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正しい「売上目標」を設定
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正しい「売上目標」を設定するためのプロセスやコツ

「来期の売上目標を立ててほしい」「売上目標からチーム・個人ごとに予算を設定してほしい」など、管理職以上の方は売上目標や予算に関わる機会が日ごろ多いのではないでしょうか。その際に、期待値のみで高すぎる目標を設定してしまったり、過去のデータのみに頼って売上目標を決めてしまったりしていませんか?今回は、正しい目標設定をすることの重要性や、プロセス・コツについて細かくご紹介していきます。

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売上目標を正しく設定することの重要性

売上目標とは

一定期間内において達成すべき売上額を、売上目標と呼びます。通常、この売上目標に対しては、例えば月毎に中期・短期的な営業計画が立てられるでしょう。営業職はこれに沿って活動を進めるほか、計画通りに活動できているのかを定期的に確認し、状況により改善に取り組むことができます。
しかし売上目標がなければ、日々なんとなく営業活動を行うことになるでしょう。今やるべきことが不明瞭だと、モチベーションも低くなり、大きな成果は期待できません。結果、売上が低迷し、経営そのものに打撃を与えてしまう可能性も考えられます。そのため、しっかり売上目標を設定し、その目標に向けて具体的な活動に取り組むことが大切です。

売上目標を達成するうえでは、KGI(最終目標)やKPI(中間目標)、KSF(事業の成功要因)への正しい理解が必要不可欠です。

正しい売上目標を設定することで得られる効果

売上目標は、営業活動を行ううえで目指すべき指針となります。売上目標が設定されていれば、そこから逆算して短期・中期的目標を定めたり、具体的に取り組むべき営業戦略を立案したりすることが可能です。適宜状況を確認することで、活動の見直しや改善に取り組むこともできるでしょう。

ただし、いくら売上目標を掲げても、これが誤っていては意味がありません。例えば手が届かないような明らかに達成不可能な目標では、いくら営業活動に取り組んでも達成イメージが持てず、モチベーションが低下してしまいます。また、最終的に売上目標が達成できないと、組織全体の志気も下がってしまうでしょう。もちろん日々の営業活動そのものに無理が生じ、かえって悪い結果を招きかねません。正しい売上目標を設定することは、組織全体の志気を高め、一丸となって組織成長に向けて取り組む原動力になります。

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なぜ目標設定を誤ってしまうのか

組織の中には、意図せず誤った売上目標を設定してしまっているケースが少なくありません。では、なぜ目標設定を誤ってしまうのでしょうか。ここでは、具体的に2つの要因について解説します。

1. 現場の意見・状況を顧みないトップダウンの目標になっている

売上目標を管理職や役員などのみで設定すると、無理な目標設定になってしまうことが多く見られます。これは現場感のない意見のみで実態が見えておらず、希望的数値でしか設定できないためです。
例えば「売上10億円は達成したい」「前年比200%の成長を遂げたい」のような思い、あるいは役員・株主からの要望をそのまま基準とした目標は、現場から見ると到底及ばない目標設定であることが少なくありません。結果的に、事業計画を作成する経営側と現場と大幅な乖離が生まれてしまいます。

2. 過去の営業実績について原因が理解できていない

売上目標を設定する場合、過去の実績をもとに算出することが多いでしょう。成長を目指すうえで、もちろんこれは大切なことです。しかし実績の良し悪しに関わらず、その背景にある原因を理解できていないと、目標設定を誤ってしまいます。
例えば前年、非常に良い成績が残せたとしましょう。その背景に特需とも言うべき突発的なニーズ発生があった場合、この状況が翌年も続くとは限りません。しかし表面の売上数字のみで「昨年は10億円だったから」と売上目標を上乗せしてしまうと、そこには特需による売上が含まれているため、とても無理な目標設定になってしまう可能性があります。

逆に過去の売上が芳しくなかった場合も、それに合わせて低い目標設定にすれば良いわけではありません。原因を明確化し、その打開策があらかじめ立てられるのであれば、過去を上回る目標でも達成できる可能性はあるでしょう。目標を低くし過ぎると簡単に達成イメージが見えてしまい、かえって営業活動へのモチベーションが低下しかねません。

営業活動を適切に管理し、正しい目標設計を行ううえでは、SFA(営業支援システム)の活用が効果的です。

SFAとは? CRM・MAとの違いや導入時のポイントを解説

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売上目標の正しい考え方

通常、売上目標は、組織として必要な利益を基準に考えられているはずです。なぜなら、最悪の場合、これを見誤ると十分な利益が得られず、経営難に陥ってしまうかもしれないからです。つまり、いくら売上があがっても、利益率が大きく低下すれば意味がありません。逆に、利益率が高くなれば、売上そのものはさほど増えなくても経営上問題ありません。ですから売上目標は、単純に売上のみではなく利益を踏まえて検討する必要があります。

また、必要な利益がそのまま売上目標に設定されるケースは少なく、多くは必要な利益に期待値(前年比○○%等)を踏まえた利益が上乗せされた状態で現場に降りてくるケースがほとんどではないでしょうか。
このときに、気を付けなくてはいけないのが、その目標の実現性や難易度を誰よりも正確に判断できるのは、経営陣でも現場でもなく、営業マネージャー等の管理職であることです。したがって、トップダウンで降りてきた到底達成不可能な目標に対して、理路整然と現実的なプランを提示することや、低すぎる目標に対して、ストレッチな売上目標を再定義するのも、売上目標を決める上で非常に重要な仕事なのです。現場の意見を聞いて現実的な利益目標を設定しましょう。

売上目標を立てる際のプロセス

それでは具体的に、売上目標を設定するまでのプロセスを見ていきましょう。

1. 経営・事業計画を確認する

新規事業に取り組んだり、新しく人材を採用したり。企業は変化しながら事業に取り組みます。そのため、まずは目標設定する期間の経営・事業計画を確認しましょう。例えば新規事業に取り組む場合、立ち上げには資金や人材リソース、そして時間を要します。この事業で売上が生み出せるまでの間は、他事業でそれを補填する必要があるかもしれません。あるいは売上目標を抑え、新規事業に注力するのも1つの方法でしょう。こうした計画次第で、必要な利益は異なってきます。

2. 必要な利益を明確化する

経営・事業計画を踏まえながら、必ず達成しなければいけない利益を明確化しましょう。これを下回ってしまうと、経営状況が悪化し、最悪の場合は倒産などの危機を招きかねません。利益が明確化できたら、そのために必要な売上を算出します。最低限の売上目標が見えたら、ここに期待値を含めていきます。前年比で何%の成長率を遂げたいのか、あるいは希望として達成したい売上数値はあるのか。成長を考えるのであれば、やはり前年以上の売上を望むのは必然でしょう。

3. 過去のデータから売上予測を立てる

前期や昨年のデータと、現状見えている見込みを可能な限り精緻化し、詳細な売上予測を立てます。ここでの試算は売上目標とは異なり、現実的に達成が見えている「予測」ですので、先に立てた売上目標とのギャップが生じているはずです(もし仮に予測した時点で目標とのギャップがない、もしくはクリアしている場合は、目標が低すぎる可能性がある為、プロセスの1から改めることをお勧めします)。このギャップは、現在見えている案件や顧客でなく、まだ見ぬ潜在的な売上や利益によって埋める必要があります。このポテンシャル案件とも呼べる顧客をどう探すか、その為にどのようなアクションをするかが、売上目標の達成/未達成を左右すると言っても過言ではありません。

過去のデータを正しく把握するには、顧客にまつわる情報を分析・一元管理できるCRM(顧客関係管理)ツールの利用が有効です。

CRMとは?機能・メリットや選び方、活用のコツをわかりやすく解説

4. 期待値を踏まえて現実的な売上目標を決定し、現場を納得させる

このように、現状の予測と売上目標のギャップを認識したところで、最後に、必ず現場の声を聞くようにしてください。期待・希望ばかり追い過ぎると、とても達成できない無理な目標になりかねません。現実的に達成できる可能性はどの程度あるのか、部門全体の売上目標をチームや個人別に落とした際に達成できるイメージは持てるか、等は事前にすり合わせておくとよいでしょう。

このとき、目標達成までのプロセスをある程度イメージしておきましょう。そのためには売上目標に対し、必要となる受注件数や見積り数、案件数などを明確にします。その中で、目標とのギャップにおけるボトルネックはどのプロセスにあるのか、そのボトルネックを解決するには何をすべきなのか、どのように検証し、改善サイクルを回すのかなど、事前に考えられていれば理想的です。

正しい売上目標を設定するポイント

ツールの活用

売上目標を正しく設定するには、過去の実績情報を細かく分析し、実態に沿った数値を算出することが重要です。そのためには、CRM/SFAなどのツールが役立ちます。ツールを活用することで最終的な売上結果だけでなく、成約までのプロセスをデータとして見える化することができます。もちろん売上目標の達成に向け、改善すべき課題を明らかにして対策を講じることもできるでしょう。

CRM(顧客管理システム)のおすすめ10選!選び方や運用のポイントも解説

また、売上目標に対して明確な数値根拠を提示できれば、実際に営業活動を行うスタッフにとっても納得感があります。また、必要となる案件数や見積り数といった達成への筋道をあらかじめ予測することで「何をすべきか」が明確になり、モチベーションが高まるはずです。

CRM/SFAの導入を検討している方は、以下の記事も参考にしてください。多数のSFAツールのなかからおすすめの製品を厳選して紹介しています。

SFA(営業支援ツール)おすすめ比較12選!機能や違い・選定ポイントを解説

事例紹介

CRM/SFAツールを活用することで、あらかじめ立てた売上目標と現状の実績とを比較することができ、達成状況といった予算実績管理がリアルタイムに行えます。もし状況が芳しくなければ即座に課題点を分析し、改善策をアドバイスしたり、営業活動を軌道修正したりといった対応が可能です。結果、スムーズに売上目標達成のための活動が進められるでしょう。

例えば日立ソリューションズ東日本社ではCRM/SFAツールを導入することで、引き合いや受注状況、売上目標、そして実績などの情報をリアルタイムに可視化しています。以前は設計部門と営業部門との間では引き合い・提案の新規段階で情報共有の手段がなく、メールベースでのやり取りを行っていました。そのため、意思疎通に課題があり、ときにはこれが原因で失注となってしまうこともあったのです。そこでCRM/SFAツールを導入し、日報・報告はすべてタイムライン機能を用いて報告し、顧客訪問の結果を情報共有することにしました。この情報を見ることで、場合によりSEが同行するなど、目標達成に向けた最適なアドバイスが可能です。これによって営業活動の精度が向上したほか、常に情報が共有されているため無駄な会議の削減などにも繋がっています。

また、予算管理についても、以前はExcelで管理していました。さらに受注実績は別システムで管理されており、実績と予算の突合せがとても煩雑です。これをCRM/SFAツールの導入により、リアルタイムで挙がってくる情報を活用することで、予算実績管理が効率的かつ、負担が大きく軽減されています。

そのほかにもSFA/CRM導入事例を多数ご紹介しています。

おわりに

企業が成長を続けるうえで、目標設定は欠かせません。目標が明確であるからこそ、それに向けて具体的な営業戦略を立案し、実行できます。しかし目標が誤っていれば、かえってモチベーション低下に繋がるなどマイナスの結果を招いてしまうでしょう。そのため、日々の営業活動をしっかり管理し、その情報を基にして達成可能かつ企業成長に繋がる目標を定めることが重要です。その際、CRM/SFAツールを活用すれば、蓄積されたデータから正しい目標設定を導き出せるでしょう。さらに営業活動の状況が共有されることで、リアルタイムに予算実績管理を行うことができ、目標達成も効率的に目指せます。

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