
CRM/SFAを徹底比較! ソフトウェアベンダー会社ごとの特徴を解説
ビジネスシーンではいま、CRM/SFAの利用が増加しています。
専用ソフトウェアを提供する会社も多く参入しており、どのツールが自社にとって最適なのかは悩ましいところでしょう。
本記事では、CRM/SFAを提供する企業単位で製品を紹介しています。
特徴や価格などの情報を整理・把握できるので、CRM/SFAの導入を検討中の方は参考にしてください。
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CRM/SFAの国内市場のトレンド

現在の国内CRM/SFA市場には、以下のような特徴があります。
- 大手企業中心の導入が終わり、中小企業による導入が増加中
- DX(デジタルトランスフォーメーション)によって他ツールとの連携が容易に
- クラウドシステムを利用したCRM/SFAで導入がぐっと簡単に
- モバイルツールを活用できるシステムが中心に
CRM/SFAが日本のビジネス界で利用され始めた当時は、大企業による採用がほとんどでした。
しかし、近年、DX化(デジタルトランスフォーメーション)や各種ツールのクラウド化など、技術面の大きな進化により、中小企業での採用が一気に増加してきました。
中小企業への導入は、今後も増加すると予想されます。
次章以降では、ソフトウェアベンダー会社ごとの特徴を、外資系企業と国内企業に分けて紹介していきます。
会社別CRM/SFAツールの紹介 外資系企業編
外資系企業のCRM/SFAは世界中で採用されていて、マーケットシェアを確保しています。
CRM/SFAの主力商品を提供する各社の特徴を一社ずつ見ていきましょう。
セールスフォースドットコム社:Sales Force
https://www.salesforce.com/jp/products/sales-cloud/overview/
業界No.1のガリバー企業。
実績も拡張性も優れるがコストは高い。
日本語化の面で少し弱い印象。
マイクロソフト社:Office365
https://dynamics.microsoft.com/ja-jp/
言わずと知れた世界トップ企業。
ツールとなるMicrosoft Officeとの相性など、魅力的な点は多数あり。
ただし、言語の壁、日本特有の中小企業ソリューションとしては相性や使い勝手を良く吟味する必要がある。
ゾーホージャパン社:Zoho CRM
インド拠点のCRM/SFA。
WEBサイトも日本語化の質が高く、ローカライズ(日本語化)には力を入れている印象。
コストも国産品と戦える水準。
日本オラクル社:Oracle CX Cloud
https://www.samuraiz.co.jp/oracle/index.html
日本でのITシステム立ち上げ実績は申し分なし。
コンサルタントや外部パートナーを日本でも多く抱えているため、予算を確保出来るのならば、しっかりプロジェクトとして完結してくれる期待を持てる印象。
会社別CRM/SFAツールの紹介 国内企業編
日本企業の提供するCRM/SFAツールはどうでしょうか。
日本語によるユーザーインターフェースの分かりやすさ、アフターサポートの受けやすさなどが特徴ですが、それ以外の各社の特徴を見ていきましょう。
ソフトブレーン社:eセールスマネージャー
国産CRM/SFA総合満足度No.1獲得実績あり。
立ち上げ支援やWEBトレーニングが充実。
外部連携ソフトウェアが少ない印象。
立ち上げサポートにあらたな組織を立ち上げて、顧客満足度向上を目指す。
マツリカ社:センシーズ
Googleカレンダーとの連携など、細かな点まで機能に反映されている。
ソフトブレーン社と同様、外部システム連携の選択肢が少ない点など、検討が必要と思われる。
サイボウズ社:Kintone
コストで言えばダントツのお得さが特長。
グループウェアの経験が豊富なため、ユーザーインターフェースはとても使いやすい。
コストを抑えているため、導入支援などは無料サポート内には含めず有償にて提供。
ジャストシステム社:Just SFA
https://www.justsystems.com/jp/products/justsfa/
セミカスタマイズを容易にできる設計。
データ集計結果はリアルタイムでグラフなどに反映される。
定期的なルーチン業務が削減される点が強み。
他の国産企業同様、外部ツールとの連携の豊富さは感じない。
ツール選択の成否は自社の業務形態や活用スタイルとの相性次第

大手のCRM/SFAツールが常に優れているとは限らない
大手企業が作ったCRM/SFAツールは品質面で安定感があったり、機能の豊富さなどで応用力がある傾向があります。
しかし、CRM/SFAツールの利用で最も重要なのは、自社が目的とするDXの成果を出してくれること。
自社が今、どのような組織であり、どんな問題があって解決したいのか、を明確にすることが大切です。
課題とゴールの設定を綿密に行ってからツール選定を始めることで、的確な答えが出せるようになるのです。
自社の現状の分析結果次第では、大手以外のベンダーが提供するツールの方がフィットする場合もあるでしょう。
立ち上げ支援・定着サポートの仕組みが充実していることが重要
クラウドシステムによる導入が当たり前になり、申し込みから利用開始まで、数日もかからず使い始められるようになりました。
しかし、簡単に立ち上げられる一方で、運用開始後に「〇〇が準備できていない」「データ分析画面の設定方法が分からない」など、利用過程において運用を妨げる課題が生まれるケースが増えています。
オンプレミス環境では、ベンダーに手取り足取りサポートしてもらうことで、システム立ち上げの手間は少なくなりますが、全体のコストはとても高いものになります。
一方、クラウドシステムでは簡単に立ち上がりますが、サポートはWEBサポートが基本環境であったり、別途、有償のサポート費用を必要とする例が見受けられます。
どちらが良いとは一概に言えませんが、立ち上げ当初に時間と手間がかかって業務に支障が出るならば、専門家を雇って知識を身に着ける方がトータルで見た時に効率が良いといえるでしょう。
システムのダウングレードやアップグレードができることが重要
クラウドで手軽に始められるCRM/SFAの導入に関して、綿密に選定検討を重ねた企業であっても、100%満足できるシステムにすることは難しいものです。
「この機能を追加したかったのに…」「〇〇ができると思って導入したのにできない」など、手直しが必要になることでしょう。
その場合に、契約しているサービスをアップグレードやダウングレードなど変更する必要が出てくることもあります。
契約前に、契約変更で追加料金や違約金などが発生しないかといった点も、確認した上で採用を検討した方がよいでしょう。
国内企業での活用には国産のツールがおすすめ
外資系企業と国内企業ごとに、CRM/SFAツールの特徴を紹介してきました。
会社ごとのシステム設計の方針や特徴を表しているとも言えます。
それらを比較した時に、言えることが大まかに2点あります。
- 外資系大手企業の製品は国内中小企業にはオーバースペックな印象
- 外資系製品は日本語化、アフターサポートなど、中小企業がもっとも必要とする点への対応力が未知数
専門のIT技術部門を抱えていたり、英語を苦手としない社員のいる大企業ならば、問題は少ないでしょう。
しかし、中小企業のCRM/SFA導入担当者は導入を専業で行なう余裕はなく、メインの業務と並行して担当しているのが一般的です。
そのため、担当者にとって導入立ち上げ支援やアフターサポートが非常に重要になってきます。
また、仮に外資系製品が日本語化に対応していても、あくまでも全体最適のための対応であり、100%の完成度には至っていません。
これら2点の理由から、やはり国産のCRM/SFAに優位点があると言えるでしょう。
ツール採用後、自分達でできる定着化支援アクション

ツール利用率の可視化
クラウドシステムの採用を前提とした場合に、社内のシステム利用率や、日常業務に定着してしっかり組み込まれているかを確認することは重要なポイントです。
特に、開始直後、導入1か月後、導入3か月後、半年後、1年後などの節目で、定量的な確認をする必要があります。
好転したか悪化したかを同じ指標で確認することで、システムの問題が浮き彫りになるのです。
インセンティブの導入
新システムの運用は、現場にとって大きな変化が生じます。
何事も、変更したての段階ではさまざまな戸惑いがあるもの。
現場の従業員がその変化にうまく対応できているのかを確認して、ストレスを溜めないようにすることが大切です。
そのストレス解消策として、運用を円滑にこなした結果に対して、何らかのインセンティブを提供するのも一案です。
経営効率化に強い影響を与えるDX導入が成功すれば、インセンティブの支払いよりもっと大きなメリットが生まれます。
初期投資の一環として検討してみてはいかがでしょうか。
専門家やコンサルタントの支援を追加する
クラウドシステムの導入であっても、運用管理を素早く確立したいのであれば、ソフトウェアベンダーの用意する有償のサポート部隊や、コンサルタントに立ち上げ支援を依頼するのも手です。
これまでに同様のシステムを立ち上げてきた経験から、自社だけでは気づけない課題点などを、専門家の立場から提供してくれるでしょう。
各社のツールの特徴と自社の特徴を照らし合わせて、早期のツール定着を成功させよう

CRM/SFAを提供するソフトウェアベンダー会社別のレビューはいかがでしたでしょうか。
もともとオンプレミス型で始まった企業向けのCRM/SFAは、DXやコロナ禍によって、クラウドシステムへの移行やモバイル端末での利用が増加傾向にあります。
クラウドシステムによる導入には、サポート体制や契約形態の変更のしやすさなどもテーマに加えて検討する事が必要。
そして、導入後の円滑な立ち上げを実現するために、現場からのヒアリングや効果測定を実施したり、専門の指導者が関与することで円滑な立ち上げに繋がります。
これらの点に留意してよく検討し、最適なCRM/SFAを選定してください。