
おすすめの売上管理システム・販売管理システム15選を徹底比較!
売上管理システムや販売管理システムは、多くの企業から提供されています。「わが社にはどのシステムが適しているか?」とお悩みの方も、多いことでしょう。
適切な売上管理システムを選ぶことで、業務の負担軽減や売上管理・データの有効活用につながります。
この記事では、15種類の売上管理システムを4つのタイプに分けて紹介します。
じっくり比較検討し、貴社に合った売上管理システムの選定にお役立てください。
売上管理システムとは
よい売上管理システムを選ぶためには、特徴とポイントの把握が重要です。システムの概要や4つの分類方法、比較するポイントについて確認していきましょう。
売上管理システムの概要
多くの企業は法人向け取引を中心に、掛取引を用いてビジネスを行なっています。収入を得るまでには、以下の過程を経ることになるでしょう。
- 見積書の発行
- 受注
- 納品・検収
- 請求書の発行
- 入金のチェック
売上管理システムは、上記に挙げた一連の処理を網羅するシステムです。営利企業にとっては、事業運営に欠かせないシステムといえるでしょう。
売上管理システムの分類
売上管理システムは、大きく4種類に分かれます。
業種特化型
業種ごとに必要とされる機能が事前にパッケージ化されており、セミオーダー形式で利用できるのが特徴で導入期間も比較的、短いのも特徴です。
特定業種型
業種特化型のパッケージ機能だけでは対応しきれない特殊業務などにも対応できるのが特徴です。パッケージに比べるとかなり細かい部分まで行き届きますが導入期間は長くなります。
汎用性の高いモデル
多くの売上管理システムは、汎用性の高いモデル(汎用型)に分類されます。基本的な売上管理機能を備えており、実績が豊富で安価なサービスが多いことが特徴です。
一方で、業種特有の業務には対応不可、あるいはカスタマイズによる対応が必要なケースがあるため、一概に便利とは言い切れません。
売上管理システムのなかには、この課題を解決するため、共通機能を持ちつつ、業種に特化した機能を揃えるものもあります。
在庫管理の必要のない小規模向けモデル
近年ではサービス業、とりわけWebを使ったサービスが大きく普及し、在庫管理を必要としないビジネスも多く生まれています。とくに、スタートアップ企業に多いのではないでしょうか。
在庫管理機能を省くことで売上管理システムを安価で提供でき、資金に余裕がない企業でも売上管理業務をスムーズに進めることが可能です。
売上管理システムを比較するポイント
売上管理システムを比較するうえで重要なポイントは、3つあります。どのような点に注目すべきか、確認していきましょう。
システムの守備範囲・機能
多くの売上管理システムには、以下の機能が備わっています。
- 見積作成
- 受注処理
- 売上管理
- 請求処理
- 入金管理
くわえて発注、仕入、在庫管理といった業務に対応するシステムも多くなっています。独自の機能を持つシステムもあることに、注目する方もいるのではないでしょうか。
一方で、機能が限られたシステムもあるため注意が必要です。比較検討をする際には、機能のチェックが必須です。
料金体系
オンプレミスの場合は初期費用に、クラウドの場合は初期費用や利用料金に注目しがちですが、これ以外にも注目すべき料金があります。オンプレミスの場合は保守費用、クラウドの場合はオプションの料金や利用人数による費用の増加にも着目しましょう。
また、料金表を公表していないサービスを検討する場合は、かならず見積りを取ることが重要です。
サポート体制
サポート体制は電話以外にも、多種多様な方法があります。自社のニーズに沿ったサポートを受けられるか、事前にチェックしておきましょう。サポート受付時間もチェックしてください。
また、売上管理システムはインボイス制度など、法令改正の影響を受ける場面もあります。追加料金なしで対応が行なわれるシステムを選ぶと安心です。
おすすめの売上管理・販売管理システム15選
ここからは15種類の売上管理・販売管理システムを取り上げ、特徴と違いを説明します。自社に適したシステム選びにお役立てください。
アラジンオフィス
項目 | 内容 |
システムの分類 | 業種特化型/汎用型 |
対象規模 | 中堅・中小企業を中心に、どの規模にも対応 |
主な機能、特徴 | 業種特化型のパッケージを5種類用意生産管理、輸入管理、プロジェクト管理などのオプションが豊富コールセンターの放棄呼率が1.7%。“つながるコールセンター”を実現 |
提供形態 | パッケージソフト、クラウド |
サポート体制 | 導入から本稼働後まで、専属チームがつく。コールセンターも設置 |
初期費用など料金体系 | 非公表 |
アラジンオフィスは標準機能でもさまざまな業務に対応できますが、以下の業種に対応する「業種特化型パッケージ」を用意していることが特徴に挙げられます。
- アパレル・ファッション
- 食品
- 医療
- 鉄鋼・非鉄
- ねじ
上記以外の業種でも、運営会社のアイルが持つ豊富なノウハウをもとに、さまざまな提案が可能です。
ExeQuint(エグゼクイント)
項目 | 内容 |
システムの分類 | 業種特化型/汎用型 |
対象規模 | 中小企業向け |
主な機能、特徴 | 汎用製品のほかに、貸会議室、医療業界に特化した製品があるボタンを多用しているため、パソコンに不慣れな方でも見やすく使いやすいカスタマイズも可能 |
提供形態 | パッケージソフト |
サポート体制 | メール、電話、リモートサポート |
初期費用など料金体系 | 非公表。最小単位は1サーバー/5クライアント |
ExeQuintは卸売業や製造業、販売業を中心に、幅広く使える売上管理システムです。貸会議室や医療業界には特化型の製品があるため、業務にフィットしたサービスを受けられます。
また以下の点も、特筆すべき機能に挙げられます。
- 在庫管理機能に、ロット管理や賞味期限管理、セット商品・組立/解体管理機能がある
- ハンディターミナルを用いた棚卸に対応する
楽商
項目 | 内容 |
システムの分類 | 業種特化型 |
対象規模 | 中堅・中小企業向け |
主な機能、特徴 | 16の業界向けにフィットした製品を用意「明細自由集計表」を活用し、オリジナルの集計表を作成できるカスタマイズも可能 |
提供形態 | パッケージソフト |
サポート体制 | 専任のSEがサポート |
初期費用など料金体系 | 5クライアント330万円~(標準参考価格) |
楽商の製品は、16の業界向けに分かれていることが特徴的です。
- 製造業
- 自動車販売業
- 加工販売業
- 医療機器メーカー・卸
- 機械器具・工具卸
- 包装資材・梱包資材卸
- 総合食品卸
- 菓子卸
- 文具・事務用品卸
- 多品種・多メーカー取扱業
- 輸入卸
- 広告代理店
- ユニフォーム販売代理店
- 弁当宅配・仕出し業
- レンタル・リース業
- おしぼりレンタル業
業界特有の商習慣にあわせて作られているため、導入しやすいことが特徴の製品です。
GEN
項目 | 内容 |
システムの分類 | 業種特化型 |
対象規模 | 特に指定なし |
主な機能、特徴 | 7つの業種向けにサービスを展開ユーザが自らマスターや画面の追加・編集、帳票の仕様変更を行なえるWindowsはもちろん、Macでも利用可能 |
提供形態 | クラウド |
サポート体制 | チャット、メール、Web通話、画面共有 |
初期費用など料金体系 | 月々23,200円~(ユーザー数単位で課金される) |
GENでは、以下の業種に特化した製品を提供しています。
- メーカー
- 商社
- アパレル
- ITサービス
- 食品・化粧品製造業
- 工場
- クリエイティブ
上記以外の業種にも対応可能です。くわえて操作を簡単に行なえることも強みのひとつ。
APIを公開しているため、他システムとの連携がしやすい点もメリットに挙げられます。
懐刀(ふところがたな)
項目 | 内容 |
システムの分類 | 特定業種向け(食品向け) |
対象規模 | 中小企業向け |
主な機能、特徴 | 販売管理、在庫管理に加えて、製造管理機能も搭載トレーサビリティや通販にも対応カスタマイズも可能 |
提供形態 | クラウド |
サポート体制 | 電話、メール、リモート接続バージョンアップや法令改正対応は別料金不要で対応 |
初期費用など料金体系 | 非公表 |
「懐刀」は、食品業界に特化した売上管理システム。販売や卸売だけを行なう企業はもちろん、製造から販売まで一気通貫で行なう企業にもフィットすることは魅力といえるでしょう。連携可能な外部システムも多数。
ApaRevo
項目 | 内容 |
システムの分類 | 特定業種向け(アパレル向け) |
対象規模 | 零細企業から対応可能 |
主な機能、特徴 | 卸、委託、直営店舗での販売、SPAいずれも対応可能在庫管理や売上伝票の作成を色・サイズ別に行なえる得意先や店舗へ出荷する際、柔軟に配分指示を行なえる |
提供形態 | オンプレミス、プライベートクラウド |
サポート体制 | サポートセンターでの電話対応、SEによる訪問対応 |
初期費用など料金体系 | 初期費用347万円~/保守費用月額33,000円~(税別、オンプレミスの場合) |
汎用型のシステムではカスタマイズ対応となりがちなアパレル向け業務も、ApaRevoでは標準で取り揃えていることが特徴的。他システムとの連携も万全です。
また展示会に対応する機能も充実しています。オリジナルの展示会マップを作成可能、パソコン無しにハンディターミナルで受注できることに、メリットを感じる方も多いでしょう。
弥生販売 22
項目 | 内容 |
システムの分類 | 汎用型 |
対象規模 | 個人事業主~中小企業 |
主な機能、特徴 | 小規模企業に特化した製品がある設定方法や作業手順は、音声と動画でやさしく解説サポートメニューが選べる。契約した初年度は無料 |
提供形態 | パッケージソフト |
サポート体制 | 3種類から選択可能。ベーシックプラン、トータルプランは、電話やメールサポートを受けられる |
初期費用など料金体系 | 初年度44,000円~(税別)、3年目以降27,200円~(税別)初年度の費用が10万円以上となる場合も多い |
「弥生販売22」には3種類の製品がありますが、支払管理や在庫管理機能の利用には「プロフェッショナル」が必要です。3台以上の場合は「ネットワーク」をお選びください。
弥生は、サポートに力を入れています。電話やメールで受け付けた問い合わせは、700席を持つカスタマーセンターで対応。専門スタッフが手厚くサポートします。
また、上位プランのサポートメニューを選べば、業務相談やPC・ネットワーク、周辺ソフトウェアのサポートも受けられます。
楽楽販売
項目 | 内容 |
システムの分類 | 汎用型 |
対象規模 | 法人ならば規模は問わない |
主な機能、特徴 | マウス操作で項目や画面、メニュー等を設定可能CRM/SFA機能やプロジェクト管理機能もついているセミナーや個別相談会、動画などで、使い方を学べる |
提供形態 | クラウド |
サポート体制 | メールサポートやサポートサイトの利用契約後3カ月間は、電話やWeb会議も利用可 |
初期費用など料金体系 | 初期費用:150,000円(税別)月額費用:60,000円~(税別) |
楽楽販売はITに詳しいスタッフがいない企業でも、画面操作で必要な設定を行ない、使い始めることが可能。マウスを使った画面操作で、多種多様な項目や画面を自社の希望にあわせて設定できます。
また、契約後3カ月間は「初期導入サポート」として、メールや電話・Web会議によるサポートが受けられるため、挫折する心配はいりません。
SMILE V Air 販売
項目 | 内容 |
システムの分類 | 汎用型 |
対象規模 | 特に指定無し。零細~中堅企業での採用例が多い |
主な機能、特徴 | 売上だけの「エコノミー」から多彩な機能を使える「プレミアム」まで、5種類のプランから選べる150種類の帳票を出力可能スマートフォンでも利用できる |
提供形態 | クラウド |
サポート体制 | 電話、リモートサポート |
初期費用など料金体系 | 非公表 |
「SMILE V Air 販売」は、自社のニーズに応じてプランを選べます。多くの企業では受注業務があるため、スタンダードプラスまたはプレミアムのプランを選ぶケースが多いでしょう。
多種多様な帳票を出力できることは、魅力に挙げられます。ワークフローや人事給与、会計等のモジュールとの連携も可能です。
商蔵奉行クラウド
項目 | 内容 |
システムの分類 | 汎用型 |
対象規模 | 中小企業向け |
主な機能、特徴 | 販売管理の「商奉行」機能と、仕入・在庫管理の「蔵奉行」機能に分けて導入可能顧問税理士等が使える「専門家ライセンス」が付くチャットツールに問いかけ、商蔵奉行クラウドの情報を得られる「AI業務アシスタント CB4-商蔵奉行クラウド」も別料金で使える |
提供形態 | クラウド |
サポート体制 | リモートサポート、電話、Web、FAX |
初期費用など料金体系 | 初期費用50,000円~(税別)利用料金192,000円~(年額、税別) |
「商蔵奉行クラウド」は、販売管理に関する機能を網羅したサービスです。5つのプランから、自社に合ったものを選べます。他の奉行シリーズ製品はもちろん、APIの活用により他システムとの連携も可能です。
なお、全伝票明細件数が5万明細までの「iEシステム」を使う場合は、初期費用がかかりません。利用料金も年間136,000円〜(税別)で済みます。
天の蔵
項目 | 内容 |
システムの分類 | 汎用型 |
対象規模 | 零細企業~大企業 |
主な機能、特徴 | 直感的な入力や自動補完機能など、スムーズな入力を支援取引先ごとに単価を変更できる登録後、翌月末まで無料でトライアル可能 |
提供形態 | クラウド |
サポート体制 | メール、電話 |
初期費用など料金体系 | 初期費用なし月額費用3,000円~(ユーザー数が増えるごとに2,000円、電話サポートは9ユーザー当たり3,600円加算)拠点別在庫管理機能は5,000円加算 |
天の蔵は、売上管理に必要な機能がひとまとめになっています。登録後、3分程度で使い始められる簡便さが魅力です。
安価なサービスですが、使いやすさにはこだわっています。またファイルのインポート、エクスポート機能、freeeなどの会計システムとの連携も可能。うまく使うことで、自社の業務効率化に寄与します。
販売王 販売・仕入・在庫 ネットワーク対応版
項目 | 内容 |
システムの分類 | 汎用型 |
対象規模 | 個人事業主~中小企業 |
主な機能、特徴 | 銀行データから入金伝票を作成できる「MoneyLink」電子取引データをクラウド保存できる「電子帳簿保存BOX」法令改正対応、次期製品無償など、充実したサポート |
提供形態 | パッケージソフト |
サポート体制 | 電話、メール、チャット、FAX |
初期費用など料金体系 | パッケージ:66,000円~(税込)年間サポート:33,000円〜(税込。2年目以降に必要) |
販売王は販売機能に加えて、仕入や発注、支払管理、在庫管理にも対応。PDFに代表される電子取引データを、11年間保存でき、2022年から本格実施された電子帳簿保存法の要件を満たすことが可能です。
また、シンプルで使いやすいことも、セールスポイントのひとつです。
わくわく販売管理6
項目 | 内容 |
システムの分類 | 汎用型 |
対象規模 | 零細~中小企業 |
主な機能、特徴 | 締め請求、都度請求、現金販売いずれにも対応可能納品書や請求書の一括印刷が可能購入後、問い合わせや更新プログラムのサービスは無料 |
提供形態 | パッケージソフト |
サポート体制 | メール、FAX |
初期費用など料金体系 | パッケージ:22,000円(税込)ダウンロード:16,500円(税込)サポート料金は無料。バージョンアップは有料 |
「わくわく販売管理6」は、売上、請求業務、入金管理業務に対応するソフトです。2万円前後のソフトを買うだけで、サポートや更新プログラムのサービスを受けられます。
規模の小さい企業にとって、安価で充実したサービスを受けられることは嬉しいものです。
一方で複数のパソコンを使った運用には非対応のため、中堅企業や大企業での利用には不向きです。
board
項目 | 内容 |
システムの分類 | 在庫管理の必要のない小規模向けモデル |
対象規模 | 個人事業主~大企業(メインターゲットは中小企業) |
主な機能、特徴 | 売上見込から入金・支払管理まで、ひと通り網羅案件単位で損益管理を行える電子署名や会計ソフトとの連携に対応 |
提供形態 | クラウド |
サポート体制 | Web |
初期費用など料金体系 | Personal:980円/月(個人のみ)Basic:1,980円/月(3人まで)Standard:3,980円/月(15人まで)Premium:5,980円/月(50人まで)すべて税別。また初期費用は不要 |
boardには、在庫管理機能がありません。受注を起点とした事業を営む、中小企業に適したサービスです。
カスタマイズや電話によるサポートを行なわないことで、安価な料金を実現しています。未請求や未払いがあれば、メールやSlack、Chatworkに通知可能。実務をしながら売上管理業務を行う方をターゲットとしてつくられたシステムです。
サポートはWebに限られますが、平日10時から17時までは1時間程度と、比較的迅速な回答が行なわれている点も魅力です。
フリーウェイ販売管理
項目 | 内容 |
システムの分類 | 在庫管理の必要のない小規模向けモデル |
対象規模 | 個人事業主~中小企業 |
主な機能、特徴 | 売上、請求、入金業務に特化した、安価なサービス無料版で機能を試せる(機能制限あり、期限なし)帳票のフォーマットは変更不可 |
提供形態 | クラウド |
サポート体制 | 無料版:FAQやAIチャットサポートのみ有料版:電話やメールによるサポートも使える |
初期費用など料金体系 | 初期費用は無料。料金は月額2,980円(税別)IDは4個付与。5個目から1,000円/ID(税別)を加算 |
フリーウェイ販売管理は、安さが魅力。仕入や在庫管理業務がなく、帳票の書式にこだわらない企業に向いています。
ただし、利用者数が多いと、月々の料金がかさむことに注意が必要です。また領収書は出力できません。
自社のニーズを把握し、要求を満たせるシステムの選択を
ひとくちに「売上管理システム」「販売管理システム」といっても、製品ごとに独自の特徴があります。自社の業務改善に結びつけるためには、以下に挙げる事項の検討が欠かせません。
- システムに求める機能や、改善したい業務
- 利用者数
- 利用形態(外出先からの利用が多いなど)
- システムを自社で保有するか、サービスを利用するか
- 他システムとの連携
まずは自社のニーズがなにかを把握することから始めましょう。そのうえで、少々高額でも要求を満たせるシステムを選ぶことが、事業を効率的に運営する鍵となります。