる場合があります。まずは、実際に業務で使用する現場の従業員に試してもらい、操作性を確認しましょう。また、初期設定のサポートや従業員向けの研修、定着するまでのサポートがあるかも重要です。
製造業におすすめのCRM7選
CRMには、数多くの製品があります。そのなかから、製造業におすすめのCRMとして以下の7つを紹介します。
- esm(eセールスマネージャー)
- kintone
- Mazrica Sales
- GENIEE SFA/CRM
- Knowledge Suite
- HubSpot CRM
- Zoho CRM
特徴や費用感を把握し、選定の参考にしてください。
esm(eセールスマネージャー)
esm(eセールスマネージャー)は、ソフトブレーン株式会社が提供するCRM/SFAです。日本の営業現場における商習慣を踏まえて開発されました。現場での定着率に圧倒的な強みを持ち、利用継続率は95%と高い数値を誇ります。
大きな特徴は、シングルインプット・マルチアウトプットという設計です。これは、営業担当者が一度活動報告を入力するだけで、必要な情報が日報や予実管理表、案件管理表などに自動で反映される仕組みです。現場の営業担当者は、同じ情報を複数の画面に入力する必要がありません。
製造業向けの導入実績が豊富な点も、eセールスマネージャーの強みです。代理店経由の販売やルート営業など製造業特有のさまざまな営業スタイルにあわせてカスタマイズできます。
さらに、導入前のアドバイスから初期設定や研修などの定着化支援まで、専任のコンサルタントによる手厚いサポートが受けられるのも、eセールスマネージャーの魅力です。ITツールに不慣れな企業でも、成果につなげられるでしょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 特徴 | ・シングルインプット・マルチアウトプット ・日本の商習慣を踏まえた使いやすい設計 ・定着までの手厚いサポート |
| 月額費用の目安 | ・Basic:3,500円/ユーザー ・Professional:6,000円/ユーザー ・Enterprise:1万2,500円/ユーザー ・Unlimited:2万5,000円/ユーザー |
| 公式サイト | https://www.e-sales.jp/ |
kintone
Kintoneは、サイボウズ株式会社が提供するノーコードツールです。プログラミング知識を持たない従業員でも、コードを書かずに必要なアプリ(業務システム)を作成できます。
厳密にはCRM専用ツールではないものの、顧客管理や案件管理などのアプリを作って組み合わせることで、CRM環境の構築が可能です。たとえば、製造業なら「営業が受けた顧客からの仕様変更の要望を、kintone上で申請し、設計部門が承認する」といったワークフローを、現場の従業員が短時間で設計できます。
作成したアプリにコミュニケーション機能をつけてやり取りできるのも、kintoneのユニークな点です。部門を超えた情報共有に役立つでしょう。柔軟にアプリが設計できるため、自社の業務プロセスが独自で汎用型のCRMではうまくフィットしないと考えている製造業の企業におすすめです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 特徴 | ・ノーコードでアプリを作成(対象プランではAIも活用可能) ・ワークフロー設定可能 ・製造業向けサンプルアプリが豊富 |
| 月額費用の目安 | ・ライトコース:1,000円/ユーザー(最小10ユーザーから) ・スタンダードコース:1,800円/ユーザー(最小10ユーザーから) ・ワイドコース:3,000円/ユーザー(最小1,000ユーザーから) |
| 公式サイト | https://kintone.cybozu.co.jp/ |
Mazrica Sales
Mazrica Salesは、株式会社マツリカが提供するCRMです。現場の営業担当者にとっての使いやすさを重視しており、案件管理にカンバン方式を採用している点が大きな特徴です。
案件ボードに表示された各案件は、付箋を貼ったりはがしたりする感覚でドラッグ&ドロップで操作でき、進捗を管理できます。複数案件がそれぞれどのフェーズにあるのかを視覚的に把握できるため、対応漏れを防ぎやすいでしょう。
モバイルアプリで名刺の写真を撮影すれば連絡先情報が自動で登録できるなど、営業担当者の入力負担を軽減する工夫が施されている点も、Mazrica Salesの魅力です。AI機能も搭載されており、利用するプランに応じて過去のデータに基づく案件の受注確率予測や、次に起こすべきアクションの提示が可能です。
案件の進捗をわかりやすく可視化でき、営業担当者が入力しやすいCRMを求める企業におすすめです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 特徴 | ・カンバン方式を採用 ・専用モバイルアプリで名刺OCR取込みが可能 |
| 月額費用の目安 | ・Starter:6,500円/ID(最小10IDから) ・Growth:1万2,500円/ID(最小10IDから) ・Unlimited:1万8,500円/ID(最小10IDから) |
| 公式サイト | https://mazrica.com/product/ |
GENIEE SFA/CRM
GENIEE SFA/CRMは、株式会社ジーニーが提供するCRMです。誰でも使いこなせるシンプルな操作性と、高いコストパフォーマンスが大きな魅力です。
多機能なCRMのなかには、画面があまりにも複雑で「どこに何を入力すればいいかわからない」という事態に陥りかねないものもあります。
一方、GENIEE SFA/CRMは、シンプルな入力画面で分かりやすく、項目名や選択肢、表示順序などのカスタマイズも可能です。現場の従業員にとって負担が少なく、継続的な入力を促しやすいため、自社にとってベストな顧客データベースを簡単に構築しやすいのが特徴です。
また、スムーズな導入と定着を支えるサポート体制も整っており、運用開始後も定期的にミーティングを行うなど、継続したフォローが受けられます。わかりやすい設計のため、初めてCRMを導入する製造業の中小企業にもおすすめです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 特徴 | ・シンプルで分かりやすい画面 ・少ない工数でスムーズに分析 ・導入から定着までサポート |
| 月額費用の目安 | ・スタンダード:3,450円/ID ・プロ:9,000円/ID ・エンタープライズ:1万2,000円/ID ・プレミアム:3万2,000円/ID |
| 公式サイト | https://chikyu.net/ |
Knowledge Suite
Knowledge Suiteは、ブルーテック株式会社が提供するクラウドサービスです。CRM/SFA機能とグループウェア機能を統合しており、ユーザー数が無制限で利用できる定額制を採用している点が最大の魅力です。
製造業では、営業部門や製造部門、品質管理部門など複数の部門で顧客情報を共有する必要があります。ユーザーごとに課金するID課金制のCRMの場合、利用する従業員数を増やすと、コストが上がることは避けられないでしょう。
一方、Knowledge Suiteの場合はユーザー数無制限で利用できるため、仮に全従業員にアカウントを付与しても月額料金は変わりません。画面表示もシンプルで、現場の使いやすさにも配慮された設計です。
コストを気にせず社内全体でCRMを活用したい製造業に適しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 特徴 | ・ユーザー数無制限で利用可能 ・CRM・SFA・グループウェア・ビジネスアプリが統合されたオールインワンサービス |
| 月額費用の目安 | ・SFAスタンダード:5万5,000円 ・SFAプロフェッショナル:8万5,000円 ・SFAエンタープライズ:15万5,000円 |
| 公式サイト | https://www.bluetec.co.jp/knowledgesuite/ |
HubSpot Smart CRM
HubSpotは、アメリカ発のCRMプラットフォームで、現在では135か国以上で導入されています。顧客、会社、取引(案件)に関する情報を一元管理できるほか、ダッシュボードやレポートを活用して、マーケティング・営業・カスタマーサービスなどのデータを横断的に可視化できます。
属人化しがちな営業情報や案件進捗を部門間でリアルタイムに共有できるため、製造業における営業基盤としても非常に有効です。各プランで利用できる管理機能も充実しています。
Professional・ Enterprise の両方で、業務に合わせたCRM画面のレイアウトカスタマイズ、シングルサインオン(SSO)によるセキュリティ強化、データ検証ルールなどが利用可能です。さらに、Enterpriseではカスタムオブジェクトの作成や、フィールドレベルでの高度なアクセス権限統制など、より柔軟なカスタマイズと統制機能を利用できます。
自社の業務プロセスにあわせてCRM環境を最適化したい企業や、複数部門のデータを安全に一元管理したい企業に最適です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 特徴 | ・顧客データを一元管理 ・CRMのレイアウトやデータ構造をカスタマイズ可能 ・ダッシュボードやレポートによる情報の可視化 |
| 月額費用の目安 ※年払いでの月額相当 |
・Professional:5,400円/シート ・Enterprise:9,000円/シート |
| 公式サイト | https://www.hubspot.jp/ |
Zoho CRM
Zoho CRMも海外発のCRMで、世界中で30万社以上が導入しています。多機能でありながら比較的低価格で利用でき、コストパフォーマンスの高さが魅力です。
価格は抑えめながら機能が充実しており、見込み客の管理、商談のパイプライン管理、見積書の作成、AIによる売上予測などが可能です。顧客管理や営業支援に加え、MAに活用できる機能も備わっており、Zoho CRM一つで見込み客獲得からアフターフォローまで管理できます。
また、連携可能なアプリが豊富なことも特徴の一つです。Zoho CRMと社内で利用しているシステムを連携し、生産性向上を目指せます。画面のカスタマイズも柔軟に行えるため、製造業特有の製品構成や販売チャネルを管理したいといった需要にも対応可能です。
コストを抑えて多機能なCRMを導入したい企業に向いています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 特徴 | ・豊富な機能が利用可能 ・カスタマイズが容易で、デザインを含めたフルカスタマイズも可能 |
| 月額費用の目安 ※年間契約の月額相当 |
・無料:0円(3名まで) ・スタンダード:1,760円/ユーザー ・プロフェッショナル:3,260円/ユーザー ・エンタープライズ:5,660円/ユーザー ・アルティメット:7,360円/ユーザー |
| 公式サイト | https://www.zoho.com/jp/crm/ |
まとめ
製造業がCRMを導入すると、顧客情報を一元管理できて部門を超えて共有しやすくなったり、業務効率の向上が期待できたりと、さまざまなメリットがあります。ただし、現場の従業員が継続して入力し、データを蓄積しなければ、CRMがあっても十分な効果は得られません。
そのため、CRMを選ぶ際は、必要な機能があること・既存システムとの連携がスムーズにできることに加え、現場の従業員が使いやすいかどうかも重視しましょう。
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