企業のマーケティング活動において、メルマガ配信は顧客接点を強化するうえでとても効果的なマーケティング施策です。本記事では、メルマガ配信を検討されている方向けに、メルマガで得られるマーケティング効果や方法、ポイントについてまとめて解説します。

メルマガの意味とは

メールマガジン（メルマガ）とは、電子メールを利用して定期的に情報を配信するデジタルコンテンツのことです。企業や団体が顧客や会員に向けて、新商品の紹介やセール情報、業界の最新ニュースなどを送ることが一般的です。

メルマガは顧客とのコミュニケーション手段として広く利用され、たとえば、新製品の発売情報やセール情報、専門知識のシェアなどが含まれます。個人や企業が興味を持つ人々に対してパーソナライズされた情報を提供することで、見込み客の獲得や関係の構築が可能です。

メルマガで得られるマーケティング効果とは？

メルマガで得られるマーケティング効果には主に「読者獲得効果」と「情報発信効果」の２つがあります。以下にそれぞれ解説します。

メルマガの読者獲得効果

メルマガでは読者である登録者のリストが蓄積されていきます。つまり、広告を掲載せずともメルマガを通してアプローチ可能な環境を得ることができるようになります。

具体的には、以下のような読者獲得効果が期待できます。

• 顧客へのPR機会獲得：メルマガ登録者リストから、特定の興味やニーズを持つターゲット層に限定して最も興味性の高い情報やPRを届けることができます
• 見込み客の顧客分析：登録者リストの顧客情報を収集・分析することで、メルマガや商品に興味を持つ顧客像を明確にできます
• 顧客接点の強化：メルマガを通じて顧客とのコミュニケーションを図り、信頼を高めることで関係性を深めることが可能です

メルマガの情報発信効果

メルマガを通じて情報発信を行うことで、企業は自社の製品やサービス、そしてブランドの価値を顧客に伝えることができます。

情報発信によって得られるマーケティング効果は以下のとおりです。

• 顧客→ファンの醸成：顧客の興味や関心に合わせた情報コンテンツでファン化へと導くことができます
• エンゲージメントの向上：アンケートやクイズなどの参加型コンテンツを取り入れることで、顧客の積極的な参加を促進できます
• 購買意欲の向上：新製品やキャンペーン情報の紹介、クーポンや特典の提供などで顧客を教育し、購買行動を促すことができます

参考：リレーションシップとは？営業やマーケティングで重要な理由を徹底解説

メルマガの作成方法

メルマガをマーケティング・営業活動として始めるには、大きく３つの手順で進める必要があります。本章でそれぞれ解説します。

① メルマガのコンテンツ選定

まずはメルマガの配信内容を決定しましょう。

メルマガのコンテンツ選定には、読者にとって価値のある情報を提供することが最も重要です。顧客獲得をめざす場合、ターゲットとする顧客層の興味やニーズを深く理解することが必要です。CRM（顧客関係管理）システムを活用し、顧客データを分析することで、よりパーソナライズされたコンテンツを提供することが可能になります。

主なメールマガジンのコンテンツ種類は、以下のようなものがあります。

コンテンツ選定の際は、これらの要素をバランスよく組み合わせ、読者にとって有益な情報を継続的に提供することが重要です。また、読者の反応を分析し、コンテンツの改善につなげることも忘れずに行いましょう。

② メルマガのデザイン作成

メルマガのデザインは、読者の関心を引き、情報を効果的に伝えるための重要な要素です。

魅力的なデザインは、読者がメルマガを開封し、内容を読み進める動機づけになります。そのため、営業部や経営企画部では、メルマガのデザインに特に注意を払う必要があります。

メルマガのデザインを考える際には、以下のポイントを考慮すると良いでしょう。

• 視覚的要素：色使い、フォント、画像の選択が重要です
• 情報の構造：読みやすさを考慮し、重要な情報を目立たせる構成を心がけましょう

③ メルマガの配信頻度を決定

メルマガの配信頻度は、その目的や読者の関心度によって大きく異なります。適切な配信頻度を見つけることは、読者の関心を保ちつつ、過剰な情報提供による読者の疲れを避けるために重要です。

一般的に、週に１回から月に１回の配信が推奨されますが、以下のように業界やコンテンツの性質によっては異なる場合があります。

• 週に１回：新製品の紹介やセール情報など、頻繁な更新が必要な場合
• ２週間に１回：業界のトレンドや分析など、より深い情報を提供する場合
• 月に１回：長期的な視点からのアドバイスや、読者との関係構築を重視する場合

最適な配信頻度を見つけるためはメルマガ施策を実施しながらPDCAを回して検証する必要があります。CRM（顧客関係管理）ツールを活用し、読者の反応や関心の変化にあわせて、より効果的な頻度で配信するように自動化する方法も有効です。

④ メルマガの配信ツール設定

基本的なメルマガの配信は、専用のメール配信サービスを用いて行われます。手動でも可能ですが、大多数の読者への配信や、各メールの開封率といったデータ分析が難しいため、配信ツールを活用することをおすすめします。

無料でも利用できるメール配信サービスは以下のとおりです。

• Mailchimp
• Hubspot
• める配くん
• Zoho Campaigns
• オレンジメール

配信したいメルマガ設定の機能有無や管理のしやすさなどから自社に最適な配信ツールを選び、メルマガ配信の設定を進めましょう。

メルマガ開始前の注意点

法的規制とコンプライアンス

メルマガを運用する際には、法的規制とコンプライアンスの遵守が不可欠です。特に、個人情報の取り扱いに関する法律や、電子メールの送信に関する規制に注意を払う必要があります。

これらの規制は国や地域によって異なるため、事業を展開する地域の法律を正確に理解し、遵守することが重要です。

主な法的規制には以下のようなものがあります。

• 個人情報保護法：顧客の個人情報を適切に管理し、不正アクセスや漏洩から保護するための法律
• 特定電子メール法：迷惑メールを防止し、受信者の同意なしに商用メールを送信することを禁止する法律
• 消費者契約法：不当な勧誘や誤解を招く広告を禁止し、消費者の利益を守る法律

読者のプライバシー保護

メルマガを運営する上で、読者のプライバシー保護は非常に重要な要素です。

個人情報の取り扱いには細心の注意を払い、法律やガイドラインを遵守することが必須となります。

• 個人情報の取り扱いに関する法律遵守
• 読者の同意を得た情報のみの使用
• セキュリティ対策の徹底

これらのポイントを押さえることで、読者との信頼関係を築き長期的な関係構築につながります。

メルマガを成功させるポイント

メルマガ運営において成功を収めるためには、いくつかの重要なポイントがあります。それぞれ以下で詳しく解説します。

① 読者層の明確化

ターゲットとなる読者の興味やニーズを理解し、明確に定めることが重要です。メルマガのコンテンツを決定する前に、まずは「誰にコンテンツを届けるのか」や「どういった顧客にアプローチしたいのか」を定めましょう。

② コンテンツの質

配信するコンテンツは、常に読者にとって有益で関連性の高い情報を提供する必要があります。SNSと同様に、メルマガも飽きられてしまうとメール開封率がどんどん低下していきます。コンテンツの質は常に担保しておくことが大切です。

③ CRMの活用

メルマガを成功させるためには、読者の反応を追跡し、関係を深めるためのデータ収集・分析が可能な「CRM（顧客関係管理）ツール」の活用が不可欠です。

CRMツールでできることは以下のとおりです。

• 顧客のデータ収集・分析
• セグメント別のメール配信
• メルマガ配信の自動化やスケジューリング
• メルマガ施策のデータ分析

CRMツールを用いることで、顧客の興味やニーズに合った最適なコンテンツ提供が可能になり、顧客の満足度向上や購買意欲の促進につながります。

参考：CRMとは？機能やメリット、導入時の選び方、活用のコツをわかりやすく解説

メルマガで顧客との長期的な接点を創出しよう

本記事では、メルマガの基本について、効果や作成方法、ポイントをわかりやすくまとめて解説しました。

誰もがさまざまな情報に自由にアクセスできる今、顧客と接点を持っておくことはマーケティング観点で非常に重要といえます。メルマガを定期的に配信し、効果測定をしながら改善していくことで、顧客との長期的な接点を持ち続けることが可能です。

営業・マーケティングでメルマガを最大限に活用し、顧客接点を強化して自社のビジネス成長につなげましょう。

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