HubSpotとは?各機能で出来る事や料金、導入をおすすめする企業を紹介
今回は、HubSpotの各機能ごとにできることや導入メリット、導入に向いている企業を解説し、多数ある機能のうちどのツールを用いたら良いのか解説します。
このページのコンテンツ
HubSpotとは
HubSpot CRMは、おおまかに説明すると「完全無料ながらメリットが多数あるCRM」といえます。
国内でも有名な、アメリカのマーケティング会社であるHubSpot社が開発しており、世界90ヶ国以上の約34,000社が導入済みです。
世界中で愛用される理由は、主に以下3点となります。
- 無料なので気軽に導入しやすい
- 機能が豊富
- 有料に切り替えるとSFAやMAもセットで使える
もちろん上記のようなメリットばかりではなく、英語の表記が多いことや、顧客情報の重複を統合する機能がないというデメリットもあります。
しかし、HubSpotはビジネスを円滑にしてくれるCRMとしての機能が充実していながら、無料であることが魅力です。
そして、有料にはなりますがSFAやMAといった機能も用意されています。
無料で使い慣れたCRMに必要な機能を加えることで、大企業からスタートアップ企業まで、多種多様な企業に愛用されているのです。
CRMツールの詳細は、以下の記事を参考にしてください。
CRMとは?機能・メリットや選び方、活用のコツをわかりやすく解説
ここでさらに詳しく、HubSpotが提供する無料のCRMと4つの「Hub」と呼ばれる製品について解説します。
HubSpot CRM
HubSpot CRMはBtoB、BtoCのどちらの企業でも無料で使用できるCRMツールです。顧客の購入履歴や氏名、アクセスやメールの開封などの顧客に関する詳細なデータや、商談、取引内容など、顧客情報の蓄積と管理に関する基本的な機能が完備されたツールです。
また、HubSpot CRMは「Hub」と呼ばれるツールを組み合わせて使用できるオールインワンなツールでもあります。自社の事業に合わせて最適なプランを選択し、用途に応じて部分的な利用ができます。
さらに、1,160種類以上のサービスとAPI連携が可能であり、データ登録から機能のカスタマイズまで直感的な操作ができるため、IT専門家でなくても簡単に使うことができます。無料で使用できることも加えて考えると、導入のハードルは低いと言えるでしょう。
Marketing Hub
Marketing Hubではマーケティング活動の一元管理が可能に。見込み顧客を惹きつける「インバウンドマーケティング」に効果的なツールです。
インバウンドマーケティングとは、ブログやWebサイト、広告運用、SNSなどを用いて訪問者を惹きつけて、見込み顧客から顧客へと転換させるマーケティングの手法のことです。
Marketing Hubでは、インバウンドマーケティングのためのWebサイトやSEO、LP作成から広告運用、SNS管理、マーケティングオートメーション、メルマガ配信まで作ることが可能です。
専門的な知識がなくてもツールを通じて最適なキーワードの分析・提案ができるため、SEO対策やWebサイトの作成などを簡単に行うことができます。有料版を使用することで使用できる機能の幅が広がるので、必要に応じてカスタマイズするといいでしょう。
Marketing Hub | 無料 | Starter | Professional | Enterprise |
マーケティングEメール送信数 | 上限2,000件/月 | 1,000件~/月 | 2,000件~/月 | 10,000件~/月 |
料金 | ¥0/月 | ¥5,400~/月 | ¥96,000〜/月 | ¥432,000/月[1] |
Sales Hub
Sales Hubは、営業活動の支援、効率化ができるツールです。商談や取引の進捗情報や、送信したEメール追跡、開封確認の通知などが可能で、営業の現状を正確に把握することができます。
営業活動を「見える化」することで次の施策を効率的に打て、企業の生産性効率化に役立ちます。有料版では使用できる機能の幅が広がるので、必要に応じてカスタマイズするとよいでしょう。
Sales Hub | 無料 | Starter | Professional | Enterprise |
ユーザー数 | 2ユーザー | 5ユーザー | 10ユーザー | |
料金 | ¥0/月 | ¥5,400~/月 | ¥54,000~/月 | ¥144,000~/月 |
Service Hub
Service Hubは、顧客満足度向上を目的としたカスタマーサポートの分野を支援するツールです。顧客へのカスタマーサービスの質を向上するために必要な機能が集約されたHubが提供されてます。
顧客の全データに加え、問い合わせ受付用チャネルの整備やヘルプデスク体制、ウェブチャットの構築といった顧客とのやり取りを行うツールの一括管理ができます。
また、顧客の全データは蓄積されるため、顧客向けのFAQや記事、動画コンテンツなどを作成・配信でき、顧客の自己解決を促すことで問い合わせ件数の効率化が可能です。有料版では使用できる機能の幅が広がるので、必要に応じてカスタマイズすることができます。
Service Hub | 無料 | Starter | Professional | Enterprise |
追加機能・サービス | 基本機能(制限あり) | レポートダッシュボード HubSpotロゴ削除 など | 電話サポート 顧客フィードバックをすべて管理できるインサイトダッシュボード など | 単一パスワードで複数ツールにログイン可能なシングルサインオン AIを活用した通話のインサイト獲得・追跡・レポート作成機能
など |
料金 | ¥0/月 | ¥5,400~/月 | ¥54,000~/月 | ¥144,000~/月 |
CMS Hub
CMS hubは、CX(顧客体験)の向上を目的としたツールです。サイトの構築からブログの最適化など、Webサイトのコンテンツ管理の負担を減らす機能が搭載されています。
ただ運用するためだけではなく、コンテンツの戦略策定やSEO推奨(アドバイス)など効果の分析・向上の機能も搭載されているため、専門知識がなくても効果的なウェブサイトの管理が可能です。
有料版では、プランによって使用できる機能が変わってきます。何を達成したいのか、目的を再確認して自社に合ったプランを選択しましょう。
CMS Hub | 無料 | Starter | Professional | Enterprise |
追加機能 | 基本機能(制限あり) | ウェブサイトの保護強化の機能多数 ウェブサイトを効率的に作成(ドラッグ&ドロップエディターなど) など | コンテンツ戦略の強化 Google Search Consoleとの連携 A/Bテスト など | 適応型テスト ウェブサイトのパフォーマンス監視 マルチドメイン トラフィック レポート など |
料金 | ¥0/月 | ¥2,700~/月 | ¥43,200~/月 | ¥144,000~/月 |
HubSpotの主な機能
先に紹介した営業部がHubSpot CRMを導入するメリットの根拠として、具体的な機能を紹介していきます。
まず、機能は大きくわけて、以下の3種類です。
- 顧客情報収集・管理
- 顧客とのコミュニケーション支援
- SNS広告
上記3つの機能の分類ごとに詳細を解説していきます。
顧客情報収集・管理
顧客情報の収集と管理を支援してくれる機能は、以下の9つです。
- フォーム
- リードフロー
- ウェブチャット
- チャットボット
- パイプライン管理
- ダッシュボード管理
- リード管理
- 企業インサイト
- アクティビティフィード
フォームやリードフロー、ウェブチャット、チャットボットは、自社サイトを効率化してくれる機能で、案件の進捗と顧客の満足度向上などに期待できます。
パイプライン管理とダッシュボード管理を使うと、案件の進捗状況や担当者の実績、取引額などをすばやく確認可能です。タイミングを見落とすことなく営業活動ができます。
リード管理や企業インサイト、アクティビティフィードは、基本的に顧客情報の管理機能です。HubSpot CRMを通してアプローチした場合は自動で記録もされるので、営業活動の履歴を把握できます。
顧客とのコミュニケーション支援
顧客とのコミュニケーションを通した営業を効率化してくれる機能もHubSpot CRMにはあります。
- GmailやOutlookなどとの連携
- Eメールのトラッキング
- Eメールテンプレートとドキュメント
- コミュニケーションの受信トレイ
- カスタマーサポートチケット作成
GmailやOutlookなどとの連係機能やEメールのトラッキング・テンプレート・ドキュメントの機能は、メールを通した営業の効率化をしてくれる機能です。
先に紹介した「顧客情報収集・管理」の機能と合わせて、画一的なコミュニケーションを通した営業が可能になり、いちいち営業担当者が文面を考える必要なくなります。
また、メールや電話からメモを作成したりタスクやスケジュールを作ったりもできるので、抜けもれも未然に防げるでしょう。
コミュニケーションの受信トレイとカスタマーサポートチケット作成機能は、チームでの顧客対応を可能にする機能といえます。
たとえば、チャットで届いた顧客からの質問にメールで回答したり、担当者に処理を振り分けたりできます。
SNS広告
HubSpot CRMはSNSの広告出稿もでき、新規顧客の獲得の効率化が見込めます。
出稿した広告の反応率を記録できるのはもちろん、獲得した顧客情報を手間なくHubSpot CRMに移行し、もれなく営業の対象にしていけます。
HubSpot CRMと4つのHubの機能
HubSpot CRM
HubSpot CRMの主な機能は以下の通りです。
- 無料ウェブチャット
- チャットボット作成ツール
- チームの共有アドレス
- カスタマイズ可能な見積もり
- 電話拡張SDK
- 商談スケジュール設定
- SNSツール
- リード管理
HubSpotはこれらの無料CRM機能と、これから解説する「Hub」といういくつかの有料の機能によって構成されています。必要に応じた機能のカスタマイズができます。
Marketing Hub
Marketing Hubの主な機能は以下の通りです。
- フォーム
- Eメールマーケティング
- 広告 追跡・管理
- ブログ記事
- ランディングページ(LP)作成
- 共有受信トレイ
- SNS管理
- マーケティングアナリティクス
- リード(見込み顧客)管理
Marketing Hubを用いて訪問者を惹きつけるコンテンツの作成・配信・追跡・分析ができ、インバウンドマーケティングを効果的に行うことができます。そうすることで、訪問者を惹きつけ、自社の顧客獲得を実現できます。
ビジネスにおいて、利益を生むための重要なステップに必要な操作をMarketing Hubの機能で自動化・効率化します。
Sales Hub
Sales Hubは営業活動を効率化する営業支援ツールで、主な機能は以下が挙げられます。
- チケット管理
- 電話拡張SDK
- Eメールスケジュール設定
- ウェブチャット
- 共有受信トレイ
- セールスアナリティクス・レポート
- コール・Eメールトラッキング
このツールでは、セールスプロセスの自動化で時間のかかる運用タスクの削減や、レポートから次の営業活動の施策提案ができます。
また、Sales Hubでは他のアプリケーションや機能との同期・連携が可能です。たとえば、HubSpotタスクをGoogleカレンダーやOfficeカレンダーに同期すると、1日のスケジュール全体を把握できます。
他にも、GメールやOutlookと連携してメールの自動化・トラッキング設定も可能です。
Service Hub
Service Hubは、顧客満足度の向上を目的とした顧客対応への支援ツールです。主な機能は以下の通りです。
- カスタマーポータル
- チケット管理
- ウェブチャット
- カスタマーサービスの自動化
- 顧客フィードバックアンケート
- カスタムアンケート
- コミュニケーションインテリジェンス
ウェブチャットやチケット管理など、社内外のコミュニケーションをスムーズにするだけではなく、顧客対応のプロセスのトラッキングからレポートの作成、分析が行える機能が搭載されています。
顧客フィードバックアンケートやカスタムアンケートでは、CSAT(顧客満足度)、NPS(ネット プロモーター スコア)、CES(顧客努力指標)の観点からフィードバックを収集したり、製品やサービスについてフィードバックを募ったりすることが可能です。
顧客からのフィードバックの結果を見て改善策を打ち、さらなる顧客満足度の向上が期待できるでしょう。
CMS Hub
CMS Hubには、効果的な配信コンテンツを効率よく制作・運用するための機能が備わっています。主な機能は以下が挙げられます。
- ドラッグ&ドロップエディター
- モバイル最適化
- ブログ
- ウェブサイトページ
- 標準SSL証明書
- SEO推奨(アドバイス)
- ウェブサイトのパフォーマンス監視
訪問者にとって魅力的なWebサイトをつくるための機能がそろっています。たとえば、ドラッグ&ドロップエディターは、直感的な操作でサイト制作をすることができ、利用者にとって優しい仕様となっています。
また、パフォーマンス監視やレポートなどの機能により高いセキュリティ性を保持できたり、SEO対策のアドバイスを受けられます。CMS Hubに搭載された機能を用いて、効果的なコンテンツを持続的に配信可能になります。
営業部がHubSpotを使うメリット
CRMに対して、マーケティングの担当部署が使うものというイメージを持っていないでしょうか?
たしかに、マーケティング部にもCRMは有用ですが、実は営業部にこそメリット多数なのがCRMであり、HubSpot CRMも営業部がメインに使うべきツールといえます。
ここではHubSpot CRMを営業部が使うメリットを3点、紹介しましょう。
- 効率的に案件を進捗できる
- 営業部として顧客情報を管理しやすくなる
- 新規顧客の獲得や既存顧客のフォローも効率化できる
上記3つのメリット詳細をそれぞれ解説していきます。
効率的に案件を進捗できる
HubSpot CRMには、効率的に案件を進捗できる機能が多数用意されているので、売上向上が見込めます。
欲しい顧客情報を効率的に収集したり、濃い案件になりそうかを見きわめる機能があるからです。
ただし、先にも紹介したとおり基本的にHubSpot CRMはインバウンドマーケティングを主眼にしたツールなので、オンライン上での案件進捗の効率化がメインになります。
営業部として顧客情報を管理しやすくなる
HubSpot CRMに顧客の最新情報が蓄積されていくので、営業部全体で顧客情報を管理しやすくなるのもメリットです。
単純に、最後にどのようなアプローチをしたかを確認できるだけではなく、メールや電話といったコミュニケーションを管理画面から直接とれ、スケジュールの設定などもできます。
もちろん、セールスメールの文面などはテンプレートから呼び出せるので効率的な営業が可能です。
また、メールの開封率やリンクのクリック率、添付資料のダウンロード率なども測定できます。
営業活動の現状を可視化する機能もあるので、営業マネージャーとしても顧客の管理をしやすくなるでしょう。
新規顧客の獲得や既存顧客のフォローも効率化できる
HubSpot CRMには、SNSでの新規顧客の獲得を効率化する機能やWebチャットで既存顧客を支援できる機能もあります。
飛び込み営業やイベント以外で新規顧客を発掘でき、顧客をロイヤルカスタマーに育てる活動を効率化できるわけです。
いずれも外回りの営業担当者でなくてもできることなので、インサイドセールス担当者を新たにおくといった営業部の体制を見直すのもありでしょう。
実際、CRMやSFAといったツールを導入している企業では、インサイドセールスで大きな成果を上げているケースが少なくありません。
インサイドセールスについての詳細が知りたい場合は、以下の記事をご参考ください。
インサイドセールスとは?目的や営業との違い、導入のポイントを解説
営業部で役立つHubSpotツールとその導入メリット
HubSpot CRMでは、顧客とのあらゆるやりとりをデータとして蓄積します。常に顧客の最新詳細情報を把握し、営業活動の現状が可視化できることで、3つのメリットがあると解説しました。
しかし、それだけではなく、HubSpotにはさきほど紹介した他のツールがあります。HubSpot CRMと、HubSpotツールのひとつであるSales Hubを組み合わせて活用することで、営業活動をより効率化できるのです。
営業部で役立つSales Hub
Sales Hubには営業部に有効な機能が搭載されています。たとえば、以下の機能があります。
- コンタクト、取引、タスクの管理
- Eメールのトラッキングと通知
- Eメールテンプレート
- ドキュメント共有
- アプリ内通話とコールトラッキング
- ミーティング設定
- 見積もり作成
- ウェブチャット
CRMに蓄積した顧客情報、商談や取引の進捗内容に加え、Eメール送信のトラッキングやデータ分析によって、より効果的な営業活動を行えるようになります。
また、顧客に効果的なEメールテンプレート作成、見積もり作成、社内でのやり取りを可視化する機能など、営業活動の一定工程を自動化してくれます。
さらに、営業活動のレポート作成もでき、成果を分析することができます。HubSpot CRMで蓄積・共有された進捗情報に基づきながら、スケジュール調整も容易に。Googleカレンダーなどの他のカレンダーとも連携が可能なので、漏れや被りなく調整ができるでしょう。
導入メリット
Sales Hubを用いると、営業活動のさらなる効率化・自動化が実現できます。これまで人為的に行っていた作業を自動化することで効率化が進み、営業の改善施策や新しいアイデアの創出など、よりクリエイティブな作業に繋がります。
また、営業成果レポートによる課題の抽出から顧客に合わせた対応ができ、さらなる契約数獲得にも繋がります。営業活動の効率化を通して、企業のビジネスの生産性向上を実現できることが最大の導入メリットです。
評判・口コミから使用をおすすめできる企業
ここからは、HubSpot CRMを実際に使っている企業の評判・口コミを紹介していきます。
導入したCRMを切り替えるのは手間がかかり、現場にも負担がかかります。
自社が欲しい機能や要望に定評のあるCRMかをきちんと確認しておきましょう。
実際、HubSpot CRMは実績のあるCRMですが、導入されたすべての企業から高評価を得ているわけではありません。
HubSpot CRMを使っている企業の口コミや評判を確認し、自社に合いそうかを考えていきましょう。
HubSpot CRMの評判・口コミ
代表的なHubSpot CRMの評判と口コミは、以下のとおりです。
- 他のCRMから切り替えたところ作業スピードが上がった
- 無料ながら中小企業なら必要十分の機能が備わっている
- ビジネスの上流から下流まで応用がきく
- Google Analyticsなどの他社の有名ツールと合わせて使いやすい
- リンク先のヘルプページなどが英語の場合が多々ある
- 広告管理やMAなどの有料機能を使うと相応の価格になる
良い評判・口コミとして、無料ながら充実した機能が備わっており、ビジネスを効率化できたというものが多いです。
一方で悪い評判・口コミも中にはあります。
日本語化が十分でないという意見や、使い勝手に慣れが必要、という意見などです。
CRMやSFAといったツールは、国産のものよりも海外産のものが多いので、日本語での使い勝手にこだわりたいのであれば、国産ツールを選ぶと良いでしょう。
HubSpot CRMがおすすめの企業
前述した評判・口コミと後述する機能から、HubSpot CRMがおすすめできる企業も詳しく解説していきます。
具体的には、以下2つにあてはまる企業に、HubSpot CRMは特におすすめです。
- 安価にCRMを使いたい企業
- 段階的なITツール導入を検討している企業
それぞれ、HubSpot CRMがおすすめできる理由やメリットを解説していきます。
安価にCRMを使いたい企業
安価にCRMを使い始めたい企業や既存のCRMの費用を削りたい企業にとって、無料かつ機能が充実しているHubSpot CRMは導入を検討すべきツールです。
ただし、CRMの機能は完全に無料な一方で、広告管理やMAといった機能は有料になるので、注意が必要です。HubSpot社はインバウンドマーケティング、すなわち見込み客から企業へのアプローチを増やす施策を提唱しています。
開発している製品は、コンテンツマーケティングやEメールマーケティングなどを効率化する意図が強いです。そして、有料プランにしても昔ながらの外回りの営業を効率化してくれる機能には期待できません。
外回りの営業や雑誌といった物理的な媒体への広告、イベント・セミナーの効率化などもしてほしいなら、HubSpot CRMよりも適したツールがあるでしょう。
したがって、市場が細分化されている業種など、インバウンドの施策が効果的であり、かつなるべく安価にCRMを使いたい企業にはHubSpot CRMはおすすめといます。
段階的なITツール導入を検討している企業
無料のCRMから始めて、段階的にITツールを導入したい企業にもHubSpot CRMはおすすめといえます。
というのも、有料ながらSFAとMAの機能を追加でき、成功企業の多くが導入しているツールを1つのアプリでそろえられるからです。
各ツールをHubSpotで統一すると、二重入力や入力の抜けもれも防ぎやすくなるのもメリットです。
参考までに、HubSpotの有料の料金プランは以下の3つです。
- Starter:月額6,000円
- Professional:月額96,000円
- Enterprise:月額384,000円
参考:https://www.hubspot.jp/pricing/marketing?edition=starter&term=monthly
それぞれの料金プランで使えるようになる機能は多岐にわたるので、あらかじめ詳細を知っておきたい場合は、HubSpotの公式サイトを確認するのをおすすめします。
以下の記事では、おすすめのCRMツールを10種類厳選して紹介しています。自社に適したCRMをお探しの方は、ぜひ参考にしてください。
CRM(顧客管理システム)のおすすめ10選!選び方や運用のポイントも解説
HubSpotの使い方
1.目標設定と戦略立案
HubSpotを導入する大前提として、導入の目的を明確にしなければいけません。搭載されている機能が多く、マーケティング、セールス、カスタマーサポートなど多方面に支援ツールが活用できる反面、目標設定がされていないと機能を持て余してしまうからです。
マーケティングの領域だけ強化したいのか、あるいはすべての領域にツールが必要なのか、企業によって必要なものは異なります。まずは自社の課題を洗い出し、何を達成したいのか明確にしましょう。また、その際には定性・定量的な目標設定を心掛けましょう。
目標が定まったら、戦略を立案する必要があります。目標を達成するために、HubSpotを用いて「なにを」「どこの」「だれに」「いつ」「どのように」行うのか立案しましょう。
2.HubSpotの設定
立案した戦略をHubSpotの機能と照らし合わせ、設定を行います。
HubSpotは、必要に応じて有料プランに加入して機能を拡張できます。はじめからすべて有料プランに加入する必要はないでしょう。不要な支出を抑えるために、戦略に基づいた機能を設定し、プランを選択しましょう。
たとえば、新規顧客獲得のためにWebサイトやブログコンテンツを充実させたい場合には、編集を容易化するドラッグ&ドロップエディター機能やSEO推奨(アドバイス)機能などを設定します。
3.検証・改善
目標設定、戦略立案、HubSpotの設定を行ったら、効果を検証しましょう。
HubSpot では顧客とのあらゆるコミュニケーションがデータとして蓄積されるため、データから現状を把握することが可能です。データを検証しながら、設定した目標値に近づけるために改善をしていきましょう。
データを用いて目標値が達成できた場合には、成功要因を分析し、達成できなかった場合には原因を分析して改善を図っていきましょう。
HubSpotを使う上での注意点
サポート体制の確認
HubSpotの導入や運用をしていく上で、すべてを自社で管理することが理想ではありますが、容易ではありません。不明点や問題が発生することでしょう。
事業を滞らせずに解決できるように、サポート体制の確認やトラブル時の対応を考慮しておきましょう。
一番重要なのは自社にピッタリのCRMを選ぶこと
ここまでHubSpot CRMの紹介をしてきましたが、他にもCRMは多くあり、最も重要なのは自社に一番合いそうなCRMを比較して選ぶこと。
あくまでも、営業成績やシェアを効率的に伸ばすのが目的であって、CRMを導入すること自体が目的ではないはずです。
HubSpot CRMはたしかに優れたCRMですが、他により自社にあうCRMがある可能性を考えると、比較検討しないと機会損失のリスクが発生します。
もっとも、比較検討する労力をかけすぎるのも考えもの。
CRM/SFAに興味がある方や、導入を考えている方に向けて、様々なCRM/SFA製品を料金や機能、セキュリティなど32項目で採点し、ひと目でわかるグラフで特徴を教えてくれる製品比較シートと、料金・機能をXY軸にして製品群をマッピングした分析チャートをご用意いたしました。
比較の時間を短くしたい方に製品比較シート、どのような価格や機能性の製品があるのかといった、CRM/SFA製品の全体図を把握したいという方には製品分析チャートがおすすめです。
CRMで売上目標を効率的に達成しよう
HubSpot CRMの詳細やメリットなどを紹介してきましたが、理解は深まったでしょうか?
今回の内容をまとめるので、振り返ってみてください。
- HubSpot CRMは無料でメリット多数のCRM
- 安価にCRMを使いたい企業と段階的にITツール導入したい企業におすすめ
- 優れたCRMだが他のCRMと比較検討するのが重要
HubSpot CRMは無料ながら優れており、ぜひとも導入を検討したツールです。
しかし、きちんと比較した上で選ばないと、実は欲しい機能がなかったり、後からより自社に適したものが見つかったりします。
そして、CRMを切り替えるのは費用と労力がかかるものです。
ぜひ自社にピッタリくるCRMを見つけて導入を目指してください。