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ビジネスを可視化 「予実管理」
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目標達成に向けた管理手法を学ぶ!ビジネスを可視化する「予実管理」の基礎知識

一般的に企業では、期初に目標を立て、その計画を達成するために、さまざまな施策に取り組みます。目標達成のために大切なのが、当初の計画と実績を常に把握するための「予実管理」です。会社の経営面だけでなく、各部署や個人も目標を立て、適宜達成度を見ていくマネジメント手法がおこなわれますが、なかなかうまくいかないケースもありますよね。

今回は、そもそも予実管理とは何かわかりやすく解説し、さらに予実管理がうまくいかない実態とその解決策について考えていきます。

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予実管理とは?

達成度合いをモニタリングして改善を迅速にする手法の一つ

予実管理とは、予算実績管理とも呼ばれており、当初の予算である目標とその実績から達成度合いをモニタリングしていく管理手法の1つです。

予算と実績の差を把握

目標に対して計画通りに実績が積み上がっていなければ、その差を埋めていくための新たな施策や改善策を迅速に実施していくことができます。

数値のリアルタイム把握が欠かせない部署に重要な手法

この予実管理は、重要な経営指標として企業の経営層の中では必ず共有されるべき情報の1つではありますが、実際には業務のあらゆるシーンで実行されています。

予算と聞くと売上予算や経費予算などお金のことだけが意識されがちですが、システム開発における開発進捗管理や営業部門の新規訪問件数なども当初に立てた目標との差を把握するという意味では、予実管理と言えます。

経理部門が把握・管理する予算以外にも、売上を作っていく営業部門や経営戦略を立案する経営企画部門など、数字のリアルタイムな把握と次の打ち手が重要になる部署には、特に重要なマネジメント手法となっているのです。

予実管理の際にPDCAを取り入れるとより効果的です。
こちらの記事もご参照ください。

予実管理をおこなう目的とメリット

そもそも予実管理はなぜ行う必要があるのでしょうか?

予実管理の目的は、経費予算内に収めつつ販売予算の達成をおこなうために、目標を決めてから計画達成までのプロセスを管理・コントロールすることです。つまり、目標の達成度合いを可視化し、その達成度合いを100%に近づけるためのマネジメント手法と言えます。そして、予実管理をおこなうメリットは以下の3点が挙げられます。

確実な目標の達成

企業にはさまざまな目標がありますが、まず予算を達成することで、そのほかの目標も達成する可能性が高まります。たとえば、より知名度を高めたいという目標があった場合に、まずは販売予算を達成し、経費を予算内に収めることで利益を確保できます。その利益を使って投資をしたり、宣伝広告をおこなったりすることにより、知名度を上げることができます。

社内/社外ステークホルダーの信頼獲得

ステークホルダーとは、利害関係者を指します。具体的には社外では顧客、地域住民、取引先、株主などが、社内では従業員などがステークホルダーにあてはまります。

予実管理をおこなうことにより、販売予算を達成、もしくは経費予算内に収まる可能性が高まりますので、利益が確保でき、事業の継続性が高まります。それは、顧客に対しては安定して商品・サービスを提供することができ、株主には配当を、従業員には働く場と給与を提供することが可能となり、ステークホルダーへの信頼獲得につながります。

事前のリスクヘッジが可能となる

月単位で予実管理をおこなっている場合、仮に月半ばで販売予算への達成が厳しいとマネージャーが判断したとします。その場合、新たなアプローチ先の開拓や、現在のアプローチ手法の見直しなどをおこない、予算に対する業績の進捗ペースを改善・修正することができます。

予実管理をしていなければ「なんとなく売れていない」など感覚的な判断になってしまい、データに基づいた改善策の立案が困難になります。結果として、販売予算に達成できない可能性が高まります。

経費予算も同様で、仮に月半ばにこのままのペースでは実際に使った経費がオーバーしそうだと判断した場合は、何を削減するべきかを検討し、具体的なアクションを起こしたり、指示をしたりして、経費の膨張率を抑えたりすることが可能です。

予実管理をしていなければ、「なんだか使いすぎかも」など感覚的な判断になってしまい、データに基づいた改善策の立案が困難となり、経費予算をオーバーしてしまう可能性が高まります。

予実管理をおこなうポイント

まずは実行する前に押さえておくべきポイントとなります。

現実的にミートできる低すぎない予算設定

予算は現実的なものを設定する必要があります。夢は大きくても構いませんが、予算は限られた期間で手が届くレベルで設定しないと「絵に描いた餅」になってしまいます。

あまりにも大きい販売予算では、営業担当者は営業する前から諦めてしまうでしょうし、あまりにも小さい経費予算では、何の効果を出すこともできないでしょう。

なお、このことは「販売予算を小さく、経費予算を大きくしましょう」ということではありません。年間の販売予算を決める際に、過去に前年比数100%アップで推移してきた場合は、状況を見極めつつ、それなりの伸び率で設定する必要があります。

ボトルネックの洗い出しとアクションの策定

ボトルネックとは文字通り、ボトルのような形状の中で、人間の首のように細くなっている部分を指し、ビジネスにおいては、効果を得る際の障害となっている部分を指します。

販売予算の達成のためには、プロセスがありますが、その達成の妨げとなっているボトルネックを洗い出す必要があります。たとえば、顧客への訪問頻度が販売予算達成のためには必要であるにも関わらず、その時間を削って社内の営業会議を月に何度も開催しているのであれば、会議の頻度を減らしてボトルネックを削減する必要があります。

定期的な担当更新とマネジメントへの共有

予実管理は、商品やサービス、部門ごとに管理しますが、予実管理の担当者は定期的に更新する必要があります。これは、ある担当者の場合はいつも販売予算に達成するものの、違う担当者の場合はいつも予算に届かないといった形になってしまうというような属人化を防ぐためです。

販売予算の達成は、組織として再現性があってこそ意味を持ちます。個人のスキルによって達成率が変動しないように組織的な取組みが必要です。そのためには、担当者を定期的に更新することとなります。

また、部門の責任者といったマネジメント層と担当者の情報の共有も必要です。マネジメント層は予算と実績のかい離状況を把握し、部門全体として今後どのような方向性で進むのかを意思決定しなければならないためです。

具体的ToDoの修正とアクション

予実管理をおこない、その進捗が予定通りでなかったとしたら、具体的にどのようなアクションを起こすべきか、また、どのように変更するべきかなどを修正する必要があります。見ているだけでは、かい離が埋まらないのは当然ですので、具体的なアクションを設定する必要があるということです。

予実管理の具体的な方法

それでは次に具体的な予実管理の方法論に踏み込んでいきましょう。

予算の細分化

部門ごとに予算が割り振られたら、商品別や勘定科目別に細分化します。部門全体で管理しようとすると、達成できなかったときに、どの商品もしくはどの勘定科目が足を引っ張ったのか、また、どの商品もしくはどの勘定科目が全体を牽引したのかが分からなくなり、予実管理の結果を翌期に活かすことが困難になってしまいます。

達成プロセスのシミュレーション

予算は、達成することが前提ですので、細分化した予算を、誰が、いつ、どのように達成させるのか、各商品もしくは各勘定科目の達成シミュレーションをおこないます。これが明確に描けていないということは、具体的なアクションまで落とし込まれていないということであり、現実性に欠ける予算設定となってしまい、達成可能性が低下してしまいます。

実績の把握と予算との比較

実績を把握し、予算と比較することにより、そのかい離が分かります。かい離は、金額で把握しても良いですし、達成率で把握しても良いでしょう。ここでのポイントは、正確な実績を入力することです。予実管理の進捗が芳しくない営業担当者をマネジメント層が叱咤激励するケースがありますが、この行為が行き過ぎると、営業担当者は叱責を逃れるために虚偽の数値を入力する場合もあります。

報告・連絡・相談を密におこない、マネジメント層は胸襟を開き、自己開示を心掛け、何でもオープンにできる組織を作っていかなければなりません。

分析、フィードバック、共有

予実管理の期間は、1カ月、4半期、半期、年間のようなスパンで管理しますが、この期間の最終日を過ぎたら、早い段階でなぜ予算が達成できたのか、なぜ未達成だったのかを分析する必要があります。

予算は、達成さえしていれば良いというものではなく、達成幅が大幅に超過した場合も問題として取り上げましょう。

未達成だった営業担当者をつるし上げるために分析するのではなく、予実管理担当者として、また、マネジメント層としてどのようなフォローが足りなかったのかを検討することも必要です。その上で、営業担当者にフィードバックをおこない、担当者自身の考えや感想も踏まえて次の期に活用し、さらにはマネジメント層との共有をおこなうこととなります。

予実管理がうまくいかない理由

当初の目標と現在の実績を把握し、その差を埋めていくための予実管理。考え方としてはとてもシンプルなものですが、実際には予実管理に関して悩みを抱えている企業は多く見受けられます。それはなぜなのでしょうか。

予実管理運用面での課題大枠

予実管理を行っているための運用面に大きな課題があるのです。具体的には、3つの課題が顕在化しています。

1つ目が、予実管理のための集計作業に膨大な時間と手間がかかってしまうこと。 2つ目が、いつでも情報にアクセスできる環境が整っていないこと。 そして3つ目が、原因を究明し、改善プランを導き出すことができないという課題。

実際に予実管理を行うには、リアルタイムに数字を把握するための環境づくりや、情報を集めやすい環境づくり、さらに得られた結果が分析できるような仕組み作りが欠かせないのです。それぞれを深ぼっていきたいと思います。

①集計作業に膨大な時間と手間がかかる

一般的に予実管理を行うには、販売管理システムや財務会計システムなどの基幹システムにある情報と、売上関連の実績であれば営業部門からも情報を収集し、現状の見込み案件の予測数字に対する進捗状況を的確に把握できるようにする必要があります。そのため必要な情報をリアルタイムに収集し、見やすい形に加工する手間が発生します。

実際には、現場の営業マンから商談情報や案件見込みなどの情報をメールやExcelなどで上長に報告し、すべてのメンバーの内容を上長がExcelなどにまとめていくことになります。

営業マンから納期通りに情報提供があればよいのですが、日々営業活動に忙しい現場からすればそう簡単なものでもありません。フォーマットも報告内容もバラバラで、それを合算していくのは多くの時間と手間が必要です。

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その情報を基幹システムから取り出した情報と組み合わせていくなど、さらにひと手間をかけなければ予実管理に必要な情報が集まりません。できれば、1つのシステム上で一元管理できる仕組みが欲しいところです。

②いつでも情報にアクセスできる環境が整っていない

そもそも予実管理に必要な情報が一元管理されていない場合、まずは情報を集めていくプロセスから始めることになり、任意のタイミングで目標に対する達成状況を的確に把握するのは困難です。

もし、基幹システムなどにすべての情報が蓄積されていたとしても、それが可視化しにくい状態で管理されていれば、その情報をきちんと整理する時間も必要です。結果として、月次の報告会などのタイミングまで予算と実績の差が分からず、本来検討すべきタイミングに遅れるなどタイムラグが発生してしまうことも。

経営判断の遅れはビジネスにおいては致命的になる可能性もあります。できればいつでも予実管理の状況が的確に把握できる環境づくりが求められます。

いつでも予実管理の状況が的確に把握できる環境づくり

③原因の究明や改善プランの検討ができない

予実管理に必要な情報が整理され、情報共有がなされたとしても、その数字の原因が追いかけられるようになっているかどうかは重要です。

Excelなどにまとめてしまうと、当然ながらその数字の根拠となる情報を探すことは難しいはずです。多少のドリルダウンはできても、前月共有された数字とのかい離が激しい原因を調べる場合は、その情報ソースとなった現場に確認を取らなければなりません。

また、目標とのかい離があれば何らかの対策が必要です。売上が目標に到達していなければ、各営業マンがどんな案件を持っているのか、その進捗状況はどうか、どの顧客にどうアプローチしているのか、受注に向けた課題は何なのかなど、詳細な情報がないと次の打ち手が検討できません。

予実管理の数字の根拠となる情報は、日々の業務活動から得られているはずです。これらの情報がまとまって分析できるような環境づくりが大切になってきます。

最適な予実管理に必要な環境とは?

これら予実管理における3つの課題に応えるためには、個別のツールや管理手法ではなく、統合された環境での情報基盤が必要になってきます。特に売上数字に関する予実管理は、現場の営業マンが直接入力した案件情報をもとに誰にでも見られるような仕掛けになっているものが重要です。

集計時に時間がかからない

集計作業を手間なく行うためには、現場の営業マンから寄せられる日々の活動報告から予実管理に必要な情報が自然と収集されるような仕組みが理想です。

基幹システムなど必要なシステムとAPIで連携しながら自動的にデータ収集できる環境を整えましょう

予実管理のためだけに報告書を作らせるようなことはやめ、現場の営業マンには1度の入力だけで済ませられるよう、負担のかからない仕組みを導入すべきです。できる限り普段使いのツールで無駄なく情報を収集でき、集まった情報が自動的に集計される。さらに、必要に応じて軸を変え、簡単に再集計できるようなツールを選択しておきたいところです。

リアルタイムに情報が確認できる

月1回だけの会議のタイミングでないと情報が把握できない環境を脱却し、いつでもどこからでも情報にアクセスできるような仕組みが必要です。

日々の営業活動履歴をベースに情報が確認できれば、毎日起こる数字の変化を素早く見逃すことなく把握でき、適切な対策が打てるようになります。そのためにも、メールやExcel、スケジューラーなど異なる環境をバラバラに使いこなすのではなく、統合された環境の中ですべての業務が行えるような仕組みにしていくべきです。

特に営業部門では、日々の活動をサポートしてくれる営業支援ツールなどが最適でしょう。

簡単に自動作成できる案件情報

もちろん、リアルタイムに情報が集まるようにするためには、現場サイドでもリアルタイムに情報入力できるような仕掛けが必要なのは言うまでもありません。スマートフォンなどのデバイスからでも予実管理の基礎情報となる活動報告が簡単に行えるような仕組みであれば、現場に負担をかけることもありません。

改善プランがすぐに考えられる

CRMやSFAなどの営業支援ツールを用いれば、すべての顧客情報や案件情報、日々の活動履歴などが一元管理でき、予実管理での数字の変化をダッシュボード画面から簡単にドリルダウンできます。

例えば、弊社提供のSFA/CRMのeセールスマネージャーであると、予実管理において予算とのかい離がある場合、その中で現状進捗している案件が一覧で確認でき、優先的に手を付けるべきものが判断できます。また、どういった形で受注につなげるのかを競合情報や人脈情報を見ながら判断し、現場の担当者に直接指示を出すことも可能です。

CRMやSFAなどの営業支援ツールを用いた予実管理

ほとんどのSFAにはこういった機能が搭載されています。

単に数字だけを管理する従来のExcelによる予実管理から、日々の案件情報に紐づいて実績数字を作り出す予算管理に変えていかないと、予算と実績の差を埋めるための具体的な施策をすぐに立案することは難しいはずです。

その場限りの数字を把握するような予実管理の仕組みでは、目標を達成するための迅速な手立てがすぐに打てず、経営判断の遅れを招くことにもなりかねません。手間なく情報がリアルタイムに収集でき、その数字の根拠がその場で分析できるような仕掛けづくりが、最適な予実管理を実現するためには不可欠なのです。

予実管理のプロセスまとめ

これまで見てきたとおり、予実管理は以下のプロセスでおこないます。

1.予算の細分化

2.達成プロセスのシミュレーション

3.実績の把握と予算との比較

4.分析、フィードバック、共有

この際にExcelによる管理をおこなうケースもありますが、より高い効率と効果を求めていくためには、CRM/SFAを利用することが必要です。特に迅速に正確な分析をおこなうためには、営業プロセスをシステムで把握できるようにする必要があります。

営業は属人化撤廃を組織的に実行すべし

今や営業は属人的なスキルに頼るものではなく、組織的な取組みをおこなう必要があります。個々の人材の力もさることながら、例えば2人の力を2ではなく、3にも4にもできるのが、組織力です。それを強化するにはシステムの活用は必須といえるでしょう。

予算と実績という数値を比較するだけの作業は特に難しいことではありません。なぜかい離幅があるのか、それを埋めるにはどうするべきかという分析があってこそ、予実管理は意味を持ちます。その部分をぜひ忘れないようにしてください。

なお、予実管理を有効に進めるという目的に向けて、CRM/SFA製品の一つ、eセールスマネージャーは、大きく貢献すると思います。ぜひご興味ある方は覗いてみてください。

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