営業支援ツールの必要性とその選択における誤解

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営業支援ツールの必要性とその選択における誤解

日々の営業活動をサポートし、組織的な営業力強化を実現するための営業支援(SFA)ツール。顧客情報の管理や案件進捗管理など営業活動に必要な情報を共有し、売上拡大に貢献してくれる仕組みですが、従来はメールやExcelなどのツールを駆使して案件情報の共有などを行ってきた企業も少なくありません。では、なぜ営業支援ツールが今求められているのでしょうか。その背景をひも解きながら、営業支援ツールを選択する際にどんな視点で考えていくべきなのか、そのポイントについて紹介します。

本コラムの目次

営業支援ツールが求められるわけ

客先にアポイントを取り、商談後に報告書をまとめ、月末の営業会議でその進捗を発表する…日々の営業活動をマネジメントするためには、以前は営業日報などの報告書を書面でまとめてもらい、それを集計することで行われてきました。IT化が進む昨今では、日々の商談情報はメールで上司に報告し、月次の会議ではExcelなどに案件情報の進捗をまとめて報告することで、案件情報を可視化するといったやり方を採用している企業も少なくありません。中には、グループウェアを導入し、スケジューラの機能でアポイント情報を共有し、販売管理などのツールで顧客情報の共有や案件管理を行っている企業も増えています。これは大企業だけの動きではありません。規模の大中小に関わらずあらゆる企業が同様の仕組みを導入し、日々の営業活動を可視化しながら組織営業力の強化や売上拡大を目指しているのです。

情報管理の方法が昔から現在にかけ、変化してきた

しかし、様々な情報管理ツールを導入・運用したとしても、なかなか営業組織全体の底上げにつながっていないと感じている方は多いのではないでしょうか?単に情報を共有するだけでは、本当の意味での営業支援となっておらず、かえって営業現場に負担を強いているケースもあります。そこで求められているのが、本当の意味で営業を支援してあげることのできる仕組みなのです。

営業支援における実態と課題

では、営業を支援するマネジメントは、実際にはどのように行われているのでしょうか。本来であれば、顧客に関連した情報を可視化した上で、進捗状況に合わせた次の打ち手を上司と部下で練り、実際に実行したアクションの結果を経て、次の施策につなげるというPDCAサイクルを回していくことが必要です。しかし、現実的には顧客に関連した情報が様々なツールに分散してしまっており、情報活用がうまく進んでいないケースが多く見られます。例えば、過去の商談履歴も含めた顧客情報は基幹システム内にある販売管理システムや財務会計システム内に、顧客ごとの人脈情報は名刺を管理しているバインダーや名刺管理ツールの中に、日々のアポイント履歴や顧客とやり取りした情報はメールの中に、といった形です。また、案件や進捗状況の管理はExcelに、顧客の要望や持ち帰った宿題は個人の記憶の中にしか存在していない、といったケースもあることでしょう。

この状況は極めて非効率だと言わざるを得ません。本来なら顧客に関連したニュースや訪問先ではない他部署の話題、サポートセンターに寄せられた顧客の声などをきちんと収集した上で、アポイント時の話のきっかけづくりに生かせるようにしておきたいところです。そうでなければ「何か仕事はありませんか」といった、単なる御用聞き営業にしかなりません。顧客に関連したあらゆる情報を集約し、いつでも必要な情報を把握、活用できるような仕組みづくりが必要です。実は既存の仕組みの課題に気づいた上で、顧客情報を集約し、営業活動に生かしたいと考える企業が増えてきているのが現状なのです。

営業支援における実態と課題

情報管理ツールが分散する弊害

実際に情報管理のためのツールが個別に運用されている場合は、どのような弊害がもたらされるのでしょうか。本来であれば顧客訪問の計画を立てた上で実行に移し、日々の案件情報をチェックしながら次の打ち手を考えるPDCAサイクルを回していきたいところですが、情報が分断してしまうことでうまく回っていかなくなります。スケジュール管理はグループウェアや手帳、日々の活動報告はメール、案件情報の整理はExcel、営業会議資料はPowerPointで作成する。この場合、同じ項目を別のツールに何度も入力し直す必要があり、現場に多くの負担を強いることになります。結果として、会議のための資料づくりに多くの時間を割かねばならず、残業が減らないばかりか以前よりも増えていくことに。これでは、営業会議も報告のための会議にしかならず、次にどういったアクションを取るべきなのかということを議論する会議にはなりません。

理想的な情報管理のための基盤は、例えば一度情報を入力すればそれが様々な資料に反映、共有される仕組みです。そうすることで、スケジュールや日々の営業活動が可視化でき、現場は上司に日々の営業活動を容易に「見せる化」することが可能です。案件進捗の一覧がすぐに確認できるだけでなく、行動予定に対して活動実績が確認できるようになるなど、蓄積された情報を様々な視点で分析することもできます。情報を一元管理して必要な情報を効率よく共有できることで、営業活動のPDCAサイクルを効率的に動かせるようになっていくのです。無駄を省いたことで残業も減らすことができ、営業会議では次のアクションをその場で具体的に決めていくことができるようになります。

情報ツールがバラバラだと営業のPDCAサイクルも回せなくなる

売上拡大を支援する営業支援ツールとは

ここで、改めて営業活動を支援するための営業支援ツールで具体的に何ができるのかについて整理しましょう。

営業支援ツールによっては、今までメールやグループウェアなどに分散していた顧客や商談に関する情報、日々の活動情報などを一元管理できる製品があります。この機能を利用すれば、蓄積された情報を資産として有効活用することも容易に行えます。例えば、これまでバインダーや別の名刺管理ツールの中に埋もれていた名刺情報を、人間関係も含めて営業支援ツール上で整理し、いつでも引き出せるようにしておけば、次にアプローチするべきターゲットを明確に特定することが可能になります。

さらに、メールやスケジュール、Excel、PowerPointなど報告内容や活用シーンに応じて何度も同じ情報を入力せざるを得ない環境から脱却でき、一度の入力で様々な形で情報活用できる営業支援ツールもあります。重複入力がなくなることで残業時間が削減でき、生産性は大きく向上。最終的には、本来営業が果たすべき“売上拡大”にもつながっていくことになるのです。

製品選択で陥りやすい罠「機能」「コスト」では選ばない

営業活動を強力に支援してくれる営業支援ツールですが、実は巷に営業支援に関連した多くのツールが存在しており、その選び方について解説している記事もちらほらと見かけます。

その中で「機能」や「コスト」で選ぶべきだと紹介している記事もありますが、実はこの機能やコストで選ぶという視点は大きな誤解です。機能やコストだけを見て選択してしまうとなかなか現場に受け入れられず、かえって営業部門の負担を増やしてしまうことにもなりかねません。

機能で選ぶという愚行はもうやめよう

まず機能という視点で考えた場合、機能はたくさんあったほうがよいと考えるのは自然です。ただ、機能がたくさんあれば期待している効果が得られるのかといえば、決してそんなことはありません。

例えば、多くの人が持っているスマートフォンですが、以前は携帯電話、いわゆる“ガラケー”がデバイスの中心でした。これらの主な機能は電話やメール、そしてインターネットへのアクセスであり、それはスマートフォンであってもガラケーであっても同じです。ではなぜ多くの人がスマートフォンへと乗り換えるのでしょうか。それは、ボタンを押すガラケーよりも画面にタッチしてスワイプするスマートフォンのほうが操作しやすく、画面が大きいために見やすいというメリットが得られることが1つの要素として挙げられます。つまり、ユーザビリティがスマートフォンのほうが高いということです。

これは営業支援ツールに関わらず、様々な業務アプリケーションでも同じことが言えます。たとえどれだけ機能が備わっていても、使い勝手がよくないと誰からも使ってもらえません。端的に言えば、すでにどの営業支援ツールもおおよその機能は備わっており、機能競争はすでに終わりを迎えているといっても過言ではありません。つまり、機能そのものはあまり差がないということなのです。

ただ、そのツールがないと業務が遂行できないというケースはもちろんあります。例えば会計ソフトは経理部門の人が中心で利用するもので、多少使い勝手が悪くても経費の入力や仕訳処理をしない限り請求書の発行や決算処理ができません。この場合は、システムに運用を合わせていき、徐々にツールに慣れてもらうことで解決できます。しかし、利用者の多い営業支援ツールの場合、「それとは別にメールでも報告書が欲しい」「案件管理はExcelのほうがわかりやすい」といった運用でも業務が継続でき、結局は情報の分断が起こってしまいます。すると、PDCAをうまく回すことができないばかりか、入力するツールが増えてしまって現場の負担だけが増えていきます。だからこそ、機能よりも使い勝手のよさを重視する必要があるのです。

では、使い勝手のよい仕組みとは具体的にどんなものなのでしょうか。最も重要なのは、画面の作りはもちろんですが、入力した情報が有効活用できるようになっているかどうかです。具体的には、一度入力さえすれば、様々なシーンに情報が活用できるような仕組みです。一度インプットすれば、顧客情報や案件管理など様々な管理シートにアウトプットしてくれる、つまりシングルインプット・マルチアウトプットが可能かどうかです。現場の営業担当者は訪問履歴を一度入力すれば、それが案件管理に自動的に表示され、月末の営業会議資料もその情報が利用できるため、資料作成の時間を大きく減らすことができるようになります。また、それがPCの画面だけでなくスマートフォンなどからでも入力できれば、さらに便利です。資料作成や報告のための時間が削減でき、入力する営業担当者にもきちんとしたメリットを提示することができるのです。

コストは重要だが“安かろう・悪かろう”は避けるべし

また、コストを念頭に選定しても同じことが言えます。コストは重要なファクターであることに間違いはありませんが、“安かろう・悪かろう”ではうまくいきません。使い勝手が悪いと現場からは見向きもされず、結果として誰も使われない仕組みになるだけです。だからこそ、前述した使い勝手という視点が重要になってくるのです。ただし、使い勝手以外にも重要なポイントとして見ておきたいのが、定着させるための仕組みや体制を持っているかどうかという点です。

実態として、営業支援ツールは導入して終わりというものではありません。最終的なゴールは、売上拡大や営業力強化、残業の削減といったものがあるはずです。その目的達成のためには、日々の営業活動で得られた情報を一元化し、営業活動のPDCAサイクルを継続して回す中で現場に定着させることが大切です。ただし、定着させるにはある程度の期間が必要で、その間は専門家のサポートがどうしても必要になってくるのが現実です。目先のコストだけで選択すると、むしろ課題がより大きくなるなどリスクが拡大する恐れもあります。営業支援ツールをしっかり現場に根付かせるための仕組みや体制があるかどうかをしっかりと見極めたいところです。

営業支援ツールの導入は様々な視点で見ていく必要がありますが、単純に「機能」と「コスト」で選択するのは避けるべきだということがお分かりいただけたでしょうか。ここで、営業支援ツールを検討する際に必要な項目をまとめたシートを用意しています。複数の製品を比較検討する際のシートとしても活用いただけますので、興味のある方はぜひダウンロードしてみてください。

「SFAシステムの製品比較シート」はこちらからダウンロード

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