営業ラボ

営業力強化に役立つノウハウを公開
eセールスマネージャー 営業ラボ・ブログ 「働き方改革」とは?導入すべき背景やメリット、企業の導入事例まで徹底解説
「働き方改革」とは?導入すべき背景やメリット、企業の導入事例まで徹底解説

「働き方改革」とは?導入すべき背景やメリット、企業の導入事例まで徹底解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

昨今、国を挙げて企業の意識改革の一環として取り組みを推奨しているのが「働き方改革」ですが、そもそも何をすべきか、何を目標として取り組めばよいか理解していない方も多いのではないでしょうか?

この制度は、単に労働時間を削減するといった働き方の是正を目的とするものではなく、その他にも、労働の多様性や生産性を高め、企業経営の効率的な在り方を見直すための制度なのです。

今回の記事では、働き方改革の概要や施策の解説をはじめ、導入するメリットや各企業の成功事例をあわせて紹介していきますので、経営戦略の改善や企業文化の醸成を図りたい経営層の方はぜひ参考にしてみてください。

いまさら聞けない働き方改革の全容とは

働き方改革の効果を最大限高めるためには、改革の概要をはじめ、なぜ取り組まなければならないのかといった社会的背景をしっかり理解する必要があります。

そこで以下では、働き方改革の詳細と求められる背景について説明します。

働き方改革とは?

 働き方改革とは、「働き方改革関連法」の一部として2019年4月1日より施行された法案です。

基本方針としては、

  • 長時間労働の是正
  • 雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保
  • 多様で柔軟な働き方の実現

を柱に位置付け、労働者の事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現させることを目的とした改革になります。

働き方改革が求められる6つの背景

政府主導で「働き方改革」や「一億総活躍社会」を推進する背景には、日本特有の慣習や社会構造の変化が関係しています。

以下では、国内において喫緊の課題として挙げられる要因について解説します。

1:少子高齢化による労働人口の減少

現在の日本では、急速な高齢化と少子化が同時に進行しています。

図1-1-2 恒例会の推移と将来推計
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2018/html/zenbun/s1_1_1.html

特に現在及び将来の経済活動を担う労働力となる「生産人口年齢(15〜64歳)」が、想定以上のペースで減少傾向にあります。

日本の将来推計人口(国立社会保障・人口問題研究所/平成29年4月推計)によると、2019年6884万人(全体の55%)いる20〜64歳の人口は、2065年には4189万人(48%)まで減少すると言われています。この間高齢化率は29%から38%に拡大すると言われており、国力の低下及び、国の経済を支える基盤となる労働力不足が懸念されており、改革に乗り出したという背景があります。

2:長時間労働の是正

現在日本の労働時間は、世界と比較しても深刻な状態にあります。日本では、長時間労働が常態化しており、規定を超えた労働時間や残業の横行、過度なケースでは、労災請求や過労死といった人体にダメージを与えるほどの事例も見られてます。

日本では、長時間労働を美徳とする文化や慣習もあり、残業や休日出社せざるを得ないといった会社もいまだに多く、改善の余地が多く残されています。

3:労働生産性の低さ

日本の労働生産性が低い点も、改革を推進する背景の一つに挙げられます。

「労働生産性」とは、労働者がどれだけ効率的に成果を生み出しているかを、労働力当たりの産出量で数値化した指標です。

労働生産性のグラフ
https://www.jpc-net.jp/intl_comparison/intl_comparison_2018_press.pdf

「真面目」や「勤勉」と言った優等生なイメージを持たれることが多い日本人ですが、2019年の日本の労働生産性はOECD加盟国36カ国中21位、主要先進国(7カ国)と比較しても、データが取得可能な1970年以降、最下位の状況が続いているのです。

4:非正規雇用の処遇差の改善

日本の非正規社員の待遇は、正社員の時給換算賃金の約6割程度にとどまると言われています。欧州の8割程度と比較すると、低い水準にあることがお分かり頂けるかと思います。

そこで政府では待遇改善に向けて、「同一労働同一賃金」の法制度とガイドラインを設置して、正規か非正規かという雇用形態にかかわらず、均等・均衡待遇を確保する指針を策定しました。

しかし現在でも、多くの企業では、同じ仕事をしても、雇用形態の違いのみで待遇に格差が設けられるケースが横行しています。

5:男女間雇用の処遇差の改善

また少し視点を変えて処遇の格差の問題を見ていくと、男女間の格差も是正しなければなりません。

2019 ジェンダー・ギャップ指数 121 位
https://www.joicfp.or.jp/jpn/wp-content/uploads/2019/12/GGGI2019japan.pdf 
より日本の数値

グローバル・ジェンダー・ギャップ指数とは、政治、経済、教育、健康の4ジャンル及び総合で、各国の男女格差を比較する指数です。

世界経済フォーラム(WEF)が毎年12月に発表する「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」*では、主要先進国のなかでいつも最下位に位置し、2019年版では153カ国のうち121位と男女格差がひらいていることが把握できます。

また日本は正規及び非正規雇用の処遇格差だけでなく、男女の賃金格差も根強く残りOECD加盟国の中で3番目に大きいことがわかっています。

このため現在の社会構造で、育児や介護の負担を抱える女性や高齢者には限界があり、結果的に非正規雇用を選択せざるを得ない形となり、総じて生産性が低下するという悪循環が成立します。

6:柔軟な働き方の実現

日本の労働環境においては、企業に就業することや、平日の午前9時から午後5時(または6時)まで働くことは、馴染みのある働き方ですよね。

しかし、このような働き方は労働人口の減少が叫ばれている日本では旧態依然の考え方で、このような働き方を推奨していては、労働市場の硬直化を招き、柔軟かつ多様性のある働き方とはかけ離れ、いずれ組織や企業を保てなくってしまいます。

今後は、どのような事情や環境であっても、様々な働き方を推進することで、多様な人材の活用や確保がスムーズに行えるようになるでしょう。

働き方改革の具体的な取り組み施策4つ

一口に働き方改革と言っても具体的な取り組み方は各社さまざまです。以下では働き方改革を進めるための施策について紹介します。

1:テレワーク

労働生産性を高める施策の一つとして推奨されている働き方が、ICT技術(情報通信技術)を駆使して、場所や時間にとらわれることなく作業できる「テレワーク」(在宅勤務・モバイルワーク・サテライトオフィスの形態の総称)です。

従来は、仕事をするとなると会社に出社して、就業しなければいけませんでした。

しかし、今ではICT技術や各種ツールを活用することで、勤務するオフィスから離れた場所でも、就業している場合と比較して遜色ない成果を出すことも容易となりました。

これにより、育児や介護を担う従業員でも、継続的に業務に従事することが可能です。

2:育児休暇

 既に多く企業で導入が進む育児休暇ですが、従来の取り組みは、主に女性にフォーカスした育児休業制度が一般的とされてきました。

しかし近年では、女性の社会進出が増えたことに伴い、共働き世帯の増加、育児を女性だけに任せるのではなく、男性にも取得を促し、家族一体となって子育てを行っていくことが重要視されています。

そこで働き方改革の中では、男性の育児休暇の取得に注力しています。

この制度によって、子育ての負担を夫婦でシェアするだけでなく、女性が抱えるキャリアに対する不安の解消などのメリットを得ることができ、同時に従業員の満足度アップや、多様な働き方を受け入れる風土が醸成されるなどの付加価値を作り出すことが期待できます。

3:短時間勤務制度

短時間勤務制度とは、1日の労働時間を短縮して勤務することを指しており、主に育児や介護に携わる社員の負担軽減を目的とした制度になります。

この制度を活用することで、従業員は業務負担を軽減しつつ、育児や介護に携わることができますし、時間当たりの基本給及び賞与・退職金等の算定方法等が同種のフルタイム正社員と同等なため、取得を推進させると同時に、諸事情を抱えた従業員の働き方をフレキシブルにすることが可能です。

4:フレックスタイム

フレックスタイム制度とは、従業員が日々の始業・終業時刻を自身の裁量で決定して働く事ができる制度を指しており、効率的な時間配分によって、残業の軽減や、優秀な人材の採用・定着の向上に繋げる効果が期待されています。

働き方改革関連法 新フレックスタイム制とは? 導入ポイントとツールについて

フレックスタイム制の体制構築に必要なものとは? 実践する働き方改革

働き方改革を導入するメリット3つ

働き方改革を導入するメリット

働き方改革の目的や内容を把握した上で、組織の課題に沿った施策を導入することで、以下のようなメリットを享受することができます。

1:優秀な人材の確保及び人材定着率の向上

働き方改革に則した施策を導入することは、企業の経営資源の一つである人材の確保及び定着率の向上といったメリットをもたらします。

国内の労働市場は、今後少子高齢化に伴い、急速に人手不足(労働生産人口)が深刻化する恐れがあります。その際、より優秀な人材を確保・定着させるためには、金銭的なインセンティブだけにフォーカスするのではなく、従業員一人ひとりのワークライフバランスの実現に向けた社内環境の整備や働き方改革の推進が求められます。

柔軟かつ多様性ある働き方が可能な企業には、優秀な人材が集まりやすく、その優秀な人材を定着させることができるため、従業員だけでなく企業側にもメリットがあります。

2:労働生産性の向上

働き方改革の推進・実現を目指すことは、長時間労働の是正や業務の効率化(工程の見直し)にも着手することになります。

そのため、結果として社員の働く意識や集中力が高まり、これまで非効率だった業務の効率化・簡略化が促され、労働生産性の向上に寄与します。

3:企業のブランドイメージアップ

これまで働き方改革の概要及び背景を紹介してきましたが、どれも労働市場の硬直化や従来の旧態依然の産物でしかありません。

そのため、これらのイメージを打破するべく、積極的に働き方改革を推奨する企業のイメージは必然的に高まり、企業のブランド力アップにつながります。

ブランド力の向上は、優秀な人材の確保や定着、売上の拡大、組織力の向上にも寄与するため、働き方改革の施策を取り入れるメリットは大いにあります。

働き方改革を推進する企業の成功事例

ここからは働き方改革を積極的に推進する企業の事例を紹介します。

以下の企業では、先ほど紹介した施策をそのまま活用するのではなく、組織内の課題や働き方を分析して、組織にコミットした施策を導入していますので、自社に導入を検討する場合の参考にしてみてください。

伊藤忠商事の事例

総合商社の伊藤忠商事では以下のような施策を組織内に導入しています。

・フレックスタイム制度を応用した「朝方勤務」の導入

午後8〜10時までの勤務は「原則禁止」、午後10時〜翌日午前5時までの勤務は「禁止」として、一方で午前5時〜午前9時は深夜勤務と同じ割増手当がつき、かつ午前8時までに出社した社員には軽食も無料提供する制度を導入。

結果的には、この8時以降に残業する社員は5%程度、残業時間は導入前に比べ約10%強の削減に成功したそうです。

・1次会のみ10時までを徹底する「110運動」

・毎週水・金曜日はカジュアルな服装を推奨する「脱スーツデー」

新鮮で柔軟な発想力、流行やニーズに対する感度を高める施策として導入したとのことです。

カルビーの事例

大手菓子メーカーのカルビーでは以下のような取り組みを導入しています。

・ライフワークバランスの推奨

「ライフの方が大切」との考え方から生まれた施策で、この考え方を軸に従業員の意識改革を目指した啓蒙活動及びサポート制度を設けるなどの取り組みを実施しているとのこと。

  • 在宅勤務制度
  • モバイルワーク
  • フレックスタイム制
  • 早帰りデーなど

・C &A(Commitment&Accountability)=約束と結果責任

結果重視の制度で、目標管理をベースとした評価体制で、各社員が数値指標に基づく目標を設定して、達成結果に応じてインセンティブを支払うシステムです。

・営業職の直行直帰推進

通勤時間を営業時間に転換させることで、移動時間のロス及びストレスの軽減、自発的な営業活動の推進を図りました。

結果会社としての利益率は5年で10倍になったとのこと。大きな成果を残した成功事例です。

イケアジャパンの事例

世界最大の家具小売店であるイケア・ジャパンでは、以下のような取り組みを行っています。

・従業員の99%を正社員として雇用

IKEAには従来、社員同士がフラットな文化が根付いており、2014年9月の人事制度改革で、雇用形態によって給与体系が異なっていた部分を同じ待遇へ転換。

また半年ごとに契約更新していた契約社員も無期雇用に転換し、誰でも65歳まで働けるようにしました。

・同一労働同一賃金の導入(2014年)

同じ職務であれば全社員に同じ水準の仕事内容及び時給換算した賃金が支給される制度を設置。

2015年には、「スマート社員」設置し、勤務時間または業務範囲のどちらかを限定できる無期雇用の正社員制度も導入。

大きく働き方の方針を変えました。

働き方改革における課題と問題点

ここまで働き方改革を導入するメリットや企業ごとの事例を見ていると、企業及び働く社員に対して恩恵しかないように思えますが、改革を推進することで生まれる課題や問題点も見えてきます。

以下では、働き方改革の導入に際して、経営や現場レベルで見えていた課題・問題点について解説します。

安定的な経営及び業務の遂行

企業にとって最大の課題及び問題点に挙げられるのが、現在の経営または業務の遂行に支障をきたすことが挙げられます。従業員の労働時間に依存していた企業も多いのが事実です。

働き方改革で改善すべき点は、「長時間労働の是正」や「待遇の見直し」などが該当しますが、はじめからこの大枠の問題に着手しても、自社内の課題を的確に分析できなければ失敗してしまう恐れがあります。

また単に働き方の多様性を促すだけでは、制度が形骸化してしまい、日常の業務にも影響を及ぼす可能性があります。

従業員への業務負担の増加

働き方改革と聞くと、経営層やマネジメントを担う方々は「残業の削減」や「労働時間の短縮」、「業務の効率化」などに焦点をあてることが見受けられます。

しかしその要因を解き明かすのは容易ではありません。

生産性や労働の質、それらの要因を引き起こす根本的な原因を分析しなければ、いくら聞こえのいい目標を掲げても、働き方改革は愚か、従業員の業務負担が増える一方になります。

従業員の収入減少

時間外労働に上限規制(原則月45時間/年360時間)が設けられたことで、これまで残業ありきだった構造から、様々な対策を講じる必要性が出てきました。

しかし、ただ規制通りに従業員の就業時間や残業時間を削減してしまうと、総収入が減ることから、金銭的余裕がなくなり、多くの従業員の労働意欲の減退につながる可能性があります。

課題解決の為の施策ノウハウ

営業ラボでは働き方改革にスポットをあて様々な解決策を取りまとめています。ご参考にしてください。

課題分解と実施における留意点について

【徹底解説】働き方改革の問題点とは?課題の可視化と解決のポイント

残業削減について

残業ゼロが企業に及ぼす変化!減らさないといけない理由まとめ

【働き方改革】営業部門の残業削減 “負の循環”の解決策

生産性向上とITの活用について

会社における情報共有方法の目的と目指すべき姿 〜体制構築の落とし穴と改善ポイント〜

ITツール導入で業務効率化出来ない理由と原因 “働き方改革”成功のためのポイント

組織体制の構築について

働き方改革関連法 新フレックスタイム制とは? 導入ポイントとツールについて

セミナーの参加

弊社では営業の組織改善・業務効率化に特化した無料セミナーを開催しております。

気づきを得たい方、営業の業務効率化、売り上げ改善などにご興味がある方はぜひご参加くださいませ。

働き方改革の目的を理解した制度設計を目指すことが不可欠

働き方改革は単に時間短縮や多様な働き方を推進する制度ではなく、各施策ごとの詳細や改革するのメリット、企業の導入事例を参考に自社にあった取り組みを行うことが不可欠です。

会社の現状や課題・問題点を分析せず、業務の時間短縮だけにフォーカスすると改革の形骸化につながるおそれがあるため、しっかりとした制度設計を基盤とする推進を目指しましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ソフトブレーンのセミナーなら

ソフトブレーン セミナー

ソフトブレーンは営業支援システムのeセールスマネージャー導入を中心に営業担当者の教育・トレーニング、導入・活用コンサルを通し、これまで7,000社以上の企業の営業課題解決をサポート。

セミナーではテレワークの導入、営業の売上増や残業時間削減といったニーズに対し成果の出るノウハウをご紹介。

貴社の業界・業種での営業改革成功事例をご紹介します。

Category

Ranking

書籍無料プレゼント中

ホワイトペーパー無料配布中

テレワーク特集はこちら!

ページトップへ