
KGIの意味とは? KPI・KSF・OKRとの違いを例とともに解説!
営業や経営に関わっていれば一度は聞く「KGI」。
しかし、KGIの意味や効果的な設定方法や関連する語句との違いを理解して使いこなせている人は、決して多くありません。
KGIとはシンプルな指標・考え方なので、実は理解するのは簡単です。
ただし、効率よく確実に成果につなげるには、最適な設定方法や深く関連しているKPI・KFS・OKRといった周辺の語句との違いも合わせて理解することです。
今回、7,000社以上の企業の改善に関わってきた弊社が、KGIとはなにか、例とともに周辺の語句との違いや正しい設定方法もあわせて解説します。
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DX先進国であるアメリカと比較した日本の現状に加え、進める上での注意点や設定すべき数値などといったより実践的なDXの定着・導入のポイントについても解説しています。
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KGIとは“企業が目指す数値目標”

KGIの定義
KGI(Key Goal Indicatorの略))とは、日本語では「重要目標達成指標」と呼び、企業の目指す最終的な定量目標(=数値目標)を意味しています。
たとえば、「2020年度末に利益額10億円を達成する」などが、わかりやすいKGIの例と言えます。
詳しくは後述しますが、いつまでに何をやるのかが数値として明確なのがKGIのポイントです。
KGIを正しく理解して設定できると、確実な達成と成果の最大化を目指せると言われています。
ここでは、KGIの重要性について、事例とともに説明します。
KGIを設定する意義
ゴールが明確になる。
KGIが重要な理由は、企業が達成すべき目標を数値として設定し、誰が見てもいつまでに何をやるかがわかるよう明確になることだと言えます。
明確化することで、従業員に自社の戦略を示せ、後述するKPI設定で具体的な目標設定できるのです。
なお、KGIは数値目標であり、あいまいには設定しません。
企業内外の誰もが簡単に理解できるよう、目標値と達成時期を具体的な数字で示すことが必要となります。
ちなみに、あいまい(定性的)な目標を設定する「OKR」という有名な方法もあるので、後述します。
外部のステークホルダーから理解を得やすい
KGIを設定できると、外部のステークホルダーも「この企業はどこに向かって経営を行なっているのか」を理解することが可能となります。
KGI設定の具体例
ここではECサイト運営企業を例に、KGIの具体例を2つ見ていきましょう。
開業して間もないECサイトでは、売上高やサイトの訪問客数を伸ばして、自サイトに十分な規模があることをアピールする必要があるでしょう。
したがって、この段階では「1年後の決算時に売上高を150%にする」や「半年後の月間訪問客数を2倍にする」などのKGIが考えられます。
ある程度、規模が出てきて、株式の上場などを考えているECサイトになってくると、設定すべきKGIは変わってきます。
実際、外部の株主が気にする点は色々とあります。
たとえば、本業でどのくらい儲かっているのかを示す営業利益や、どれだけ株主資本を効率的に投資しているかなどが考えられます。
したがって、「3年後の上場に向けて、2年後の決算までに10億円の営業利益を達成する」や「上場直後にROE5%を達成する」などがKGIとして考えられます。
KGIを設定するときの注意点
KGI設定方法としては、SMARTモデルが活用できます。
SMARTモデルとは、以下5つの要素を意識することです。
- 明確性(Specific)
- 計量性(Measurable)
- 現実性(Achievable)
- 結果指向または関連性(Result-oriented or Relevant)
- 適時性(Time-bound)
特に、4.結果指向または関連性においては「結果」と「企業が持つ理念・ビジョン」の関連性が必要になります。
つまり、企業理念では「自社で働く従業員を幸せにします」と語っていながら、KGIでは株主利益のことしか設定していない企業等は、この点が欠けているわけです。
KPI、KFS、OKRなど紛らわしい用語の解説

KPIについて
KPIとは
KPIは、日本語で「重要業績評価指標」、「重要達成度指標」と呼ばれています。
これは、目標を達成するためのプロセスの達成度合いを評価するために指標です。
KPIの意味や設定方法、設定時の注意点など詳しくは以下の記事に載っています。
よろしければご覧ください。
KGIとの相違点
KGIとKPIの相違点は「ゴール」か「プロセス」かです。
KGIがビジネスのゴールの指標であり、KPIがゴールまでの中間指標となります。
KSFについて
KSFについても、詳しくは以下の記事に載っています。
よろしければご覧ください。
OKRについて
OKRとは
OKRとは目標と主要な成果によって、高い目標を達成させるための目標管理のフレームです。
OKRは、単に目標ではなく「求められる主な結果」を明確に測定できます。
KGIとの相違点
KGI、KPIは部署ごとで設定しますが、OKRは会社全体で設定します。
これにより、部署の垣根をこえて目標を共有することができるため、会社がひとつとなって目標に向かうことができます。
成功の鍵:「自社分析」がなぜ必要なのか

KGIにしろOKRにしろ、成果を出すには自社分析が最重要です。
というのも、達成したい目標に必要な要素の洗い出しに失敗していれば、当然、目標は達成できないからです。
いわゆるVUCAといわれるように、 現代は先行き不透明で不確実です。
経験や勘にのみ頼った要素の洗い出しや数値目標の設定では、成果につながりにくくなっています。
また、外部環境は分析できても変えられない一方、自社の内部環境は分析すれば正しく改善できます。
そして、分析や管理を効率的にできる方法は確立されており、ツール化されています。
具体的には、CRMやSFAです。
CRMやSFAで売上を192%伸ばした事例やKPIの2.2倍の実績を出した事例など、今や大企業以外でも成功事例がとても多くなっています。
SFAやCRM自体について詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
KGIからKPIを設定するには
上述したように、KGIは最終目標の達成度合いを表したもの、KPIは最終目標を達成するためにする活動の達成度合いを示すものです。
そのため、KGIとKPIは一緒に設定することで効果を発揮します。
よくあるKGIの失敗事例3つ

KGIとKPIの効果的な設定においてはSMARTモデルが有効と述べましたが、これをしっかりと理解していないとさまざまな失敗が発生します。
本項では、KGIとKPIの設定において、SMARTモデルが欠けてしまったときの失敗例について見ていきたいと思います。
よくある失敗例①明確性と計量性が欠けている
ありがちな失敗例として、明確性(Specific)と計量性(Measurable)が欠けているケースをまずは見ていきたいと思います。
最近では「とにかく売上高を上げる」のようなKGI設定のミスは見かけなくなりましたが、働き方改革の影響などで「従業員満足度の高い職場環境を作る」のようなKGIを掲げる企業があります。
これは、明確性(Specific)と計量性(Measurable)が欠けているケースです。
これでは、その次のKGIの分解やKPI抽出へ進むことができません。
たとえば、これが「1年後の従業員満足度調査で現在5段階で平均3である評価を3.5に改善する」などとなれば、これは明確性(Specific)と計量性(Measurable)が確保されているケースと言えるでしょう。
よくある失敗例②現実性が欠けている
次に、現実性(Achievable)が欠けているケースです。
こういうケースは散見されますが、特にトップダウンの強い企業などで「次年度の売上高は倍増を目指す」等のKGIが設定されるケースがあります。
もちろん、現実性の判断については、過去や経済情勢との比較が必要となります。
しかしながら、物価が安定している日本で昨年までの売上伸び率が10%程度の企業が上記KGIを設定したとしたら、現実性(Achievable)が欠けているケースと言われても仕方がありません。
よくある失敗例③関連性が欠けている
SMARTモデルの各要素の確保で最も難しいのが、このケースです。
つまり、KGIとKPIの設定に関連性がない、もしくは関連性が低いケースです。
たとえば、売上高10%増がKGIであるのに対して、「粗利益改善のために仕入単価を下げる」のようなKPIを設定してしまうことが挙げられます。
また、分解された要素のなかでインパクトの弱いものをKPIとして設定してしまうこともあり、これは関連性が低いケースと言えます。
KGIとKPIを設定したにも関わらずしっかりとチェックしていない企業や、KPIの抽出を精査しきれてていない企業などで散見されるケースなので、注意が必要です。
ポイントを押さえたKGI・KPIを設定し、確実な成果を!

本記事ではKGIについて、さまざまな視点から解説しました。
国内企業でKGIを設定して成功している企業は非常に多くあるので、ぜひ今回紹介した情報をいかして成果を出せるKGIを設定してください。
また、KGIの正しい設定方法を知っていても、自社の現状を正しく分析できていないとKGIを達成できるKPIを設定できません。
成功企業がもれなく使用している、CRMやSFAの導入も積極的に検討してください。