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あなたが情報と言う時

あなたが情報と言う時

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あなたが「情報」と言う時、具体的に何をイメージしますか。

「友達が結婚した」も情報ですし、「明日は雨が降る」も情報ですし、「ニューヨーク市場では株価が1万ドルを割った」も情報でしょう。

そのような様々な情報が氾濫しているように、企業の情報も氾濫しています。

「情報がカギだ」、「情報共有が効率につながる」、「スピーディな経営にはリアルタイムな情報が必要だ」などなど。

すべてはその通りでしょう。

しかし、あなたが「欲している情報は何ですか」、「この問題を解決するために、何の情報が欲しいですか」、「その情報をどのように問題解決に活かしますか」、「その情報はどのようにコストをかけずに取得するのですか」と聞かれた時、満足に答えられる方はほとんどいないでしょう。

スパイが機密文章を隠す最善な方法は壁に穴を開けることでもなく、油絵の後ろに貼り付けることでもなく、花壇の下に埋めることでもありません。

自分の机の上に乱雑に積み上げる書類の山のどこかに挟むのが一番発見される可能性が低いそうです。

経営や営業にとっての「情報」とは、何かの目的を達成するために事前につかんでおけば有利に事を進めることができる「兆候」です。

「目的」があって「有利」に進めようとするからこそ、必要な情報が見えてくるのです。

必要な情報が美味しそうな果物のように落ちてきて、自然に幸せになるわけではありません。

数十キロごとに高台を設けて、その上で狼の糞を燃やして煙を出すことで、国境を侵す外敵の情報を短期間に皇帝に知らせる仕組みは、数千年前から中国で使われていました。

決まった目的(外敵の侵略)のために、決まった方角(高台)の決まった種類の煙(狼の糞)を見るから、情報としての価値があります。

これが、狼煙(のろし)の語源です。

日本には、情報を得る手法がたくさんあります。最も先進的な通信機器が開発され、企業に普及しています。

社員の誰でもスマートデバイスのような端末を通じて、インターネットとリアルタイムにつながっているではありませんか。

日本企業には、会議や飲み会がたくさんあります。世界で一番多いのではと思うほどの会議の数です。

ここで効率的に情報の収集と交換を行うことができます。

また、日本のビジネスマンの夜のお付き合いも世界一です。

ここでも情報の収集と交換が可能です。実際にビジネスマンもそういう言い訳を使って酒を飲んでいるはずです。

しかし、日本企業の情報の収集と利用のレベルは、世界21位と、台湾と韓国よりも遅れています。

その非効率性の原因は、目的をはっきりしないことにあります。

「何の目的のためにどのように活かすか」の議論もせず、情報交換と称して、長々と言葉や文章、資料のやり取りを行っているにすぎません。

社員の意見をくみ上げると称して平社員に自由な発言をさせるのですが、それを聞いているのは平社員のレベルとさほど変わらない現場マネージャーです。

課長と部長が、報告書や日報の文章を読み、報告書や会議録を作ってさらに上に報告します。

この情報のやり取りが気が遠くなるほど続きますが、いつのまにか肝心の「我々は今すぐ、何に着手しなければならないか」という問い掛けは誰も気にしなくなります。

何らかの形で誰かの役に立つだろうと思って皆が頑張って残業して、文章や会議録や書類や報告などをやっていますが、それが何につながるかが誰にも分からなくなってしまっているのが現状です。

根本的な原因は、やはり経営者にあります。

「どこの部署と部門にどんな問題があるか」、「それを解決するためにどんな情報がまず欲しいか」、「解決するのに情報をどのように活かすか」などの情報の使い方を研究しないまま、「情報は大事だ」、「とにかくホウレンソウだ」とばかり強調するのです。

この結果、社員もうんざりしてしまいます。

報告しろと言われても何をどう報告するかもはっきりしません。

一日の営業活動で、いろいろな情報が出てきます。主観的なものもあれば客観的なものもあります。

何をどう報告すれば、会社のためになるかはさっぱり分かりません。

結局は、それらの報告は個人対個人のやり取りになり、相手が上司であればゴマをすったり自己アピールしたりすることになります。

上司も現状を知り問題解決のための情報収集というよりも、文章と言葉の行間を読むことで部下の心理状態を推測したり、勤務態度をチェックしようとするのでお互いに疑心暗鬼になってしまいます。

これが報告制度、日報制度が嫌われている最大の理由です。

アンケート調査のように、集めたい情報の目的と内容を部署ごと、事業ごとにはっきりすることができれば、その情報が売り上げと同様に、場合によって売り上よりも重要になります。

そのことを経営者が認識し率直に社員にも伝えれば、協力を惜しむような社員はいないでしょう。

こうすれば漠然と情報があるから経営に活かすのではなく、経営をよくするために必要な情報を集めるという前向きの認識と社風が生まれます。

経営陣や企画部などの横断部門は、自然に課題の明確化とそれに必要な情報を調達するようになり、習慣となるでしょう。

したがってあなたが「情報」と言う時はぜひ「私は何をどうのように改善したいのか、そのために今何の情報が必要なのか」を先に考えてください。

この順番でなければ、情報は情報ではなく、単なるノイズになってしまいます。

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