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Digital Marketing(デジタルマーケティング)とは?チャネルと手法について解説
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Digital Marketing(デジタルマーケティング)とは?チャネルと手法を紹介

Digital Marketingは、その範囲や意味を具体的に定義することが難しい言葉です。イメージを思い描くことはできても、具体的に何を指すかは人によって異なる場合も多いのではないでしょうか。

Digital Marketingの意味をあらためて整理するとともに、オンラインマーケティングやWebマーケティングとは異なるDigital Marketingの範囲を解説します。

Digital Marketingとは

Digital Marketingとは、インターネットとデジタルデバイスを通して行われるマーケティングの活動全般を指す言葉です。オンラインマーケティング、Webマーケティング、ソーシャルメディアマーケティングなどをひっくるめた概念といえます。

国内のスマートフォン、インターネットの普及率はともに9割近い数値に達しており、日常生活のあらゆる場面でネットワーク化が進んでいます。Digital Marketingには、このネットワークをマーケティングチャネルとして活用するものに加え、デジタル技術を使ったすべてのマーケティング手法が含まれます。

Digital MarketingとWebマーケティングの違い

Digital Marketingはデジタル技術、IT技術を使ったマーケティング手法という意味合いです。それに対し、Webマーケティングはインターネット通信のネットワーク上で実現されるマーケティング手法を指します。

Digital MarketingとWebマーケティングの違い

Digital Marketingが重要視される理由

デジタル技術・IT技術を基盤とするインターネット通信は社会的・経済的に革命的な変化をもたらしました。技術革新はインターネットの枠を超え、広告分野でもWebマーケティングに留まらない広がりを見せています。

AIやVR・ARなど、従来のWebマーケティングの範疇には収まらないデジタル技術が次々とマーケティングの世界に進出していることがDigital Marketingが重要視されている理由です。

Digital Marketingのチャネルと手法

Digital Marketingはインターネットを基盤とするデジタル技術をユーザーとのチャネルとして用います。さらに、それぞれのチャネルの特性に合わせたマーケティング手法が確立されています。

以下にDigital Marketingに用いるチャネルと手法について解説します。

Webサイト

Webサイトはネット上における拠点としての役割を果たします。ECやWebサービスを展開する際の商品やサービスの提供窓口となるほか、リアルでの事業を行う企業にとっても、ユーザーとの新たな接点としての機能を持たせることができます。

Webサイト上での情報発信や問い合わせフォームを活用したユーザーの声の収集など、インタラクティブ性のあるメディアのひとつとして、Digital Marketingの起点となるチャネルに位置づけられます。

SEO(検索エンジン最適化)

ネット検索は、ユーザーが主体的に情報を探す行動のひとつです。SEO(検索エンジン最適化)は、検索結果の上位に表示させるために最適化することを指します。

検索キーワードへの対応や質の良いコンテンツの作成などの内部対策のほか、インデックスされるためのWebページの作り込みや被リンク獲得などの外部対策を行うことがSEOの具体的な内容です。

Web広告

Web上のメディアに表示される広告がWeb広告です。Web広告は純広告と運用型広告に大きく分けられます。

純広告

純広告は、広告主がメディアのなかの固定された広告枠を直接、購入して広告を表示させる方法です。純広告には次のような種類があります。

バナー広告 Webサイト上のスペース枠に表示する広告で、画像や動画、GIFアニメーションなどが用いられます
テキスト広告 キャッチコピーや説明文にリンクを設定して、文字情報だけを表示させる広告です
記事広告 広告主がメディアとタイアップして記事の体裁で掲載される広告です
メール広告 メールで配信される広告です。テキストベースで作成されるものとhtml形式で作成されるものがあります

運用型広告

広告予算や掲載期間、ターゲットに応じて、広告枠や広告クリエイティブを使い分けて自動的に配信される広告です。Web広告の大きな割合を占めています。

ディスプレイ広告 Webサイトやアプリの広告枠に表示される広告です。見え方はバナー広告と同じですが、特定の広告主が広告枠を占有していない点で異なります
検索連動型広告 ユーザーが検索したキーワードに応じて検索結果が表示されるページ(SERPs)の上部に検索結果をあわせて表示される広告です
リターゲティング広告 アクセスのあったユーザーにcookieを発行し、その情報にもとづいて広告を配信する方法です
ネイティブ広告 記事やニュースと同様の体裁で作られ、メディアのコンテンツのひとつとして発信される広告です

コンテンツマーケティング

露出の機会を高める広告に対し、記事や動画などの自ら作成したコンテンツをユーザー獲得の手段とするのがコンテンツマーケティングです。

商品やサービスに関連する手広い情報や深い情報を集めたコンテンツを継続的に発信することで、検索から流入するユーザーを獲得するための取り組みです。

ソーシャルメディア

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のプラットフォーム上で展開されるSMM(ソーシャル・メディア・マーケティング)もDigital Marketingのひとつに位置づけられます。

SNSのコンテンツはユーザーが発信する情報で構成されるため、ユーザーによる商品やサービスの評価・内容紹介として共有・拡散されることがマーケティングにつながります。

Eメール

購入や無料登録により新たにユーザーのメールアドレスを取得すれば、ユーザーとのコミュニケーションチャネルを獲得したことになります。

メール配信のチャネルを通じて、ユーザーに対するさまざまな働きかけを行うのがメールマーケティングです。

参考:新規開拓の営業メールには効果的な「件名」をつけよう!営業メールの基本や件名の例文も紹介

MEO(マップエンジン最適化)

主にGoogleマップで地図検索を行った場合に、上位表示させるための施策のことを指します。リアル店舗やイベントなど、地理情報を基盤として集客を行う場合に活用される手法です。

地図検索を行った場合の店舗や企業情報の最適化や情報発信、口コミの獲得などがMEO対策に含まれます。

アフィリエイト

個人のブログや動画配信チャネルと提携し、広告の設置や商品紹介を通じて宣伝・販売する仕組みです。広告主側は提携先のWebページや動画コンテンツで発生したコンバージョンに対して一定の報酬を支払う必要があります。

モバイルアプリ

スマートフォンやタブレットで使用するモバイルアプリをマーケティングに取り入れる方法です。クーポンやキャンペーンなどの情報をアプリ内で提供し、エンゲージメント強化を図りヘビーユーザーを獲得することをねらいとします。

Digital Marketingの特性

Digital Marketingには、従来のマーケティングとは大きく異なる、以下のような特性があります。

即時性が高い

ネット上で行われるDigital Marketingでは、メッセージやコンテンツが瞬時につたわるほか、Webページの閲覧や商品購入による決済といったオンライン上での行動がリアルタイムで記録されます。

広範な対象にリーチできる

幅広い対象にリーチできることもDigital Marketingの特性のひとつです。

地理的な制約を受けないので、世界中に向けて手軽に発信できるというメリットを持つ一方で、デジタル端末にアクセスできなければ、ネットワークに参加できないという点がデメリットとなります。

双方向性が高い

Digital Marketingの多くのチャネルでは双方向のやり取りを行うことができます。

Eメールやソーシャルメディア、モバイル端末を介して、ユーザー側からも情報を発信することが可能です。とくに、ソーシャルメディアを通じたユーザーの発信は商品やサービスに対する反応を短時間のうちに拡散する力を持っています。

タッチポイントを増やすことができる

「Digital Marketingのチャネルと手法」に挙げたとおり、ユーザーはさまざまなチャネルを通じて商品やサービスに関する情報にアクセスすることができます。

たとえば、Webサイトで商品のスペックを比較した後にSNSで商品の口コミの評価を確認し、購入後にはメールでアフターフォローを受ける、といった形で、購買プロセスの段階に応じて、ユーザーと複数の接点を設けることが可能です。

継続的な関係構築が可能

複数のチャネルを通じてユーザーとの接点があることは、接触機会を増やせる可能性があるということです。とくに、エンゲージメントを高められる見込みのあるユーザーに対して、きめ細かな情報発信を行うことは、ユーザーとの継続的な関係を築く上で重要な取り組みです。

データにもとづいた施策を講じることができる

オンラインでのユーザーの行動はサーバー上に記録され、アクセス解析をはじめとした各種ツールを使って測定し、可視化することができます。

これらの記録データは顧客インサイトをもたらす情報源であると同時に、セグメンテーションの基準やマーケティング施策を行うためのトリガーとしても活用できるメリットがあります。

パーソナライゼーションを可能にする

個々のユーザーのより詳細な情報を収集できるということは、ユーザーニーズやユーザーの行動パターンをより深く理解できるということです。

それらの情報を活用することで、ユーザーごとにコンバージョンを得るための方策を検討することが可能になり、パーソナライズされたマーケティング施策が実現することができます。

参考:One to Oneマーケティングとは?手法や事例、役立つツールを紹介

Digital Marketingの成功事例

デジタルマーケティングの成功事例をご紹介します。

SNSの効果的な活用(アサヒ飲料)

多数の飲料ブランドを保有するアサヒ飲料では、Instagram、X(Twitter)、LINEの3つのSNSを運用しています。

それぞれのSNSの特性に合わせ、Instagramではビジュアルを重視し若年層を対象とする投稿、Xではリアルタイム性、企画性、拡散性を重視した投稿、LINEでは、商品情報や販促キャンペーンの告知などの使い分けを行っています。

ブランド記念日である「三ツ矢の日」には一般消費者だけでなく他の企業アカウントからも多くの反響が寄せられるなど、SNS運用は認知向上に大きな役割を果たしています。

YouTubeチャンネル運用(松井証券)

松井証券は証券業界からの情報発信としては異色である、お笑い芸人をパーソナリティに据えたYouTubeチャンネルを開設しています。

お笑い芸人を起用することで、金融商品や投資に関心の薄かった消費者層にリーチすることを実現しました。

チャンネル登録者数は18万人、170万再生に達する動画もあり、他の金融関連のコンテンツと比べても大きな成功をおさめています。

Instagramのライブ配信(COHINA)

小柄な女性向けのファッションブランドCOHINAではInstagramのライブ配信を使った情報発信を行い、スチール写真では伝わりにくい小柄な女性特有のサイズ感を伝えることに成功しています。

ソーシャルマーケティングでの成功を機に路面店のオープンやTVCM等、リアルにも進出し、着実な成長を遂げています。

Digital Marketingのトレンド

ここまで、ネットビジネスの世界で確立されてきたDigital Marketingの手法について述べてきました。

しかし、デジタル端末の普及とビジネスプロセスに組み込まれるデジタル技術によって、リアルビジネスの世界にもDigital Marketingは浸透しています。

オンラインのチャネルを通じたユーザーへのアプローチを、オフラインでの購買行動に結びつけるO2O(Online to Offline)という考え方は、リアルビジネスのDigital Marketingの代表的な例です。

さらに、オンラインとオフラインの境界をなくすことで、商品やサービスが提供する価値をデザインし直すOMO(Online Merges Offline)という考え方もDigital Marketingの新たなトレンドといえるでしょう。

まずはできるところからDijital Marketingを取り入れよう

デジタル技術の進歩によって、マーケティングチャネルとマーケティング手法の多様化が進んでいます。この流れは、今後いっそう拡大していくでしょう。

日本におけるデジタル化は、欧米やシンガポール、韓国などと比べて遅れが指摘されており、DXの推進は多くの企業にとって取り組まざるを得ない課題となっています。

まずは、できるところからDigital Marketingの手法を取り入れてみることをおすすめします。

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