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インテントセールスとは?新しい営業の仕組みや必要ツールを解説
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インテントセールスとは?新しい営業の仕組みや必要ツールを解説

近年のインターネットの普及と顧客ニーズの多様化により、従来の営業アプローチのみでは大きな成果が出にくくなっています。そこで注目されているのが、インテントデータを活用した新たな営業手法「インテントセールス」です。

この営業手法では、顧客が現在抱えているニーズや興味関心をリアルタイムにとらえ、より効果的なアプローチが可能になります。本記事ではインテントセールスとは何か、具体的な営業フローや導入に必要なツール、成功事例についてわかりやすく解説します。

インテントセールスとは?

インテントセールスについて

インテントセールス

インテントセールスは、顧客の興味や関心を示すインテントデータをもとに、ニーズが高まっている潜在顧客に対して効率的にアプローチする営業手法です。この手法は、データドリブンなアプローチを通じて顧客のニーズを正確にとらえ、タイミングよく営業活動を行うことを可能にします。

従来の営業手法が「自社の製品やサービスを広く知らせる」ことに重点を置いていたのに対し、インテントセールスは「顧客が今、何を求めているのか」を理解し、そのニーズにあわせた提案を行います。

この変化は、インターネットの普及による情報収集の容易さと、顧客ニーズの多様化によって加速されています。

営業におけるインテントデータの重要性

インテントデータはユーザーがインテント(意図や目的)を持ってWeb上で行動した記録データのことを指します。

特に顧客企業のインサイトがつかみづらいBtoB企業にとって、インテントデータは顧客のニーズや関心を理解し、適切なタイミングでアプローチするために不可欠な情報源です。

このデータを活用することで、顧客企業の購買プロセスの初期段階で効果的なコミュニケーションを図ることが可能になります。

インテントデータの種類には、自社サイトやアンケート調査から得られる1stパーティデータ、パートナー企業から提供される2ndパーティデータ、外部企業が収集して公開している3rdパーティデータがあります。

これらのデータを適切に活用することで、顧客のニーズを深掘りし、個々にあわせて最適な営業活動を展開することができるでしょう。

データタイプ 説明
1stパーティデータ 自社サイトやアンケート調査などから得られるデータ
2ndパーティデータ パートナー企業から提供されるデータ
3rdパーティデータ 外部企業が収集して公開しているデータ

インテントセールスの営業フロー

次に、実際にインテントセールスを行う場合にどのような営業フローが必要かを見てみましょう。本章では3つのステップに分けてそれぞれ解説します。

1. インテントデータにもとづくニーズ特定

まずはインテントデータを収集し、顧客がWeb上で検索しているキーワードやオンラインでの行動から、そのニーズを特定します。

インテントデータには3つのタイプがありますが、自社にとっての顧客理解を最も深めるには、自社サイトやアンケート調査から得られる1stパーティデータが適切といえるでしょう。

GoogleAnalyticsや、より細かい顧客データを収集するCRMツールなどを活用し、適切な顧客ニーズを特定しましょう。

2. ターゲットの絞り込み

次に、特定したニーズにもとづいて最も関心が高いと思われる顧客グループを絞り込みます。

顧客ニーズがかならずしも想定していたものでなかったり、また複数のニーズが乱立する場合も少なくありません。インテントセールスではさまざまな顧客ニーズから、「最も関心が高く、購買につながりやすいニーズ」にターゲットを絞ることが重要です。

3. 適切なアプローチ

ターゲットとなる顧客が決まれば、彼らのニーズにあわせた提案方法で個々に適切な営業活動を行います。

インテントセールスのプロセスでは、従来の「満遍なくアプローチする」営業から、「今、自社サービスを必要としている人」に絞ってアプローチする営業へと変化しています。

リアルタイムで収集したインテントデータの活用により、ニーズが発生している瞬間に適切なアプローチが可能となり、商談化率の向上が期待できます。

インテントセールス導入に必要なツールとは?

インテントセールスとは?新しい営業の仕組みや必要ツールを解説_インテントセールス導入に必要なツールとは?

インテントセールスの実施には「インテントデータの収集」が必須事項ですが、情報収集のためのツールをうまく運用できないとなかなか狙った顧客データを集めることができません。

そこで、本章ではインテントセールス導入でおすすめとされるCRMツールについて紹介します。

インテントデータを収集するCRMツール

CRM(Customer Relationship Management)は、顧客データを収集・分析して営業戦略に活用するための顧客管理ツールです。

細やかなインテントデータを収集することも可能で、顧客が何に興味を持っているか、どのようなニーズがあるかを把握し、より効果的なアプローチを可能にします。インテントデータの収集と分析をスムーズに行うには、CRMツールが不可欠といえるでしょう。

CRMを活用することで、以下のようなメリットがあります。

顧客理解の深化

顧客の行動や関心を詳細に把握し、パーソナライズされたコミュニケーションを実現。

営業効率の向上

インテントデータにもとづくターゲティングで無駄なアプローチを減らし、成果につながる営業活動を促進。

マーケティングとの連携強化

CRM内のデータをマーケティング活動に活用し、一貫した顧客体験を提供。

CRMの導入には顧客データの管理だけでなく、その分析機能や自社での継続的な運用できるかも重要なポイントになります。CRMツール選定のコツをまとめた、営業ラボ独自のノウハウ資料も無料でご用意していますので、ぜひ以下よりダウンロードください。

データドリブン営業の体制も必要

インテントセールスで重要なアプローチ手法とされているのが、「データドリブン営業」です。データドリブン営業は、企業が市場や顧客のニーズを正確に把握し、より効果的な営業戦略を立てるための重要なアプローチです。

データドリブン営業を成功させるためには、以下のポイントが重要です。

データの収集と分析

市場や顧客からのインテントデータを収集し、それを分析することで、顧客のニーズや市場の動向を把握します。

適切なツールの選定

データ収集や分析には、CRMやSFAなどのツールが必要です。これらのツールを適切に選定し、活用することが重要です。

チームの教育と育成

データを活用するためには、営業チームがデータ分析のスキルを持つことが必要です。定期的な研修やワークショップを通じて、チームのスキルアップを図ります。

データドリブン営業の体制を整えてインテントセールスを行うことで、企業はより成約率の高い営業活動を展開できるようになります。市場や顧客の変化に迅速に対応し、競争優位を確立するためにも、インテントセールスの導入を検討する価値は大きいでしょう。

参考:【わかりやすく】データドリブンとは|意味や事例・支援ツールを紹介

インテントセールス導入の成功事例

近年のビジネストレンドに先駆けてインテントセールスを導入した日本企業の中には、顕著な成果を上げている例が数多く存在します。本章では2つの日本企業の事例を紹介します。

合同会社DMM.com

オンライン英会話サービス「DMM英会話」を提供する合同会社DMM.comでは、テレアポリストのみでは顧客のニーズが詳細まで分からず、最適なコミュニケーションができていない状況を課題と感じていました。

そこで、インテントセールスと3タイプのインテントデータ分析が可能なツール導入を行った結果、テレアポ時に顧客ニーズのあたりを付けられるようになり、アポ獲得率が従来比309%に増加しました。

参考:SalesZine「DMM.com、「Sales Marker」導入でアポ獲得率が従来比309ポイント上昇」

株式会社ミツカル

税理士をターゲットとしたM&A人材サービスを提供する株式会社ミツカルでは、競合が多い業界の中で、いかに潜在層にアプローチするかが課題でした。

そこで、インテントセールスを導入し、誰も見つけられていない潜在層に先手を打った営業活動を可能にしたことで成果を上げています。

参考:PR TIMES「ミツカル、『Sales Marker』導入でインテントセールスを実現 ~まだ他社が見つけていない「潜在顧客」を発掘し、先手を打ったアプローチが可能に~」

これらの成功事例から、顧客のニーズを正確に把握し、適切なタイミングでアプローチすることが、営業の成果向上に直結しているのがわかります。インテントセールスやデータドリブン営業の事例は、今後の営業活動の改善や強化の検討時において参考になるでしょう。

インテントセールスで競争力の高い営業を実現しよう

インテントセールスは、顧客の意図やニーズをリアルタイムでとらえ、ターゲットにあわせた精度の高いアプローチを可能にする新時代の営業手法です。インテントデータの活用により、従来の営業手法に比べて商談化率の向上や効率的な新規顧客開拓が期待できます。

このような営業の革新を実現するためには、CRMなどの分析ツールをうまく活用し、データドリブンな営業体制を構築することが不可欠です。インテントセールスを導入することで、企業はより効果的に顧客との関係を築き、競争優位性を高めることができるでしょう。

自社の競争性を高めるためにも、インテントセールスを実施してデータドリブン営業を実現していきましょう。

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