
できる営業マンの7つの共通項 〜できない営業マンとの違いから実践方法まで〜
「なんで、あの人ばかりいつも売れるんだろう?」
できる営業マンの秘密を知り、自分も売れるようになりたいと考える営業マン、チームの売上を伸ばしたい営業マネージャーは多いことでしょう。
実は、優秀な成績を残す「できる営業マン」にはある“共通点”があります。
すぐに真似できることばかりではありませんが、今回は7つの共通する項目を、できる営業マン・できない営業マンの違いも合わせて見ていきます。
そして、出来る営業マンになるために今から実践できることをご紹介します。
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できる営業マンの条件

できる営業マン・・・それは単発的に大きく売る人を指すわけではありません。
もちろん、単月に爆発的な売上を見せることもありますが、一般的にはコンスタントに売上上位を走り、部門目標達成に常に貢献しているような営業マンのことでしょう。
そんな出来る営業マンの共通項通項を見る前に、一度立ち返って意識すべきポイントを紹介します。
それは営業職の3つの評価基準です。
営業職の評価基準
営業職の評価基準として以下の3つが挙げられます。
- 成果
- 能力
- 姿勢
大前提として、数字に表れる「成果」が営業マンの評価基準となります。
成果は、金額・件数・リピート率の観点からみることができます。
金額は、商談の大きさや顧客が大口かどうかといったことがわかります。
件数の多さからは商材の営業範囲の幅広さがわかり、リピート率の高さからは営業マンの技量をはかることができます。
そして、高い成果を実現するためには、営業マンの「能力」と、能力を発揮・獲得するための「姿勢」が必要になります。
できる営業マンの共通項はこの「能力」と「姿勢」の2点に見ることができるのです。
できる営業マンの7つの共通点

1.目標達成に対し、強い“執着心”を持っている
「目標を絶対に達成するぞ!」という、強い執着心を持つこと。
これは、ガムシャラかつ闇雲に頑張る、遅くまで残業している、ということではありません。
執着心とは、成果を出すためにあらゆる手段を考え、実行する姿勢のことです。
すでに断られた顧客に別の角度から何度もアプローチしたり、ほかの営業マンがしていないことでも効果が出そうなら挑戦したり…。
時間や手数だけでなく、限られた時間内で実現可能なさまざまなプランを考えます。
2.目標達成するための“手順”を先に整理している
できる営業マンは2~3週間くらい先までに、どこに、どのくらい当たるのか、スケジュールを組み立てています。
それは、目標達成のために既存顧客からの売上、新規顧客からの売上がどのくらい必要かを考えた上で、営業活動を行なっているからです。
できる営業マンは営業活動の時に、「毎日、何件営業に行くと目標達成できるのか」と考えていません。
営業活動の前に、目標から逆算して、毎日どのぐらい行動するかを導き出しています。
まず前提として、できる営業マンは自分自身の「営業プロセス」を理解しています。
「営業プロセス」とは、営業マンが目標を達成するためにかかると予想される手順です。
できる営業マンは、この営業プロセスに沿って、目標達成から逆算して行動をしています。
3.スピーディーに”やるべきこと”をやる
できる営業マンは、自分で決めたこと、約束したことをやり遂げる努力をします。
たとえば、上記「2. 目標達成するための“手順”を先に整理している」で決めた「1日○件、商談に行く」というルールを、「明日がんばろう」と、先延ばしにしたり、自分の都合で変えてしまったりすることはありません。
また、「新規訪問の前に、訪問先の企業サイトを確認して、商談までの仮説を立てておこう」と考えるまでは、多くの営業マンが実行しているかもしれません。
しかし、自分で「これは役立つので必ずやろう」と決めたことをさぼらずにやっているのです。
また、顧客に「○日までに提出します」「次回に○○をお持ちします」というように、小さい約束事でも、ちゃんと守る、できるだけ早く対応するなど、抜かりなく実行しています。
当然のことかもしれませんが、顧客視点に立ち、事前準備や約束事を守り続ける実直さを持っています。
4.会話や商談から“吸収”し、それを役立てている
できる営業マンは“盗む”のが上手です。
ここで言う“盗む”とは、常に役立つことを吸収し、自分のものにし続けることが習慣化しているという意味です。
たとえば上司や先輩が語った顧客との上手なやり取り、客先での話題などをまねることで、自分のものにするのです。
ほかにも、ニュースや最新情報、あるいは客先で聞いた一般的な話題なども、自分の話題のひとつとして、商談前に世間話的に業界動向を話したり、提案内容に組み込んだりします。
つまり、吸収力に優れ、どんなことでも役立てるつもりで目を光らせていて、自分の“財産”に加え続けていると言ってもいいかもしれません。
5. 行動に対して“フィードバック”を求める
客先で提案した内容が受け入れてもらえなかったり、購入してもらえない場合、客先に行くのはムダになるような気持ちがして、あまり気が進まないかもしれません。
営業をしている上で、このような機会は少なくないでしょう。
しかし、できる営業マンは、「どのような行動でもフィードバックをもらうようにすることで改善につながる」と考えて、フィードバックを得るために足を運びます。
提出した企画書・提案書・見積書などの内容について、購入後の意見についてなど、行動した結果、どうだったのか、その反応を追いかけています。
また、上司などに同行してもらい、今日の商談での会話はどうだったのか、社内に対してもフィードバックを求めています。
作成した資料に説得力があるのか、同僚に意見を求めるのも良いでしょう。
評価されるのを恐れずに、どんどん意見を求めてみましょう。
6. 商談に対し“心配性”である
できる営業マンなのに“心配性”というと意外に感じる方もいるかもしれません。
ここで言う”心配性”は、入念な事前準備を行うための姿勢を意味します。
たとえば、商談前に、
- 「なぜ、この商品を提案しているのか、回答しにくい角度から質問してくるかもしれない」
- 「今回の提案以外の商品についても説明を求められるかもしれない」
- 「途中で担当者の上司が登場し、これまでの経緯の説明を求められるかもしれない」
など、商談で発生するリスクについて、緻密に、こまめに「ここまで考えるの?」というところまで考えています。
できる営業マンはさまざまな状況を想定し、対策を練っています。
考え得るあらゆるパターンの対応策を準備できることで、商談にも自信がもてますし、効果的な提案や、信頼感の増加にもつながることでしょう。
ほかにも、できる営業マンは「営業目標に対する現在の売上見込み」に対しても心配性です。
「もし、何か想定外のことが起こったら」と考えて、二の矢・三の矢を準備しておく。
ここまで入念の策を練っているからこそ、常に高い達成率を叩きだしているのです。
7.契約まででなく、契約後もフォローを欠かさない
一般的に、営業マンは契約をゴールとするため、契約までのプロセスを重視します。
そのため、契約後は契約前より熱量がさがり、アフターフォローを後回しにしてしまいがちです。
しかし、できる営業マンは契約後のフォローを欠かしません。
顧客にとっては契約後からが本番です。
商材を利用し続けてもらうためには、迅速なトラブルの対応や、新たな課題に対するアドバイス、情報提供をする必要があります。
もし、対応が遅れたり、契約前より営業マンの姿勢が消極的であったりすれば営業マンへの信頼度が下がり、解約にも繋がりかねません。
できる営業マンはこのアフターフォローを欠かさず行い、高いリピート率や紹介による新規獲得につなげています。
できる営業マンとできない営業マンのちがい

テレアポに見る「できるか否か」のちがい
某社の営業部門のテレアポにて、売上が伸び悩むX氏と、営業トップのY氏の営業現場を見てみましょう。
悩めるX氏:
- 今日を「テレアポの日」と決め、架電を行なう(8時間)
結果:2社のアポを獲得
営業トップのY氏:
- テレアポ開始前にリストを精査し、かけるべき顧客を選定(2時間)
- 20件に架電を行なう(2時間)
結果:4社のアポを獲得
X氏は8時間で2件、Y氏は2+2=4時間で4件と大きな差が生まれました。
2人の営業マンにこのような大きな差が生まれた理由は、「行動」にあります。
比較して見てみましょう。
悩めるX氏の行動
X氏は8時間、ひたすら電話をかけ続けました。
そこには、顧客につながりやすい時間を考えたり、顧客を選別したりするという発想はありませんでした。
残念ながら“頑張り”はあるものの、それは目標達成とはつながりません。
営業トップY氏の行動
まず、Y氏は、電話で4件のアポを獲得しようと目標設定し、テレアポを行いました。
そして、顧客を選定する2時間に以下のことを考えて、リストを選別していました。.
- どういう顧客が商品に対して興味を持つのか?
- 何時位ならば電話がつながりやすいのか?
- どんなトークなら会ってもらいやすいか?
また、電話をかけながらも、時には電話の内容の評価を周囲の人や電話先に求めながら改善し続け、次に活かしていました。
その結果、4時間、2件のアポの差が生まれてしまいました。
週間の計画を比較すると…
悩めるX氏のスケジュール
明日、明後日の予定は決まっていても、3日後からのスケジュールはまばらで、自転車操業のような状態です。
予定がないため、しかたなく13時から15時頃までをテレアポの時間に設定することもありますが、他社もこの時間に予定が入っていることが多いもの。
それでは、「自分の時間が空いたから」という自分本位な営業になってしまいます。
営業トップのY氏のスケジュール
急ぎの案件が入った場合には、柔軟に対応できるような組み方で、2週間先までスケジュールがほぼ埋まっています。
Y氏は常に「訪問件数を1週間で15件」「アポを1週間で15件」と、先行して目標を立て、スケジュールを入れています。
また、商談を実施したらフォローの日もその場で必ず決めることを忘れません。
できる営業マンとできない営業マンの違い
売上が伸び悩むX氏と営業トップのY氏をみると、前章でご紹介したできる営業マンの7つの共通点がはっきりと見えてきたのではないでしょうか。
Y氏は、常に先を見据えて目標を設定し、達成するための”手順”を整理していました。
また、テレアポの事前準備を行い、スピーディーに動いています。
周りからのフィードバックも欠かさず取り入れます。
その一方、X氏は目標が明確ではなく、その場その場の営業になってしまっているのです。
では、違いを理解したところで、できる営業マンになるためにはどうすればいいのでしょうか。
できる営業マンになるための実践方法

さきほどの7つの共通点を踏まえながら、今から実践できることを紹介します。
- 自己分析による営業戦略
- スピーディーな行動を
- 事前準備を入念に
- 知識の”吸収”とフィードバックを求める
- アフターフォローの実践
- タスク・スケジュール管理
自己分析による営業戦略
行き当たりばったりの営業戦略にならないようにすることが重要です。
できる営業マンは、自分の営業プロセスを理解して目標から逆算し、達成するための“手順”を先に整理している、と紹介しました。
そこで、営業目標から逆算して日々の行動を知るために、自身の営業プロセスを整理し、保留率を割り出しましょう。
詳しい算出方法は以下の記事をご覧ください。
スピーディーな行動を
目標を設定し、やるべきことが見えたら、スピーディーに行動をしましょう。
自身がやると決めたこと、その日の商談の場で約束したことをすぐに実行することです。
小さなことでも、積み重ねることで自分の自信につながるとともに、信頼にもつながっていくことでしょう。
知識の”吸収”とフィードバックを求める
先輩や同僚の「良いところ」を観察して見つけてみましょう。
見つけたら、それを自分なりに営業に取り入れてまねてみるのです。
そして、自分が行なったことを客観的にみて向上できるように、フィードバックをもらうことがおすすめです。
同僚に資料を見てもらう、商談の時の話を聞いてもらう…というように、気軽に頼める相手からフィードバックをもらってみてはいかがでしょうか。
事前準備を入念に
商談の前に入念な事前準備を行いましょう。
まず、商談の内容を想定します。
うまくいく場合、うまくいかない場合の双方を考えてみて、「うまくいかなかった場合にどうするのか」という準備をしてみましょう。
また、あらかじめ想定される質問を考え、回答を用意するのもいいでしょう。
アフターフォローの実践
訪問・連絡することで、商材購入後の顧客に「使い勝手」を聞きましょう。
購入後の顧客の状況を知ることで新しい課題や提案が見えてきます。
もし、購入後の「使い勝手」に課題がある場合は、ヒアリングを行い、改善点を見つけ新たな情報提供をしましょう。
たとえば、使いこなすためのマニュアルを提供したり、他社での利用事例を紹介したりすることができます。
もし、課題が自社製品で解決できるのであれば、それは新たな営業のチャンスにもつながるでしょう。
タスク・スケジュール管理
営業目標を設定でき、日々のやることが明確化すれば、やるべきことはそれらをスムーズに実行することです。
スムーズな実行にはタスク・スケジュール管理が必要不可欠です。
タスク管理について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
いまから実践できることを行ない、できる営業マンになろう!

できる営業マンになるための近道はありませんが、その共通項を知り、参考にすることはできます。
一見「当たり前」のことでも、それを実直にこなし続けているのが優秀な営業マンです。
今回は、営業マンの評価基準、できる営業マンの共通項と売れない営業との違い、実践方法をご紹介しました。
これを通じて、できる営業マンとは何かを理解したあなたが次に行うことはひとつ。
今から実践できることを行い、「できる」営業マンに着実に近づいていきましょう。