タスク管理とは? ビジネスでの使い方や効率的な管理方法、ツールをご紹介
「タスク管理がうまくいかない…」「効率的なタスク管理方法があるなら知りたい」などのお悩みを抱えていないでしょうか? 自己流でタスク管理を行なっている場合は、より業務効率化できる可能性があります。
今回は5,000社以上の業務効率化を支援してきた弊社が、タスク管理のやり方やノウハウ、便利なツールの使い方をまとめて解説します。
タスク管理だけでなく、営業DXで生産性向上を目指したい方は、下記の資料をダウンロードしてみてください。
このページのコンテンツ
タスク管理とは
タスク管理とは、重要度や緊急度を考慮しながらタスクを管理することをいいます。1日のタスクが複数ある場合は優先順位を付けて取り組む順番を決めましょう。
タスク管理は、やるべきことを確実にこなすためのセルフマネジメントスキルとして注目を浴びています。
タスクの意味
タスク管理を行うために、タスクの意味を理解しておきましょう。タスクとは業務の最小単位をいい、それ以上分解できない作業をいいます。営業担当者の場合は「メール確認」「テレアポ」「提案資料の作成」「訪問営業」「日報の作成」などがタスクに該当します。
タスクとToDoの違い
タスクとToDoは混同されがちですが「期限の有無」が異なります。タスクは期限が定められている作業をいい、ToDoは期限が定められていない作業をいいます。
タスクには期限が定められており、期限内に終わらせないと他の作業に影響が出てしまうかもしれません。このように期限の有無が異なるため、2つを混合しないようにしましょう。
ToDoリストについて詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
ToDoリストとは?管理するメリットや方法、おすすめツール・アプリを紹介
タスクとプロジェクトの違い
タスクとプロジェクトも混合されがちですが「分解の可否」が異なります。それ以上は分解できない業務をタスク、そして、分解できる業務をプロジェクトといいます。
営業部署に課せられた目標達成に向けた動きや、イベント開催などをプロジェクトと呼び、プロジェクト達成に必要な一つひとつの作業がタスクです。
つまり、タスクはプロジェクト達成のために存在します。大きなプロジェクトの場合はチームタスクと個人タスクがあります。
チームタスク | プロジェクトに向けてチームでおこなうべきタスク 新商品発表イベントの日程や会場選定、発表内容の決定など |
個人タスク | プロジェクトに向けて個人がおこなうべきタスク 顧客訪問やアポ取り、提案書の作成など |
タスク管理を行うメリット
タスク管理を行うと6つのメリットが得られます。
タスク漏れを防げる
やるべきことを洗い出してタスク管理を行えば、タスク漏れを防げます。タスクをリストアップしておけば余裕を持ったスケジュールが組めて「何から手をつけていいかわからない」という事態も防げます。
タスクの進捗状況を可視化できる
タスク管理を行えば、スケジュール通りにプロジェクト完遂できるか判断できるようになります。複雑に見えるプロジェクトも、タスクの積み重ねです。各タスクの進捗状況を追えば、最終的にプロジェクトを成功させられます。
なお、問い合わせ対応や商談スケジュールの調整など、顧客にまつわるタスクを管理する際はCRM(顧客関係管理)ツールの活用が効果的です。
CRMとは?機能・メリットや選び方、活用のコツをわかりやすく解説
タスクのボリュームを把握できる
タスクを終えた後に所要時間をメモしておけば、どれぐらいのボリュームか把握できます。次回、同じタスクが発生したとき、どの程度の所要時間がかかるか判断できるため、段取りよく仕事を進めていけるようになります。
業務効率化が図れる
やるべき事を洗い出してタスク管理すれば、どのような段取りで仕事を進めればよいか分かり、業務効率化が図れるようになります。たとえば、メール確認やテレアポなどデスク上でできる仕事はまとめてやれば効率化できます。
マネジメントに役立つ
チームのマネジメントをするためにもタスク管理は欠かせません。
マネージャーには部署の責任者として部下の進捗状況を正しく把握する必要があります。また、部署の目標を達成させなければいけません。
このようなチームマネジメントにタスク管理は役立ちます。部下の進捗状況がどの程度なのか把握しやすくなり、作業時間が短くなっているか測定すれば生産性向上が見込めているかを計測できます。
重要な業務により多くの時間を割ける
重要な業務により多くの時間を割けるようにすることも、タスク管理に取り組むメリットです。『営業デジタル革命』(角川淳著、日本経済新聞出版社)では、タスク管理の重要性が以下のように書かれています。
本来営業担当者は、営業活動を行う上で重要な作業に対し、より多くの時間を振り向ける必要があります。タスク管理を行うことで、優先してやるべき仕事に多くの時間を費やすことができます。
(p20-28)
タスク管理の基本の流れ・やり方
効率的なタスク管理の流れは確立されており、企業で実践されています。具体的なやり方をまとめると以下の5ステップになります。
- タスクを洗い出す
- スケジュールを設定する
- 他の人のタスクを意識する
- リスケジュールする
- 改善と標準化を行う
ここでは、各ステップについて詳しく解説します。
①タスクを洗い出す
まずは、全タスクを洗い出します。以下の手順で行うと効率的です。
- 「書き出す」:やるべきことを漏れなくリストアップし、種類別に分ける
- 「細分化する」:リストアップしたタスクの内容を細分化し、不明点がないか確認する
- 「期限を決める」:タスク別に実現可能な期間を検討し、期限を決める
上記はWBSというタスク洗い出しの手法で、正確に洗い出せます。
②スケジュールを設定する
タスクに必要な時間と人員を考えて、スケジュールを設定します。
基本的には、ガントチャートやカレンダーを使います。専門的なスキルが必要なタスクがある場合はスキルマップと担当表を作成するとよいでしょう。
営業やマーケティング部署の場合は、目標があるはずなので、繁忙期などを考慮した上でタスクを設定します。
各人員の能力とプロジェクトに使える時間をきちんと考えた上で、現実的なスケジュールを組むのが重要です。
③他の人のタスクを意識する
プロジェクトチームに参加している場合は、他のメンバーと歩調を合わせながら作業を進めていく必要があります。
たとえば、大規模システム開発ではプログラム別に担当者が決まっており、他の人のタスクに遅れが出ると自分のタスクにも影響が出ます。このような場合、どのようにリカバリーするかを考えなければいけません。あらかじめ他の人のタスクを意識しておけば、補助しやすくなります。
④リスケジュールをする
タスクの見落としや進捗に遅れが発生した場合は、リスケジュールをします。
各個人のタスク状況をきちんと把握できていれば、遅れの補填に回せる人員が居るか判断できます。
スケジュールを全員に共有できていれば、そもそも遅れを発生させないことにもつながるので、ツールによって進捗状況を全員に見えるようにしておくべきでしょう。
⑤改善と標準化を行う
当初のスケジュールと現実にプロジェクトを完遂したスケジュールを見比べたり、リスケジュール時のメモを見たりして改善策を検討します。
営業活動などの業務でも、うまくいったパターンとうまくいかなかったパターンがあるはずです。
「この時期はこうしておくべき」といった改善策を立案し、次回以降のために標準化してください。タスク管理の際にPDCAを取り入れるとより効果的です。
PDCAについて詳しくは以下の記事をご覧ください。
PDCAとは?意味やサイクルを回すポイント、業務改善の具体例を解説
タスク管理を行う際にチェックすべきポイント
以下の4点をチェックすれば、きちんとしたタスク管理ができているかを把握できます。
タスク内容が明確であるか
プロジェクトの最小単位がタスクである以上、抜け漏れなく、これ以上分解できない最小限のアクションになっていなければなりません。
自分自身や部下が具体的になにをすべきかわからないようでは、タスクが明確になっているとはいえません。
やるべきことを明確にするには「全タスクの洗い出し」を徹底的にやることです。必要に応じて上司を交えて行うとよいでしょう。
実行可能な計画であるか
設定したスケジュールに無理があれば、どんなにタスク管理をしてもプロジェクトは失敗します。
したがって、タスクの工数を正確に把握するか、ある程度の余裕を持たせたスケジュールになっているかを確認しましょう。
無理のあるスケジュールの場合は、タスクを再度割り振ったり、優先度の観点から後回しにするタスクを割り出したりする必要があります。
タスクの優先順位は明確であるか
プロジェクトの完遂には、全タスクの完了が必須です。
しかし、AのタスクをこなすにはBのタスクが先に完了している必要がある、あるいは、特定の誰かでないとこなせないタスクがある、といった事情があるでしょう。したがって、タスクの優先順位が明確になっているか確認する必要があります。
優先度が明確でない場合は、「アイゼンハワー・マトリクス」を使い、優先順位を決めましょう。
- 重要度高 × 緊急度高 → すぐにやる
- 重要度低 × 緊急度高 → だれかにまかせる
- 重要度高 × 緊急度低 → いつやるか決める
- 重要度低 × 緊急度低 → あとでやる
段取りの基本は守れているか
タスクは1人で完了できるものばかりではないはずですし、事前に確認すべきことや根回しなども必要な場合があるはずです。
したがって、段取りの基本が守れているかも確認する必要があります。
段取りに問題がないかは、「HIROEN(披露宴)」という視点で確認するのがおすすめです。
- HEAR:だれかに聞いておくべきことは?
- INFORM:だれかに知らせておくべきことは?
- REQUEST:だれかに依頼しておくべきことは?
- OPERATE:自分が実行しておくべきことは?
- EXAMINE:調査や試験、検討すべきことは?
- NEGOTIATE:交渉しておくべきことは?
タスク管理に役立つ4つのツール
タスク管理に役立つ4つのツールをご紹介します。
ノートや手帳とペン
ノートや手帳とペン、あるいはホワイトボードや付箋を使ったタスク管理は、手軽な方法です。多くの人が手帳で日々のスケジュールを管理しているように、紙とペンを使う方法は個人のタスク管理をする上では問題はありません。
ただし、この方法だと複数名でタスク管理しづらいため、複数名でタスク管理する場合は他の手段を選びましょう。
エクセル
エクセルをタスク管理に使うメリットは、テンプレートが用意されていることです。テンプレートを使えばタスク管理表を簡単に作れます。
マイクロソフト公式サイトで無料ダウンロードできるエクセルテンプレートの一部で、タスクリストやガントチャート、スケジュールなどがあります。
エクセルの使い方や基本機能については、以下の記事で詳しく解説しています。
Excel(エクセル)の使い方・基本機能を初心者向けに解説【2024年版】
Googleスプレッドシート・Excel Online
引用:テンプレート ギャラリー|Googleスプレッドシート
GoogleスプレッドシートやExcel Onlineはインターネットにつながっていれば、いつでもどこでもリアルタイムで更新やチェックをできるツールです。
常にデータを同期しているので、複数人で編集してもデータが失われることもありません。
テンプレートが無料で提供されているので、タスク管理表を作る手間などを省けます。
汎用性の高さから、タスク管理もできなくはないスプレッドシートやエクセルですが、やはり便利さやストレスのなさではタスク管理専用のツールに敵いません。
スプレッドシートについて詳しくは以下の記事をご覧ください。
Googleスプレッドシートの使い方|作成や共有方法、スマホでの利用法を解説
タスク管理ツール
タスク管理ツールを活用すれば、より効率的にタスクを管理できるようになります。タスク管理ツールの主な機能には以下のようなものがあります。
プロジェクト管理 | 複数のボードを作成してタスク管理ができる |
ToDoリスト | メンバーにタスクを割り振る |
カンバン | 付箋のようにタスクを追加・管理できる |
ガントチャート | プロジェクトの工程管理ができる |
コメント | タスクに対してコメントを追加できる |
ファイル添付 | タスクを行う上で参考にすべきドキュメントや画像データを添付できる |
詳細情報の記入 | タスクの期日や分類などを設定できる |
タスク検索 | タスク情報を検索できる |
タスク通知 | タスクの期日が迫ってきたり、完了した場合に通知が飛ぶ |
これらの機能をうまく活用すれば、タスク管理や実行が効率化できます。また、スマホアプリでも同様の機能が使えるものがあります。
下記の記事では、おすすめのタスク管理ツールやタスク管理アプリをご紹介しているため、ツール選びの参考にしてみてください。
【2023年版_図で比較】タスク管理・todo管理ツールのおすすめ14選を徹底比較!
また、営業におすすめのタスク管理ツールを知りたい方は下記の資料をダウンロードしてみてください。
タスク管理マネジメントの成功事例
GMOメイクショップ株式会社様は、EC支援サービスを提供している会社です。オンラインショップ構築サービスでは22,000店舗の支援実績を誇っています。
取引者数が増えて、1人当たりの対応件数が増えたことから、営業効率化やタスク管理の見直しが行われました。その中で、Excelでの情報管理に限界を感じ、タスク管理機能付き営業支援ツール「eセールスマネージャー」を導入しました。
eセールスマネージャーのタスク設定機能やアラート機能によって営業担当者がセルフマネジメントを行えるようにし、案件の取りこぼしゼロをめざしています。各担当者の動きが可視化できた結果、会議の時間の短縮にも効果を発揮しました。
SFA(営業支援システム)についての詳細は、以下の記事を参考にしてください。
ツボを押さえたタスク管理で成果アップを
タスク管理を実施することで確実な目標達成や業務の進行効果が期待できます。この記事ではタスク管理の方法をご紹介したため、参考にしながら取り組んでみてください。
タスク管理が上手い企業は、タスク管理ツールを使用しているケースが多く見受けられます。近頃は無料で利用できるツールや、高機能でありながらリーズナブルなツールが登場してきているため、自社に合うツールやアプリを導入してみてください。
SFA(営業支援ツール)おすすめ比較12選!機能や違い・選定ポイントを解説
CRM(顧客管理システム)のおすすめ10選!選び方や運用のポイントも解説