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KPIの設定方法を徹底解説!成果につながる3つのポイントも紹介
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KPIの設定方法を具体例を用いて解説!成果につなげる3つのポイントも紹介

業績管理における「KPI」を正しく運用できている組織はけっして多くありません。KPIは、目的を十分に理解したうえで適切に設定することで、はじめて効果があらわれます。

本記事では、正しいKPI設定の方法やよくある失敗例、成功のコツを解説しています。「KPIを部門のマネジメントに生かしたい」という方はぜひ参考にしてください。

KPIを設定する目的

KPI(Key Performance Indicator)は、目標達成に向けた各プロセスにおいて、達成度合いを計測するための指標です。日本語では「重要業績評価指標」や「重要達成度指標」と呼ばれます。

KPIの基礎知識は以下の記事で詳しく解説しています。

参考:【図解】KPIとは? KGIとの違いや方法を具体例とともに簡単解説

KPIの目的や必要性を十分に把握することで、さまざまな指標を分析・解釈する精度が向上します。そこで、以下では「なぜKPIを設定する必要があるのか」をくわしく解説します。

課題を見つけ出すため

KPIを設定することで、ビジネスの現状が可視化されます。

たとえば、KPIの現状数値を時系列で比較すると、過去と比較して「良化している要素」と「悪化している要素」がわかります。悪化している要素(課題)が明確になれば、業績アップに向けたより有効な戦略を策定可能です。

組織の最終目標を達成するうえで、KPIを用いた現状分析や課題の発見は欠かせません。

確保するリソースを明確にするため

KPIを設定することで、課題改善に向けた施策を実行する際「どのチームに」「どれくらいの予算・人員を割けばいいのか」が明確化します。

たとえば「案件化率を向上させる」という目標は漠然としており、どの程度のリソースを確保すべきなのかが見えてきません。

KPIとして「案件化率を28%から32%に引き上げる」と具体的に設定することで、現状と目標の差分を加味し、費やすべき時間や人員数を計算できるようになるでしょう。

結果としてリソース配分のムリ・ムダがなくなり、最終目標達成の確度が高まります。

組織の推進力を高めるため

KPIが持つ「具体性」は、最終目標達成に向けた組織全体の推進力を高めます。

たとえば「案件化率32%を目指す」というKPIが設定されていれば、各メンバーが共通認識を持ったうえで行動できます。「顧客への接触回数を増やしてみよう」「電話対応が得意な先輩に、顧客の課題感を引き出すコツを教えてもらおう」など、アクションプランも具体化するでしょう。

同じ数値目標を共有するメンバー間の協働体制も構築しやすくなり、組織全体のモチベーション向上が期待できます。結果として、プレイヤーとマネージャーが同じ方向を向いてビジネスを解決に導けるようになるのです。

数値にもとづいてPDCAサイクルを回すため

ビジネス活動の効果が可視化されていなければ、改善に向けた施策を実行することはできません。

たとえば「マネージャーの経験や勘」にもとづいた属人的な目標管理では、目指すべき指標が曖昧になり、活動も「なんとなく」に終始します。打った施策が効果的だったのか否かも検証しづらくなるため、結果として最終目標の達成が遠ざかるでしょう。

明確なKPIが設定されていれば、施策の効果が可視化されるためPDCAサイクルが活性化します。数値にもとづいた根拠ある改善策を見い出せ、ビジネス活動の効率化が期待できるのです。

KPIの設定方法【具体例あり】

メンバー全員が同じ方向を向いてビジネス活動に励むために、マネージャーは正しいKPIの設定方法を身につけておく必要があります。以下ではKPI設定の手順を、営業部門の具体例を用いて解説します。

1. KGIを設定する

KGI(Key Goal Indicator)は最終ゴールを意味する指標で、「重要目標達成指標」と呼ばれます。中間目標であるKPIを設定するためには、当然ながらはじめに最終目標(KGI)を設定する必要があります。

KGIは、以下の数値を指標にするケースが多いです。

特徴
売上高 ・誰にとってもわかりやすい
・組織に浸透しやすい
・コストの概念が含まれない
粗利益 ・原価の視点が含まれる
・ブランド価値を測れる
・販売費(人件費や宣伝費)を考慮できない
貢献利益 ・固定費(家賃や光熱費など)を無視できる
・部門の成果を見える化しやすい

貢献利益は、売上高から変動費(人件費や外注費など)を引いて求めます。各部門の努力でどうにもならない要素(家賃や光熱費など)を度外視できるのが最大のメリットです。

各製品や各部門が企業の利益にどれだけ貢献したのかを見える化できるため、近年は貢献利益をKGIとして設定する企業が増加しています。

2. KGIを要素分解する

設定したKGIを要素分解し、KPIの候補となる指標を導き出します。代表的な要素分解の方法は以下のとおりです。

KPIツリーを用いる

KPIツリーで要素分解する

KPIツリーを用いると、上記のようにKGIを要素分解できます。目標達成のために必要な事項や、うまくいかなかった原因を可視化する際に有効です。

業務プロセスを用いる

業務プロセス分解の例

KPIツリーで導き出した指標にかかわる業務を、さらにプロセスで分解するとマネジメントに生かしやすくなります。メンバーの一人ひとりが取るべきアクションプランが明確になるため、KPIツリーとあわせて用いることをおすすめします。

3. KPIと目標値を設定する

KGIを要素分解して導き出された指標から、特に重要視すべきものをピックアップしてKPIに設定します。主要KPIを絞り込む際は「部門でコントロールしやすいこと」や「変動幅があること」などを基準にすると良いでしょう。

上記のKPIツリーで導き出した「商談数」と「受注率」を例として考えます。

商談数は、見込み客の購買意欲の醸成力を強化したり、コンタクト回数を増やしたりすれば良化する見込みがある数値です。つまり「部門の努力でコントロールしやすい」指標だといえます。

一方で受注率は、平均30%程度に落ち着くことが多く、部門の努力によって大幅に向上させることが難しい数値です。

ゆえに、KPIとして設定するのは「商談数」が適していると結論づけられます。この際、あわせて具体的な数値目標(商談数50件など)も設定することが大切です。

4. 軌道修正の方向性を決める

当初設定したKPIを順調に達成していくことが理想ですが、実際はさまざまな要素により進捗率が悪化するケースが大半です。

KPIが悪化してから軌道修正の方法を検討しても手遅れになることが多いため、あらかじめ以下の事項を決めておくとスムーズに対策できます。

タイミング (例)2週間後に
乖離の程度 (例)目標数値よりも10%低い場合
対策 (例)商談のキャスティングを変更する

KPI設定のよくある失敗例

KPI設定の際に発生しがちな失敗例を紹介します。以下のパターンに該当しないよう、設定・運用の際は注意が必要です。

KPIが多すぎる

設定するKPIが多すぎると、以下に代表されるさまざまな弊害が生じます。

  • マネージャーの管理負荷が増す
  • メンバーの行動目標がブレる
  • データの分析にコストがかかる

KPIに縛られることで業務の柔軟性が失われ、メンバーの目標達成意欲の低下を招くことが最大のデメリットです。KGIを要素分解した際に導き出された候補のなかから、重要なものに絞り込んで運用しましょう。

プロセスばかりに注目してしまう

KPIの達成を目指す際は、数値管理や報告業務、ツールの導入などに注力しすぎないよう注意しましょう。資料作りや集計に工数をとられ、本来の業務を圧迫してしまう危険性があります。

業務全体を俯瞰したうえで、どの工程にどれくらいの労力を費やすべきなのかをあらかじめ検討しておくことが大切です。

本来の目的を見失う

KPIの数値達成に執着するあまり、本来の目的を見失うケースは典型的な失敗例です。メンバーへ数値責任ばかり追求していては、組織全体の方向性はブレていきます。

KPIで設定する数値は、あくまで最終目標を達成する通過点。取り組みは「最終目標」や「ゴール」に向けたものだということを、マネージャーがメンバーへ動機づけすることが大切です。

部門間の軋轢が生じる

部門間が分断されている組織の場合、それぞれの部門が設定したKPIが軋轢の原因となる可能性があります。

たとえば、営業部門が受注率を向上させたいあまり強引なクロージング手法を用いたとすると、カスタマーサクセスの重要KPIである「顧客継続率」が低下します。

このような事態を防ぐためには、部門間の連携を強化し、それぞれのKPIを共有・可視化するなどの工夫が必要です。

KPI設定のコツ3選

KPI設定を成功に導くコツを以下で紹介します。失敗回避のポイントとあわせておさえることで、KPIの効果が最大化するでしょう。

1. 数値と意図をセットで共有する

KPIをチームメンバーに共有する際は、数値のみを伝えてもうまくいきません。KPIを単なる「数字」として扱うのではなく、ビジネスを成功に導く「論理」とともに共有することが大切です。

数値単体の目標よりも、論理的なストーリーが乗った目標のほうが、メンバーは直感的に理解しやすくなります。

「なぜこの数値を達成する必要があるのか」を伝える努力を怠らず、チーム全体で共通認識を持てる工夫を施すことが、KPIを形骸化させない秘訣です。

2. SMARTの法則を意識する

KPIを設定する際によく使用されるのが「SMARTの法則」です。以下の5つの要素に当てはまるKPIを設定することで、組織への効果を最大化できます。

Specific(明確) 誰が見ても理解できるKPIを設定すること
Measurable(測定可能) 定量的なKPIを採用すること
Achievable(達成可能) 現実的で達成可能なKPIを設定すること
Related(関連性) KPIが企業のビジョンと一致していること
Time-bound(適時) KPI達成の期限が設定されていること

SMARTの法則の詳細は、以下の記事を参考にしてください。

参考:目標設定のコツと具体例を紹介! 定番フレームワーク「SMART」も解説

3. ITツールを活用する

効果的なKPIを設定するためには、現状を正しく把握・分析することが不可欠です。

売上にまつわるさまざまなデータを一元管理するCRM/SFAツールを用いることで、「定めたKPIはKGIに寄与するのか」「現状はKPIが目標からどの程度乖離しているのか」などの分析が容易になります。マネージャーの管理負荷も格段に減少するため、KPIの設定・運用を無理なく継続できるでしょう。

CRM/SFAツールの効果的な活用方法を学びたい方は、以下の資料をご活用ください。

「eセールスマネージャーRemix Cloud」で即実現!~CRM/SFAの活用方法のご紹介~

KPI設定を学べる書籍・セミナー

ここでは、KPI設定に役立つおすすめ書籍やセミナーを紹介します。

おすすめ書籍1.「2時間でわかる図解KPIマネジメント入門」

「横文字は苦手」という方にも理解しやすい、図解や事例でイメージできるKPIの実践書です。KPIを設定する際のフォーマットとして活用できます。

おすすめ書籍2.「最高の結果を出すKPIマネジメント」

リクルートのKPI社内講師を11年間、務めた筆者から、最強のKPIマネジメント手法が学べます。累計販売部数5万部を突破した、非常に人気のある書籍です。

基礎から応用までをカバーしているにも関わらず、読了に時間を取られません。KPIマネジメントを学ぶ入門書としておすすめです。

おすすめセミナー

ソフトブレーンでは、営業部門の目標達成に役立つセミナーを多数開催しています。組織の成果を最大化させたい方は、以下からセミナーの一覧をご確認ください。

KPIで組織の成果を最大化させる

KPIは、組織の進むべき道を明確化する指標です。設定を誤れば副作用も大きいため、本記事で紹介した失敗事例や成功のコツを参考に、正しいKPI設定方法を身につけましょう。

以下の資料では、適切なKPI・KSF設定でビジネスを成功に導いた企業の事例を紹介しています。ITツールを効果的に活用し、データにもとづいた数値管理を実現するポイントもまとめていますので、自社のKPIマネジメントを成功させたい方は、ぜひ参考にしてください。

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