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アクイジション(Acquisition)とは?リテンションとの違いや施策の具体例、活用法を解説
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アクイジション(Acquisition)とは?リテンションとの違いや施策の具体例、活用法を解説

アクイジションとは、新規顧客を獲得するためのマーケティング手法です。「AARRR」モデルの一部であり、企業や事業を成長させるために重要な対策となります。

アクイジション施策はBtoBとBtoCでは異なり、効率的に進めて成功させるには、CRM/SFAツールを適切に活用するとよいでしょう。

本記事では、アクイジションとAARRRとの関係やアクイジション施策の具体例、成功させるポイントなどを解説します。

アクイジションとは

アクイジションとは「取得」や「獲得」という意味で、ビジネスでは新規顧客を獲得するためのマーケティング手法を意味する言葉です。具体的には見込み顧客に対してさまざまなアプローチを行い、新規顧客に育成するまでの施策のことです。

アクイジションが使われるシーン

AARRRモデルと顧客との関係

アクイジションは、成長戦略モデルのひとつである「AARRRモデル(アーモデル)」の一部でもあります。

AARRRは、

  • 新規顧客の獲得=Acquisition
  • 利用開始=Activation
  • 利用の継続=Retention
  • 商品やサービスの紹介=Referral
  • 収益化=Revenue

の頭文字をつなげたものです。サービスやビジネスの成長段階を5つのステップに分け、それぞれを可視化することで、現在のビジネスステージの確認や課題の抽出をしやすくするフレームワークです。

アクイジションはAARRRモデルにおける最初の段階で、AARRRモデルをスムーズに進めて効果を最大化するには、アクイジションで着実に新規顧客を獲得する必要があります。そのため、企業や事業を成長させるには、アクイジションを成功させることが重要となります。

アクイジションとリテンションの違い

「アクイジション」が新規顧客を獲得するマーケティング手法であるのに対し、「リテンション」は既存顧客を継続維持するマーケティング手法のことです。両者の違いは対象とする顧客であり、実施する施策も、見込み顧客に自社の製品やサービスを一度使ってもらうアクイジションと、既存顧客の利用度を高めるリテンションではおのずと異なります。

一般的に新規顧客獲得は、既存顧客維持の5倍のコストがかかるといわれています。しかし、だからといって既存顧客だけに頼っていても事業は拡大しません。アクイジション施策とリテンション施策をバランスよく行うことが、事業を成長させる上で重要といえます。

BtoB、BtoCにおけるアクイジション施策

アクイジションの具体的な施策はBtoBとBtoCによって異なりますが、いずれも製品やサービス、対象顧客に合わせて施策を選ぶことが大切です。それぞれ詳しく解説します。

BtoBアクイジション施策:営業活動が中心

BtoB企業におけるアクイジション施策は、企業の情報収集や企業訪問といった営業活動が中心となります。対象のリード(見込み客)に対して自社製品やサービスを直接アピールする機会を作り、適切な商談を経て契約を目指します。

BtoBの具体的なアクイジション施策としては、展示会やセミナー、Web上の問い合わせフォームなど、顧客と接触する機会につなげるアプローチが挙げられます。また、オンライン・オフラインともに、広告によって商材を知ってもらうことも含まれます。

Web広告やSNS、メルマガなどは、ターゲットをきちんと絞り込んだうえで運用すれば高い成功率を期待できるでしょう。

以下に主なBtoBのアクイジション施策を、オンライン・オフライン別にまとめました。

【BtoBアクイジション施策例】

オンライン施策 オフライン施策
・サービス資料請求/問い合わせフォーム
・ホワイトペーパー
・Web広告
・SNS
・メールマガジン
・SEO、コンテンツマーケティング
・ウェビナー
・オンラインカンファレンス   など
・展示会
・セミナー
・オフライン広告
・ダイレクトメール(DM)
・インサイドセールス
・テレアポ
・飛び込み営業   など

BtoCアクイジション施策:マーケティング活動が中心

BtoC企業におけるアクイジション施策は、消費者に対して広告を打ち出し、商品やサービスについて幅広く宣伝するなどのマーケティング施策が中心となります。自社サイトでのSEO対策やWeb広告の配信、SNSアカウント運用などが主な施策となります。

ただし、これらの施策を行ったからといってすぐに商品購入などのCV(コンバージョン)にいたるわけではなく、広告に対する反応の度合によりターゲットを分類して、それぞれに適したアプローチを継続する必要があります。

BtoCのアクイジション施策も、オンライン・オフライン別にまとめました。

【BtoCアクイジション施策例】

オンライン施策 オフライン施策
・自社サイトでのSEO対策
・Web広告の配信
・SNSアカウント運用   など
・マスメディア広告
・その他オフライン広告   など

アクイジション施策を成功させるポイント

アクイジション(Acquisition)とは?リテンションとの違いや施策の具体例、活用法を解説_アクイジション施策を成功させるポイント

アクイジション施策を成功させるには、見込み顧客の正しい情報を確保しながら顧客の状況に応じて短期・長期施策をバランスよく実行し、CRM/SFAによって業務の効率化を図りつつPDCAを回していくことが重要です。以下で詳しく解説します。

見込み顧客の情報を正確に把握する

アクイジション施策は新規顧客の獲得が目的なので、新規顧客になりそうな見込み顧客の正しい情報をできるだけたくさん集めることが重要です。

見込み顧客の情報管理には、CRM/SFAツールを活用すると更新なども簡単にでき、常に最新情報を部署内で共有できます。一元管理したデータを元に営業活動の対策を組めば業務の効率化につながり、新規顧客の獲得率も高まることでしょう。

短期・長期両方の施策を行う

アクイジション施策はそれぞれ効果が出るまでの期間が異なるため、短期間で効果が出やすい施策と長期的に取り組む施策の両方を行うとよいでしょう。

短期で効果が出る施策は、Web広告やウェビナー、展示会、インサイドセールスなど、早期に商談の機会につなげたい場合に役立つ施策です。一方、SNSやホワイトペーパーなどは長期施策で時間はかかるものの、成果が出はじめると安定して集客できるようになり、新規顧客の獲得を効率的に進められる可能性を秘めています。短期と長期のバランスを意識して、両者ともに成果が出るように取り組みましょう。

以下に主な短期施策と長期施策をまとめました。

【短期施策と長期施策例】

短期施策 長期施策
・Web広告
・ウェビナー
・オンラインカンファレンス
・展示会
・セミナー
・オフライン広告
・ダイレクトメール(DM)
・インサイドセールス
・テレアポ
・飛び込み営業   など
・サービス資料請求/問い合わせフォーム
・ホワイトペーパー
・SNS
・メールマガジン
・SEO、コンテンツマーケティング   など

競合の施策を参考にする

競合のアクイジション施策には自社の施策に活かせるヒントが詰まっているため、他社の施策を参考にするのも成功の秘訣です。競合他社が継続している施策があれば効果が出ている可能性が高いため、真似できる部分は積極的に取り入れましょう。

施策後に分析をしてPDCAを回す

アクイジション施策はやりっぱなしではなく、かならず効果を分析してPDCAを回すことが重要です。

オンライン施策とオフライン施策でどちらが効果があったか、施策によりどのような成果を得られたか、コストに見合う結果を出せたかなどをしっかりと分析して、今後に活かしましょう。分析結果を正しく次策に反映させていけば、成功率を高められるでしょう。

PDCAに関しては、以下の記事も参考にしてください。

参考:PDCAとは?意味やサイクルを回すポイント、業務改善の具体例を解説

CRM/SFAツールを活用してナーチャリングを行う

アクイジション施策を行う際に顧客管理や営業管理に役立つCRM/SFAツールやシステムを活用すると、業務をスムーズに進捗できます。

また、アクイジション施策の実行後には見込み客(リード)の購入意欲を高めて、今後の受注や契約につなげるリードナーチャリングが必要です。この段階でも、CRM/SFAを活用すると業務の効率化やコスト削減などにつながるでしょう。CRM/SFAを効果的に使うことも、アクイジションを成功させるポイントとなります。

CRMの活用方法は、以下の記事も参考にしてください。

参考:CRMとは?機能やメリット、導入時の選び方、活用のコツをわかりやすく解説

まとめ:CRM/SFAを活用してアクイジション施策を成功させよう

アクイジションとは新規顧客獲得のことで、見込み顧客に対してあらゆるアプローチを行うことで自社の商材を利用・購入する段階にまで引き上げます。

アクイジション施策はBtoBの場合は営業活動中心で、BtoCではマーケティング施策が主体となります。それぞれターゲットの状況によって適切な施策が異なるため、見込み顧客の正しい情報を集めることが重要です。

また、アクイジションは、短期施策と長期施策をバランスよく行うほか、CRM/SFAツールを使うと効率よく進められます。CRM/SFAはアクイジションだけではなくその後のリテンションフェーズでも役立つため、事業や営業活動を成功させるなら積極的に活用しましょう。

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