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週休3日制は幸せをもたらす? 生産性をキープするための営業現場における課題を解説

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世界的なパンデミックが到来し2年目に突入したコロナ禍の中、日本でも週休3日制の導入を行う企業が増えてきました。

企業からみれば光熱費が削減でき、従業員にとってはプライベートの充実が図れる週休3日制ですが、導入には課題も多くあります。

稼働日5日間で行ってきたことを4日間で完結するには、業務プロセスの見直しが必須なのは明らか。

週休3日制の導入後も従来の生産性をキープし、効率的な営業活動を行うためのTo-Doを確認していきましょう。

週休3日制とは何か

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週休3日制は1970年代からすでに、ヨーロッパ各国で、オイルショック後の不景気の中で雇用を増やす目的からワークシェアリングの取り組みの一環として導入する企業がありました。

一方、1970年代の日本といえばモーレツ(営業)社員時代。

土曜は半ドン(午前半日勤務)で、「月月火水木金金」(土日返上で働く意味)などど呼ばれる働き方も珍しくなく、週休3日制はおろか週休2日も夢のような状況でした。

1980年代後半に入ってようやく、隔週週休2日制を導入する企業が増え、その後、1日8時間、週40時間という法定労働時間の規定による完全週休2日制が標準スタイルになりました。

しかし、稼働日が減るにともない残業が増え、「働きすぎ」のレッテルが日本人のイメージから外れることはありませんでした。

しかし現在、超高齢化が進む日本では生産年齢人口が減少し、2030年には7,000万人を下回るとされ、労働者確保のための労働環境の整備が急務となりました。

こうした背景のもと叫ばれるようになった働き方改革の推進のためには、まず労働者にゆとりを与えながら、人手不足を解決することが課題となり、両立のために打ち出された施策こそが週休3日制でした。

週休3日制の定義

週休3日制とは週内の休日を3日にする制度のこと。

つまり稼働日は週に4日とするものです。

日本政府は、従業員が希望すれば週3日休むことができる、「選択的週休3日制」の普及を目指しています。

なぜ今、週休3日制なのか

働き方改革の重要施策のひとつとして登場した週休3日制でしたが、実現できたのは一握りの大企業のみ。

その状況を変えたのが、新型コロナウィルス感染の世界的流行です。

Stay Homeのスローガンのもとにリモートワークが急遽導入され、さらに、週休3日制導入に舵を切る企業も増えてきたのです。

週休3日制を導入するそもそもの意義は、人手不足解消と余暇の確保のためでしたが、今は企業存続と雇用確保という課題も加わりました。

多くの機関が週休3日制を提言

日本政府、与党自民党そして経済団体では、週休3日制についての議論が独自に行われており、この動きは今後、ますます活発になると考えられます。

例をあげてみましょう。

内閣府経済財政諮問会議

2021年4月開催の会議では、民間議員による「ヒューマン・ニューディールの実現に向けて」の中で、ポストコロナで世界経済の回復の加速が見込まれる中、従業員の学び直しの支援強化策のひとつとして、多様な働き方ができる環境を整えるために、選択的週休3日制の導入が提言されました。

自民党1億総活躍推進本部

自民党の1億総活躍推進本部では、2021年2月に選択的週休3日制の普及に向けた議論を行い、4月には1億総活躍担当大臣と内閣官房長官に対し、「選択的週休3日制による社会発展の推進」という提言申し入れを実施。

それを受け、日本政府では2021年度の「骨太の方針」に反映することも含め、選択的週休3日制導入に向けた検討が進められる予定です。

経団連

2020年5月経団連では「新型コロナウィルス感染予防対策ガイドライン」で、テレワーク施策同様に通勤頻度を下げる方法のひとつとして、週休3日制の導入を各企業に呼びかけました。

複数の大手企業がそれに賛同し、週休3日制の導入が行なわれ現在に至ります。

週休3日制導入のメリット・デメリット(従業員側)

デメリット

従業員からみた週休3日制導入のメリット・デメリットを確認したいと思います。

メリット

副業など働き方の選択肢が増える

所属する会社で副業が認められていることが前提ですが、週休3日制になれば副業に使える時間が増えます。

本業以外のスキルアップも期待できるため、自分のケイパビリティを拡充することとなり、パワーアップしたキャリアパスが見えてくるでしょう。

 プライベートが充実

休日が増えることで、セミナーや勉強会に参加する時間を作りやすくなるので、人的ネットワークが広がり、資格取得のための勉強時間も作れます。

新たな人脈と知見を得て、新規商材のアイデアを生みだせることも。

また、家族と過ごす時間が増やせるので、家庭円満には大きなアドバンテージです。

デメリット

コミュニケーションが取りにくいため営業活動がしにくい

稼働日が減るために、社内外のコミュニケーションの頻度も大きく減ってしまうことが、週休3日制導入に際して深刻な課題といえます。

さらに、リモートワークではコミュニケーション手段がオンライン会議やメール・チャットになるので、誤解や勘違いが生じる可能性が。

営業担当として絶対に避けたいのは、ミスコミュニケーションで顧客との関係が悪化すること。

防衛策として、対面営業以上にきめ細かな対応が毎回必要になるため、ストレスフルになることも考えられます。

さらに、自分の勤務日に合わせようとすると顧客とのアポが取りにくくなるため、結局、休日に設定せざるを得ず、営業担当は休日出勤が増える結果になってしまうこともあるでしょう。

残業が増えるのに、給料が減るケースも

週休3日制での働き方では、5日で行っていた業務を4日で完了する必要があります。

従来と同じ業務プロセスでは残業が増えて当然ですし、休日のはずの日にもPCを開く羽目に。

しかも、企業によっては休日を増やすことで従業員の給料を一律、従来の8割に下げる場合もあるので、週休3日制導入前に確認が必要です。

週休3日制導入のメリット・デメリット(企業側)

企業にとって週休3日制導入のメリット、デメリットはどうでしょうか。

メリット

コスト削減

従業員の出勤日数が減れば、オフィスの光熱費を抑えることができます。

また、週休3日制にあった組織を作り、従業員の残業を減らすことができれば、残業代の削減も期待できます。

 人材不足の解消

優秀な人材を確保するためには、柔軟な働き方を従業員に提供できることが必要です。

週休3日制で従業員のフリータイムが増えれば、介護や育児などを理由に離職する従業員も減りますし、また、休日が増えれば自己研鑽に努める従業員も増えるので、さらにスキルフルな従業員を得られる可能性が高くなります。

デメリット

生産性が下がり、収益の確保に課題が

稼働日が5日から4日になるのですから、事前に組織の見直しや業務プロセスの改善を行わない限り、これまで通りの生産性が見込めなくなっても不思議ではありません。

その穴を埋めるために従業員の残業が増える、あるいは増員をすることになっては本末転倒です。

すでに週休3日制を導入している企業事例

週休3日制に関する日本の現状と、導入事例を確認しましょう。

具体的にどのような取り組みをしているのでしょうか。

日本の導入企業数は10年前の2倍以上に

厚生労働書発表の2020年就労条件総合調査によると、週休3日以上にしている企業は8.3%で、該当する労働者数は546万人でした。

10年前の2010年同時期が3.9%だったので、2倍以上の拡大。

2年間のコロナ禍を経たポストコロナでは、週休3日制導入企業がさらに増えていることが想定できます。

海外との格差

すでに言及した通り、北欧やドイツではワークシェアリングの一環で、50年前から週休3日制をスタートしており、現在は広く受け入れられています。

もっとも、欧米では裁量労働制が標準のため、成果を出せれば勤務時間や稼働日の設定は従業員に委ねられているので、週休x日と意識していない人が多いのも事実です。

導入事例

日本企業2社の事例を紹介します。

ファーストリテイリング

ファーストリテイリングの週休3日制は、土日を含む週4日(1日10時間労働)の勤務で週休2日制と同様の給与を支給するもの。

つまり、働く日は企業からのお仕着せではなく、従業員が決められるのです。

現在、週休3日制を利用しているのは、育児や介護をしている、あるいは勉強や副業の時間が欲しい社員が利用しているようです。

Zホールディングス(旧ヤフー)

Zホールディングスでは育児や介護中の従業員を対象として、週休3日制(週4日勤務)が選択できる、「えらべる勤務制度」を導入しています。

えらべる勤務制度は、土日の休日に加え1週あたり1日の休暇を取得できるもの。

利用対象者は小学生以下の子供を育てる正社員および契約社員と、家族の介護や看護をしている正社員および契約社員です。

月単位で自分が働く曜日を変更できるだけでなく、週休2日制への復帰も従業員が申請すれば可能です。

この制度で取得した休暇分は無給になりますが、子供の夏休みに合わせて8月のみ制度を利用するなど、柔軟な働き方が可能となるのが特徴です。

導入企業に残る課題とは

週休3日制の導入にあたり、次の課題が導入企業からあげられています。

  1. 給与体系の決定:週休2日と同額か、減額か
  2. 対象者の決定:全社員か対象者を限定するのか
  3. 利用期間の決定:固定なのかフレックスなのか

このことから、日本企業ではまだ週休3日制を一時的なものと位置付けていることがわかります。

日本政府が提唱する選択的週休3日制のポリシーとも異なることから、日本政府や経済団体のテコ入れが必要といえるでしょう。

週休3日制を成功させるための2つのポイント

企業のゴールは週休3日制の導入ではありません。

安定した生産性を確保しながら、週休3日制を定着させることにあります。

そのためには、以下の2点がポイントになります。

マニュアル処理を減らすことが肝心

5日で行っていたことを、残業なしで4日で完了するには、人の手による作業をできる限り削減しないことには始まりません。

週休3日制導入の前準備として業務プロセスを確認し、改善すべき課題を抽出します。

その作業が本当に必要なのか、他の作業とまとめられないかなども検討しましょう。

ツールを活用する

手作業で処理してきた作業のうち、ツール活用で工数削減ができないか検討します。

ルーチンかつ単純な作業はツールに任せることができれば、時間短縮ができますし、ヒューマンエラーも防げるでしょう。

SFA/CRMの導入が週休3日制を後押し

週休3日制における営業活動を成功させるには、SFA/CRMの活用が必須です。

SFA/CRMにより、営業フェーズのドアノックからクロージングまでリアルタイムで管理ができ、上長や同僚とも簡単に共有できます。

また、メールやカレンダーなどの別ツールとの同期ができるので、営業活動の生産性をキープできるどころか、生産性向上も夢ではありません。

デジタル化で処理をスムーズに

週休3日制で稼働日が1日減っても、社内の業務をデジタル化することで、以前と同等もしくは更なる生産性を確保できます。

週休3日制導入を奨励するのであれば、日本政府も企業における業務のデジタル化をもっと推進して欲しいところ。

2021年9月にスタートしたデジタル庁への期待が集まります。

まとめ:ツール活用で生産性をキープしつつ、週休3日制導入を成功させよう!

週休3日制は企業、従業員の双方にメリットのある制度です。

ただし、当然のことながら稼働日が1日減るため、従来の業務プロセスのままでは成功するはずがありません。

企業は、導入前にその目的と導入のメリットを全社員と共有し、週休3日制の業務プロセスを構築することが求められます。

ルーチン作業、マニュアル作業はツール導入でできる限り効率化させることも、成功の秘訣です。

幸福度と生産性は密接な相関関係にあるもの。

皆が幸福になれるよう、生産性がキープできる週休3日制を実現させましょう。

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