建設業における営業DXの手順、成功のコツを紹介
建設業の営業は、専門知識が求められる上に1つの案件にかかる期間が長くなることが多く、営業活動においてさまざまな課題を抱える傾向にあります。
そこで課題を解決する手段として近年注目されているのが、営業DXです。とはいえ、具体的に営業DXとはどのようなものか、どう進めればいいかなどがよくわからず、悩んでいる担当者も多いでしょう。
本記事では、建設業の営業が難しい理由や営業DXを進める手順などについて解説します。
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建設業の営業によくある悩み
建設業の営業でよくある悩みは、以下のとおりです。
- 営業活動の属人化
- 関連部門間での情報共有の不足
- 根強く残るアナログな習慣
いずれも営業活動の効率化を妨げる原因となるため、解決に努める必要があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
営業活動の属人化
建設業では、顧客情報や商談の経緯を営業担当者個人がExcelや手帳などで管理しているケースが珍しくありません。そのため営業活動が属人化してしまい、周囲が案件の進捗を把握できないこともしばしばあります。
営業活動が属人化すると、担当者の不在時に顧客から問い合わせがあってもすぐに対応できません。また、担当者の異動や退職があれば、顧客との関係やノウハウが失われるリスクもあります。
営業ノウハウが蓄積されないため、新人の育成が進まないという悩みを抱えるケースも少なくないのです。
関連部門間での情報共有の不足
建設工事では、営業担当者が顧客から聞き取った予算や工期、要望などを、設計や施工などの関連部門に正確に伝えることが必要です。ところが、部門ごとに異なるツールを使っていたり口頭で伝達していたりするケースも多々あり、情報の伝え漏れや認識のずれが起こるケースがしばしば見られます。
営業部門と現場部門で情報を十分に共有できていないと、顧客対応の品質低下につながります。手戻りによるコストの増加や、工期の遅れにもつながりかねないでしょう。
根強く残るアナログな習慣
建設業界は、他業界と比べて業務のデジタル化が遅れている状況です。特に中小企業では、現在も紙の書類やFAX、ホワイトボードでのスケジュール管理といったアナログな業務習慣が多く残っているところも少なくありません。
このようなアナログな環境では、外回りの営業担当者が日報作成や活動報告、見積書の承認などのためにわざわざ帰社しなければいけないでしょう。周辺業務に貴重な時間を取られ、より重要な顧客対応や提案活動に割ける時間が減る原因となっています。
建設業の営業が難しいと言われる理由
建設業の営業は、他業界と比べて難易度が高い傾向にあります。これは、顧客と長期間にわたって関係を築く必要があり、意思決定に関わる人数が多いなど、建設業界特有の事情があるためです。
ここでは、営業が難しいとされる主な理由を紹介します。
受注までにかかる時間が長い
建設工事には高額な費用がかかるため、顧客は契約までに慎重に検討を重ねることが一般的です。最初に顧客と接点を持ったときから受注するまでに、数カ月から数年単位の長い時間がかかることも珍しくありません。
契約を獲得するためには、長期間にわたって顧客と信頼関係を構築する努力が求められます。そのため、すぐに売上に結びつかない案件に対して、継続して営業コストが発生することは避けられません。
複数の長期案件を並行して担当している場合は、手が回りきらず、連絡すべきタイミングを逃してしまうこともあるでしょう。
意思決定に関わる人が多い
建設案件は金額も規模も大きいため、施主以外にも設計事務所や施工会社、設備会社、金融機関などさまざまな立場の人が関わります。誰が決定権を持っているのかは案件によって異なるため、施主だけに提案しても受注につながるとは限りません。
関係者それぞれの立場によって、要望も異なります。そのため営業担当には、それぞれの要望を把握し、関係各所に適切に働きかけて調整する高い折衝力や、優れたコミュニケーション能力が求められます。
高い専門知識や提案力が求められる
建設業の顧客は、価格以外にもさまざまな要素を考慮して発注先を選びます。たとえば、施工方法や工事品質、工期などです。また、営業担当者が信頼できるかどうかも重視される傾向にあります。
営業担当者は、顧客からの専門的な質問に対して適切に回答し、魅力的な提案ができなければ、信頼を得ることは難しいでしょう。そのため、営業担当者にも一定の専門知識が求められます。
採算性を確保しつつ、顧客の要望を具体的な計画に落とし込める提案力も必要です。
建設業の営業を成功させるための対策
建設業の営業を成功させる具体的な対策には、以下があります。
- 顧客情報を蓄積しニーズを把握する
- 自社の付加価値を具体的に伝える
- ツールを活用し営業活動を効率化する
顧客情報を蓄積しニーズを把握する
建設業の営業を成功させるには、顧客のニーズや課題を的確に把握することが欠かせません。そのためには、顧客の行動履歴やこれまでの問い合わせ内容、過去の提案内容などをデータとして蓄積し、分析することが必要です。
CRMを導入すれば、顧客情報を一元管理できるため、顧客理解を深めやすくなるでしょう。また担当者だけでなく、組織全体で顧客に関する情報を共有できます。
蓄積したデータを分析すれば「どのような提案が受注につながりやすいか」「失注の要因はどこにあるのか」といった傾向も把握可能です。
既存顧客に対しては、過去の施工内容や設備の更新時期を確認し、適切なタイミングで修繕やメンテナンスを提案できます。クロスセル・アップセルにつなげやすくなるでしょう。
自社の付加価値を具体的に伝える
顧客に選んでもらうためには、技術力や施工品質、環境配慮の取り組みといった自社の付加価値や強みを伝え、競合との差別化を図ることも大切です。施工事例や顧客の意見、技術者が持つ経験やスキルなどを整理し、わかりやすく伝えられるようにしましょう。
たとえば、オウンドメディアやSNSなど、複数の媒体で自社の強みを発信するのも効果的です。強みを伝える際は「環境に配慮した取り組みを行っています」といった抽象的な内容ではなく、顧客が得られる効果を具体的な数値と共に示す必要があります。
たとえば「省エネ設計によって、年間の光熱費を○%削減できる」などと伝えれば、顧客は自社が得られるメリットを理解しやすいでしょう。メリットが伝われば、自社が選ばれる可能性が高くなります。
ツールを活用し営業活動を効率化する
限られた人材で営業成果を高めるためには、CRMやSFA、MAなどのツールを導入して営業DXを推進すると効果的です。それぞれのツールは、以下のような役割を果たします。
- CRM:顧客情報を管理し、顧客との良好な関係の維持に役立つ
- SFA:商談から受注までの進捗を管理。営業の効率化に役立つ
- MA:見込み客の獲得・育成に役立つ
たとえば、出先からスマートフォンで活動内容を報告でき、自動でレポート作成を行うツールがあれば、営業担当者は外回りから日報作成のために帰社する必要はありません。
上司は営業担当者の活動内容をほぼリアルタイムで把握でき、適切なアドバイスをすることも可能です。難しいとされる建設業の営業であっても、自社の課題に適したツールを選定して活用すれば成約率の向上につながるでしょう。
建設業における営業・集客DXの手順
建設業の営業を効率化し、成約率を上げるためには、DXの推進が効果的です。国土交通省も、建設業では中長期的な担い手の確保・育成が喫緊の課題であると指摘しており、限られた人材で生産性を高める取り組みが求められています。
ただし、単にITツールを導入するだけでは、DXを成功させることはできません。ここでは、営業DXを進める手順を3つのステップに分けて解説します。
参照:国土交通白書|国土交通省
1. 課題を洗い出しDXの目的を明確にする
まずは、組織が抱える課題を明確にすることが必要です。営業部門だけでなく、設計や施工など関連部署の担当者にも意見を聞き、抱える課題を洗い出しましょう。たとえば、以下のような課題です。
- 複数のツールに同じ情報を入力しており、無駄が多い
- 商談内容を担当者しか把握していない
- 問い合わせがあってもすぐに該当する案件を探し出せず、対応が遅れる
このとき、経営層だけで考えるのではなく、必ず現場の意見も聞きましょう。次に、課題を踏まえてDXで何を達成したいのかを明確にします。たとえば、以下のような目的です。
- 入力業務のワンストップ化により入力時間を○%短縮
- 情報共有システムの構築による属人化の解消
- 顧客・案件情報と対応履歴を紐づけて一元管理し対応スピードを○%向上
目的が明確でなければ最適なツールを選ぶのは難しく、DXは推進できません。課題の洗い出し・目的の設定は、DXを成功させるために重要なステップなので、必ず行いましょう。
2. ツールを選定する
目的が明確になったら、達成するのに必要なデジタルツールを選定しましょう。どのような機能が必要かを考えることで、適したツールが選びやすくなります。建設業の営業DXでは、CRM/SFAシステムが有効な場合が多いでしょう。
ただし高機能・多機能な製品を選んでも、現場の担当者が使いづらいようであれば活用されず、データが蓄積されません。ツール選定の際は、「現場の営業担当者が操作しやすいか」を重視することが大切です。
たとえば以下のような観点を意識して製品を選びましょう。
- 画面がわかりやすく、直感的に操作できる
- スマートフォンやタブレットから簡単に入力や閲覧ができる
- 音声入力など、登録の負担を軽減する機能がある
- 既存の基幹システムやソフトとスムーズに連携できる
- 導入後のサポートが充実し、運用まで支援してもらえる
提供会社が上場企業かベンチャー企業かといった属性だけで判断せず、自社に必要な機能や操作性、サポート体制を比較することが大切です。無料トライアルなどを活用して現場の担当者に複数の製品の操作感を確かめてもらい、ツールを選びましょう。
3. 運用ルールを定めスモールスタートする
ツールを選定したら、運用ルールを定めた上で、スモールスタートで利用を開始しましょう。運用ルールでは、「誰が・いつ・何を・どのように入力・管理するのか」を具体的に決めます。
担当者任せにすると、入力が後回しになったり、必要な情報が登録されなかったりして、十分なデータを蓄積できない可能性があるためです。また、入力項目は必要最低限に絞ることも重要です。
自由記述を増やしすぎず、選択式の項目を活用すれば、入力の負担を抑えながら担当者ごとの表記ゆれも防ぎやすくなります。運用を始める際は、いきなり全社へ展開するのではなく、特定の部署やチーム、機能に限定して試験的に導入するのがおすすめです。
小規模で実際に使ってみることで、入力項目や業務フローなどの問題点を把握しやすくなります。試験運用を通じて課題を改善し、成果が見込めることを確認できたら、対象となる部署や機能を段階的に広げていきましょう。
万が一期待した成果が得られない場合は、使い方や運用ルールを見直し、必要に応じて別のツールへの変更も検討するのがおすすめです。本格導入後も定期的に効果を検証し、現場の声やKPIの達成状況をもとに運用方法を改善していくことで、営業DXを成果につなげられるようになります。
建設業における営業・集客DXの成功事例
営業DXを検討しているものの、どのように進めるべきか迷っている方もいるでしょう。導入方法や運用方法を検討する際は、実際の事例が参考になります。
ここでは、esm(eセールスマネージャー)の導入を決めた企業と、運用によって成果を上げている企業の事例を紹介します。
施工実績を組織の財産として蓄積・共有する – 松田電気工業株式会社
松田電気工業株式会社は、70年以上の歴史を誇る老舗で、奈良県を中心に電気工事や機械設備工事、消防設備工事などを幅広く手掛けている企業です。営業DXを進める前は、以下のような課題を抱えていました。
- 施工実績や顧客対応履歴を担当者が個人で管理している
- 必要な情報の確認がすぐにできない
「会社の重要な情報資産を次世代の社員に残す」との方針を掲げ、課題を解決するために同社が選んだのがeセールスマネージャーです。積み重ねてきた施工実績を社内で共有する仕組みの構築を進め、以下のような活用の実現を目指しています。
- 必要な情報に簡単にアクセスできる仕組みを作り、業務の効率を上げる
- 営業・工事・管理の各部門で情報を共有し、顧客対応のスピードアップを図る
- 蓄積したデータから顧客ニーズや契約更新などのタイミングを把握し、提案型営業を行う
長年蓄積してきた施工実績をデジタル化し、部門を越えて活用できる仕組みを整えることで、情報共有の効率化だけでなく、将来的な提案型営業にもつなげようとしている事例です。
継続的な利益の上がる会社の実現を目指す – 東邦レオ株式会社
東邦レオ株式会社は、緑化システムの設計・販売・施工を手掛ける企業です。同社は、競合他社が増えたことで営業力の強化を迫られるようになりました。
営業力強化につながるプロセスマネジメントの一環として、社員から提出された文書をPCに入力・管理することから始めましたが、作業量が多く、手が回らない状況となりました。
そこで、課題を解決するために導入したのが、eセールスマネージャーです。導入当初は入力を面倒に感じるとの声も上がったものの、まずは進捗管理に絞って運用したことなどが功を奏して、本格稼働後は入力率100%を達成しています。また、以下のような成果も上がっています。
- 案件の進捗をスムーズに把握できるようになり、優先順位をつけて効率的に対応できるようになった
- データ分析によって、ある製品の逸注要因が把握でき、適切なフォローによって逸注率の低減に成功した
ツールを導入するだけでなく、現場に定着しやすい運用方法を取り入れながら、蓄積したデータを営業活動の改善につなげている事例です。同社では、営業活動で得た市場情報や顧客の要望を商品開発にも生かしながら、継続的に利益を上げられる企業を目指しています。
建設業の営業DXを成功に導く国産CRM
ソフトブレーン株式会社が提供するeセールスマネージャーは、日本の営業現場にあわせて開発された国産のCRM/SFAです。施主や設計事務所、物件、関係者、活動履歴などを紐づけ、長期化しやすい建設案件を一元管理できます。
大きな特徴の一つは、シングルインプット・マルチアウトプットです。一度活動報告を入力すれば顧客情報や商談管理など複数の画面に自動で反映されるため、重複入力や資料の作成負担を軽減できます。また、スマートフォンに対応しているため、外出先からも入力可能です。
導入時だけでなく、運用開始後も定着するまで専任スタッフが支援する体制も特徴です。アドバイザーサービスを活用している顧客へのアンケートでは、93.8%が「満足」と回答しています。
まとめ
建設業の営業は、受注までに長い時間がかかることが多く、複数の関係者との調整も必要です。営業が属人化しやすく、関係者間での情報共有の不足に悩むケースも少なくありません。そこで注目されているのが、営業DXです。
営業DXを成功させるには、営業プロセスごとの課題を整理し、目的を明確にしてマッチするツールを選ぶことが大切です。CRMやSFAなどのツールを導入して必要な情報を一元管理すれば、案件の進捗や担当者ごとの活動内容が可視化され、効率的な営業活動が可能になるでしょう。
eセールスマネージャーは日本の営業現場にあわせて開発されたCRM/SFAで、建設業界でも多くの企業が活用しています。営業の属人化や情報共有の不足に悩んでいる企業は、ぜひご相談ください。












































