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KPI - Key Performance Indicator

KGI / KSF / KPI/の関係性を知ろう〜適切な指標設計方法からToDoに落とし込むまでの具体策〜

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「KPI」は、営業やマーケティングの現場で頻繁に登場する単語です。また同じシーンでは「KGI」「KSF」という単語もよく登場します。KPIとKGI、そしてKSFですが、それぞれを戦略的に設計し活用することで業務改革や目標達成に寄与します。今回はその3つのKWDについて、設定のポイントなどを具体的な事例を交えて説明していきます。

「KPI」と「KGI」とは?

「KPI」と「KGI」は、それぞれ適切に設定されてこそ、連携して効果を発揮します。まずは「KPI」と「KGI」のそれぞれの関係性を正しく理解していきましょう。

KPIとは

ご存知の方も多いと思いますが、KPIとは、Key Performance Indicatorの略で、重要業績評価指標と訳されます。目標達成のための各プロセスにおいて、その達成度合いを計測・評価するための中間指標のことをいいます。

業種や部門によってKPIは違ってきますが、営業の現場における具体的なKPI指標としては、見積書提出件数やデモ実施数、決裁者面談数などが挙げられます。マーケティング部門の場合は、資料請求数、問い合わせフォームへのアクセス数、SEO施策による訪問者数などがKPI指標となります。目標達成に必要なKPIを設定し、管理していくことで、取り組むべきことが明確になります。

KGIとは

KPIとセットで使われる「KGI」とは、Key Goal Indicatorの略で、重要目標達成指標と訳されます。部門全体、もしくは企業全体の戦略的な目標設定のことをいいます。具体的なKGIの指標としては、売上高や営業利益、売上総利益、市場シェアなどが挙げられます。

KGIは最終目標の達成度合いを測るために設定されます。第三者が客観的に判断できるように、達成時期や具体的な数値などの定量的な判断基準を含む必要があります。たとえば、「2020年度の売上げ目標を前年比50%向上させる」という形でKGIを設定します。

KPIとKGIの関係性

KPIとKGIは営業戦略を推進する上で根幹となる指標です。その関係性を見ていきましょう。

KGIを達成するための指標がKPI

「2020年度の売上目標を前年比50%向上させる」という目標を設定した場合、それを達成するために「新規営業先を○件増やす」という具体的な項目を設定することで、より具体的に目標達成に近づくことができます。

この場合、「2020年度の売上目標を前年比50%向上させる」という目標がKGIで、具体的な「新規営業先を○件増やす」という指標がKPIになります。

KPIは実現可能な数値で設定し、その達成率を管理していくことを「KPI管理」と呼びます。もしKPIの数値が上回ったら、このまま予定通り目標達成ができると判断し、下回る場合には改善策が必要だと判断するなど、KPIの達成率が業務改善や目標達成のための評価基準となります。例ではわかりやすくシンプルな形で説明しましたが、実際の運用はもっと複雑で、複数の指標をKPIとして設定していきます。

もしKPIを設定しないとどうなるのか

具体的な指標がないため進捗把握が難しく、どのくらい目標達成に向かって進めているのか結果が出るまでわかりません。

KPIの達成率を管理していくことで、進捗把握ができ、目標(KGI)達成までの問題点や改善点が明確になります。また、チーム全体で問題を共有することで方向性が定まり、PDCAサイクルが加速して目標達成率が向上していきます。

忘れてはいけないKSF、KPI/KGIの関係性

そしてその中、忘れてはいけない概念のKSFがあります。KGIとKPIをつなぐ重要な役割を担います。KSFとは何か、目標達成のためにどのように働くのかを見ていきましょう。

KSFとは

KSFとはKey Success Factorの略で、カギとなる成功因子と訳されます。これまで説明してきたKGI・KPIと下記のように密接に関係しています。

KGI(重要目標達成指標:最終的な目標数値)

KSF(目標を達成するための要因)

KPI(達成するために重要な業績評価の指標)

成功要因(KSF)は何かを導き出す

KPIを設定するためには、KGIを明確にする必要があります。そして、その目標(KGI)を達成するためには、KGIから直接KPIを設定するよりも、KGIからKSFを導き出しそれに基づいたKPI指標を設定することで、KGI達成のためにより具体的で実現可能なKPIを定めることができるのです。

KSFを導き出すには、Competitor(競合他社)、Company(自社)、Customer(顧客・市場)の3点から分析する「3C分析」や、Strength(自社の強み)、Weakness(自社の弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4点から分析する「SWOT分析」が有効とされています。

そこからKPIを掘り下げる

成功要素必要(KSF)より、どのようなプロセスがどこが重要なのかを整理し、具体的な数値(KPI)を設定し行動に移していきます。ここの設計次第では、実施策まで落ちた際のToDoの内容自体が全く違ってきます。

KGI/KSF/KPIを設定する流れとポイント

上記をまとめ、ここからはKGI/KSF/KPIを設定する際のコツや設定方法、設定におけるポイントを紹介していきます。

1.どんな目標を達成したいのかKGIを明確にする

最終的な目標であるKGIは、具体的に判定できる目標を設定しましょう。KGIは、達成可能な目標であることが重要です。

到底不可能な目標を設定しては、具体的な施策も効果的に働かず、社員のモチベーションも上がりません。たとえば、「受注件数を増やす」といった曖昧な設定ではなく、「1カ月間の受注件数を10件にする」といった具体的な数値で成果を計測できる状態でないといけません。

2.目標達成のための業務プロセスを整理する

営業プロセスと営業プロセス毎のKPI

KGIを設定したら、次にやることはそのために必要なプロセスを整理することです。

例えば、ある法人営業向けIT会社の新規開拓営業部門の例では上記のよう「1カ月間の受注件数を10件にする」というKGIを達成するために、営業プロセスを整理したところ、「見込み客リスト作成」→「初回訪問」→「案件化」→「提案」→「受注」まで、5つのプロセスに分解できました。

3.成功のために重要な要素(KSF)の仮説を作り、絞り込む

KGI達成のためのプロセスが整理されたら、自社の強みや弱みを顧客視点や競合目線に立ち考えてみましょう。いくつかに重要となる、もしくは関連、派生する課題があるはずです。

その中で何がキーとなる成功要因(KSF)となのかの仮説を作りましょう。KSFを作ることにより、フローの中で注力すべき定性要因もここで見えてくる可能性があります。

4.プロセスの中で重要なポイントのKPIを決める

そして、そのプロセスの中で重要ポイントの目標数値化をしていきましょう。

先の「1カ月間の受注件数を10件にする」例を続けると、月10件の受注のためには、提案を何件する必要があるのかということを考えます。過去のデータから提案から受注への前進率は50%だとわかったら、10件の受注のためには20件の提案が必要だということになります。すると「月20件の提案」というKPIが設定できます。

同じようにプロセス毎に、「月20件の提案」をするためには、案件化から提案までの前進率が50%であることから「月40件の案件化」、さらに初回訪問から案件化までの前進率が25%だから「月160件の初回訪問」、160件の初回訪問のためにリストアップからアポ取りの前進率が10%だから「見込み客リストを1600件」といった具体的な数値でKPIが設定できます。

KGI>KSF>KPIへ落とす際の注意点

KPIの指標設定には注意点があります。指標としてふさわしくないものをKPIに設定してしまうと、意味をなさないばかりかPDCAサイクルを邪魔して目標達成がより遠のいてしまう恐れも出てきます。適切なKPI指標とはどのようなものか、ポイントを押さえていきましょう。

KPIの”重要度”や”重み付け”に注意を

KPIを設定するにあたってやりがちな失敗が、KPIをたくさん設定しすぎてしまうということです。ここでKSFの重要性が出てきます。

設定された戦略目標やKPIがありすぎると、担当部門や現場の営業担当者のキャパシティを超えてしまい、今やるべきことの優先順位の判断がきません。施策は分散、従業員は疲弊、結果として実現につながりにくくなります。「実はやってみたけどこの行動は重要度が低かった」ので「結論やる必要がなかった」などということもよくある失敗例です。

KPIはプロセスをただ抜き出して全てに設定すればいいというものではなく、成功要因は何か、どれが成果に直結するプロセスかを、きちんと見極めてKPIを設定することも重要です。

参考

計測できる指標を(定性的なものは非推奨)

KPIは営業担当者の努力で動かすことができる指標であること、計測可能な指標であることが重要です。

たとえば、「営業利益」など営業担当者がどうにもできない指標はKPIを設定しても意味がありません。また数値として計測できない「満足度」や人によって評価が変わるようなKPIだと正しく指標の評価ができません。計測できない項目を設定したい場合には、計測可能な要素に分解して設定します。もし顧客満足をKPIに設定する場合は、アンケートの満足度記入欄の数値を設定する方法が考えられます。

報告が多くなりすぎ本来の目的を忘れてしまうのはNG

KGIとKPIの設定でよくある失敗が、KGIとKPIを設定することそのものが目的となっている、報告業務のみに終始してしまっている、もしくはKPI達成のための施策を考えていないなど、本来の活用がなされずKPIが設定されたままになってしまっている、というケースです。

KPIの本来の活用法は、与えられた数値を目標にするだけではありません。「やるべきことは何か」を、考えながら行動していくための指標です。定期的に数値の分析・評価を行い、達成できていたら新たなKPIを設定し、成果が出ていなかったらKSFを見直したりKPIの数値を見直したりしながら、繰り返し戦略を練りKGIへ前進します。KPIは、目標達成ができなかったときに課題を見つけ、戦略の軌道修正を図るための判断材料になるのです。

KPIは営業活動におけるPDCAサイクルのP(Plan:計画)です。D(Do:実行)、C(Check:評価)、A(Action:改善)を必ず行うことが重要です。効率的にそこからのPDCAサイクルを回したい場合は、以下の記事を参考にしてください。

PDCAサイクルとは? 効率的に回す方法 / ToDoにまで落とす具体例

PDCAを回す秘訣は仕組みと会議体にあり!~脱:報告会議からCAP会議へ~

上記はいずれもよくある失敗事例です。皆様の組織も同様の状況に陥らないように注意をしましょう。

適切なKPI設定のポイントは「SMART」にあり

KPIを設定するときには、

Specific(明確にわかるか)

Measurable(計測することができるか)

Achievable(実現可能か)

Relevant(KGIの達成に関係あるのか)

Time-bound(目標の期限)

が重要なポイントになります。これらのポイントの頭文字を並べた「SMARTの法則」を意識することがKPI設定のポイントです。

KPIは実現可能な数値目標でないと効果を発揮することができません。目標達成が到底できないような数値目標を設定しても、問題発見や改善策を打ち立てることが難しく、社員の士気も下がります。KPIは短期間で実現可能な目標数値を設定し、その達成・未達成毎に目標値の変動や戦略の見直しを繰り返し行いながらKGI達成につなげるためのものあることを重々意識しましょう。

適切なKGIとKPIを設定できた好例

KGIとKPIは適切に設定され、管理していけば業務改革や目標達成に寄与します。KGIから重要なKPIを絞り込んで設定した好例を紹介します。

カルビーの場合

例えば、スナック菓子大手メーカーのカルビーは、「鮮度悪化⇒おいしくない⇒売れない」という悪循環に陥っていることが明らかとなり、スナック菓子における重要なKSFはおいしさを左右する「鮮度」だと考えました。そこで「製造から45日を経過した商品の店頭比率」という定義でKPIを設定し、このKPIを管理職が週次で見られるような仕組みをつくりました。

ティップネスの場合

フィットネスクラブを全国に展開するティップネスでは、「会員数の伸び悩み」という課題に対して原因が顧客の離脱率にあると分析しました。そこで過去の会員データを分析したところ、離脱率と利用頻度の相関が深く、週3回利用してくれるかが分岐点だと導き出しました。また利用頻度のパターンは、入会から半年でほぼ固定化されることもわかりました。

つまり入会から半年までの間に週3回の頻度で利用する顧客が、離脱しない優良顧客であるわけですが、このタイプの顧客が全体のおよそ3分の1しかいなかったのです。そこで同社は「週3回利用してくれる顧客の離脱率」の改善に焦点を絞って活動することを決定できました。

双方参考:戦略実行段階における業績管理ツールの有効性について 海保英孝

KGI/KSF/KPIを適切に設定し目標に向かって前進しよう

目標を漠然と掲げただけでは達成までに時間がかかります。

効率的にPDCAサイクルを推進し目標を達成するためには、KGIを叶えるためのKSFを導き出し、それに必要なプロセスを整理して適切なKPIを設定することが重要です。実現可能なKGI、「SMART」を意識したKPI設定を行い、その数値の評価分析を繰り返し行って戦略を練り直していくことがKGI達成への近道です。

KPI管理が営業力向上に効果的な理由は、KPIを設定していく段階で自社の本質的な課題を見つけ出すことができるからです。そしてKPIを設定することで目標を明確にし、やるべきことも明確になります。また達成しながら目標へ向かって前進していくことは、社員の士気を高め、KGI達成のための有効な戦術となります。

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