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営業の生産性を向上を実現させる取り組みとは?業務改善のための方法
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営業の生産性を向上を実現させる取り組みとは?業務改善のための方法

働き方改革において叫ばれる生産性の向上。それが実現できずお悩みの方も多いでしょう。

特に労働生産性の向上、すなわち、労働のアウトプットを労働時間で割った数値の向上が問題ですが、それがなぜ組織で実現できないかの原因をあなたは知っていますか?

この記事では現状を正しく分析して、正しい打ち手を出すポイントや具体的な方法などを提供します。

生産性向上要素を「営業パーソン」において深掘りすると?

営業パーソンの生産性向上は売上増大に直結していますので、最も重要な課題といえます。

営業パーソンの生産性向上要素とは

営業生産性向上は次のような要素で構成されています。

【働き方改革を実現するために】営業の生産性向上を実現させるポイント/指標/具体的な分析手法_営業の生産性を向上させる要素

つまり、営業パーソン一人ひとりが「商談件数を増やす」「一つひとつの商談の規模を大型化する」「成約率を高める」「短期間で成約する」という4つを複合的に実践することが、売上拡大につながります。 

売れる営業と売れない営業の違いは?

どの会社にも「売れる営業」と「普通の営業」が存在します。この両者の大きな違いは情報の質と量です。

 「売れる営業」はどうしている?

売れる営業パーソンは、顧客に関する様々な情報を収集し、社内の関係部署とコミュニケーションと連携を図りながら、顧客への提案内容の質と量を高めています。

さらに、顧客訪問の前に取引先のキーパーソンに関する最新の情報を調べ、以前納入した製品についてサポート部門からフォローの状況などを確認。重要な商談となれば、自社の課長や部長に同行営業を依頼します。

売れる営業パーソンは、このような情報武装をあらかじめ行うことで生産性を向上させ、売上増を実現しています。

属人化撤廃における情報統合と見える化に課題

こちらも営業において生産性を向上させる一つの要素です。
売れる営業も、個人だけでそのノウハウを持っていても、会社の売上は最大化しません。

そこで、属人的ノウハウにとどまることなく、情報の横展開と他の営業マンの育成が必要になります。
そのための前提となるのは、情報を見えるようにすること、つまり「見える化」です。

上記の売れる営業が持っている情報を見える化させ、属人化を撤廃してマネジメントを可能にするにはツールでの情報共有に頼る必要がありますが、そこで課題が発生しています。

情報を一元化して作業量を下げることができているか?

「ITツールを導入しているのに、生産性が一向に向上しない」「以前より残業が増えている」といった声も聞かれます。
その原因は、ITツールがバラバラで業務の効率化と売上UPにつながるPDCAが分断されていることにあります。

例えば行動予定などのスケジュールはグループウェアに入力、営業日報は長文のメールで提出、会議資料はファイルサーバからデータを探し出してPowerPointやExcelで作成…などとすべてがバラバラです。

管理されている情報をもとに、バラバラなツールで資料類を作成し、ファイルはメールで送ったらそのあとは顧みられず、後で情報を取り出す・掘り下げることもない、という状況が往々にして見られます。

こんなことでは、商談の質と量の向上を阻むだけでなく、残業を増やし、訪問活動に時間が割けなくなっています。

営業生産性が低下する原因

営業生産性が低下する例をいくつか挙げていきます。それぞれ、原因は明確に存在します。自分自身が生産性の低下を招く要因となってしまわないよう、よく確認していきましょう。

 売り上げ目標設定に裏付けがない

営業部門には、売り上げ目標が経営陣からトップダウンで設定されることが往々にしてあります。その売り上げ目標は何を根拠に設定されているのでしょうか?

組織には現場ごと(部や課などのグループ)に売り上げを管理する責任者がいます。売り上げ見込みは、実務を把握している各責任者から報告された予測金額の積み上げです。これが目標の根拠となるのが一般的な形でしょう。

にもかかわらず、売り上が見込みを大きく外れるのはなぜでしょうか?

予測精度の甘さは、結果として企業全体の生産性低下を引き起こします。以下に、見込みが狂う原因となる立場の人と原因・理由を列挙します。

  • 営業担当 :何らかの理由で、直属の上長に対してありのまま報告をできていない
  • 現場責任者            :現場の状況を把握すべき立場だが、分析や確認がおろそかになっている
  • 現場責任者            :経営層に対して、売り上げ予測を誇張して報告している
  • 経営者                   :分析からの予測をベースにしておらず「願望」を優先して目標設定

さまざまな場面で各人の思惑や忖度などの事情があり、正しい見込みが伝わらない理由となっています。客観性や妥当性のない目標設定は各人のモチベーションを下げ、生産性も低下させてしまいます。

マネージャーの管理能力が不足している

生産性の良し悪しは、マネージャーの管理能力に大きく左右されると言って過言ではありません。営業パーソンと円滑なコミュニケーションが取れず、指導者として信頼を得られないマネージャーは生産性を低下させる一因となります。

たとえば、組織力ダウンを引き起こすマネージャーには以下のような言動が見受けられます。

  • 部下に対して、そもそも「人対人」のコミュニケーションをうまく取れていない
  • 感情が表に出やすく、司令塔として部門全体を冷静に俯瞰できない
  • 部下一人ひとりの個性や特徴を考慮せず、常にトップダウンで指示を与える
  • 営業マネージャーとして客観的な売上分析をせず、指示自体に裏付けがない

組織で売り上げがしっかりと出せている時には、大きな問題とはならないかもしれません。しかし、上記のような上長は売り上げや組織体質が悪化した時に改善することが困難な傾向があります。一致団結して事に当たるためには、日頃からの現場の雰囲気づくりと部門や部下への分析、指導が大切です。

商談状況の管理とフォローが不十分

組織としては規律正しく機能している、人間関係も良好で和やかなチームワークで運営できている、なのに売り上げは従来に比べて大きな成長もせず芳しくない…。

このような状況の原因として、データに基づいた分析や営業戦略が立てられていないために生産性が低下しているパターンが見受けられます。

何かに真剣に取り組んでいると、知らず知らず自分の主観にとらわれて、周囲が見えなくなってしまいがちです。

自分のアクションが見込み外れとなり、成果が上がらないという時には、必ず原因があるもの。第三者による指摘や、データを分析した結果に基づいた客観的な事実に即して振り返ることが必要です。

定期的に営業会議が行われるのは、現状を報告することで客観的に事実を把握するためです。マネージャーの指導を仰いだり、自身で振り返るクセをつけなければ、生産性は向上せず根本の解決にはなりません。

期限がある目標に対する達成意識の低さ

営業が強い、と言われている組織は短期決戦に強い傾向があります。そして、その強さを生み出しているのは、組織全体で「営業締め日」と言われる日までの売り上げ目標を必達する意識です。

これは、営業パーソンのうち誰か1人だけがその気になっても、すぐに実現できるものではありません。

  • 最前線で締め日を意識して売り上げを獲得しようと頑張る営業パーソン
  • 目標達成まで「あと何件」「あと〇〇〇万円」と盛り上げる上長
  • 仲間の目標達成を称えあえるチームワーク
  • 期限内の受注に対するインセンティブなどのご褒美

このような、組織全体を巻き込んだ雰囲気や仕組みはありますか?

また、それぞれが自分の役割に責任感を持ち、チームとして活動できているでしょうか。

期限を区切って目標を立てていない組織は、各自の明確なゴールを設定しておらず、その振り返りの必要性も感じていない組織です。

何事においても区切りを付けられない組織の風土は、いろいろな形で企業の生産性低下を招きます。

残業を含む長時間勤務前提の働き方

勤務体系や業務手法は、その会社内で先輩から後輩へ受け継がれていきます。そして、それは改革が行われない限り代々、受け継がれ続けます。

“伝統”が継承されるということには、時間とコストをかけて培われた貴重な経験や知識を労せずして得られるという利点があります。しかし、その受け継がれてきた手法自体が生産性の向上を阻害している、という可能性はないでしょうか?

営業活動は外に出て顧客や見込み顧客と会うことがおもな仕事。商談した顧客のための見積や発注などの事務処理、上長への報告などをその日の内に行うため、毎日のように残業しなければならないという組織は少なくないでしょう。

「営業職は遅くまで仕事をするもの」という固定観念が組織中に浸透しているために、残業を前提にした勤務が当たり前になっている企業は「時間対効果」という観点で大きく生産性を落としています。

コロナ禍が続き、今ではリモート面談も当たり前の営業ツールとして受け入れられています。勤務時間の短縮のために何ができるか、生産性の向上を検討するのに良いタイミングではないでしょうか。

営業生産性を向上させるための施策

営業生産性向上のための手法について、詳しく解説していきたいと思います。実務面や営業ツールなども交えて解説していきます。

目標とマイルストーンを正しく設定しトレースする

前章で触れたように、目標とマイルストーンを正しく設定することがまず必要となります。自分達の活動で望む結果が出ているかを「区切り」ごとに振り返るためです。

自分の成果が望み通りのものでないならば、是正するための方策を考えて実行しなければなりません。結果が出る企業と出ない企業の違いは、マイルストーンを設定し、結果のトレースが適宜できているかにあります。

マーケティング活動と明確な営業戦略を具体化し、定量的な目標を設定し、実行する。そして、進捗をトレースして改善点を探す。これがトレースの効果です。

このトレース作業を徹底できる組織こそが、生産性の高い組織なのです。

企業の売上目標とマイルストーンは、大きく分けて以下の構造からなっています。

 

図のように、企業の売上目標から細分化されていき、部門目標に細分化され、さらに個人の営業目標に分割されます。

最下部にある個人プロセス目標。「売上を作る」ベースになるのは営業プロセスなので、このプロセス目標の設定が必須であり、最も重要となります。次の項で詳しく見ていきましょう。

自分の行動管理(プロセス目標設定と実行)

営業生産性に直結するのがプロセス目標の設定です。営業組織における「プロセス」とは、受注成約につながる営業活動全般の項目を指します。

具体的な目標として、

  • 顧客面談(アポイント)回数
  • 商談 件数/金額
  • 受注 件数/金額
  • 新規契約 件数/金額

などが基礎的なプロセス項目として挙げられます。

営業活動は日々の件数の積み重ねであり、ある面ではルーティン作業とも言えます。

飽きを感じてしまい、日々続く活動の繰り返しに怠け心が出たりすることもあるでしょう。そんな時、自分の活動においてペース配分がうまくできているかどうか確認できるのがプロセス項目の進捗です。

企業において、各プロセス件数の設定はやみくもに設定されるわけではなく「成功体験」がベースになります。プロセス目標を重荷に感じず、自分を「成功」へと導くベンチマークとして活用することが大切です。

プロセス設定や管理からは少し話が逸れますが、営業プロセスを数多くこなすためには、顧客への提案書の作成や社内への報告書類などにかける時間をできるだけ減らすことが効果的です。

業務時間が足りないことが生産性低下の原因になっている場合は、この基礎的な問題を解決するだけでも生産性は上がります。「書類関連ルーティン業務のショートカット」を意識することを強くお勧めします。

営業成果に見合う報酬体系の整備

組織として営業活動の生産性を向上したいのであれば、従業員全体の高い意欲が欠かせません。従来の日本企業では、インセンティブや歩合などのシステムを本格的に導入している企業は少数派でした。

インセンティブを導入していても、基本給が安く抑えられていて歩合をある程度取らないと日本の平均賃金に届かない、といった給与体系も見受けられます。

日々の生活を維持するだけではなく、豊かな暮らしをしたいと願うのは当たり前のことです。高い成果を上げた従業員への見返りとして、報酬に手厚く反映されれば、モチベーションの向上につながります。

残念ながら日本企業には、遅くまで働くことが美徳とされ、先輩や上司が残業をしていると先に退社することがはばかられる、といった風潮の残る職場もいまだ存在します。

上司や先輩に忖度しながら付き合いで残業をしている社員に残業代を支給するぐらいならば、営業活動で目覚ましい貢献をした社員に対して褒賞でねぎらう方がよっぽど健全で、会社の生産性向上につながるというものです。

根拠あるデータ分析に基づく売上予測

前項までは、営業組織の構造や組織管理に関する企業論に近い内容でした。近年では、営業も科学的になり、データに基づいた売上予測を行う重要性の認知度が高まっています。

具体的に行うことは、いたってシンプルですが、売上予測の精度を上げるためにはデータとして過去の実績を正確に蓄積する必要があります。

蓄積された過去実績データは、さまざまな切り口から企業のノウハウに基づいて計算式が設定され、企業の求める貴重なデータに変身します。これらのデータを根拠として企業は売上予測を立てることができるので、見込みを外さない精度の高い予測となります。

関連するプロセス項目の設定も、高すぎず、低すぎず、実績にもとづく適正度合いの高いプロセス項目を設定することで、営業生産性の向上に貢献します。

生産性向上の強い味方、営業支援システム

データにもとづいた売上予測が営業活動で大きな効果を上げることをお伝えしましたが、分析活動自体をより効率的かつ発展的に行えるツールも広く活用されるようになりました。

SFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)と呼ばれるITツールで、具体的には以下のような項目のデータベースとなり、簡単に、どこにいても情報を取得・更新することが可能になります。

例えば、以下のような情報をひとつのITシステムの中にデータベースとして集約できます。

  • 顧客や見込み顧客の基本情報を一元管理
  • 顧客とのコンタクト内容や結果の記録
  • 顧客との接触で得た競合企業の詳細情報
  • 商談成約後のアフターサポートに関する情報

昔は紙ファイルや手帳で物理的に補完されていたような内容をすべて集約でき、メンバー全員が同時に共有可能となります。

さらに、蓄積された情報は売上予測や適切な営業プロセスの目標設定などの根拠となる貴重なデータとなります。生産性を上げたい企業にとって、SFAやCRMは今後、必須のツールともいえるでしょう。

顧客情報を集約した「顧客カルテ」で営業の生産性を向上

基盤となるCRM/SFA

顧客情報を一元化するIT基盤を実現するのがCRM/SFA製品です。

営業部門はもとより、マーケティング部門、サポート部門など、顧客接点を持つ部門が顧客に関する情報をシステムに登録すると、それらを1つの画面上に集約された状態、いわゆる「顧客カルテ」として表示できます。

作業工数の削減に効果

「顧客カルテ」を見れば、過去から現在にわたる顧客とのコンタクト履歴を知ることができ、今までのように各部門のファイルサーバを探しまわったり、関係する部門に問い合わせたり、過去のメール履歴を検索したりといった非生産的な作業の問題も解消されます。

スマホからいつでも・どこでも、訪問結果を登録できるCRM/SFAもあり、営業パーソンが外出中の隙間時間に情報を登録するだけで、スケジュールや営業日報、売上データ管理帳票などに自動反映され、いちいち個別に作成する必要がなくなります。

分析と打ち手実施の迅速化

登録した情報は関係者全員でリアルタイムに共有でき、会議の場で状況の報告などを行う必要がなくなります。それよりも「次に打つべき手は何か?」といった戦略の検討に集中できます。

このようなIT基盤があれば、すべての営業パーソンが必要な顧客情報を簡単に手に入れられ、情報武装による生産性の向上が図れます。

行動のリアルタイム化

上司が一つひとつの案件の進捗状況をいつでも・どこでも閲覧・共有でき、リアルタイムにアドバイスして「次は同行するよ」などと伝えるリアルタイムコミュニケーションが可能になります。

現場としては面倒なスケジュール調整などを行わずに、上司のサポートを得ながら、成果を生み出す営業活動ができるでしょう。

導入事例:CRM/SFAの導入で受注件数前年比3.6倍、残業時間30%削減

企業・健保組合等の「健康づくりに向けたインセンティブ」業務を代行する株式会社ベネフィット・ワンでは、CRM/SFAの導入・活用により、入社1・2年目の若手営業パーソンにトップ営業パーソンのノウハウを効率的に共有。

その結果、受注件数前年比3.6倍、残業時間30%削減を果たしています。このCRM/SFAを活用した“情報武装”の事例の詳細を動画でご覧ください。

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まずは正しい現状の把握と分析を

組織の生産性向上のためには、いかに正しく現状を把握できるかが鍵であり、その中でも定量面では数値として一元管理、リアルタイムで見える化することが根底で必須となります。

現状において最も簡単に情報を一元化できるCRM/SFAは、大きな力となるでしょう。

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