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eセールスマネージャー 営業ラボ・ブログ 【コロナ禍必見!】DX戦略とは? 導入するメリットや成功事例

【コロナ禍必見!】DX戦略とは? 導入するメリットや成功事例

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近年、多くのメディアや企業で導入が推進されているDX(=デジタルトランスフォーメーション)。

DXの導入は、業務の効率化や新たなビジネスモデルの創出などのメリットがある一方で、経済産業省の報告(2020年10月時点)によると、全体の9割以上の企業がDXに対する取り組みに未だ着手していない実態が報告されています。
その結果、日本ではデジタル化の遅延による多大な経済損失が生じる「2025年の崖」に直面すると言われており、まさに企業の変革を起こすラストチャンスの時期に突入しつつあるのです。

では一体、DXをどのように立案し導入すればよいのか?

本記事では、DX戦略の策定する上で重要なメリットやロードマップ、企業の成功事例を解説します。

DX戦略とは

DXとは? なんの略?

DXは「デジタルトランスフォーメーション」の略で、わかりやすく言えば「デジタルによる変革」のこと。

もともとはスウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が2004年に提唱した「ICTの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化する」という概念を指します。

これを踏まえ、経済産業省がまとめた「DX推進ガイドライン」(2018年12月)のなかでは以下のように定義されています。

“企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジ タル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること”

経済産業省 DX推進ガイドライン(https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181212004/20181212004-1.pdf)

DXを経営戦略に導入すると…

つまり企業にDX戦略を導入するということは、データを活用した新たなサービスを創出したり、業務自体の効率化やビジネスモデル・プロセスの変革など、企業の競争力や優位性を高めるということになります。

DX戦略の必要性

では、なぜこれほどまでにDXの導入が推奨されているのか?
以下のような理由があります。

「2025年の崖」に直面し、国際競争への遅れや経済の停滞を引き起こす

経済産業省が公表した『DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』によると、今後DX戦略の推進が遅れることで、「2025年以降で最大12兆円の経済損失が生じる可能性がある」と推定されています。

なぜ、これほど多大な経済損失が発生するのでしょうか。
その理由は以下の通りです。

  • 老朽化・複雑化・ブラックボックス化している基幹システム(レガシーシステム)の存在
  • 既存システムの維持管理費の高額化
  • セキュリティーリスクの高まり

すでに多くの企業では、長期にわたる既存のビジネスモデルやコア業務の優先によりシステムの内部構造が複雑化し、企業全体での情報管理や、データの共有・可視化が困難になっています。

また、将来的には、既存のシステム構築を担った人材の定年退職によるノウハウの喪失やブラックボックス化といった、自社の資産を失うリスクも顕在化するでしょう。
しかし、その一方で、旧態化した基幹システムの刷新やDX戦略の導入で、2030年に実質GDPを130兆円押し上げることが可能とも試算されています。

貴重な事業機会や財産をまもる観点からも、DX戦略に取り組む必要があります。

市場の変化に対応できず事業機会の損失が発生

近年のビジネスシーンでは、急速なICTの進化や普及にともない、確度の高いマーケティングや効率化された営業活動をおこなうことができます。

これらの技術を取り入れることで、製品の開発やマーケティング、働き方など、より効果的・効率化した経営をすることも可能です。
しかしその一方、DXを含むテクノロジーやデジタル化の導入に遅れるとどうなるか?

これらの環境整備や施策に遅れると、今後、爆発的に増加することが予想されるデータの活用ができず、市場の変化に対応できないばかりか、事業機会を喪失、最悪のケースでは企業の倒産のリスクさえ存在するのです。

DX戦略を導入するメリット

DX戦略を企業に投入するメリットは以下の通りです。

ユーザー(消費者)のニーズの変化に迅速に対応できる

DX戦略を導入することで、ユーザーのニーズの変化に迅速に対応できるため、新たな価値の創出や競争優位性を確保することが可能です。

近年、ユーザーの消費動向やニーズ・課題は多角化しており、それにともない、企業の置かれた事業環境も複雑化しています。
そのため、従来通りの顧客行動の分析やマーケティング戦略では、ユーザーのニーズを把握できないばかりか、時代の変化に取り残され淘汰される可能性も秘めています。

そこで重要なのがテクノロジーやデータを駆使するDX戦略。
DXの導入によって、マーケティングの効率化が実現すれば、細分化したニーズや顧客の需要を満たす商品提供にも迅速に対応することができます。

またAI技術やビッグデータを用いることで、プロダクトやビジネスモデル、企業文化・風土、組織構造などを変革できれば、競走優位性を維持、または向上することができます。

業務の効率化・生産性向上に寄与

DXの導入は、既存の業務効率化や生産性向上に寄与します。

例えば、定型業務やデータ分析など、自動化やデジタル化することで業務効率が高まる分野については、業務の精度向上につながります。
さらには、業務の最適化によって空いたリソースをコア事業に集約することで、企業全体の生産性や利益率を高めることもできます。

BCRの充実

 BCR(Business Continuity Plan/事業継続計画)とは、企業が自然災害やテロ、感染症などの緊急事態に直面した際に、ビジネスの機会損失を最小限に抑え、そこから迅速かつ早期に復旧するための計画を指します。
DXの導入によって、多くの業務がデジタルに移行できていれば、不測の事態に陥っても柔軟に対応することが可能です。

たとえば今回のコロナ禍のような時にも、リモート化やテレワークをスムーズに推進することができます。
このように、DXを導入することでBCRの充実に取り組むことができるのです。

DX戦略の成功事例2選

ここからは、他社に先駆けてDX戦略を実践することで成功した企業事例についてみていきます。

三井住友銀行

三井住友銀行では、日々、銀行に寄せられる膨大な意見や顧客の声を人的資源(従業員の労働力)で整理・分類していました。
しかし、NECが独自開発したテキスト分析技術を活用して、これらの業務をAIシステム等に代替することで、従来、人的資源を割いていた内容の要約や見出し作成、分類、整理などの自動化・省人化に成功。

これにより、顧客に対するサービスの品質改善に成功し、顧客満足度の向上を実現しています。

コマツ(小松製作所)

総合機械メーカーのコマツは、労働力不足や高齢化、安全性の向上など、建設業界が抱える課題に対してDX戦略を導入しています。

これまでブラックボックス化や属人化しがちだった調査や測量、施工管理などの業務プロセスをデジタル化することで、施工オペレーションの最適化を実現。
これにより、工事全体の安全性や生産性の向上に繋がっています。

DX戦略を策定するための5つのプロセス

ここからは、DX戦略を策定するにあって不可欠なプロセスを5つに細分化して解説します。

ステップ1:DX戦略のシナリオや方向性を定義する

DXを推進するにあたって、まず必要になるのは、デジタル化やクラウド化することで、将来的にどのようなビジネスモデルや新事業が創出できるかについての経営方針(方向性)やシナリオを明確に打ち出すことです。

DX導入の障壁となるのは、導入の意義が理解できない経営層や従業員などからの反発です。
そのため、明確なビジョンが描けなかったり、戦略や方針が定義できない場合は注意が必要になります。

ビジネスモデルや企業文化、組織構造など、従来の企業の在り方ではなく、DXを導入することで企業にどんな変化、メリットがあるかを示すことで、経営層や従業員の理解度を高めることができるでしょう。

ステップ2:To-BeとAs-Isの乖離を埋める戦略を立案する

ここでは、企業のあるべき姿(To-Be)と現状(As-Is)を正確に可視化することで、その乖離を埋める戦略を立案しましょう。

これらの要素を抽出するためには、3C分析やSWOT分析などのフレームワークを行うことで、戦略を立案する上でのアプローチを図ることが可能です。
またTo-BeとAs-Isが設定されたら、その乖離を埋めるためのアクションを設定しましょう。

「フレームワーク」について詳しく知りたい方は、こちらを参考に

ステップ3:既存データのデジタル化や共通化を図る

DXを成功させるためには、デジタル技術とデータの有効活用が必須。
そのため、既存データ(アナログ)のデジタル化や部門間で相互に連携できる基盤構築のためのデータの共通化を図りましょう。

DX戦略を組織全体に浸透させるには、新たに導入するテクノロジーやシステムと既存のシステムがスムーズに連携するだけでなく、組織全体で最適化を図れる設計を目指さなければなりません。

そこで、業務プロセスの中でアプリやクラウドサービスの活用、各種ツールの導入によって、アナログからデジタルへ移行すること重要です。
また部門間での差異が生じないように、全社共通の評価体制(KPIやPDCAなど)を整備することで、DXの活用が定着する環境作りを目指しましょう。

ステップ4:デジタルを活用して業務の効率化・最適化を図る

全社最適となるような基盤構築ができたら、実際にデータやテクノロジーを活用して、業務自体の効率化や最適化に取り組むようにしましょう。
また必要に応じて、業務自体の簡略化や標準化を行うことで、効率的なプラットフォームを構築することも可能です。

ここで注意すべきは、全社最適を目指すあまり、システムやテクノロジーが複雑化・ブラックボックス化していないか、というです。

仮にDXを導入したことで、業務プロセスが複雑化していたり、技術的負担の増大、システム構成のばらつきが見られる場合には、見直す必要があります。

ステップ5:既存のビジネスの高度化や拡張を行う

最後にすべきは、デジタルやデータを活用して、既存ビジネスの高度化や拡張を行うプロセスになります。

DXの導入は、業務の効率化や自動化に寄与するだけの施策でなく、ビジネスモデルの変革や新事業の創出など、企業の競争優位性の確立や、より良い方向にシフトするためのものです。
これまでに蓄積したデータやノウハウをブラッシュアップし、より高度なビジネスや領域の拡張にチャレンジしましょう。

DX戦略を成功に導くためのポイント

DX戦略を成功に導くためには、以下のポイントに気をつけて戦略を策定しましょう。

市場の変化に柔軟に対応できるようスモールスタートを意識する

DX戦略は、一度限りの業務ではなく、継続的にデジタライゼーションを積み重ね、蓄積したデータを業務に活用するプロセスを指します。

そのため、はじめからさまざまな部署や組織全体でDXを導入するのではなく、データやテクノロジーとの親和性が高い一部の部署やチームにフォーカスして、スモールスタートでDXを運用するようにしましょう。
その際に、DXをおこなう対象を漠然と絞るではなく、以下の要素を含む業務分野に限定するようにしましょう。

  • ルーティン業務(人事、経理、総務などのバックオフィス)
  • データやテクノロジーと親和性の高い業務(マーケティング、営業関連)
  • 業務上、他の部署(部門)を横断する業務

これらの業務は自動化することで効率や生産性が向上できるうえ、DXとの親和性も高いため、DXの導入前後の効果測定を比較することが可能です。

DX戦略の成功体験を蓄積する

DX戦略を企業にスムーズに浸透させるには、DX戦略の成功体験を企業内部に伝播させることが不可欠です。

DXを成功させている企業の多くは、経営層からのトップダウンでDXを推進するだけでなく、現場レベルでのトライアンドエラーや評価体系の変革を起点とした成功体験の積み重ねにより、組織内の定着が進みました。
同時に、DXに対する知見やノウハウを蓄積することも可能なため、将来的により大規模なDX戦略を施策する上でも重要なフェーズと言えるでしょう。

成功企業の施策に倣うだけでなく、着実に企業内の成功体験を蓄積するようにしましょう。

DX戦略を導入して企業に変革を!

DXの導入は、既存の組織構造からの脱却や業務効率化、生産性向上を図るだけでなく、新規事業やビジネスモデルの創出など、あらゆるシーンで多角的に活用することができます。

しかし、DX戦略の導入自体をコミットメントとしてしまうと、システムが複雑化したり、ブラックボックス化が解消できない事態に陥ってしまうため、注意しましょう。

DX戦略の効果を最大化するためには、メリットや在り方を正しく理解して運用すること重要です。
はじめから大々的に取り組むのではなく、トライアンドエラーやスモールスタートを意識して企業に導入するようにしましょう。

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