業務効率化とは?生産性を高める方法やポイント、役立つツールを紹介
業務効率化には、根本的な業務フローの見直しが必要です。この記事では、業務効率化の基礎知識や生産性の向上につなげるポイント、おすすめのツール、事例などを紹介します。
業務効率化とは?
業務効率化とは、業務を遂行するうえで生じているムリ・ムダ・ムラをなくし、効率をアップさせることをいいます。
ムリ・ムダ・ムラの代表的な例には、次のようなものがあります。
- データの手入力が多い
- 同じ業務を複数の従業員が行っている
- 目的が不明な業務や会議がある
- 優秀な従業員ばかりに業務が集中する
- 担当者によってアウトプットの質が大きく変わる
非効率的な働き方が定着してしまうと、競争力の低下やビジネスチャンスの損失を招きかねません。自社の業務に上記の項目が当てはまる場合は、業務効率化を行いましょう。
業務効率化で得られるメリット
次に、企業が業務効率化を実施することで得られるメリットを具体的に紹介します。
無駄なコストが削減できる
労働生産性が向上することにより、残業代を会社全体でカットできるため、利益率が向上します。また、従業員の稼働時間が減ると、電気代や水道代といったコストの削減にもつながるでしょう。
例えば請求書発行などの事務作業を自動化してくれるツールを導入し、紙ベースの日報や請求書の作成を電子化することでコピー用紙やインク代などの大幅なコスト削減が可能です。
従業員のモチベーションがアップする
業務効率化により長時間労働が改善されると、従業員のワークライフバランスが向上し、モチベーションが上がります。その結果、人材の流出が減り、長期の雇用を継続しやすくなります。
さまざまなITツールに触れることが多くなった今、PCで大学のレポート提出に慣れた新卒の営業社員にとって、紙で営業レボートを書く手間を煩わしく感じている社員も一定数いるのではないでしょうか。今の世代の人々が働きやすい環境づくりの一環としても、業務効率化は効果的といえます。
業務フローを最適化できる
業務効率化には、これまでの仕事のプロセスを見直して、課題を洗い出す作業が欠かせません。たとえば、次のような課題が見つかる可能性があります。
- ファイルから過去の資料を探すのに時間がかかる
- 上司の「ハンコ待ち」で作業が進まない
- 担当者が休暇をとると顧客からの問い合わせに対応できない
プロセスの追加や入れ替えを行う過程で、既存のプロセスの問題点が明確になり、結果的に業務フローの最適化が実現できます。
業務効率化を実施する5つの手順
ここでは、業務効率化を実施する手順を5つのステップに分けて詳しく解説します。
1. 自社の課題を抽出する
自社の現状を正しく把握するために、まずは、自社の課題を各部署ごとに抽出しましょう。
課題を抽出する方法として最も実行しやすいのは、フレームワークの活用や実際に現場で働く従業員にヒアリングを行うことです。無料で使えるアンケートツールを活用して、幅広くヒアリングを行いながら、キーパーソンとは対面で面談を実施するとよいでしょう。
課題の整理に役立つ「パイプライン管理」
パイプライン管理は、業務フローごとにどのような課題があるかどうかを分析するためのフレームワークです。
たとえば、営業では「アポイント獲得〜受注」までの一連の業務フローがあり、失注の原因となった課題は各業務によって異なります。パイプライン管理はそうした部署内の課題を業務ごとに分けて明確化してくれます。
パイプライン管理で業務効率化を行う方法は、図解とともに詳しく解説した以下の記事をご参考ください。
参考:【図解】パイプライン管理とは?効果的な営業マネジメント方法について徹底解説
2. 施策を立てる
施策を企画する際は、「改善の8原則」を参考に検討しましょう。
- 廃止の原則:やめられることはないか?
- 削減の原則:回数・量・頻度を減らせないか?
- 容易化の原則:削れるプロセスはないか?
- 標準化の原則:マニュアルを整備してルール化できないか?
- 計画化の原則:前もって計画することで時間を短縮できないか?
- 同期化の原則:まとめられる作業はないか?
- 分業分担の原則:一部の従業員に業務が偏っていないか?
- 機械化の原則:機械で自動化できないか?
上から順番に見直すことで、効率的かつ効果が高い施策が立案できます。また、あとから施策の効果を測定できるよう、KPI(定量的指標)の設計もあわせて実施すると良いでしょう。
参考:KPIとは? 意味や管理・分析法、達成までのコツをビジネスのプロが解説
3. スケジュールを決める
施策が決まったら、それぞれの施策を実行するスケジュールを決めます。「いつまでに」「誰が」「どのように」実施するのかを明確にすることで、計画倒れを防止できます。
ここで重要なのが、複数立案した業務効率化のアイデアの中から、何を優先して実施するかを定めることです。業務効率化にはツールの導入や業務の内容改革、新たな部門の設置などさまざまな方法が考えられます。自社の課題と照らし合わせて、何から着手すべきかを戦略立てて業務効率化を実施するようにしましょう。
施策の優先順位を決定する効果的な方法として、「KSF」の設定があります。KSFの意味や設定方法について、詳しい解説は以下の記事をご覧ください。
参考:【図解あり】KSF(キーサクセスファクター)とは?KPI、KGIとの違いや具体例
4. 施策を実行する
スケジュールに沿って、業務効率化に必要な施策を実行します。
ここではいきなり実施するのではなく、まずはテスト期間を設け、比較的簡単に実施できる方法で業務効率化につながるかどうかを確認することが重要です。
たとえば、営業部の顧客管理業務を効率化する方法として「CRM(顧客管理)のツール導入」を実施する場合、以下の懸念事項が考えられます。
- ITスキルの不足から、ツールの活用がうまくできない
- CRMの運用で教育コストがかかり、業務が増える
- 顧客管理のデータ分析を行う体制がなく、分析業務が増える
業務効率化のために「CRM(顧客管理)のツール導入」を実施する場合、業務が増えてしまうリスクを図るためにもまずは無料のCRMツールを導入して様子を見るなどのテスト期間を設けましょう。
参考:営業効率化に役立つ顧客管理(CRM)アプリ10選|無料で使えるアプリも紹介
5. PDCAを回す
テスト期間を含め、施策の実施後は効果測定と改善を繰り返し行い、業務効率を最適化していきましょう。
業務効率化を実現するためには、継続的に「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」を行い、粘り強く取り組むことが必要です。前項では、「ツール導入で逆に業務が増えるリスクがある」と仮説を立て、PDCAを実施するテスト期間を設けることをおすすめしました。
本格的にCRMツールを決定して実施する際も、まずは計画を立てた後にPDCAを繰り返し行い、業務効率化を実現しましょう。具体的なPDCAの実施方法については以下の記事をご覧ください。
参考:PDCAとは?PDCAサイクルを回す意味やポイント、導入成功事例
業務効率化に役立つツール
業務効率化にツールを活用すると、根本的な改善が可能になります。ここでは、業務効率化に役立つツールを紹介します。
チャットツール
部署や社内の連携を強化することは、業務効率化の鍵となります。ビジネス用に開発されたチャットツールやファイル共有ツールの活用によって、次のような効果が期待できます。
- 複数の関係者に対してリアルタイムの情報を共有できる
- 外出先での作業やリモートワークにも対応できる
- スピーディーなやり取りが可能で履歴も残る
- メールにありがちな誤送信のリスクを低減できる
参考:WEB会議システムは状況に応じて比較・選択!最速での利用手順も紹介
タスク管理ツール
プロジェクトを管理する場合は、タスク管理ツールの利用がおすすめです。全体のスケジュールや各担当者の進捗を可視化することで、適切な管理が可能になります。
参考:タスク管理とは? 基本知識からより効率的な管理方法、ツールをご紹介
データベース構築ツール
社内に散らばる情報をクラウド上に保存し、一元管理することでデータベースが構築できます。必要な人が必要な情報へ瞬時にアクセスでき、ツールによっては外部システムとの連携も可能です。
ファイル共有ツール
ファイル共有ツールの活用で、その都度、メールを送る手間を省けます。クラウド上に保存されたファイルはオフィス外からもアクセスできるため、営業先や出張時にも素早く資料を参照できます。
オンライン会議ツール
ZOOMやSkypeなど、さまざまな種類があります。ツールによって、機能や料金、参加可能人数、セキュリティ対策などが異なるため、自社に合ったツールを選びましょう。
参考:WEB会議システムは状況に応じて比較・選択!最速での利用手順も紹介
クラウドメールツール
代表的なクラウドメールツールには、GmailやYahoo!メールがあります。外出先でもメールをチェックし、迅速に対応できることから、顧客満足度の向上も期待できます。
CRM/SFA
CRMとSFAは、いずれも情報の一元化を目的としたツールで、次のような違いがあります。
- CRM:顧客関係管理ツール
- SFA:営業支援ツール
CRMは、社内に存在する顧客の情報を一か所に集約し、営業・マーケティング・カスタマーサービスなど、顧客との接点を持つ部署で情報を共有することを目的としています。
SFAはCRMに似たツールですが、営業部門の業務効率化に特化しているのが大きな特徴です。案件や営業担当者別に進捗情報を管理できるため、マネジメントの効率化やメンバー同士の適切なフォローに役立ちます。
参考:業務効率化の定番ツール15選! 目的別に特徴や料金プランも含めて紹介
業務効率化の事例と成功のポイント
ここでは、5,500社の導入実績を持つCRM/SFAツール「eセールスマネージャーRemix Cloud」を活用した業務効率化の事例を元に、業務効率化を成功させるポイントを紹介します。
ひまわりネットワーク株式会社様
営業のムダや事務工数の大幅削減を実現
ひまわりネットワーク株式会社様は、営業活動の見直しや改善を図れば図るほど管理ツールが次々と増えていく、という課題に直面していたといいます。管理工数の削減・見直しを行うため、eセールスマネージャーRemix Cloudの導入を決めました。
導入前は、1人(1社)の顧客に対して社内のグループが別々に営業を行っていました。導入後は、社内の営業状況が一元管理できるようになり、ほかのグループとの複合提案が可能になっています。提案や営業にかける工数が削減でき、ひと月あたりの事務工数を60.5時間削減することに成功しました。
作業時間が減ったことで、顧客対応により多くの時間をあてられるようになり、すべての営業グループで年間の売上予算達成につながったことも大きな成果です。
ツールの活用は、業務効率化に欠かせません。しかし、ツールが増えると管理に手間がかかり、業務フローも煩雑になりがちです。複数のツールを比較検討したうえで、導入するツールは厳選しましょう。すでに社内で使用しているシステムと連携ができるかどうかも、確認しておくことが大切です。
株式会社ベネフィット・ワン様
タイムライン機能で営業進捗状況やノウハウ共有を実施
ベネフィット・ワン様の事業は多岐にわたり、複数の営業部署があることから、部署間連携を図りクロスセルを進めたいと考えていました。また、日々の営業活動の可視化や若手営業部員の育成といった課題もあったといいます。
導入後は、営業部員がスマートフォンを使って外出先からeセールスマネージャーにアクセスし、顧客との接触履歴や他部署のアプローチ状況を確認することができるようになりました。複数の営業部署によるバッティングが解消され、部署間が連携したクロスセリングが実現できています。
また、タイムライン機能によって、トップ営業のノウハウが若手営業部員に共有され、教育が飛躍的に進んだのも大きな成果です。トップセールス4人のうち3人が、入社1~2年目の若手営業部員という部署もあり、組織全体としても前年比360%の受注件数アップを達成しました。
参考:CRM/SFAを活用して業務効率化・残業削減を実現したその他事例はこちら
ツールを有効活用して業務効率化を実現しよう
本記事では、業務効率化を実現するための具体的な手順、効果的なフレームワークやツールなどを紹介しました。
企業の業務効率化には、適切な手順で計画的に実施することが重要です。特に、ツールの導入においては社内での運用や既存のデータの取り扱いなど、業務効率化の実施前に検討すべき事項は数多くあります。
営業の業務効率化でCRM/SFAを導入する場合、「eセールスマネージャーRemix Cloud」は各企業に寄り添い、ツールの導入だけでなく社内の運用体制の構築や業務効率化の実現まで長期的に支援しています。
営業の業務効率化にお悩みの場合は、ぜひ「eセールスマネージャーRemix Cloud」の導入をご検討ください。業務効率化の計画段階から伴走して支援させていただきます。