
スケジュール管理の役割とは?営業における重要性と売上を伸ばす3つの方法
トップセールスと他の営業担当者の間には、訪問件数や売上に大きな差が出てきます。
両者の違いを産んでいる一因は、スケジュール管理という場合も少なくないでしょう。売れる営業はスケジュールを上手に管理してアポ数を増やすと共に、丁寧なフォローアップにも時間を割いているのです。
今回は売上アップにつながるスケジュールの立て方と管理法を紹介します。
スケジュール管理を行う理由とは?

まずは営業がスケジュール管理を行う理由から考えてみましょう。
大きく分けて、目標を達成する、業務エラーを削減する、という2つの理由が挙げられます。
目標を達成するため
スケジュール管理の最大の役割は、目標達成のための時間と行動をコントロールすること。
営業の契約件数は【訪問件数×成約率】で決まると言っても過言ではないでしょう。
成約率が算出できていれば、目標の契約数から逆算して1日の目標訪問件数を割り出せます。
この目標訪問件数を意識して日々のスケジュールを立てていけば、売上目標を達成しやすくなるのです。
業務エラーを削減するため
スケジュール管理の2つ目の役割は、情報のデータ化・共有化によるエラーの削減。
お客様に聞かれていた質問事項や、用意しておくべき資料などをうっかり忘れてしまった事はありませんか?
こうしたミスが起こると解決のために時間が取られる上、お客様からの信頼を失う結果にもなりかねません。
スケジュールを立てる際に重要な情報にリマインダーを付けたり、社内関係者と共有化しておけば人為的エラーを削減できます。
スケジュール管理を行う際のよくある課題
スケジュールの重要性を認識しつつつも、効率的に進められる企業は少数派。
多くの組織は、次のような課題を抱えています。
工数だけが増え成果に繋がらない
スケジュール管理を正しく行うには社内教育が必要。
現場の営業担当者に本来の目的を理解してもらい、その上でどのようにスケジュールを立てていくかを伝えねばなりません。
この部分を徹底できずにいると、現場の担当者は目標から逆算して日々のタスクを決めることをせず、ただマニュアルどおりに入力する気持でスケジュールを入力してしまいます。
その結果、スケジュール管理はただの工数増加となり成果につながっていきません。
管理しているはずなのに業務エラーが増える
間違った方法を使うと、スケジュール管理を行ってもエラーが増える結果につながります。
たとえば、紙の手帳を使っていたのでは検索もできない上、他のメンバーとの共有もできません。
こうした時間は見えないコストとして積みあがっていきます。
スケジュール管理には、組織の人数に合わせた最適な方法を選択する必要があります。
売れる営業スケジュールの立て方

課題点を挙げてきましたが、こういった問題はどう解決すればよいのか。
弊社がコンサルをしてきたお客様の事例を参考に、まずは成果の出るスケジュールの立て方を解説します。
タスクの優先度を決める
スケジュールを考える際、業務に優先順位を付けていきましょう。
すべてのタスクは「重要度」と「緊急度」の2つの軸を使って、次のように4つに分類できます。

ここで注目して頂きたい点は「重要ではないが緊急」と「重要だが緊急ではない」エリア。
重要ではないが緊急
このエリアへは、時間を使っても目標の達成にはつながらない作業を含めます。
急かされたり納期が決まっている作業はつい優先してしまいがちですが要注意。
効率化を達成するなら、このエリアへかける時間は出来る限り減らしていく必要があります。
重要だが緊急ではない
このエリアへは、納期がないものの目標の達成に直結する作業を含めます。
売れる営業は、ほぼ必ずここに多くの時間を割いています。
どういった作業がこのエリアに入るのか、まずは今のタスクを洗い出してみましょう。
納期がない仕事に納期を決める
優先度を決めたら、次に納期の設定です。
特に「重要だが緊急ではない」タスクにしっかりと期日を定め、日々のスケジュールを決めていきましょう。
こうして目標達成のために日々行うべき行動を明確にしていきます。
アポの時間は主体的に決める
アポの取り方も見直していきましょう。
目標達成につながるタスクに出来る限り時間を残すには、アポは効率的に取らねばなりません。
訪問日と場所は可能な限り集中させ、より多くの客先を訪問していけるようにしましょう。
効率的なアポ取りのコツは次のとおりです。
お客様に日時を聞かない
アポを取る際は、お客様に主導権を渡さないことが大事。
「いつがご都合よろしいでしょうか」と都合を聞いては、当然、こちらが望まない日時に予定が入っていってしまいます。
日時は二者択一で確認する
上手な営業担当者は、よく二者択一という手段を用います。
お客様に「火曜日と水曜日、どちらがご都合よろしいでしょうか?」と聞くことで、自分にとって都合の良い日時にアポを集中させていくのです。
二者択一は「会うことは確実」という前提に立った質問。
この聞き方によって、アポを取る確率まで上げられるでしょう。
スキマ時間を有効活用する
スケジュールを考える際、スキマ時間のタスクも決めておきましょう。
いかに上手にアポをいれても、次の訪問先に行くまでの間にスキマ時間は生じる物。
また見過ごされがちですが、訪問先に行くまでには移動にも時間が取られます。
予め作業を決めておき必要な道具を持ち歩いておけば、こういったスキマ時間も有効活用できます。
チームでスケジュールを管理する
目標を達成するためのスケジュールの立て方のポイントを解説しました。次にどのようにスケジュールを管理していくか、管理方法を紹介します。
共有化とデータの活用のしやすさで言えば業務システムが最も効率的といえますが、どの組織にも当てはまるわけではありません。
各方法のメリット・デメリットを明確にしていきます。
コスト | 操作性 | 共有化 | データ活用 | |
紙の手帳 | 〇 | ◎ | × | × |
エクセル | ◎ | 〇 | △ | △ |
カレンダーツール | ◎ | 〇 | ◎ | × |
業務システム | △ | △ | ◎ | ◎ |
紙の手帳
紙の手帳はデータを活用できず共有化も難しいので、グループや組織での運用には向きません。
単独行動に向いた方法といえるでしょう。
メリット
- 印象的な手帳を使えば、お客様に覚えてもらえる
- 好きな箇所に書き込める等、自由度が高い
デメリット
- データとして活用できない
- 紛失の可能性がある
エクセル
エクセルを使っている企業はまだ意外と多いです。
使い慣れたツールはたしかに便利ですが、エクセルを使ったデータ活用は限定的。
1つのファイルを複数人で同時に編集できないため、3人ぐらいの組織でなければ効率が悪いでしょう。
メリット
- これまでエクセルを使っていたら使い方に慣れている
- 既にインストールされている場合、追加コストは不要
デメリット
- 外部データとの連携がしにくい
- 同時に編集ができない
- パソコンでの確認が必要となり、外出先で気軽に操作しにくい
カレンダーツール
Googleなどのカレンダーツールを使ったスケジュール管理も可能です。
予定の共有化もしやすいものの、あまり込み入ったことはできません。
メリット
- スマホでもチェック可能
- 予定の共有化がしやすく、またプライベートなスケジュールと一元管理可能
- 無料アプリを選べばコスト不要
デメリット
- 外部データとの連携がしにくい
- 解析など込み入った操作は不可能
業務システム
業務管理システムはスケジュールを管理するだけでなく、入力したデータを用いて様々な解析が可能。
ただ導入に際しての手間・コストがネックといえるでしょう。
メリット
- スマホやエクセルなど外部ツールと連携可能
- データを活用した活用が可能
デメリット
- 操作を覚える必要がある
- 導入コストがかかる
業務管理システムによるデータ活用法

スケジュール管理は、3人以上のグループなら業務管理ツールが最適といえるでしょう。
強みは連携のしやすさとデータを活用しやすい点。
スケジュール管理にどのようにデータを活用できるか、2つの機能を紹介します。
KPI設定を使った目標達成の見える化
KPIとは「Key Performance Indicator」 の略語で、目標達成のための度合いを計測・評価するための指標。
たとえば日々の訪問件数やフォローアップの頻度などをKPIに設定できます。
KPIをスケジュール管理に組み入れる事で、日々の行動が目標につながっているかが明確になります。
顧客満足度の数値化
顧客満足度を測る指標は組織によって異なりますが、アンケートの結果などが使えます。
業務システムを使えば、スケジュール管理にこうした顧客情報を組み込むことも可能。
最新の顧客情報がチェックできれば、各営業担当者が最適な提案を行うことにつなげられるでしょう。
別の記事で業務管理システムで行えるデータ共有化・効率化をまとめているので、ぜひ参考にしてください。
セミナーの参加
弊社では営業の組織改善・業務効率化に特化した無料セミナーを開催しております。
データ分析/活用など多くのノウハウを提供していますので、気づきを得たい方、営業の業務効率化、売り上げ改善などにご興味がある方はぜひご参加くださいませ。
まとめ
売れる営業のスケジュールの立て方は次のとおり。
- タスクの優先度を決める
- 納期がない仕事に納期を決める
- アポの時間は主体的に決める
- スキマ時間を有効活用する
目標達成につながるようにスケジュールを立て、組織に合ったツールで効率良く管理していきましょう。