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データクレンジングとは|目的やメリット・手順を分かりやすく解説
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【表解説】データクレンジングとは?目的やメリット・手順を分かりやすく解説

データクレンジングとは、データベースの中の誤りや重複などを修正・削除(クレンジング)して、データの正確性を高めることを指します。

データクレンジングは、ビジネスにおける分析精度の向上や意思決定の質の改善をする上で非常に重要な要素です。

この記事では、データクレンジングの目的や進め方について分かりやすく解説します。

データクレンジングとは

データクレンジングとは|目的やメリット・手順を分かりやすく解説_データクレンジングとは

データクレンジングとは、データのエラーや不正確なデータを修正・削除し、データの精度を高めることです。

データクレンジングが十分に行われていないと、不正確なデータが利用される、エラーが生じる、といった問題が発生し、業務に大きな影響を及ぼす可能性があります。

データクレンジングと関連用語の違い

データクレンジングの関連用語として、「データクリーニング」「名寄せ」といったものがあります。データを整理するという点において、どちらもデータクレンジングと同じものです。それぞれの細かい違いについては、以下の表をご覧ください。

用語 データクレンジングとの違い
データクリーニング ・意味や目的は「データクレンジング」と同じ
・データの誤記や未入力・重複などの不備を修正し、データの正確性を高める作業
例:「株式社〇〇」→「株式会社〇〇」に脱字を修正
名寄せ ・「修正によるデータの質向上」とは異なり、重複データの統合が目的
・重複しているデータや表現を1つにまとめる作業
例:「株式会社」「㈱」とバラバラの表記を「株式会社」に統一

参考:名寄せとは?その意味や実施するプロセス、ツールを用いるメリットを解説

データクレンジングの目的やメリット

データクレンジングを行う目的やメリットとして以下の4つの点が挙げられます。

  • 効率的なデータの分析や活用
  • 正確で信頼性の高い意思決定
  • 事業の競合優位性の向上
  • コスト削減

それぞれについて以下、具体的に解説していきます。

効率的なデータの分析や活用

不正確なデータや、エラーがあると正確なデータだけをすばやく取り出すことができず、それを営業活動などに生かすことも困難になってしまいます。

不正確なデータで混同指定していれば、データの分析結果も信頼性に欠けます。また、エラーが起こるたびに修正もしなければならず、さらに手間や時間が取られてしまいます。

データクレンジングによって正確なデータを整理しておけば、いつでも簡単にデータを活用でき、無駄な業務が発生することもありません。データクレンジングにより、生産性の向上が期待できます。

正確で信頼性の高い意思決定

正確で精度の高いデータがあれば、それを活用して、より効果の出る施策の決定や効果測定などが実現できます。

とくに、営業活動やマーケティングにおいて、顧客の正確なデータや新しいデータが得られなければ、それが会社の利益に大きな悪影響を及ぼすこともあります。意思決定を行う前に、データクレンジングを取り入れ、誤りのあるデータの削除や古い情報を新しい情報に更新できるようにしましょう。

事業の競合優位性の向上

データクレンジングにより正確なデータを収集することができれば、顧客のニーズも的確に把握することができます。

顧客のニーズを満たせるようになれば、市場において競合他社よりも優位な立場に立てるでしょう。また、現状の顧客のニーズを満たすだけでなく、データを分析することで新たなトレンドをキャッチするのにも役立ちます。

このように、データクレンジングを行うことで、自社のサービスの品質向上に活用することも可能です。

コスト削減

不正確なデータを活用すると、無駄なマーケティング戦略や施策に走ってしまうことがあります。そうなれば、正確なデータを活用した時よりも無駄なコストが大きくかかってしまうでしょう。

また、データクレンジングを行わないとエラーの修正の手間やサーバー維持のコストも発生します。無駄な人件費やコストの削減にもデータクレンジングは大いに役立ちます。

データクレンジングの具体例

データクレンジングにはさまざまなメリットや目的があることが分かりました。次に、データクレンジングの具体的な例を表で紹介していきます。

会社名 住所 電話番号 人名
・(株)と株式会社の違い
・前株/後株の誤表記
・全角/半角のばらつき
・都道府県/町名の略
・市外局番の有無
・ハイフンや()の有無
・全角/半角のばらつき
・スペースの有無
・同音異語
・字体の違い
株式会社 ABC協会 東京都中央区1-2 03(0000)0000 田中 太郎
株式会社ABC協会 東京都中央区1-2 03-0000-0000 田中太郎
(株)ABC協会 中央区1-2 03-00000000 田中太朗
ABC協会(株) 東京都中央区1丁目2番地 0000-0000 Taro Tanaka

データクレンジングでは、上記で示したような表記ゆれのあるデータや誤字を含むデータを統一し、正しいデータにしていきます。

データクレンジングを行わないと、同じ意味のデータでも違うデータとして処理されてしまい、重複したデータが生まれてしまう原因となります。

データが汚れる原因とは?

入力ミスなどによる不正確なデータや欠損値、重複データ、その他のエラーなどのことをまとめて「ダーティデータ」と呼びます。

ダーティデータがあると、営業活動などに支障が出て会社の利益を損なう原因となってしまいます。ダーティデータが発生する原因は以下の4つです。

  • データ入力の人的ミス
  • システムの統合や移行での不整合
  • 外部データ取り込み時の不整合
  • 時の経過による変化・劣化

それぞれ詳しく紹介していきます。

データ入力の人的ミス

ダーティデータが発生する最も大きな原因が、人的ミスによる誤った情報の入力です。

日常の多くの業務のなかでは、人が手動でデータを入力することもあります。そうすると、人によって表記のバラツキがでたり、スペルミス、読み間違いなどが発生し、ダーティデータとなってしまいます。

いくら気をつけていてもヒューマンエラーを防ぐのは難しいため、人的ミスが発生しないような仕組みづくりが重要となります。

システムの統合や移行での不整合

システムを統合する際や、新しいシステムへの移行のタイミングで、ダーティデータが発生することもあります。

システムに保存されているデータは、システムごとにそのデータの構造や集計方法などが違うことがあります。そのため、システムの変更にともない、重複データや空白のデータ、その他のエラーが発生してしまうのです。

中身は同じ意味のデータであっても、システムによってデータの名前が異なることもあるので注意が必要です。

外部データ取り込み時の不整合

業務の進行によっては、データに変更を加えなければならない場面もあるでしょう。そうした時に、外部から新たなデータを取り込むと、データの要件などが変わり、ダーティデータ発生の原因となることがあります。

このようなことを防ぐためには、データの定義や組織全体のデータの状況などを詳しく把握しておく必要があります。

時の経過による変化・劣化

時間が経過することでデータ自体が変化したり、劣化してしまうこともあります。

たとえば、データとして登録してある顧客の会社名や住所などがいつの間にか変わっていることもあるでしょう。このように、古いデータはダーティデータになることもあるため、データクレンジングを定期的に行うことによって常に新しい情報に更新する必要があります。

データクレンジングの進め方

データクレンジングとは|目的やメリット・手順を分かりやすく解説_データクレンジングの進め方や流れ

データクレンジングの重要性が分かったところで、実際にデータクレンジングはどのように進めていくのかその流れについて紹介していきます。

データクレンジングの進め方は以下の5つのステップとなります。

1. 社内データの状態を把握する

まずは、自社にとって重要なデータを選び、現状分析を行いましょう。事業活動や売上と直結しているものを優先的に確認してくことが重要です。

特に、営業部の顧客データや営業実績データなどは売上や事業戦略と大きく関わる重要なデータです。重要なデータの汚れが原因となって、企業の売上低下や業務効率の悪化につながっていないかどうかを詳しく分析するようにしましょう。

2. データクレンジングの範囲を決める

次に、データクレンジングするデータの範囲を決めます。

たとえば、古いデータや関連性のないデータは収集しても意味がないうえ、逆に無駄な手間が発生することもあります。現在の事業活動と直接的に関わる重要データだけを選ぶように心がけましょう。

3. データクレンジングを実施する

必要なデータを1つのデータベース上にまとめ、「名寄せ」を実行して重複しているデータがあれば削除しましょう。次に、半角/全角や日本語/英語など表記の統一を行います。

さらに、誤ったデータや古いデータの修正、抜けているデータを追加することで精度の高いデータにしていきます。今後新たにデータを追加した時に、表記ゆれや入力ミスが発生しないよう、データの収集や入力方法についてマニュアルをつくることも大切です。

4. データの整理をする

クレンジングした正確なデータは、必要に応じて抽出・リスト化などを行うことで、営業活動やプロジェクトに活用できるようになります。今後どのようにデータを活用するのかを考え、データの整理をしましょう。

5. データの管理を仕組み化する

データクレンジングを行った後に気を付ける必要があるのは、ダーティデータが生まれないように仕組み化することです。この記事でご紹介したように、人的ミスや複数システムのデータ移行等によってダーティデータは生まれます。

データの入力方法について社内で共有する、多くの企業にとって必要不可欠なCRMやSFAを他ツールとの連携性に優れた製品を導入するなど、精度の高いデータを維持する仕組みをつくるようにしましょう。

連携できない複数のシステムを運用している場合は、連携性の高いシステムに刷新することも一つの手です。とくに、顧客情報管理は自社の生産性向上に直結するため、優先事項として着手することをおすすめします。

参考:営業活動の成否はシステムの連携が鍵! 連携先が豊富なCRM/SFAを選ぶべき理由

データクレンジングで事業成長を加速させよう

データクレンジングの目的や方法、有効なツールについて紹介しました。

社内におけるデータはさまざまなプロジェクトで重要なものであり、常に正確性が求められます。不正確なデータやエラーがあると、無駄なコストがかかるだけでなく、企業の信用に関わる問題にもなりかねません。

データクレンジングによって、より精度の高いデータを収集・活用し、事業成長に生かしていきましょう。

また、データクレンジングの進め方の中でお伝えした、ダーティデータが生まれないようにする仕組み化は非常に大切です。連携性に優れた顧客管理システムを使うことによってデータの管理を楽にするなど、運用の仕組み化で改善できるようにしましょう。

参考:管理職なら知っておきたい!データ管理システムの基礎知識!

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