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成果につながるデータ分析を使ったマーケティングとは
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成果につながるデータ分析を使ったマーケティングとは

消費行動のあらゆる場面がデジタル環境に置き換わるなかで、企業が取得可能な顧客やユーザーに関するデータの量は飛躍的に増大しています。

マーケティングにおけるデータ分析は、アンケートデータの統計解析などを通じて従来から行われていましたが、扱うデータの種類と量が増加することにともない、データ分析の手法も多様化していることに目を向ける必要があります。

この記事では、マーケティング領域で扱われるデータ分析の対象とデータの種類、代表的な分析手法について解説します。

マーケティングにおけるデータ分析の重要性

マーケティングは商品やサービスが売れるための仕組みづくりといえます。IT技術の進化とオンラインによるコミュニケーションの浸透が購買プロセスの多様化と新たな消費者ニーズを生み出すにともない、売るための仕組みも高度化・複雑化が進んでいます。

能動的な情報収集手段であるアンケート調査やインタビューなどに加えて、消費者の購買行動を理解するための手がかりとなるのが、オンライン上で記録されるさまざまなデータです。これらのデータを総合的に活用することが、有効なマーケティング施策を打ち出すために欠かせないものとなっています。

参考:営業活動を効率化するデータドリブンとは?そのメリット・デメリットや導入ステップを紹介

【第8回】ニューノーマル時代におけるマーケティングオートメーション

マーケティングの分析対象

マーケティング部門では、顧客に関する情報、広告やプロモーションなどマーケティング施策に関する情報、競合他社や市場動向についての情報などを扱います。これらに関連するデータがマーケティング部門の分析の対象となります。

マーケティングが分析の対象とする要素は、STPと4P(マーケティングミックス)と4Cというフレームワークを使って考えることが基本となります。

STP

STPはSegmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、Positioning(ポジショニング)の略であり、どんな顧客層に対して、競合他社と比較した場合に自社が提供する商品やサービスがどんな価値をもたらせるかを明確にする手法です。

セグメンテーションは年齢や性別などのデモグラフィック(人口統計的)な属性のほか、居住地などの地理的属性や行動的属性、心理的属性などにもとづいて細分化を行います。その際に必要となるのが消費者に関するデータです。

ポジショニングを行う際にも、競合商品と比較した場合の評価軸に関するデータ分析を行います。

4P・4C

4Pと4Cはマーケティングが働きかける要素を企業視点と顧客視点から分類したもので、4Pはマーケティング・ミックスとも呼ばれています。

マーケティングにおいてデータ分析の中心となるのが、顧客についての情報です。顧客に関するデータは、アンケート調査などのマーケティングリサーチを実施して収集された「集めるデータ」と、自社顧客の購買履歴やオーディエンスデータといわれるWebサイトの利用状況に関するデータ、サポート窓口によせられるVOC(顧客の声)などの「集まるデータ」に分けられます。

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分析対象とするデータの分類

4Pの各要素に対するマーケティング施策を検討するためには、STPによる対象顧客の絞り込みと、4Cの視点から対象顧客についての理解を深めることが不可欠です。

STPと4Cの各要素は顧客に関する情報が主体であり、「集まるデータ」と「集めるデータ」を使って分析を行います。

分析を行う際にはどんな種類のデータがあるかを知っておく必要があります。

定量データ・定性データ

マーケティングに必要なデータ分析を行う場合、まず、データの扱い方による分類を知っておく必要があります。

たとえば、顧客ごとの購買金額やwebサイトへのアクセス回数などの数値であらわされるデータと、アンケートの自由回答やサポートに関する問い合わせ、SNSの発言など収集段階でテキストとして記述されるデータでは分析の方法が異なります。

数値で取得されるデータのことを「定量データ」といい、データ分析には統計的手法が用いられます。

一方、テキストで取得されるデータは「定性データ」といい、分析段階ではヒューリスティック(人間の勘や経験則的な手法)やコーディング(内容を分類して数量化する方法)のほか、データの量が膨大な場合にはテキストマイニングやAIを使った分析が行われます。

定性データ、定量データにはそれぞれ、以下のような情報が含まれます。

定性データ(質的変数) 名義尺度 他のデータとの区別以外の意味を持たない 名前、住所、職業、ブランド、など
順序尺度 区別に加えて順序を判断できるデータ ランキング、段階評価、など
定量データ(量的変数) 間隔尺度 単位の間隔が等しく、数値の差にも意味があるデータ 偏差値、西暦、時刻、など
比例尺度 単位の間隔が等しく、差に加えて比率にも意味があるデータ 数量、金額、割合、人数、など

1stパーティ・2ndパーティ・3rdパーティデータ

デジタルマーケティングの分野で、属性情報や行動履歴などの顧客に関する情報の所在と取得方法に着目するのが「〇〇パーティ」というデータの分類方法です。

自社を基準とし、自社自身を1stパーティ(第一者)とした場合に、特定のデータを共有することができる企業を2ndパーティ(第二者)、それ以外のデータ入手経路を3rdパーティ(第三者)と呼びます。

1stパーティデータ自社が顧客から直接入手できるデータ。購買履歴をはじめとし、webサイトの訪問履歴やEメールの開封率などのweb上での行動履歴に関する情報が該当
2ndパーティデータカード会社やポイントサービスの会社などが保有する顧客情報を、データエクスチェンジと呼ばれるサービスを通じて入手したもの。広告プラットフォームと連携し、ユーザーの属性情報にもとづいた広告配信を行える
3rdパーティデータ調査会社やデータ収集を専門とする企業や公共機関の統計情報など、外部から購入・入手するデータ

1stパーティデータは自社が顧客から直接取得したデータであることから、個人情報を含む精度の高い詳細な情報といえますが、データの範囲と内容が自社の顧客とユーザーに限られます。

新たな商品・サービスの開発や、より具体的な顧客満足度を測定するマーケティング施策には、2ndパーティデータ、3rdパーティデータが広く活用されています。

また、webサイトの閲覧データを保存するCookie(クッキー)という仕組みがありますが、Cookieのデータをもとに属性データや購買履歴などを組み合わせて生成されるオーディエンスデータにも1stパーティ、3rdパーティという区別があります。

1stパーティCookieユーザーが訪問したwebサイトのサーバーから発行されたcookie
3rdパーティCookie表示された広告のサーバーなど、第三者のサーバーから発行されたCookie

個人情報保護の観点から3rdパーティCookieは廃止される方向にあります。この流れを受けて、1stパーティデータのなかでもフォームデータ、アンケートデータなどのユーザーが自ら同意した上で企業側に提供した個人情報を含むデータは、Zeroパーティデータと呼ばれています。

参考:【初級編】データ分析とは? メリットや分析方法、おすすめのツール、活用事例を徹底解説!

マーケティングのデータ分析に使われる手法

マーケティングの領域で用いられるデータ分析には、その目的によってさまざまな手法が用いられます。主要な分析手法には以下のようなものがあります。

クロス集計

クロス集計は横軸(表頭)と縦軸(表側)に2つの変数をとり、それらを掛け合わせてマトリクスを作成する集計方法です。

男女別や年代別、地域別などに分けてデータを集計する方法であり、ビジネスのあらゆるデータ分析のなかで使われています。マーケティングにおいては、STPや4Cに関する顧客データを分析する際のさまざまなケースで用いられます。

ABC分析

ABC分析は、累積の構成比をもとにした優先順位付けを行う手法です。

商品であれば販売数量や金額をもとに、売上貢献度によって商品アイテムをグループ分けし、グループごとにプロモーション方法を変えるといったマーケティング施策に活用できます。

顧客を対象とする場合も同様で、優先順位の高い顧客にマーケティングリソースを重点配分するといった活用方法があります。

多変量解析

多変量解析は、データの種類がたくさんある場合に、データ同士の関連性を分析するための統計手法の総称です。

マーケティング分野で用いられる主要な多変量解析としては以下のような技法があります。

クラスター分析データの類似性に着目し、多数のデータをグループ分けするための手法。顧客のセグメンテーションやブランドのポジショニングなど、STPの分析にも使われる
主成分分析(PCA)多くの変数を持つ多次元データを低次元のデータに要約する方法。アンケート結果から多くの形容詞で表現されるブランドイメージを、本質的な要素を解釈する際などに用いられる
因子分析多くの変数を持つデータから共通する要素(因子)を探索するための手法。複数のデータから共通する因子を特定し解釈する
回帰分析データから変数間の関係をモデル化することで、シミュレーションや因果関係を推定する場合などに使われる
判別分析異なるグループのデータから、新たに取得したデータがどのグループに属するかを推定する手法。購買可能性の高い顧客の判別のほか、機械学習などにも使われる統計技法

オーディエンスデータの分析

webサイトを訪問したユーザーのCookieデータから得られる情報を対象とするのがオーディエンスデータの分析です。Googleアナリティクスなどアクセス解析ツールを使うことでWebサイト訪問者の興味や関心、行動パターンを分析することが可能です。

検索キーワードの分析

自社のwebサイトを閲覧したユーザーが、どんなキーワードの検索結果によりwebサイトにたどり着いたかを知ることで、ユーザーの興味や関心を推測することが可能になります。

反対に、自社の商品やサービスに関連するKWで検索結果の上位に表示されるための対策(SEO)を行うことで、より多くのユーザーに知ってもらうことができます。

アソシエーション分析

オーディエンスデータを分析することから得られる規則性に注目し、起こる可能性の高い事象を予測する手法です。典型的な例として、同時に買われる可能性の高い商品の組み合わせを特定する「併売分析」が挙げられます。

また、規則性を分析しルールを作成するという考え方は、レコメンド広告などにも応用され、協調フィルタリングという技法が使われています。

A/Bテスト

Webサイトのユーザビリティを測定するために行われるのがA/Bテストです。A/BテストはRCT(ランダム化比較試験)という科学的比較評価の考え方にもとづいており、Webサイトの比較以外にも使われる統計的手法です。

Webサイトを構成するクリエイティブやテキスト、入力フォームなどを2パターン用意し、ランダムに表示させてオーディエンスデータの違いを評価します。WebサイトにA/Bテストの結果を反映させた改善を施すことが、売上や会員登録数の増加につながります。

近年注目されているデータ分析手法

冒頭で述べたように、蓄積されるデータは増加していく一方で、データを活用するための体制づくりや有効活用のための方法を見いだせていない企業もまだ多く存在します。

同時に、サードパーティーCookieの廃止が見込まれるなど、データ収集の制約が増加するなかで、マーケティング投資の効果を測定するMMM(マーケティング・ミックス・モデリング)や、因果関係を正しく特定するための統計的因果推論というデータ分析の考え方に関心が集まっています。

MMM(マーケティング・ミックス・モデリング)

MMMは、集まるデータを中心に、インプット(マーケティング投資に関わる要素)とアウトプット(売上などの実績)に着目して統計モデルを作り将来予測を行う方法です。

従来のマーケティングでは顧客から得た情報が重要な位置を占めていました。一方、主に自社が保有する時系列データを分析対象とする点と、統計モデルを作成するための高度な専門性が必要であることがMMMの特徴です。

統計的因果推論

データ分析の多くは、データ間の関係やパターンを見出すことで分析を行いますが、データ間の因果関係を正しく証明できない場合が少なくありません。

統計的因果推論は因果関係を正しく導き出すための手法であり、医学や学術分野で使われるRCT(ランダム化比較試験)の考え方をもとにしています。マーケティング分野では広告の効果測定などに取り入れられています。

データ分析に不可欠な顧客管理ツール

マーケティングにおけるデータ分析が対象とするのは顧客に関するデータが中心であり、各部門に散在している顧客に関連する情報を一元的に管理する仕組みが不可欠です。

効果的なマーケティング施策の基盤となる顧客データマネジメントを実現するのがCRMツールeセールスマネージャーRemixです。

eセールスマネージャーRemixは、AWS(アマゾン ウェブ サービス)のBI機能「Amazon QuickSight」に対応し、リアルタイムな顧客の情報を視覚化できるほか、顧客情報と営業活動情報にもとづく効率的なターゲティングを可能にします。

顧客データの有効活用についてお知りになりたい方は、以下のホワイトペーパーをご参照ください。

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