
営業におけるマネジメントは何をすればいい? 概要から重要ポイント、具体的事例まで徹底解説!
現在多くの企業で実施されている営業に対してのマネジメントですが、単に組織をまとめ上げるだけでなく、どのようにすれば目標達成や売上アップを見込めるのでしょうか。
今回の記事では、マネジメントの概要やメリットだけでなく、成功事例の紹介や失敗してしまう原因を含めて徹底解説しますので、組織やチームの売上や目標を達成したい方はぜひ参考にしてみてください。
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マネジメントとは?概要とメリット

まずはじめにマネジメントが意味する内容について見ていきましょう。
組織に成果をもたらす不可欠なツール
マネジメント(Management)とは、直訳すると「経営」や「管理」と言った意味を持ちます。
現在ではビジネス用語として用いられることが多く、設定した成果や目標に対して、自身の管理する組織やチームの能力を最大限引き出したり、リソースの最適化を図ることで、目標を管理・達成していくことを指します。
タスク管理ツールを導入し活用することで、案件進捗やチームのリソースなどマネジメントに必要な情報をリアルタイムに把握することが出来ます。タスクの抜け漏れ防止はもちろんのこと、的確なタイミングでマネジメントを行うことにも有用です。
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マネジメントを提唱したピーター・F・ドラッカー
マネジメントの全容を知る上で欠かせないのが「ピーター・F(ファーディナンド)・ドラッカー」の存在です。
ピーター・F・ドラッカー(以下、ドラッカー)とは、著名な経済学者であり、マネジメントの概念を確立させた「マネジメントの父」と呼ばれる一方で、世界的経営者や著述家から師と仰がれる、さまざまな分野において理論や考え方を提唱した人物になります。
日本では2009年に刊行され、累計270万部超の大ヒットを記録した「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら」(ダイヤモンド社/略「もしドラ」)の影響もあり、その存在を記憶されている方も多いのではないでしょうか。
ドラッカーの著書「マネジメント【エッセンシャル版】基本と原則」の中には、マネジメントの定義を「組織に成果をあげさせるための道具、機能、機関」との記述があります。
この記述からも推測できるように、マネジメントをする者は、組織やチームが成果をあげるために不可欠な仕組みやツールを管理及び理解し、成果をあげられるよる働きかける必要があり、それに対して責任を持つことが重要だと言えます。つまりは成果に焦点を当てない限りはマネジメントとしての意味がないのです。
マネジメントを導入するメリットとは
組織にマネジメントを導入・浸透させるメリットは以下の通りです。
組織の成果を最大化することが可能
組織に属するメンバーが、果たすべき役割やミッションを把握・共有することで、成果を最大化することができます。組織として進むビジョンや方向性が不透明のままだと、目標に対するアプローチが不明瞭になったり、チームビルディングすることができず、かえって目標達成を遠ざけてしまいます。
常に目標に応じた組織運営を心がけることで、社員同士が適切な関係性を構築できたり、業務遂行スピードが促進され、目標とする成果に対して最大限の結果を生み出すことにつながっていくのです。
社員一人ひとりを活かし、モチベーションを保つ
マネジメントは、働き方改革や多様性を尊重する昨今において、社員一人ひとりのスキルや能力を最大限発揮することにも効果を発揮します。
少子高齢化に伴う労働人口の減少や、働き方改革によるさまざまな働き方の推奨により、価値観や多様性はますます変化しています。その中で、個々人の存在を確立させるためには、社員や部下に対して自己実現できる場を提供したり、有能性を示すことが重要になります。
結果として社員のモチベーションを高めることや、主体性が身につくことに繋がり、チームの成果を最大化することに結びつけることができます。
自身のスキルアップ
マネジメントを導入することで、管理者側の作業負担が軽減され、自身のスキルアップや、よりコアな業務へフォーカスすることができます。従来の管理体制では、不必要な実務に時間を割いたり、部下や関係者との調整等に大半を費やしてしまい、自身の能力を最大限発揮することができず、モチベーションの低下が起きてしまいます。
しかし、適切にマネジメントを行うことで、企業の利益に直結した仕事をすることができ、管理者自身の評価や成果にも結びつけることができるため、チームだけでなく、自身のモチベーションを向上させることも可能です。
組織、個人、そして自身、様々な側面からのメリットがあることを覚えておきましょう。
マネジメントとリーダーシップの違い
ビジネスシーンでは、マネジメントの同義語として「リーダーシップ」というワードが用いられます。
両者とも「組織を管理し、目標を達成するためにチームの最適化を図る」と言った意味では同じ捉え方になりますが、役割やニュアンスとしては意味が異なります。
ここで定義するリーダーシップとは、「組織の目標や目的に対して、自発的に集団活動へ参加することで、チームのモチベーションを牽引・維持する能力」を指します。
そのため、管理する組織に対して権限や責任、枠組み作りなどの業務を有するマネジメントとは、役割におけるポイントや能力が異なるため、マネジメントを学ぶ上ではしっかりと区別して理解するようにしましょう。
なぜマネジメントが求められるのか?その背景と役割

続いて紹介するのは、マネジメントというスキルが求められる背景と役割についてです。
「なぜマネジメントが求められるのか?」
その背景を知ることで、マネジメントの活用方法だけでなく、より実務にフォーカスしたマネジメント施策を打つことができますので覚えておきましょう。
マネジメントが求められる背景
昨今のビジネスシーンでマネジメントが求められる背景には、以下のような現状があるとみられます。
働き手不足による人材確保と生産性の向上
マネジメントが求められる背景には、日本特有の少子高齢化に伴う働き手不足が要因として挙げられます。同時に、世界的な潮流としてグローバル化やイノベーション化が進展したことにより、競争が激化し、効率的かつ生産性のある経営・組織運営が求められるようになったことも理由の一つになります。
機能不全になる責任者の増加
今は市場の流れや技術革新が早く、意思判断を早急に合理的に実施する必要があります。これまで日本における企業/組織のマネジメントは、経営者層によるトップダウンや、組織の一部による集権的な機能よって補われてきました。その結果、マネジメントを行う管理職層が希薄化したり、機能不全になる責任者が増加したため、昨今自主性を重んじたマネジメントが注目を浴びています。
よって組織でマネジメントができるか、できないかによってパフォーマンスに大きく直結します。
マネジメントが担う役割
マネジメントが担う役割については以下の通りです。
組織が果たすべき役割を遂行するため
組織には従来果たすべき役割やミッションが存在します。
マネジメントはその断片を補う方法の一つであり、結果的にマネジメントを通じて、それぞれの組織特有の社会的機能を全うすることが求められます。
組織で働く部下の能力の最大化を図るため
マネジメントが担う役割の一つに、部下の能力を最大化し、働く人を活かすことがあります。
ドラッカーはマネジメントの役割において、「組織に関わる人が生産的に働くことによって、仕事を通じ自己実現できるようにすること」を説いています。
社会的使命に貢献するため
マネジメントの機能を正常に促すことで、最終的には社会的使命(責任)を果たすことも大切な役割の一環です。ドラッカーは組織として最大の責任は「社会を害さない」ことであると定義しています。
マネジメントの具体的な仕事内容

マネジメントを導入するには、マネジメントにおける仕事内容について把握しなければいけません。
具体的なマネジメントの仕事内容は以下の5点に集約することができます。それぞれブレイクダウンした参考記事へリンクを貼っておきます。ご参考にしてください。
マネジメントと一緒にPDCAを読むことでより深い理解が得られます。
こちらの記事も一緒に読むと効率的です。
目標管理
最適なマネジメントを行うためには、組織に対して適切な目標設定が必要になります。
その上でマネジメントを行う者は、組織やチームにビジョンや方向性を示し、目標を共有することで社員や部下のコミットメントを高めることが重要です。
ゴールは何かやKPIは何かなど目標設定を明確にすることで、組織内のリソースの最適化が図れるとともにマネジメントを正常に機能させることができます。
参考リンク
業務進捗の管理
設定した目標に対して、組織及び個々人がどのようにアジャストしているか、各業務過程を逆算・遂行しているかの進捗状況の管理をすることもマネジメントの一環です。
この点においては、ただ業務の進捗を管理するのではなく、チーム全体が同じ方向を向いて進むようなルールや仕組み作りや、個々人が相乗効果を発揮するような環境整備が不可欠になります。
参考リンク
予実の管理
業務での目標を設定したら進捗だけでなく数値も管理する必要があります。目標との乖離を観測、施策の修正を行いましょう。
参考リンク
チーム全体の管理
目標を達成するには、チームを構成する社員や部下一人ひとりの働きが重要な役目を持ちます。そのため、マネジメントを行う者は、部下の仕事内容や個性・持ち味を理解して、適材適所に配置することや、目標に向けての動機付けや指導、精神的なサポートを行うことも大切なマネジメント業務の一つになります。
参考
人材育成(メンタルヘルスも含む)
目標達成に向けて、適宜コミュニケーションを図り、定期的に評価・フィードバックを行うこともマネジメントの重要な仕事です。目標の進捗だけでなく、部下の育成や成長を促すこともマネジメントに求められる成果の一つになります。
部下のキャリアやビジョンを的確に捉え、日々モチベーションが高まる環境整備や、適宜サポートやフォローする体制を整えておきましょう。
参考
マネジメントを成功させる上で求められる能力
マネジメントの仕事内容について理解したところで、あわせておさえておきたいのがマネジメントする者に求められる能力です。
今回は、特に必要とされる能力を厳選してお伝えしていきます。
リーダーシップ(意思決定力)
マネジメントを行うには、戦略や課題に応じた目標設定や、ゴールに向けて組織を牽引する意思決定やリーダーシップが求められます。マネジメントの仕事は、経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)の管理や、部下に指導・評価を行うことだけではありません。
マネジメントを行う者は、企業や組織の理念やビジョンに対し、適切な目標の設定、達成に向けて強い意志を持ちメンバーに伝えていく能力も不可欠です。
近年この能力は、マネジメントを行うすべての階層に求められるものへと変化した一方、多くの組織内で不足している部分にもなるため、喫緊の課題として挙げられています。
コミュニケーション(コーチング)
マネジメントを成功に導く上で、不可欠な能力がコミュニケーション(コーチング)スキルです。
部下の能力を最大限引き出すためには、部下が働きやすい環境整備や雰囲気作りが求められます。その上で、コミュニケーションを通じ部下の特徴や能力を理解し、適宜アドバイスやフォローを行いコーチングすることも大切な能力の一環です。
トップダウンで命令や指示を出すのではなく、あくまでも部下の価値観や自主性を尊重した指導が求められるため、マネジメントする者はコミュニケーションスキル及びコーチング力を習得する必要があります。
分析力及び課題解決力
マネジメントを行うには、組織の課題や進捗状況、置かれている立場を的確に察知する洞察力や、課題に向けての解決力が必要不可欠です。近年のビジネスシーンでは「ロジカルシンキング」とも言い換えることができます。
ロジカルシンキングとは、直訳で「論理的に考察すること」を指します。
マネジメントを行う者は、経験値や感情、勘に頼って発言するのではなく、客観性や包含関係など物事を体系的に整理して、的確に判断して、自分の言葉でメンバーに伝えることが求められるのです。
マネジメントの成功事例

マネジメントの仕事内容や必要な能力について理解が深まったところで、ここからはマネジメントを導入したことで成果を挙げた企業の成功事例について見ていきましょう。
スターバックスコーヒージャパン株式会社
スターバックスでは、マネジメントの一環として社員全員が4ヶ月ごとに人事面談を受け、その中で従業員(パートナー)の自主性や内発的動機を引き出す仕組みを採用しています。
その結果、創業から大切にしているミッションやバリューが組織内に浸透し、従業員間での関係性の高さだけでなく、自主性に基づいた質の高い接客など、“成功循環モデル”と呼ばれる好サイクルが確立しているのです。
日産自動車株式会社
グローバル企業でもある日産自動車では、「タレントマネジメント」と題し、リーダーの育成及び適材適所への人員配置を適宜見直しながら、優秀な人材を発掘・育成していくシステムを導入しています。
単に育成に注力するのではなく、キャリアコーチや上司が設計した育成計画に基づきジョブローテーションを行なったり、各部署からビジネスリーダー候補を選抜し、承認されることでリーダーとしての育成計画が立案させるなど、人材にフォーカスした経営が行われています。
日本オラクル株式会社
日本オラクルでは年間200〜300名規模での中途採用を実施しており、中途入社の社員に向けて実力を発揮できるようエンゲージメントを高める施策を数多く実施しています。
具体的には、つながる事を意識した研修プログラムの提供、多方面(上司だけでなく、ナビゲーターやサクセスマネージャーなど)からのサポート、トークセッションなどのイベントの開催と多岐にわたります。
その結果、社員満足度の改善やエンゲージメント率の寄与に結びついています。
形骸化したマネジメントにならないために
組織に有効なマネジメントを行うためには、管理・責任を有する者がマネジメントについての仕事内容や目的を正しく理解することが求められます。
マネジメントという潮流にのるだけでは成果はあがらず、形骸化した仕事になりかねないため、求められる役割や能力をきちんと身につけて、機能するマネジメントを行いましょう。
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