
ウェビナーとは?やるべき理由や開催の流れ、必要なものを徹底解説
Zoomの普及やコロナ禍で一気に取り組む企業が増えたウェビナー。自社でも取り組むべきかと考えて、ウェビナーの詳細や従来型のセミナーと比べてのメリット・デメリット、開催の流れ・必要なものなどを調べていないでしょうか?
今回、ウェビナーを常に開催している弊社が、ウェビナーとは何かといった基本や開催すべき理由、開催の流れなどをまとめて解説してます。開催するだけでなく売上につなげていくことも解説していくので、ぜひ参考にしてください。
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そもそもウェビナーとは?Zoomミーティングとは違う?

ウェビナー(Webinar)とは、インターネット配信によるセミナーのことです。ウェブ(Web)とセミナー(Seminar)をかけ合わせた言葉で、Webセミナーやオンラインセミナーと同じ意味で使われています。
ウェビナーの概要やイメージを知りたい場合は、以下の動画が参考になります。
ちなみにZoomはウェビナーに使える代表的なツールですが、Zoomミーティングとウェビナーは全く違うものです。主な違いは以下のとおりです。
Zoomミーティング | Zoomウェビナー | |
主催 | 全員平等 | ホスト、パネリスト、視聴者の3つに分かれる ※権限に差がある |
コミュニケーション | 双方向 | 必要に応じて一方向と双方向が選べる |
連絡方法 | 自分でメールなどをでURLを共有する | 参加の登録フォームやリマインダーが用意されている |
アカウント | 無料ライセンスで利用できる ※100人まで。3人以上40分まで |
有料ライセンスが必要 ※100や5000などの参加人数ごとにプランがある |
基本的に無料のZoomミーティングは40分の制限(3人以上)があるので、本格的なウェビナーをZoomで開催するなら有料ライセンスが必要です。参加者側は無料ライセンスでZoomウェビナーに参加できるので、主催者側が有料ライセンスを取得していれば問題ありません。
そして詳しくは次で解説しますが、ウェビナーは特定の場所に依存することなく集客できるため効率がよく、録画配信をすれば開催の手間もへらせます。既存の自社サイトやECサイトへの誘導もできるので、有力なWebマーケティングになっており、各社がこぞって開催しているの現状です。
実際、460万人が登録するPeatixやBtoBに特化したSeminar Shelf など、ウェビナーのプラットフォームも多数あります。
従来のセミナーとの違いを知ればウェビナーをすべき理由が分かる

従来(オフライン)のセミナーとウェビナーのどちらも開催できる環境なら、両者の違いを理解したうえでどちらにするか選ぶのが重要です。そこで、両者の違いをまとめて理解し、どちらにすべきかを明確にしていきましょう。
従来のセミナー | ウェビナー | |
開催形態 | 特定の場所と時間で開催 | 機材とネットさえあれば場所は問わない |
コスト | 高い | 安い ※場所代や設営の手間などがへるため |
労力 | 大きい | 小さい ※受付や資料配布などの手間がないため |
臨場感 | 比較的大きい | 比較的小さい |
終了後の流れ | その場で商談もできるが、再営業になる場合もある | デモアポやWeb接客につなげられ、最低でも顧客情報がCRMなどに残る |
従来のセミナーよりも手軽かつコストをかけずにできるのが、ウェビナーといえます。録画を残しておけば、自社サイトの集客や営業コンテンツとしても役立つでしょう。また、ウェビナーに申し込んでいる以上、CRMなどに情報は残せ、適宜アプローチしたり営業リストを新しく作ったりできます。
一方で、対面でおこなうセミナーは臨場感や反応が分かりやすいといった特徴があります。ライブに参加するか、放送をモニターで見るかの違いのようなものです。上質な体験や特別感を演出したいといった目的があるなら、従来のセミナーを選ぶのがよいでしょう。
ウェビナーを活用するメリットとデメリット

ウェビナーには、オンラインでセミナーを開催することによる多くのメリットがあります。一方、オンラインならではデメリットもありますので、留意しなければなりません。それぞれ詳しく解説していきます。
ウェビナー活用のメリット3つ
ウェビナーを活用するメリットは以下の3つです。
- 低コストでセミナーを開催できる
- 広範囲の集客をしやすい
- 資料だけでは伝わりにくいことを映像や音声で伝えられる
各メリットの詳細を解説していきます。
メリット①低コストでセミナーを開催できる
低コストで開催できるのはウェビナーの大きなメリットです。
従来どおりのセミナーを開催するには、人を集める会場を借りたり、会場までの交通費が発生したりします。しかし、ウェビナーを活用した場合には、会場のレンタル料や交通費といったコストを削減できます。
また、複数箇所でセミナーを実施する場合はよりコストがかかりますが、ウェビナーはインターネットを介して利用できる「コンテンツ」として動画や音声を作成できるので、再利用するなどの工夫次第で大幅なコスト削減が可能です。
メリット②広範囲の集客をしやすい
ウェビナーは、インターネットとパソコン、あるいはスマートフォンがあればどこからでも参加できるセミナーです。
これまでは、開催する会場に近い顧客しか集客できなかったセミナーも、ウェビナーを利用することで、全国あるいは海外の顧客まで集客できるようになります。
メリット③資料だけでは伝わりにくいことを映像や音声で伝えられる
Webサイトやパワーポイント資料、パンフレットの配布などは、読むことを面倒だと感じる顧客もいたかもしれません。しかし、ウェビナーならば音声や動画を使って説明できるので、顧客も受動的に内容を把握できます。
リアルタイム配信であれば、その場で質疑応答も可能ですので、紹介するサービスをより身近に感じてもらえるでしょう。
ウェビナー活用のデメリット
ウェビナーのデメリットは以下3つが代表的です。
- インターネット環境に依存する
- オンラインに不慣れなユーザーもいる
- ユーザー側の環境を整えなければならない場合もある
それぞれ具体的に解説していきます。
デメリット①インターネット環境に依存する
ウェビナーは、インターネットに接続されていることが絶対条件です。ウェビナーの配信品質は、主催側と視聴側のインターネット環境に依存するというデメリットがあります。
たとえばセミナー開催側のネット環境が良好でも、視聴する顧客側のルータが古いものであったり、パソコンが低スペックで動画の表示に耐えられなかったりすると、ウェビナーは役に立たなくなってしまいます。
デメリット②オンラインに不慣れなユーザーもいる
パソコンやスマートフォン、あるいはタブレットを使いこなせる層にはセミナーを便利に提供できるウェビナーですが、オンラインに不慣れなユーザーに受け入れてもらうことが難しいという一面もあります。
もし、オンラインに不慣れなユーザーがいる場合には、主催側が手順などをサポートするか集客の対象外にしなければなりません。このようなユーザーが余りにも多い場合、サポートに工数やコストがかかってしまったり、集客力が落ちたりするといったデメリットが発生します。
もっとも、Zoomなどのツールを満足に使えるか使えないかは、ターゲットになるかならないかの目安にもなるはずです。ウェビナーにむいていなさそうな商材なら、そもそもWebでの訴求や情報提供を選ぶこと自体が間違いといえます。
デメリット③ユーザー側の環境を整えなければならない場合もある
オンラインには慣れていても、視聴するユーザー側のインターネット環境やパソコンなどの機器環境が整っていなければ、ウェビナーは成立しません。
たとえば、社員研修をウェビナーで受けてもらうためには、社員一人ひとりにパソコンあるいはタブレットなどの機器、インターネット接続環境を企業側が用意する必要があります。従来の研修体制よりもコストがかかってしまう可能性もあるのです。
主なウェビナーの活用方法4つ

一口にウェビナーといっても効果的とされている活用方法は複数あり、やりたいことを明確にしておくのがおすすめです。代表的な活用方法としては以下の4つになります。
- イベント・ノウハウ提供
- 自社商品の説明会
- 社内・社外研修
- 採用活動(説明会)
それぞれ具体的に解説していきます。
イベント・ノウハウ提供
外部むけのイベントや何らかのノウハウ提供などは、ウェビナーに切り替え可能です。参加者側の時間と場所の制限が緩和されるので、ウェビナーに切り替えるメリットは大きいといえるでしょう。
実際、ウェビナープラットフォームを提供しているInnovation によると、2.5人に1人が参加したかったのに、時間や場所のせいで参加できなかったセミナーがあると報告しています。

自社商品の説明会
自社商品の説明会もウェビナーにできます。これまで商品説明にe-bookなどのダウンロード資料しか提供していなかった場合でも、ウェビナーを活用することで映像と音声を用いた説明の機会を設けられます。
企業としては新規顧客獲得のチャンスが広がりますし、参加者としては気軽に気になっている商品の詳細を確認できるメリットがあります。
社内・社外研修
ウェビナーは、社内・社外研修にもむいています。場合に応じて、一方向と双方向のやり取りに切り替えられ、画面共有などもできるからです。録画しておけば、次回以降の負担もへらせることでしょう。
採用活動(説明会)
採用活動の説明会もウェビナーにむいています。従来どおりの会社説明などができるのはもちろん、チャット機能などで質問も募集できます。ウェビナーであれば日本全国はもちろん、海外の人材獲得も視野に入れることができるでしょう。
ウェビナーの実行スタイル2つ

ウェビナーでは、インターネットを利用して音声や動画を配信しますが、その方法には大きく2つのスタイルがあります。
録画動画の配信
1つ目が、録画した動画を配信するというスタイル。
あらかじめセミナーや講演内容を動画として記録し、後にインターネット上で配信をするという方法です。この場合は、ウェビナー開催側が一方的に内容を進めていく(視聴者が動画を見るだけ)の一方向配信になります。
ただし、ユーザーは動画を自分の好きなタイミングで視聴できます。
リアルタイム配信
2つ目が、開催時間にカメラの前でリアルタイム配信するというスタイルです。
この場合、ウェビナー開催側とユーザー側の双方向でのコミュニケーションも可能になります。リアルタイムで質疑応答やアンケートをおこなうことも可能です。
もちろん、ウェビナーを視聴するだけといった一方向配信として実施することもできます。
ウェビナー開催の流れと必要なもの(ツールと機材)

実際にウェビナー開催を検討しだすと、初回の開催の流れや必要なものが気になることでしょう。そこで、開催の流れと必要なものを簡単に説明していきます。説明する項目は以下のとおりです。
- 必要な機材とツールの準備
- シナリオの作成
- ウェビナーのスケジュールと集客
- ウェビナー開催
- ウェビナー後の営業
それぞれ具体的に解説していきます。
必要な機材とツールの準備
当たり前ですが、必要な機材とツールがないと開催できないので、以下を参考に準備してください。
- PC
- カメラ
- マイク
- ウェビナーツール(Zoomなど)
ツールの推奨スペックを満たしたPCは必ず用意する必要がありますが、ノートPCなどでも十分ウェビナーに使えるはずです。また、 最近のノートPCにはカメラとマイクが内蔵されている場合が多いですが、画質などに問題があるなら別途用意しましょう。
ウェビナーのツールは普及率が高いZoomが有力ですが、他にもツールは多数あります。たとえば、とにかく簡単に使えるのが特徴の「コクリボ」や会場でのセミナーをおこなう作業を丸ごとWebでできるようになっている「GigaCast」などです。
ツールは以下の記事に詳しくまとめているので、参考にしてみてください。
シナリオの作成
ウェビナー開催の機材やツールが整ったら、シナリオを作成します。従来どおりの会場でのセミナーとウェビナーでは、参加者の層や反応に違いがあるからです。
ウェビナーは気軽に参加できる一方で、途中で視聴を止めるのも気軽にできます。参加者の気持ちを先読みして、ウェビナーのシナリオを作成する必要があるわけです。
参加者の気持ちを理解するには、リハーサルをしてみたり実際にウェビナーに参加してみたりするのが有効です。弊社もDXや営業の無料のウェビナーを随時開催しているので参加してみてください。
ウェビナーのスケジュールと集客
ウェビナーのスケジュールを作成し集客をします。従来どおりのセミナーの集客方法も使えますが、メルマガや自社サイト、ウェビナーのプラットフォームへの登録なども有効です。
Peatixやイベントペイといったサービスを利用すると、ウェビナーのリマインドやURLの送付なども自動でできます。有料でのウェビナー開催にともなう決済機能もついているので労力もへらせます。
ウェビナー開催
ウェビナーを開催します。従来のセミナーと同様にリハーサルなどはしておくべきですが、いったん始まってしまえば大きな違いはありません。もちろんチャット機能といったウェビナー特有の機能を活用したいなら、事前に試しておくべきでしょう。
ウェビナー後の営業
ウェビナー後の営業は、訪問営業とメルマガといったWebでの営業の両方ができます。というのも、ウェビナー申し込み時のデータをCRM(顧客管理システム)に統合できるからです。下図はZoomウェビナーの機能ですが、参加者の情報がCRMに入ることがわかります。

CRMで最も売上につながるウェビナー参加後のアプローチを発見できれば、効率的に利益をあげていけます。もちろん、CRMは別途用意しなければいけません。CRMについて詳しくは以下の記事が参考になります。
具体的なCRMを知りたい場合は、以下の記事をご覧ください。定番から無料のものまで厳選したうえで、比較や詳細の紹介しています。
ウェビナー開催前のチェック事項5つ

ウェビナーを開催する前に、必ずチェックしておくべき5つの事項を紹介します。ウェビナー開催のイメージをつかむのにお役立てください
チェック①シナリオはしっかりできているか
ウェビナーを開催する際、特にリアルタイム配信をする場合には、はじまりから終わりまでの進行を、シナリオとしてしっかり固めておきましょう。
オンライン配信ですので、テンポが悪かったり、興味を引けなかったりした場合には、離脱されてしまう可能性も高くなります。
チェック②配信機器は推奨スペックに合っているか
ウェビナーに利用するツールに対して、スペックの低い機器を使用した場合には、配信画像が乱れたり止まったりする可能性もあります。
配信画像や音声のクオリティも、セミナーの品質の1つとして認識されますので、使用するパソコンやカメラ、マイクについても念入りにチェックしておきましょう。
チェック③配信場所の周囲の環境は適切か
配信する環境によっては、自動車や飛行機などの騒音が配信に乗ってしまう可能性があります。
視聴者側からすると、雑音は非常に耳障りなものですし、映像や音声に集中できなくなる要因になりますので、余計な音が入らない環境を整えましょう。
チェック④ユーザー側の環境にも配慮しているか
ウェビナーを視聴するユーザー側の環境は、ウェビナーへの参加に適した環境であるか否かも事前にチェック(注意事項として周知)しておきましょう。
配信される内容によってはスマホでは小さすぎる(資料の文字が見えない)などの場合もありますし、ネットワーク環境が携帯電話の通信だけしかない場合、ユーザーが契約しているパケット上限を超えてしまう可能性もあります。視聴する際の注意事項として、無線LAN環境を推奨するなどの配慮も必要です。
チェック⑤万一のトラブル対応の用意はあるか
ウェビナー中に映像や音声が途切れてしまうようなトラブルがあったときの対処方法も用意しておきましょう。
トラブルが起こった際には延期するのか、それとも予備のネットワーク回線とパソコン、カメラなどを用意しておき、そちらに切り替えてウェビナーを続行するのかなど、参加する視聴ユーザーにストレスをかけないための準備をしておきましょう。
低コストで効率的なセミナーにはウェビナーを活用しよう

オンラインでセミナーをおこなうウェビナーは、低コストで効率的なセミナー開催が可能な手法の1つです。
また、人が集まるイベントの在り方も変化している社会の中で注目を集めており、主催側と参加ユーザーの双方にとって有益な手段といえるでしょう。