営業ラボ

営業力強化に役立つノウハウを公開
eセールスマネージャー 営業ラボ・ブログ オプトアウト(Opt Out)とは?オプトインとの違いや企業の導入事例を紹介
オプトアウト(Opt Out)とは?オプトインとの違いや企業の導入事例を紹介
更新日:

オプトアウト(Opt Out)とは?オプトインとの違いや企業の導入事例を紹介

個人情報保護法に則って個人データが扱えているのか、不安に感じていませんか?

個人データを利用する方法には「オプトアウト方式」と「オプトイン方式」があるため、違反しないためにもよく理解しておきましょう。

この記事ではオプトアウトの意味や、オプトアウト方式によるデータの取り扱い方法、導入事例をご紹介します。

オプトアウトの意味とは

オプトアウト

オプトアウト(OptOut)とは、顧客に許可を取らないまま個人データを扱うことをいいます。

たとえば、顧客の同意を得ずに、宣伝広告を目的としてメルマガを配信することもあるでしょう。また、研究を目的として、患者情報や診療情報を使用することもあるかもしれません。このような場合にオプトアウト形式でデータを取り扱います。

相手が個人データの利用を拒否したときはデータの使用を停止しましょう。

オプトアウトの対義語「オプトイン」とは

オプトイン

オプトアウトの理解を深めるために、対義語であるオプトインの意味も理解しておきましょう。

オプトイン(OptIn)とは、個人データを第三者に提供することの許可を顧客から取った上で、データを使用することをいいます。たとえば、自社メディアの会員登録時に「お得な情報をメールでお送りしてもよいですか?」と同意を求めて、受け取り許可を選んだ方にメールを送ります。

オプトアウトとオプトインの違い

オプトアウトとオプトインの違いは、第三者に情報提供する際に顧客の承諾を得ているかどうかです。

オプトアウトは顧客の承諾を得ずに第三者に情報提供する方法です。その一方で、オプトインは顧客の承諾を得た上で第三者に情報提供する方法をいいます。

オプトアウトを採用する場合は、特定電子メール法や個人情報保護法に違反しないように気をつけましょう。

特定電子メール法でオプトアウト方式が違法に

広告宣伝を目的としてメールを送信する場合は、特定電子メール法を理解しておきましょう。

特定電子メール法によりオプトアウト方式が廃止され、知らずにメールを送信してしまうと、罰金や懲役を科せられてしまうためです。法律違反を防ぐためにも、特定電子メール法について理解しておきましょう。

特定電子メール法とは

特定電子メール法(正式名称:特定電子メールの送信の適正化などに関する法律)とは、2002年に施行された、宣伝広告を目的としたメール送信を規制するための法律です。

インターネットの普及で、宣伝広告を目的としたメールを一方的に送りつける迷惑メールが社会問題化し、総務省が特定電子メール法を定めました。特定電子メール法により、以下を守る必要性が出てきました。

  • 相手の承諾なしでメールを送信しない
  • メールに必要事項(※)を記載する
  • 送信者アドレスのなりすまし禁止
  • 受信拒否の申請をした相手にメールを送信しない

(※)送信者の氏名、住所、電話、メールアドレス、受信拒否の方法

つまり、宣伝広告のメールを送信したい場合は、オプトイン形式を採用する必要があります。

特定電子メール法の適用範囲

特定電子メール法が適用される範囲と適用されない範囲は以下の通りです。

適用される範囲 宣伝広告を目的とするメール
自社サイト誘導を目的とするメール
適用されない範囲 上記以外

特定電子メール法に違反した場合の刑罰

特定電子メールに違反した場合は、総務大臣および消費者庁からメール送信方法の改善に関する必要な措置を取るように命じられます。この命令に応じない場合には1年以下の懲役または100万円以下(法人の場合は3,000万円以下)の罰金に処せられます。

また、送信者を偽ってメールを送信した場合も、処罰が科せられるので注意しましょう。

オプトアウト方式の手続き方法

個人情報はメルマガ送信以外にも利用することがあるでしょう。

たとえば、上場企業の場合はグループ会社で顧客情報を利用したいと思うかもしれません。このような場合は、オプトアウト方式を採用しましょう。ここでは、個人情報保護法に沿ったオプトアウト方式を採用する際の手続き方法をご紹介します。

オプトアウト形式で扱えるデータを把握する

個人情報保護法改正により、以下に該当する個人データはオプトアウトの方法で第三者に提供できなくなりました。

  • 要配慮個人情報(人種や病歴、犯罪歴など取り扱いに配慮すべき情報)
  • 不正な手段で取得した個人情報
  • 第三者から提供された個人情報
  • 第三者から提供された個人データを加工したもの

法律違法を起こさないためにも、上記以外のデータを取り扱うようにしましょう。

個人情報保護委員会へ届け出る

オプトアウト方式で個人情報を第三者に提供する場合は、個人情報保護委員会への届出が必要です。個人情報保護委員会の公式ホームページ上から届出書をダウンロードして必要事項を記載して届け出ましょう。

届出書の必要事項

  • 届出者の氏名また法人の名称
  • 届出者の住所
  • 届出者の電話番号
  • 個人情報提供の目的
  • 個人情報の取得方法
  • 個人情報の更新方法
  • 第三者に提供する個人情報の項目
  • 第三者に情報を提供する方法
  • 情報提供を拒否するための方法
  • 情報提供を開始する予定日
  • 個人情報保護委員会による公表に関する希望

プライバシーポリシーに必要な事項を記載する

顧客情報をオプトアウト方式で利用する場合は、Webサイトにプライバシーポリシーや個人情報保護方針を示して、必要な事項を記載しておきましょう。

必要な事項

  • 個人情報を第三者に提供すること
  • 第三者に提供する個人情報の項目
  • 個人情報を第三者に提供する方法
  • 顧客の求めに応じて情報提供を停止すること
  • 情報提供の停止方法
  • 個人情報保護委員会に届出を提出していること

第三者にデータを提供する際に記録する

オプトアウト形式で第三者に個人情報を提供する際は、以下の内容の記録が必要です。

  • 個人情報を提供した年月日
  • 個人情報の提供先の氏名
  • 個人情報の本人を特定するに足る事項
  • 個人情報の項目

これらの記録は3年以上保管しておきましょう。

オプトアウト方式の導入事例

オプトアウト方式で個人情報を提供するとは、どのような場面なのでしょうか?

ここでは、オプトアウト方式の導入事例をご紹介します。

金融:銀行と証券会社の業務提携

オプトアウト(Opt Out)とは?オプトインとの違いや企業の導入事例を紹介_金融:銀行と証券会社の業務提携

出典:株式会社三井住友銀行

株式会社三井住友銀行とSMBC日興証券株式会社は業務提携して、多様化する顧客ニーズに対応したサービスを提供することを発表しました。2社間で相互協力して質の高いサービスを提供していくために、オプトアウト方式で顧客情報を共有しています。

オプトアウト方式で情報提供することで、顧客は預金や投資など相互サービスが受けられるようになります。

参考:三井住友銀行 お客さまに関する情報のSMBC日興証券との共有について

医療:臨床研究に情報を活用

オプトアウト(Opt Out)とは?オプトインとの違いや企業の導入事例を紹介_医療:臨床研究に情報を活用

出典:国立病院機構千葉医療センター

国立病院機構千葉医療センターは、医療を向上させて、よりよい診療を行うために患者情報や診療情報を研究で利用しています。

臨床検査においては、余裕を持って血液や細胞を採取するため、試料が残る場合があります。これら試料を活用して医療研究を行っているのです。医療研究目的で、オプトアウト方式で個人情報や診療情報、試料が活用されています。

参考:国立病院機構千葉医療センター 臨床研究に関する情報の公開について(オプトアウト)

不動産:関連会社に情報を提供

オプトアウト(Opt Out)とは?オプトインとの違いや企業の導入事例を紹介_不動産:関連会社に情報を提供

出典:小林不動産

小林不動産は賃貸借契約を締結した顧客情報をオプトアウト形式で関連会社に提供しています。関連会社とは金融機関、司法書士、保険会社、不動産管理会社、保証委託会社などです。

また、不動産流通機構に賃貸借契約情報を登録する旨まで説明して、トラブルが起きないようにしています。

参考:小林不動産 個人情報の取り扱いについて

広告:ユーザー情報を活用した広告配信

オプトアウト(Opt Out)とは?オプトインとの違いや企業の導入事例を紹介_広告:ユーザー情報を活用した広告配信

出典:Google AdSense

Googleは広告サービスを提供しています。インターネットユーザーの属性や行動の情報を活用した広告配信ができるようになっていますが、ユーザー側が情報提供を拒めば、個人情報を活用した広告配信されなくなります。

自分に合った広告を配信して欲しい場合は情報提供するようにしましょう。

参考:Google AdSenseヘルプ ユーザーベース広告からのオプトアウト

IT:ChatGPTサービスの開発

オプトアウト(Opt Out)とは?オプトインとの違いや企業の導入事例を紹介_IT:ChatGPTサービスの開発

出典:Open AI

OpenAIは生成AIサービスChatGPTを提供している会社です。

ChatGPTは文章が生成できる便利なAIとして知られていますが、入力した情報はOpenAIに提供されたことになり、個人情報が漏洩してしまうのではないかとも話題が上がっています。

しかし、ChatGPTで入力した情報を提供しない旨を伝えれば、情報漏洩の心配がなくなり安心して利用できるようになります。ITサービスの開発では、個人情報提供を求めることがよくあります。

参考:OpenAI Introducing ChatGPT and Whisper APIs

オプトアウト方式による情報の提供方法を理解しよう

オプトアウトとは、顧客に許可を取らないまま個人データを提供することをいいます。

個人データを宣伝目的で利用する場合は、特定電子メール法により、オプトアウト方式ではなくオプトイン方式を採用しなければいけません。

また、業務提携や関連会社に個人データを提供する場合もあるでしょう。このような場合は、個人情報保護法に沿った手続きが必要です。この記事を参考にしながら、適切に個人データを扱うようにしましょう。

個人データの利用方法だけでなく、管理方法も覚えておきましょう。顧客情報の管理にはCRM/SFAがおすすめです。下記の資料には、CRM/SFAの活用方法が詳しく記載されています。ぜひ興味がある方は、下記の資料をダウンロードしてみてください。

ページトップへ