CRMとは?基本機能や導入のメリット、活用事例をわかりやすく解説
CRMとは、Customer Relationship Management(顧客関係管理)の略で、顧客との良好な関係を築き、維持・向上するための経営手法やシステムを意味する言葉です。顧客情報を一元管理し、顧客一人一人に合わせた最適なアプローチを行うことで、顧客満足度を高め、企業の収益向上を目指します。
本記事では、CRMを基礎から解説し、導入や活用のコツについてもわかりやすく解説します。
このページのコンテンツ
CRMとは?まずは定義を知ろう

CRMと聞いて、ぼんやりとイメージは浮かぶものの、「こういうものです」と明確に説明できる方は多くはないと思います。その理由のひとつは、視点や立場によって「CRM」の指す意味が異なっているためです。あらためてCRMの定義を整理してみましょう。
CRMは「Customer Relationship Management」の略語で、日本語では「顧客関係管理」と訳されます。わかりやすく言いかえると、「顧客と良好な関係性を築き、継続していくための顧客管理」のことです。具体的には、氏名や住所、電話番号や購入履歴など顧客に関する情報を集めて管理・分析し、結果を営業やマーケティングなどに活用します。ただし最近では、CRMを実現できるツールやシステムのこともCRMと称する場合がほとんどです。
従来は、営業がそれぞれに担当を持ち、適切な対応、サービスを届けていました。しかし、労働人口の減少や技術革新、時代の移りかわりなどから営業を確保できない、もしくは肥大していく顧客ひとりあたりの情報量に対応しきれなくなり、顧客に適切なアプローチができなくなることが予想されます。
この悩みに先手を打つのがCRMであり、CRMの実現を強力に支援してくれるのがCRMツールです。
CRMツールは「顧客情報を管理する」機能を搭載しています。たとえば、ウェブサイトから資料をダウンロードした際の情報や、交換した名刺などから得た氏名、所属企業、役職、部署などの顧客情報の一元化が可能です。また、顧客の購買情報や過去の取引情報も集約できます。
さらにCRMツールに蓄積された顧客情報を管理・分析し、顧客一人ひとりのニーズやタイミングに合った施策をおこなっていく手法を、CRMマーケティングと呼びます。
CRMという言葉が誕生した背景
CRM自体は比較的新しい言葉ですが、顧客管理の考え方自体は昔からありました。江戸時代の商人が大福帳を使って取引先との勘定を記録していたのは、その例と言えるでしょう。
現代的なCRMの概念は、1990年以降にアメリカで誕生しました。それまでは、マスマーケティングの考え方が主流でした。マスマーケティングとは、個々の消費者の好みは重視せず、市場のすべての顧客に対して画一的なアプローチをしかける手法です。
ただし、多額の予算が必要になる一方、マーケティングの効果測定が難しく、ターゲットが限定される製品やサービスは売りにくいといった課題がありました。
1990年代前半になって、アメリカでCRMの概念が体系化され、ITの進化に伴って本格的に広まりはじめます。
同時期、日本で起きたのがバブル崩壊です。経済が急速に冷え込み、既存顧客を大切にする重要性が見直されるようになりました。
その流れで、顧客の属性に合わせたマーケティングを行う「One to Oneマーケティング」が注目され、CRMを活用して顧客をフォローする動きが活発化していきます。
2000年代にはSFA機能を備えたCRMシステムが普及しはじめ、顧客管理から営業活動の支援まで一つの仕組みでできるようになりました。
CRMとSFA・MAとの違いとは?

CRMについてネットで調べると、SFA (Sales Force Automation) や、MA (Marketing Automation) といった言葉も目にすることでしょう。
SFAとは「営業活動の自動化」を指し、営業活動を円滑に進めていくことが主な目的です。また、MAは「マーケティング活動の自動化」を指し、購入意欲のある顧客を見いだし商談へと進めていく「リードナーチャリング」を支援することが主な目的です。
CRMツールとSFAツール、MAツールそれぞれの特徴について見ていきましょう。
CRMツール:企業と顧客の関係性を集約、管理する
CRMツールの主な機能は、顧客との情報の管理です。顧客の氏名、所属企業、役職、部署といった基本情報をはじめ、あらゆる情報を一元化し、その情報を活用することで、顧客ごとに適切なアクションを講じるための土台を築きます。
SFAツール:案件を通して営業と顧客の関係性を集約、管理する
SFAツールは、顧客との取引やプロジェクトなど「案件化された状態」を軸にした情報管理を行うものです。
主な目的は、商談やプロジェクトを円滑に進めて受注につなげていくことにあります。案件の進捗状況や、商談から契約までの目安の期間を算出するほか、過去の対応履歴を確認できる機能群を備えています。
案件に関わるあらゆる情報を集約して営業活動を円滑にするSFAツールと、CRMツールとでは線引きが難しいため、最近の傾向ではCRM/SFAと称されることが多くなりました。
参考:SFAとは?CRM・MAとの違いから機能、選び方まで解説
MAツール:顧客へのアクションを自動化する
MAツールの主な目的は、購入意欲のある顧客を見い出し商談へと進めていく「リードナーチャリング」を支援すること。MAツールを使うことで、「資料をダウンロードしてくれた見込み客に対して、どのような内容のメッセージを、いつ、どのような方法で、届けるか」を考え、指定した日時、方法で通知し、連絡を自動化できるようになります。
参考:CRMとMAの違いとは?ツールごとの機能の違いや連携させるメリットを解説
システム連携により実現できること
CRMにSFA・MAを連携させると、業務効率がより向上します。各システムが管理している情報をリアルタイムで共有でき、どこからでも閲覧できるようになるからです。
例えば、以下のように見込み客の獲得から商談受注までの一連の流れをスムーズに管理できるようになります。
- MA:顧客を効果的に育成し、確度の高いリードをSFAに引き継ぐ
- SFA:MAの情報をもとに、営業が顧客にあわせてアプローチ
- CRM:顧客の情報を一元管理し、継続的なフォローに活用
社内各部署や各担当者に散在していた情報がつながり、「誰に・いつ・どのような接点があったのか」がすぐに把握できる体制が整います。
各ツールを連携する大きな目的は、無駄をなくして効率的な動きをすることです。例えば、温まっていないリードに営業が電話をかけても成果につながる可能性は低く、効率的とは言えません。
各システムを連携することで、確度の高いリードを選んでアプローチすることが可能になります。
また、重要な顧客情報を、部門を超えて共有しやすくなり、組織として統一感のある動きができるようになります。
CRMを利用する目的
CRM/SFAツールを導入して成果を上げた企業では、主に次の3つが導入理由として挙げられています。
<CRM/SFAツールの導入を考えた理由>
- 価値観の多様化による国内市場の変化
- 既存顧客を他社に取られがちな状況
- 担当営業一人では十分な顧客対応が困難
それぞれ詳しく解説していきましょう。
価値観の多様化による国内市場の変化への対応
時代とともに価値観や市場はつねに変化してきましたが、現代は変化の速度、大きさが激しくなっています。インターネットやスマートフォンの発展以前の状況を思い出せば、顧客の実態が以前よりつかみにくくなっていることがイメージできるでしょう。
高度成長期やバブル期は、どの業界も現在と比べて新規顧客獲得がかんたんでした。他社に乗り換えた顧客も、高品質・低価格な商品を作れば取り戻せたからです。
しかし、現代は状況が異なります。既存顧客を維持、もしくは新規顧客を獲得するために顧客の実態を正確かつ効率的につかむことが求められ、多くの企業が頭を悩ませています。
自社商品が、誰に、どうして求められているかを正確に把握しないと商品が売れないという悩みの解決策を求めて、CRM活用に目を向ける企業が増えているのです。
LTVの向上による顧客離脱の食い止め
時代の変化は当然、顧客も感じ取り、対応しています。商品やサービスの魅力、トレンドなど、さまざまな変化を鑑みて取引を継続するか、他社へ乗り換えるかを絶えず検討しているのです。顧客離脱を食い止めるため、企業は既存顧客の状況を正確に把握し、最適なアプローチを見いだす必要があります。
ここで重要になるのが、LTV(Life time Value)です。
LTVとは、一人の顧客が取引開始から終了までにどれだけの利益をもたらすかを示す指標で、顧客生涯価値とも訳されます。LTVの向上は顧客により長く自社の製品やサービスを選び続けてもらうことを意味し、利益の安定化や新規顧客獲得コストの削減などのメリットがあります。
LTVの向上・顧客の離脱防止には、CRMの活用が不可欠です。CRMで管理することで、顧客に離脱の兆しが見えたタイミングを逃さずすぐさまフォローを入れられます。
参考:LTV(ライフタイムバリュー)とは?意味や計算方法・向上させる施策をわかりやすく解説
顧客情報を一元管理して、属人化から脱出
顧客との接点が多様化し、情報も加速度的に増えている今、営業担当が一人で顧客対応するのは困難といえます。顧客情報を一元管理し、リアルタイムで共有できるCRM/SFAツールを使えば、チームでの対応が可能です。
属人化からの脱出だけでなく生産性の向上にも繋がり、さらに、インサイドセールス部門でもCRM/SFAツールを活用すれば、優良顧客の育成(リードナーチャリング)にも大いに貢献できます。
企業と顧客の関係性が複雑化し、各社が後手に回ってしまっている中で、CRM/SFAツールを導入して成果を出した企業では、「攻めの一手」をCRM/SFAツールで見いだしたともいえるのです。
参考:リードナーチャリングとは?実践的な手法と失敗しないための注意点を紹介!
CRMの基本機能
1. 顧客情報の一元管理
CRMツールの最も基本的な機能は、顧客に関するあらゆる情報を集約・管理することです。氏名、連絡先、企業情報といった基本データに加え、過去の商談履歴、購入履歴、問い合わせ内容、Webサイトの閲覧履歴などを一箇所で管理できます。これにより、担当者ごとの情報散逸を防ぎ、組織全体で顧客情報を共有し、顧客理解を深めることが可能になります。
2. 営業支援(SFA)機能
営業活動を効率化するための機能もCRMの中核です。具体的には、見込み顧客の管理、営業案件の進捗状況の追跡、タスク管理、活動報告などが挙げられます。営業担当者は、自身の活動をCRM上で記録・管理することで、次のアクションを明確にし、効率的に営業を進めることができます。マネージャーは、リアルタイムでチーム全体のパイプラインを把握し、的確な指示を出すことが可能になります。
3. マーケティング支援機能
CRMは、マーケティング活動の効果を最大化するためにも活用されます。顧客データを基にしたターゲットリストの作成、メールマーケティングやキャンペーンの実施・管理、顧客セグメントによるパーソナライズされたアプローチなどが可能です。これにより、顧客のニーズに合致した情報を提供し、見込み顧客の育成から商談化までのプロセスを効率的に推進できます。
4. カスタマーサービス支援機能
顧客満足度向上に直結するカスタマーサービス機能も重要です。問い合わせ履歴の管理、FAQ(よくある質問)の提供、サポートチケットの管理、顧客からのフィードバック収集などが含まれます。これにより、顧客からの問い合わせに対して迅速かつ適切に対応できるようになり、顧客体験を向上させることができます。問題解決までの時間短縮は、顧客ロイヤルティの向上にも繋がります。
5. レポート・分析機能
蓄積された大量の顧客データは、レポートや分析機能を通じてビジネス戦略に役立てられます。売上予測、顧客セグメントごとの傾向分析、キャンペーン効果の測定、営業パフォーマンスの可視化など、多角的な分析が可能です。これらのデータに基づいた洞察は、経営層や各部門がよりデータドリブンな意思決定を行い、継続的な改善を図る上で不可欠です。
参考:【わかりやすく】データドリブンとは|意味や事例・支援ツールを紹介
CRMのメリットとデメリット
メリット
1. LTV(顧客生涯価値)の向上:企業の継続的な収益成長を実現
CRMの取り組みは、顧客一人ひとりのニーズに合わせたきめ細やかなアプローチを可能にし、企業と顧客のエンゲージメントを強化します。その結果、顧客は企業への信頼感を深め、長期的な関係へと発展しやすくなります。これは、企業にとって継続的な売上創出の源泉となるLTV(顧客生涯価値)の向上に直結します。
既存顧客へのアプローチを重視するCRM戦略は、効率的な収益増加を実現する上で、コストパフォーマンスの高い施策と言えるでしょう。
参考:LTV(ライフタイムバリュー)とは?意味や計算方法・向上させる施策をわかりやすく解説
2. 顧客情報を会社の資産として一元管理:データドリブンな経営を支援
効果的なCRMの実践に不可欠なのは、顧客に関する質の高い情報です。顧客の属性、購買履歴、問い合わせ内容、Webサイトの行動履歴など、顧客一人ひとりを理解し、最適なアプローチを行うための情報基盤が求められます。
企業としてCRMに取り組むことで、これらの顧客情報が一元的に管理され、組織全体で共有・活用できる資産となります。これにより、マーケティング、営業、カスタマーサポートといった各部門での連携が強化され、顧客体験(CX)の向上に貢献するだけでなく、データに基づいた意思決定を可能にし、企業のあらゆる取り組みの効率化と高度化を実現します。
参考:CX(カスタマーエクスペリエンス)とは?顧客体験向上のメリットや成功事例を紹介
3. 関係部門で情報をリアルタイム共有:一貫した顧客対応を実現
CRMに蓄積された情報は営業・マーケティング・カスタマーサポートといった関係部門がリアルタイムで共有でき、社内における情報のサイロ化を防ぐことが可能です。
誰でも同じ情報を見ながら対応できるため、顧客から問い合わせやクレームがあった際も、応対した社員によって話が食い違ったり、すれ違ったりすることがありません。
組織として迅速で一貫した対応ができるようになるため、顧客満足度の向上や信頼関係の構築につながります。
4. 既存顧客への的確なフォロー:離脱を防ぎアップセルやクロスセルにつなげて売上を拡大
CRMを活用すると「更新時期が近づいている」「利用頻度が落ちている」といった顧客の状況を把握することが可能です。適切なタイミングで連絡を入れ、更新を案内したり新たな提案をしたりできるので、離脱防止につながります。
利用状況に応じて上位プランや関連商材を案内すれば、アップセルやクロスセルに結びつけることもできるでしょう。CRMを効果的に活用することで、顧客の離脱防止による収益の継続や、売上の拡大が目指せます。
5. 営業活動を効率化:無駄をなくし成果につながる営業を実現
無駄の少ない効率的な営業活動が可能になることも、CRM活用のメリットです。
案件ごとのステータスやリードの確度がすぐに把握できるため、優先すべき顧客が分かります。商材への関心が薄い顧客にやみくもにアプローチをかけるといった無駄がなくなり、成約の可能性が高い案件に集中できるなど、効率的な営業活動ができるでしょう。
過去の多くの商談履歴や提案内容をすぐに参照できるため、「次にどのような行動をすべきか」を考えやすくなる点もメリットです。
デメリット
1. CRMシステムの導入・維持・運用にコストがかかる
CRMは、顧客データを一元管理し、顧客ニーズに基づいた最適なアプローチを実現するための重要な戦略です。顧客数や管理するデータ項目が増加するにつれて、手動での運用は限界を迎えます。そのため、CRM活動の効率化と成果最大化には、CRMシステムの導入が有効な手段となります。
ただし、CRMシステムの導入や維持には、初期費用だけでなく、継続的な運用コスト(人件費を含む)が発生することは事前に理解しておきましょう。かかる費用は、オンプレミス型を選ぶかクラウド型を選ぶかで変わります。
- オンプレミス型:ツールによって異なるが、初期費用で50万~200万円ほどかかる。ランニングコストは比較的抑えやすい一方で、定期的にメンテナンス費用が必要。
- クラウド型:初期費用は無料から数万円程度と比較的抑えられる。一方で、利用人数に応じてランニングコストがかかり、アカウント数が多いほど高額になる。
CRM本体以外にも、システムの選定、カスタマイズ、データ移行、そして日々の運用には、専門知識を持つ人材や外部リソースが必要となる場合があります。これらのコストを考慮した上で、長期的な費用対効果を見据えた計画を立てることが重要です。
2. CRMは即効性のある施策ではない
CRMは、単なるツール導入ではなく、顧客との信頼関係を時間をかけて構築していく取り組みです。様々なタッチポイントを通じて顧客理解を深め、パーソナライズされたコミュニケーションを継続することで、徐々にその効果を発揮します。
したがって、短期的に劇的な成果を期待するのではなく、数年単位の長期的な視点でその効果を評価していくことが重要です。施策ごとの細かな効果測定は行いつつも、顧客ロイヤルティの向上やLTV(顧客生涯価値)の最大化といった最終的な目標達成に向けて、根気強く取り組む姿勢が求められます。
3. 運用ルールの策定と社内周知が必要になる
CRMは、ただ導入するだけではうまく機能しません。効果的に運用し成果を出すためには、運用ルールを策定し、社内周知を徹底することが大切です。まずは管理者を決め、管理者が中心となって、入力や運用に関するルールを定めましょう。
ルールがあることで、データの一貫性が保たれ活用しやすくなります。CRMの利用を業務フローに組み込むことも大切です。業務の一環としてCRMを利用するようになれば、スムーズに定着します。
ルールを策定しマニュアルを整備したあとは、社員の教育が必要です。説明会でCRMの必要性を繰り返し説明し、研修を実施するなど、周知を徹底しましょう。社員全員が使えるようにし、CRMの活用で疑問が出たら質問できる窓口を決めておくなど、環境を整備することも大切です。
CRMを効果的に活用するコツ

CRM/SFAツールは導入すれば大きな効果を期待できますが、導入に失敗してしまう企業があるのも実情です。よくある失敗要因には、下記のようなものがあります。
<CRM/SFAツール導入を失敗してしまった要因>
- CRMを導入する理由や目的が不明確
- データ入力の手間がかかる
- 部署ごとに運用ルールが異なる
- 導入してすぐ効果が出るわけではない
CRM/SFAツールの主流はクラウド型であり、オンプレミス型ほど費用がかからなくなったといえ、ツール導入は企業にとって今もなお大きな投資です。失敗すれば企業は損害を被ることになります。
では、成功させるにはどうすべきか、失敗要因を生み出さずにCRM/SFAツール活用を軌道に乗せるための方法を探ってみましょう。
1. 目標を明確にする
目標がブレていると、せっかく資金をかけて導入を行ったCRM/SFAツールが、スプレッドシートで作成した顧客リストと変わらない存在となってしまいます。それを避けるために、社内の課題を確認し、明確な目標を立てることから始めましょう。
目標は現場社員が理解できて、受け入れられる内容である必要があります。現場のヒアリングも行えば、より身近な目標が立てられるでしょう。目標例としては、「年間の売上を20%上げる」、「受注率を10%上げる」などが考えられます。
目標を達成するために、全社におけるCRM/SFAツール運用ルールの統一化や、具体的なツール活用方法などの認識合わせをすれば、現場メンバーにもイメージしやすく、戦略も立てやすくなるはずです。
2. 戦略を構築する
目標を定めたら、実現に向けて戦略を考えます。自社の提供している商品・サービスの特徴や弱み、既存顧客の印象など、社内外から現在集められる情報を集めた上で戦略をより具体的に構築することが必要です。
たとえば「新規顧客の業界、企業規模を定める」など、戦略も具体的で精度が高いほど、CRM/SFAツールの活用方法がより具体的に定まります。
3. KPIなどの評価指標を定める
戦略を構築した後で、効果検証の指標となるKPIを定めます。KPI(Key Performance Indicator)とは、日本語で「重要業績評価指標」と訳される用語で、最終目的を達成する途中でどこまでできているかを測るために設定する指標です。設定することで進捗状況が確認でき、クリアしていなければ改善策を講じるなど、最終目標の達成に向けて適切な対策が取れるようになります。
営業部門であれば、KPIはリードの受注率、営業案件数などを設定することが一般的です。客観的に到達度を測るため、数値化できる指標を設定する必要があります。
CRMでは商談内容やその後の進捗状況など、数値化できない情報も時系列に検証できるので、必要に応じて検討しましょう。
マーケティング部門なら、メールの開封率で「50%開封されたら成功」といった基準や、ポテンシャルの高いリードの生成率などを指標に定めるのがよいでしょう。
効果検証とは一度で完了するものではないので、計画的に継続して行い、PDCAサイクルを作っていきます。状況に応じて微調整や内容更新も必要です。
参考:KPIとは?指標の設定方法とコツ、事例、KGIとの違いをわかりやすく解説
4. CRM/SFA導入の成果を実感できるまでの対策を行う
CRM/SFAツール導入が失敗する要因として、「導入する際のノウハウがなかった」といったものがよく挙げられます。また、導入後の情報を活用しきれなかったり、成果が出るまでに時間がかかって、効果を実感できない現場の社員がツールを使わなくなってしまうこともあるため、そうならないよう対策が必要です。
CRM/SFAツールを提供するベンダー企業は、失敗要因や想定されるネガティブな状況について多様なパターンを経験しています。ツールの導入ノウハウだけではなく、ツール導入前にすべきことや、成果が出るまでのリードタイム目安、現場のモチベーションキープ方法などの情報も提供しています。
参考:【2025年最新】CRMツールおすすめ21選!機能やできること、選び方を徹底解説
参考:【2025年版】SFA(営業支援ツール)比較18選!機能や選び方も解説
5. 定期的にデータを更新・分析する
CRMを活用するためには、定期的なデータの更新が欠かせません。
データが古ければ、顧客に適切な提案ができない恐れがあります。そこで、「問い合わせ対応や商談など顧客とやり取りがあったときは必ず入力する」といったルールを決めておくとよいでしょう。
蓄積したデータは、分析して活かすことが大切です。CRM分析で用いられる主な手法には以下があります。
- RFM分析:購入日・購入頻度・購入金額の3つの指標で優良顧客を見極める
- デシル分析:顧客を購入金額によって10グループに分け、優先順位を付ける
- LTV分析:LTVの額で重要な顧客を見極める
- セグメンテーション分析:属性で分類し、セグメントごとの傾向を把握する
- CTB分析:Category(商品のカテゴリ)、Taste(好み・テイスト)、Brand(ブランド)の3つの指標で分析し、人気や購入確率の高い商品・サービスを予測する
- CPM分析:購入日・購入頻度・購入金額・在籍期間の4つの指標で顧客を複数のグループに分けて傾向をつかむ
CRM分析の基本的な考え方は、顧客情報を活用して顧客理解を深め、適切な提案やフォローをしたり効果的なマーケティング戦略に活かしたりすることです。上記手法を活用して分析し、有効な戦略を立てましょう。
CRMは定性情報も分析できる
販売数や売上実績などの定量的な情報の収集・分析はどの企業でも行われているでしょう。CRM/SFAツールを活用すれば、メールの文面や件名などの定性的な情報を開封率といった定量的な指標で評価できるので、「メールではなく会報誌を配布する」といった、施策に活かすことが可能です。
メール以外でも、コールセンターでの対応内容を共有することで案内の重複、ミスマッチを防げます。また、「既存顧客からこの問い合わせが多いので、ユーザー会を実施するのはどうか」「弊社にとても満足をしてくれているので、事例記事を作成するのはどうか」など、顧客とのつながりを深めて優良顧客へと育成する施策立案にも役立ちます。
CRMの導入と活用成功事例

事例1:東通インテグレート株式会社〜コールセンターとの情報連携でサービス強化と成約率アップ
東通インテグレート株式会社は、ICT情報通信機器の販売の販売や施工、メンテナンス業のサービスを提供している企業です。導入前は部門間連携・全国の拠点間連携ができていないために情報共有が行えず、機会損失が起こっている状況でした。
リアルタイムな情報共有が常にできれば、お客様へのサービスを強化できる、と考えた同社は、組織環境に合わせ柔軟な設定が可能な、CRM/SFAツールのeセールスマネージャー導入を決定しました。
ツール導入後、お客様の履歴やキーマンとの接触情報などの状況が明確になり、上司から具体的なアドバイスを受けながら案件を推進することが可能になりました。また、タイムライン機能によって各部署、上司・部下のコミュニケーションが活発になり、案件の成約率が向上しました。
さらに、評価項目とリンクさせることで社員一人ひとりの行動が可視化され、適切な評価ができるように。仕組化された明確な行動基準のもと、会社全体で生産性向上に活用しています。
詳しくはこちらをご覧ください。
事例2:株式会社ボイス〜顧客情報の一元管理によりCSの向上
医療・商業施設を中心に、清掃、施設管理、警備など幅広いビルメンテナンス・サービスを提供している株式会社ボイス。従来のCRM/SFAツールでは他システムとの連携が取れていなかったため、手作業で基幹システムに情報を入力し直す必要があり、データの統一性が保てないなどの問題点がありました。
そこで、入力がフォーマット化され、誰にでもかんたんに登録可能で、必要なデータもすぐに取り出せる点、画面が見やすいという点が決め手となり、eセールスマネージャーの採用が決まりました。
それまで使っていたCRM/SFAツールは業務マネージャーの巡回計画を立てるためだけに利用されていましたが、eセールスマネージャー導入後は、営業部や総務部でも仕事の進捗管理や報告に活用されるようになりました。
さらに、入力されたデータを上司や他の社員もチェックできるようになったことで、チームとして臨機応変なフォローが可能に。顧客単位ではなく案件単位で記録を残すことで、進捗状況の全社間共有ができるようになり、密度の高い顧客アプローチが可能になりました。
同社ではさらなる顧客満足度の向上を目指しています。
詳しくはこちらをご覧ください。
事例3:株式会社リリーフ〜リアルタイムな情報共有で顧客対応迅速化
総合片付けサービス、海外でのリユース(再利用)事業を展開している株式会社リリーフでは、加盟店数拡大を目指すなかで、本部と加盟店との情報共有が迅速に行なうことができず、ブラックボックス化していました。また、外出先での情報武装ができず、顧客との打ち合わせで質問に即答できない、という課題も抱えていました。
FC展開していくにあたり、加盟店と本部のそれぞれで管理する情報の権限設定が詳細にできるセキュリティー面や、スマホ操作の使い勝手がよく、外出先からすべての情報が管理できる点から、CRM/SFAツールのeセールスマネージャー導入を決めました。
それまでは、加盟店の情報が共有されるまでに1日かかっていましたが、導入後はリアルタイムに共有できるようになったため、オーナーへの資料提供のスピードが上がりました。
さらに、顧客との商談情報を訪問直後に記録・共有できるため、見積の送付対応が早急に必要な場合でも、営業担当が入力した最新情報をもとに見積作成が迅速にできるように。営業1人あたりの仕事を分散できるようになったことで、内勤に要する時間を月20時間削減できました。
詳しくはこちらをご覧ください。
事例4:日本粉末薬品株式会社〜情報の一元化で案件化率をアップ
生薬、ハーブなどを医薬品原料・健康食品原料として製薬会社や健康食品メーカーに納入している日本粉末薬品株式会社。システム導入の前は、スケジュール管理と日報報告のツールがバラバラで、日報作成が特に大きな負担となっていました。また、顧客状況の把握に時間がかかり、レスポンス遅れも発生していました。
そこで、ツールの一元化によって業務効率化や顧客対応の迅速化を図るために、大手企業でも採用されている安心感から、eセールスマネージャーの導入が決まりました。
導入後は、過去の面談履歴を確認してから顧客の面談に臨むことが可能となり、売り込み型の営業スタイルから、ヒアリング重視の面談スタイルに変わりました。より顧客ニーズに即した提案ができるようになったことが、顧客満足度向上につながっています。
また、営業からリアルタイムな報告を受けることにより、マネージャーは最新の案件状況を把握できるように。迅速かつ的確な判断を下せるようになり、案件の推進率も向上しました。
詳しくはこちらをご覧ください。
以下の記事では、さらに多くの企業事例を紹介しています。気になる方は、ぜひ参考にしてください。
参考:CRM導入の成功事例10選!各企業における施策と効果・活用ポイントを紹介
CRMはDX実現のカナメ
デジタルトランスフォーメーション(DX)に注目が集まる今、多くの企業で社内の変革を求める声が強まっています。CRMへの取り組みは、組織内の複数部門を巻き込んだ、とても手間のかかるプロジェクトです。しかし、CRMが社内で実現すれば、変革を実感できるでしょう。
CRM/SFAツールのベンダー企業は、企業における変革を実現に結びつけるためにツールの開発を進めるほか、豊富な情報と強力なサポート体制を備えて、二人三脚で企業の変革を進めています。「CRMを導入してみたい」「DXを実現したい」と考えたら、まずはCRM/SFAツールのベンダー企業に相談してみてはいかがでしょうか。
営業ラボでは「CRM/SFAツール比較表」を無料で提供しています。
当ページのフォームより資料をダウンロードし、CRM/SFA導入にお役立てください。
参考:【2025年最新】CRMツールおすすめ21選!機能やできること、選び方を徹底解説













































